平成28年2月19日 林 政 課 青森県森林・林業基本方針の概要について 1 策定の趣旨 ○ 県はこれまで「青森県森林・林業基本計画」(平成14年度策定、計画 期間:15年)に基づき各種施策を推進。 ○ 人工林資源の充実、LVL工場の立地、再造林率の低迷、松くい虫被害 やニホンジカの侵入等、近年の目まぐるしい環境変化に対応するため、当 面取り組む具体的方策などを内容とした実践プランとなる「青森県森林・ 林業基本方針」(平成28年度~平成32年度、計画期間:5年)を策定。 ○ 策定にあたっては外部委員で構成する検討委員会を3回開催し、意見を 聴取。 2 基本方針の概要 (1)基本理念 緑豊かな森づくりと森林資源の循環利用 (2)目指すべき将来の姿 ① 森林の持つ多面的機能が高度に発揮されるように、スギやヒバなどの 針葉樹や、ブナなどの広葉樹がバランスよく健全に生育している姿。 ② 成熟した森林資源が適切に伐採され、様々な形で木材の利用が図られ るとともに、伐採跡地に再び森林が造成されている姿。 ③ 木材をはじめ、森林から生みだされる多種多様な資源に付加価値がつ き、山村において安定した暮らしが営まれている姿。 (3)施策体系 基本理念の達成に向け、次の4つの政策の基に各種施策を推進。 ① 森林の持つ多面的機能の発揮 ② 林業の持続的かつ健全な発展 ③ 県産材の安定供給と利用の確保 ④ 山村地域の活性化 (4)重点プロジェクト 今後5年間で特に推進する必要のある項目を、3つの政策横断的重点プ ロジェクトとして重点的に推進。 1 ① 林業採算性向上・再造林確保プロジェクト ポイント 「伐採→利用→植栽→育成→伐採」という森林サイクルを確立し、伐採跡地への再造林を 確保するため、森林施業の集約化と経営委託の促進や作業の低コスト化、再造林経費を支 援する仕組みの構築等に取り組み、森林所有者の再造林意欲を喚起 《指標》 ・ 伐採後の再造林の割合(民有林)【 ・ コンテナ苗の生産能力 【 32%(H23~H25 平均)→ 65%(H35)】 9,000 本(H26)→ 40 万本(H35) 】 《取組内容》 (1) 森林施業の集約化と経営委託の促進 森林所有者等から同意の取付けを進め、森林施業の集約化と経営の委託を促進 (2) 作業の低コスト化の促進 高性能林業機械の導入、路網整備等の基盤整備を推進するとともに、作業内容の見直し などにより、各種作業の低コスト化を促進 (3) 再造林に係る取組の支援 再造林の取組を社会全体で支援する枠組みを構築し、森林所有者が意欲的に林業経 営できるように支援 ② 県産材安定生産・流通プロジェクト ポイント 木材生産体制の整備により木材加工施設への原木の安定供給を進めるとともに、木 材加工体制の整備、木材利用の促進について、流通対策と連動させながら取組を行い、 森林資源の高付加価値化 《指標》 ・ 素材生産量 【 80 万 3 千㎥(H26)→ 100 万㎥(H35)】 ・ 一定の能力を身につけた林業技術者数【 182 名(H25)→ 350 名(H35)】 《取組内容》 (1) 木材生産の効率化推進 需要に応じて安定的に木材を供給するため、搬出間伐のコスト削減を推進するとと もに、成熟した森林では計画的な伐採を促進 (2) 木材加工体制の強化 木材製品の品質向上や安定供給に向け、加工施設、乾燥施設等の整備や製材工場間 の連携を進めるなど、木材の加工体制を強化 (3) 県産材利用の促進 一般住宅や公共建築物での県産材利用を進めるとともに、今後の人口減少に伴う木 材需要の減少に対応するため、新規需要を開拓 2 ③ 森林資源活用促進プロジェクト ポイント 未利用資源の有効活用に向け、特用林産物の生産拡大や木質資源のエネルギー利用 を促進するとともに、観光分野や健康分野との連携を進め、林家収入を向上 《指標》 ・ 木材生産を除く林業産出額(薪炭生産、栽培きのこ類生産、林野副産物採取) 【 5 億 7 千万円(H25)→ 7 億円(H35)】 《取組内容》 (1) 森の恵みの積極活用 シイタケなどの生産拡大や、これまであまり注目されてこなかった薬用植物、山菜、 野生きのこなどの地域資源に着目して新たな価値を創出 (2) 観光や健康分野へのアプローチ 森林資源を暮らしに活かす知恵や技術の継承、人材の掘り起こしを進めるとともに、 観光や健康関連分野等との連携を強化 (3) 地域内での木質バイオマスのエネルギー利用拡大 未利用材を集荷するシステムの構築と自伐林家の活性化により、未利用材の搬出を 拡大させるとともに、木質バイオマスの熱利用等を促進 3
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