評価側と受審側 一体となりさらに発展を - 回復期リハビリテーション病棟

昨
年9月に当院は日本医療機能評価機構の病
院機能評価 付加機能評価(リハビリテーション機
よる課題の共有と新たな課題への対応、在宅復帰
に向けた取り組みを評価される。
能:回復期)Ver.3.0を受審した。私自身は今まで
事前の紙面評価の時点で「かなり実践的で本格
2回、病院機能評価を受けたが、そのときの経験
的な評価内容だ」と好印象をもっていたが、実際
から同評価に対しては正直、少々ネガティブな印
の訪問審査を受けて、その印象がさらに強まった。
象をもっていた。サーベイヤーがリハ医療の特殊
当院が力を入れて頑張ってきた分野は相応に褒め
性をほとんど知らなかったり、形式重視で重箱の
られ、弱いと認識はしていながらなあなあで済ま
隅をつつくような指摘が多かったためだ。
してきていたような分野については容赦ない切り
今回のVer.
3.0は、Ver.
2.0よりもさらに高い水準
込みが入った。サーベイヤーは回復期リハ病棟の
現場の表も裏も知
が要求される内容
に改訂され、評価
項目や内容の策定
等では当協会も深
り尽くした専門家
巻頭言
であり、当院の本
のことで、期待と
評価側と受審側
一体となりさらに発展を
不安が入り混じり
――病院機能評価の付加機能評価Ver.3.0受審を終えて
く関わってきたと
質を見事に見抜く
ような、納得のい
く評価であった。
これまで回復期
ながらの受審とな
リハ病棟の診療報
った。
酬上での質の指標
Ver.
3.0は大きく
は、在宅復帰率や
3つの領域に分類
看護必要度の改善
される。第1領域
等のアウトカムと、
「良質な回復期リ
リハの提供量や専
ハを提供するため
の組織運営」では、
菅原 英和
従医の配置や看護
当協会理事
( 初台リハビリテーション病院 診療部長、医師)
ケア体制等のスト
より充実した回復
ラクチャーが主で、
期リハを実践する
肝心のプロセスは
ための人員配置、質改善への取り組み、地域医療
評価対象となっていなかった。プロセス指標を公
機関との連携を中心に評価される。第2領域「回
正に測るのはとても難しいが、病院機能評価であ
復期リハに関わる職員の専門性」では、職員の専
ればそれが可能であり、診療報酬上の質の評価と
門性の発揮を「役割・機能」
「指導・支援」
「チーム
して利用すべきとの意見が各方面からも出ている。
医療への関与」
「質向上に向けた活動」の切り口か
今回、Ver.3.0を受審し、
「診療報酬の指標とし
ら評価される。第3領域「チーム医療による回復
て十分に耐えうる公平公正な評価ではないか」と
期リハ・ケアの実践」では、実際のカンファレン
個人的には感じられた。今後、Ver.
3.0の受審病院
スを通したケアプロセス評価が行われ、初期評価
が増えていく過程で、評価側と受審側が一体とな
と計画の立案、各職種によるリハ実施、多職種に
って、さらに発展していくことを強く願いたい。
回復期リハビリテーション◆ 2016.1
03