は 1 - 新潟大学教育学部

◎ ◎ さ ん の WISC- Ⅳ の 検 査 結 果
1.プロフィール
( 1 ) FSIQ ( 全 検 査 の 総 合 指 数 、 知 能 指 数 ) は ● で す が 、 下 位 検 査 間 に 有
意な差があるため参考値です
( 2 ) 言 語 理 解 指 標 : VCI ( 言 語 能 力 全 般 に 関 係 す る 能 力 ) は ● で す が 、 下
位検査間に有意な差があるため参考値です
( 3 ) 知 覚 推 理 指 標 : PRI ( 視 覚 認 知 に 関 係 す る 能 力 ) は ● で す が 、 下 位
検査間に有意な差があるため参考値です
( 4 ) ワ ー キ ン グ メ モ リ ー 指 標 : WMI ( 短 期 記 憶 、 聴 覚 認 知 、 集 中 、 実 行
機 能 に 関 係 す る 能 力 )は ● で す
( 5 ) 処 理 速 度 指 標 : PSI ( 複 数 の 視 覚 情 報 を す み や か に 処 理 す る 能 力 ) は
●です
(6)能 力 の 偏 り
VCI と PRI ・ PSI と の 間 、 PRI と WMI ・ PSI と の 間 、 WMI と PSI と の 間 に 、
そ れ ぞ れ 有 意 な 差 が あ り ま す 。 WMI は 、 標 準 よ り 1 標 準 偏 差 低 い で す
(7)一 般 知 的 能 力 指 標 と 認 知 習 熟 度 指 標
学 力 の 目 安 と な る 一 般 知 的 能 力 ( GAI ) は ● 、 学 習 に 必 要 と な る 基 本 的 な
認 知 能 力 、 認 知 習 熟 度 ( CPI ) は ● で す 。
( IQ 、 各 指 標 と も 標 準 は 100 で す )
2.解釈
総 合 的 な 知 的 能 力 は GAI を 採 用 し 、 ● だ と 思 わ れ ま す 。 学 年 相 応 の 能 力
があると感じられますが、学びが定着せず、結果をうまく出せていないよ
う に 思 わ れ ま す 。 物 事 を 順 序 よ く 処 理 す る 力 と WM の 弱 さ が あ り 、 そ の
ために課題が十分理解できず、期待される結果が得られず、自信をなくし
ているかもしれません。
一方で、視覚的な課題をすばやく処理する力が優れています。このこと
を伸ばしてあげることが重要と考えます。しかし、目の前の状況を捉えて
見通しを持つことが優れている反面、自分の力不足を認識してか、すぐに
あきらめることがあるのではないでしょうか。
今後は現在の対応を大切にしつつ、弱い能力を補うための支援を受け入
れることと、学校をはじめ周囲がそのような支援を提供することが必要で
す。
3.検査結果からのアドバイス
( 1 )自 己 肯 定 感 を 育 て る こ と
ま ず 、自 分 自 身 の 特 性 を 知 り 、特 性 を 生 か す こ と と 、そ の た め の 方 法 ( 支
援 )を 知 る こ と (受 け 入 れ る こ と )で す 。 そ の た め に は 、 日 常 生 活 ( 学 校 生
活を含む)に意欲的に取り組む気持ちを育てることです。できることを大
切にし、本人が好きなこと、得意なことをのばし、自信をつけさせてくだ
さい。できていること、がんばっていることを毎日ことばで表現し、本人
を認めてあげてください。
(2)あ き ら め ず に が ん ば る 態 度
状況を先回りしてとらえてあきらめることのないよう、次の対応をとっ
てください。全体指示のあと、個別に説明します。そのときにはうまくい
くための方略を教えて自身を持たせてください。何が難しいと感じている
のかなど、本人の悩みに丁寧に対応してください。
( 3 ) 特 性 に 応 じ た 支 援 ( CPI の 弱 さ を 支 援 す る )
学習の基本となる能力にあった支援・指導が必要です。具体的には以下
の支援です。
① WM の 弱 さ を 補 う 指 導
ア)学 習 の は じ め に 学 ぶ 課 題 を 視 覚 的 に 簡 潔 に 示 す
イ)次 に 、 取 り 組 む 順 番 を ス モ ー ル ス テ ッ プ で 視 覚 的 に 示 す
ウ)上 記 の 手 続 き を 見 な が ら 自 分 で 課 題 解 決 す る 。 そ の と き に は ス テ
ップごとに実行したことを確認する
エ)答 え が 合 っ て い る か ど う か を 確 か め 、 間 違 っ て い た ら や り 直 す
オ)同 じ よ う な レ ベ ル の 問 題 で 、 も う 一 度 や っ て み る
カ ) 自 分 が お ぼ え た こ と が 、 単 元 (題 材 ) の ど の 部 分 か を 知 る
キ)次 に お ぼ え る 課 題 を 知 り 、 こ の 手 続 き に 従 っ て 実 行 す る
② WM の 弱 さ を 補 う 支 援
・簡潔な指示、要点を絞って示す。
・課題はスモールステップで対処させる
・複数課題や作業がある場合は、メモや付箋を活用させる(活用するこ
とを教える)
・集中できる環境構成
・日課表やスケジュール表を活用する、活用の仕方を教える
・記憶負荷がかからない工夫(視覚的支援など)
これらのことから、小グループか個別に学習する機会を保障することが
必要と考えます。特に読み書きの困難さがあるとすれば、読み書きに特化
し た 個 別 指 導 の 機 会 も 必 要 で す 。国 語 ・ 算 数 の 学 力 の 実 態 を く わ し く 調 べ 、
わかっていることを大事にし、次に覚えるべき課題を明らかにし、上記の
方法でじっくり教えてあげることが必要です。
平 成 27 年 ● 月 ● 日
新潟大学教育学部特別支援教育専修
教授
長澤正樹