9.「無脊椎動物のボディープラン:イカとホヤの解剖」 科学教育センター 仲矢 史雄 イカやホヤの解剖を通じて、我々脊椎動物とは異なる体の設計:ボディープランを実感しま す。 A. 準備する材料 ○ スルメイカ (軟体動物門、頭足綱、ツツイカ目、アカイカ科、スルメイカ属) Toudarodes pacificus ○ マボヤ(脊索動物門、尾索動物亜門、海鞘綱、壁性目、ピウラ科、ハロシンチア属) Halocynthia roretzi B. 準備する器具 ○ 受け皿(長方形のプラスチック皿(バット))、ハサミ、ピンセット、スポイト ○ 赤インク C. 手順 1.スルメイカの解剖 ① ロウト(噴射口)を上にして、プラスチック皿に置きます。 ② 全体を観察します。ヒレや体表の色素、足の種類、吸盤に注目します。 ③ ロウトの真上から数ミリ右にずらして、ハサミを入れて、外套膜を開きます。 ④ 内部構造を観察します。各器官(胃、エラ、スミ袋、心臓、肝臓、すい臓、直腸、 生殖腺)の位置を確認します。 ⑤ 口にあるカラストンビをピンセットで除去。口から赤インクを注入し、消化管のつ ながりを観察します。ロウトをハサミで開いて、肛門の位置に注目します。 ⑥ エラを取り出し、水につけて仕組みに注目します。 ⑦ 口の間をハサミで切り開いて、目の神経と脳のつながりを確認し、食道と脳の位置 関係に注目します。 ⑧ 目の構造を観察します。レンズを取り出し、文字の上において見ます。 2.マボヤの解剖 ① マボヤを、プラスチック皿に置きます。 ② 全体を観察します。海水の出入り口(入水孔と出水孔)を確認します。口の部分が +(プラス)の形が入水孔、−(マイナス)の形が出水孔です。 ③ ハサミを使って、被嚢(かたい赤色の皮)を取り外します。この時、中身を傷つけな いように注意しましょう。どちらが入水孔だったか、覚えておきましょう。 ④ やわらかい中身が出てきたら、入水孔側を右上にしてバットに置きます。 ⑤ 入水孔の下から、ハサミを入れて切り開きますが、鰓かご(目の細かいざる状構造) をカベ(筋膜)から切り外しながらすすみます。 ⑥ うまくいくと、右側に入水孔、左側に出水孔、右側の内側に鰓かご、左側に生殖腺 (卵巣と精巣、ホヤは雌雄同体)が見える状態になります。 ⑦ 鰓かごがついている右側のカベ(筋膜)から、慎重に切り外します。切り外せたら、 鰓かごを左側にひっくり返すと、まんなかあたりに食道が見て、右下に胃、肝膵臓 が見えます。なかなか確認できないのですが、下の方の透明な脈動するチューブ状 のものが心臓です。
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