高加速度対応可動磁石リニアモータ

新製品紹介
高加速度対応可動磁石リニアモータ
High-Acceleration Moving-Magnet Linear Motor
Acc-maxTM
部品実装機のように,可動部の高
磁性体( 低炭素鋼)のみとしたこと
固定子側は 3 相全面通電方式とし
速移動を追求する用途の場合,リニ
により,リニアモータの可動子質量
たため,可動コイル形と同一形式の
アモータの可動子の軽量化が求めら
を当社従来の有鉄心方式可動コイル
3 相リニアモータドライバーで直接
れている。可動子の軽量化が可能な
リニアモータの 40 % 以下に軽量化
駆動でき,リニアモータ部のみの置
コアレス方式は,高速だが最大推力
できた。
き換えも可能である。Acc-max TM
が小さい。一方,従来形有鉄心方式
電気的には,低インダクタンスコ
の最大推力は 1,000 N で,最小スト
は,可動部が重く,高速移動には向
イルの採用により,電流立ち上がり
ローク 80 mm から,90 mm ごとに
かなかった。
時間を当社従来比で 60 % 短縮する
シリーズ化し,最大 550 mm まで
とともに,有鉄心方式と同等以上の
対 応 し て い る( 表 1)
。 な お, 駆 動
ニアリングは,平均加速度 98 m/s(10
最大推力を実現した。これにより,
部のみの販売のほか,単軸ステージ
G)を発生する可動磁石リニアモー
最大推力と応答性のトレードオフを
としての受注にも対応している( 図
この問題に対し,NEOMAX エンジ
2
タ「Acc-max
TM
解消した小型高推力のリニアモータ
」を開発した( 図 1)
。
4)
。
を開発した( 図 2)
,( 図 3)。
本開発品は,可動子構成を磁石と強
Mover
(NEOMAX エンジニアリング株式会社)
10,000
Stator
Conventional cored movingcoil linear motor
TM
Acc-max -80
Thrust (N)
1,000
100 mm
100
TM
図 1 可動磁石リニアモータ Acc-max -80 の外観
TM
Fig. 1 Structure of moving-magnet linear motor Acc-max -80
1.2
Acc-maxTM-80
10
100
16 ms
1
Current (A)
Conventional coreless
moving-coil linear motor
0.8
Coreless
series A
Coreless
series B
Coreless
series C
Cored
series A
Cored
series B
Cored
series C
1,000
3
Volume (cm )
9.3 ms
0.63 A
0.6
図 3 最大推力−モータ体積分布
Fig. 3 Maximum thrust and motor volume correlation
graph
Conventional cored movingcoil linear motor
0.4
0.2
0
0
5
10
15
20
25
Time (ms)
30
35
40
図 2 電流応答性
Fig. 2 Current response characteristics
表 1 主要仕様
Table 1 Principal specifications
Category
Stroke
Rated thrust
Maximum thrust
Rated current
Maximum current
Mover weight
Mover length
Stator length
Section size
Unit
mm
N
N
Arms
Arms
kg
mm
mm
mm
Acc-max-80
80
325
Acc-max-260 Acc-max-550
260
550
400
1,000
20
50
1.4
186
800
510
118 (W) × 53 (H)
100 mm
図 4 単軸リニアモータステージ
Fig. 4 Uniaxial linear motor stage
日立金属技報 Vol. 32(2016)
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