保健学総合 医療事故・医療過誤と保健学 放射線画像技術学分野 長谷川 晃 [email protected] 「医療安全学」の目的 「誰のために」「何のために」 医療安全管理が必要なのか を学ぶ. 何を学べはいいのか? • 「予防」する技術 – 異常を起こさないようにする • 「予測」する技術 – 異常を予測する • 「発見」する技術 「知っている」だけではなく, 「行動」できるように!! – 異常を早く見つける • 「対処」する技術 – 異常に迅速に対応する ハインリッヒの法則 (1:29:300の法則) 不安全行動・不安全状態 インシデントレポート 【インシデント事例報告①】 2013.6 ≪遅発性副作用を訴えた患者に造影CT検査≫ 術前検査で造影CTを施行している。 →問診票は取り寄せなかった 1w後の術後検査:CT室にて問診を行うと、 「術前検査の後、病室で蕁麻疹が出た」と申告されたので 単純のみとなった。 →主治医は把握していない →3か月前の問診票を持ってきたこともあった 問診票の更新、運用の検討が急務! 放置されてきた問題点 CTとMRIの問診票を共有していた 問診票等の有効期限を決めていない 遅発性副作用に関する一文がない 同意書は「手術、処置同意書」を使用している診療科もある 造影検査説明書の見直しがされていない 1検査、1同意書、1問診票 検査時に問診票、同意書を持参する 検査案内書と問診票(原本)はコピー使用・大量ストック禁 KYT Kiken Yochi Training 4ラウンド法 1, 現状把握 2, 本質追求 3, 対策樹立 4, 目標設定 : : : : どんな危険が潜んでいるか これが危険のポイントだ あなたならどうする 私たちはこうする KYT <建設/製造業界から取り入れたトレーニングツール> 危険性の情報を共有することで、予測できる災害を未然に防止させる仕組み 建設/製造業界では危険予知を怠ると 自分や同僚が危険にさらされる しかし 医療業界:自分は安全 危機意識が低い! 【インシデント事例報告②】 外科 造影CTによる定期フォロー 検査当日 有効期限内の血液データは正常値だった 今日はどうだろ う? 過去のデータが徐々に悪化傾向であることに気付いた 本日、採血の指示があることに気付いた 「この結果を待ってから放射線科医と相談しよう」 患者さんには事情を説明した データに問題ないでしょ 外来からは催促の電話 正常値を下回っていたため単純のみとなった 造影剤の副作用は一定の確率で発生する 発生率・発生しやすいタイミング・ハイリスクな患者 問診票を確認・検査直前に問診 患者の変化を見逃さない 副作用の判断基準が不明確 造影剤リスクの説明不十分 重 症 化 患者急変時対応シミュレーション 相互支援 チェックバック(声だし確認) ブリーフィング デブリーフィング 「他にできることは?」 ↓ チーム医療 Team STEPPS Team Strategies and Tool to Enhance Performance and Patient Safety チームで患者の安全を高める戦略とツール 米国の航空業界、軍隊、原子力機関などの 高信頼性組織(HROs)が 科学的エビデンスに基づいて開発 Team Strategies :戦略 Tool :手技 Enhance :強調 Performance :能力 チームで Patient :患者 患者の安全を高める Safety :安全 戦略とツール SBAR situation-background-assessment-recommendation 状況 背景 評価 提案 コミュニケーションエラーは医療事故の65%を占める 安全な医療を提供するための10の要点 厚生労働省 医療安全対策検討会議ヒューマンエラー部会 1. 根付かせよう安全文化 みんなの努力と活かすシステム 2. 安全高める患者の参加 対話が深める互いの理解 3. 共有しよう 私の経験 活用しよう あなたの教訓 4. 規則と手順 決めて 守って 見直して 5. 部門の壁を乗り越えて 意見かわせる 職場をつくろう 6. 先の危険を考えて 要点押さえて しっかり確認 7. 自分自身の健康管理 医療人の第一歩 8. 事故予防 技術と工夫も取り入れて 9. 患者と薬を再確認 用法・用量 気を付けて 10.整えよう療養環境 作り上げよう作業環境
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