第2学年3組 保健体育科 学習指導案 場 所:体育館 授業者:T1 米田 T2 坂梨 敏雄 雄次 1 単元名 「器械運動」(マット運動) 2 単元の考察 (1)運動の特性 器械運動は、全ての生徒に技が「できる」喜びと「より良くできる」といった深まりを味わわ せ、それによって身に付けた運動の方法を生涯スポーツにつなげていくことができる運動である。 器械運動の喜びは、今できる技の質を高められたときと、挑戦できそうな課題に対して試行しな がら練習し、成功したときの達成感・満足感によるものである。 また、技の練習の中で互いに補助をしたり、姿勢や動きを観察したりするといった活動から協 力して学習する楽しさも味わうことができる。 特に、マット運動は、自己の能力に応じた回転系や技巧系の技に挑戦したり、これらの組み合 わせを工夫したりして、円滑にできるようになる楽しさや喜びを味わうことができる運動である。 さらに、倒立や様々な回転運動等の日常生活の中では経験できない複雑な姿勢の変化やそれに伴 う多様な運動感覚を身に付けることもできる。 (2)運動の系統性 小学校時に器械運動の領域でマット運動、跳び箱運動、鉄棒運動を経験しており、各種目の特 性と行い方にふれている。 中学校1年時には、器械運動の領域からマット運動を行い、回転系の技を習得してきた。 本年度は、さらに器械運動の領域からマット運動を実施し、特性にふれることで、自己の能力 に応じた課題の解決に向け、工夫しながら学習に取り組むことができると考えられる。 (3)学習者の実態 対象は男子 20,女子 14、計 34 人のクラスで、全体的に明るく活発である。男女共習のスタイ ルは小学校時より経験しているので、学習を進めていく上で支障は少ない。また、練習の中で互 いを励ましたり、協力し合う姿はよく見られ、お互いの動きの観察も良くできる。しかし、成長 による男女の体力差の広がりや個人差も見られる。 アンケートの結果から、保健体育の授業が「好き」と答えた生徒が 96%で、興味関心は高い。 器械運動に関しては、「好き」と答えた生徒が 58%で、他の種目よりも興味関心は低くなってい る。さらに、器械運動に関して「技ができた達成感」や「筋力や柔軟性が高められる」「ケガを 防げる」「みんなで楽しめる」といったことに喜びや楽しさを感じ、「技のイメージがしにくい」 や「柔軟性がない」「動きが怖い」「目が回る」といった難しさを感じている。また、話し合い 活動では、87%の生徒が「好き」と答えたが、みんなの前で発表することに関しては、26%と低 い数値になっており、発表に関しては積極的ではない。 (4)指導観 指導に当たっては、生活学習力向上のために2分前行動を意識させ、授業時間の大切さを捉え させたい。また、挨拶をしっかりさせることで気持ちを集中させ、けが防止につなげさせたい。 さらに、場の整理整頓を心がけることで安全面への配慮をさせたい。 学習者が主体的に活動する課題解決学習を展開し、「自ら学ぶ意欲や思考力、表現力」を育て ていきたい。具体的には、学習者が各自の能力に応じた学習課題(めあて)を持ち、意欲的に取 り組むとともに、学習カードを活用することにより、めあての焦点化と技のポイントの理解を深 めたい。 支援を要する生徒に対しては、T2が補足説明を行うとともに練習の方法や用具、場の工夫を 行いながら授業を展開していきたい。 【ICT 活用の視点】 ・基本技(前転、後転、倒立、開脚前転、開脚後転など)の習得が十分に身に付いていない面を タブレット等で映像を見せ、イメージがしやすいようにする事により、積極的に取り組ませたい。 ・情報モラルの視点から撮影した動画等は、プライバシーを侵害しないように管理しなければな らないことをおさえたい。 【人権教育の視点】 ・グループ活動を通して、互いに助け合い励まし合うことで、認め支え合う仲間としての意識づ けを行っていきたい。 3 単元の目標 (1)自己の能力に応じた課題を決め、その課題解決を行うことができる。(思考)(技能) (2)運動の特性を理解し、補助者等と協力しながらマット運動の楽しさを味わう力を育てる。 (態度) (3)学習の場や用具を使用する上で安全面、さらに自分と他人との安全にも常に留意しながら運 動を正しく理解し、知識を得ながら学習できる。(知識・理解) -1- 4 (1)単元の指導計画(6時間取り扱い 時 第1時 ・集合整列 導 入 ・挨拶 ・健康観察 ・本時の学習確認 本時4/6) 第2時 第3時 第4時 第5時 ・用具・場の設定(マット、ロイター板、その他) ・準備運動(ランニング、ストレッチ、補強運動を行う) ・集合、挨拶、出席確認、見学者への指示 ・本時の学習のねらいと内容説明 ・オリエンテーション 【ねらい1】 今できる技や挑戦したい技に取り組む ことの楽しさを味わう。 1単元計画 授業の流れ 2グループの編成 係、仕事分担 3個人カード 展 資料配付 4授業説明 [めあて1] 今できる技を、よりなめ らかに行う。 [めあて2] 新しくできそうな技に挑 戦する。 ○新しい発展・ 技を練習する [めあて2] 新しくできそう な技に挑戦する 。 ・倒立 ・倒立前転 ・伸膝前転 ま と め 評 価 【ねらい2】 練習で高まった技を表 現し、演技する楽しさを 味わう。 ○新しい発展技を練習する 。 ○技の確認をする。 ・前転 ・後転 ・開脚前転 ・開脚後転 三点倒立 開 第6時 ・倒立前転 ・後転倒立 ・伸膝前転 ・伸膝後転 ・跳び前転 *技のできばえをお互い に見合いながら助言し 合 う。 *学習資料を活用する。 必要に応じて補助をし 合う。 ・側転 ・後転倒立 ・伸膝後転 ・自己評価・学習カードへの記入(次時の練習課題を決める) ・集合整列・次時の予告・挨拶 ・挨拶、解散 ・用具の後始末 具体的な評価規準① ②④⑥ ③⑤⑥ ②⑦ ③⑤⑧ ⑥⑦⑨ ⑨ ・健康状態の確認 ・次時の説明 (2)具体的な評価規準 関 心 ・意 欲 ・態 度 十分満足できる状況(A) ①自ら進んで特性を理解し、興味を持ち、取り 組もうとしている。 ②自分の役割を自覚して責任を果たしながら、 互いに助け合い、励ましながら協力して取り組 もうとしている。 ③自ら進んで自分や仲間の健康・安全に留意し て取り組もうとしている。 おおむね満足できる状況(B) ①特性を理解し、興味を持ち、取り組もうとして いる。 ②互いに助け合い、励ましながら協力して取り組 もうとしている。 思 考 ・判 断 ④自分の能力をよく知り、新たな自分の課題を 修正しようとしている。 ⑤課題に対し、工夫した練習の仕方を選んだり 見つけたりしている。 ④自分の能力から、自分の課題を設定しようとし ている。 ⑤課題に対し、工夫した練習の仕方を見つけてい る。 ⑥体をマットに順々に接触させて回転するため の動き方、回転力を高めるための動き方で、前 転や後転の一連の動きを滑らかに安定させて回 ろうとしている。 ⑦バランスよく姿勢を保つための力の入れ方で 、基本的な技の一連の動きを滑らかに静止する ことができる。 ⑧全身を支えたり、突き放したりするための着 手の仕方、回転力を高めるための動き方、起き あがりやすくするための動き方で、基本的な技 ⑥体をマットに順々に接触させて回転するための 動き方、回転力を高めるための動き方で、前転や 後転の一連の動きを安定させて回ろうとしている 。 ⑦バランスよく姿勢を保つための力の入れ方で、 基本的な技の一連の動きを静止することができる 。 ⑧全身を支えたり、突き放したりするための着手 の仕方、回転力を高めるための動き方、起きあが りやすくするための動き方で回転することができ 技 能 ③自分や仲間の健康・安全に留意して取り組もう としている。 -2- の一連の動きを滑らかにして回転することがで る。 きる。 知 ⑨技の名称や行い方、体力の高め方、運動観察 ⑨技の名称や行い方、体力の高め方、運動観察の 識 の方法などを具体的に例を挙げて理解すること 方法などを理解することができる。 ・理 ができる。 解 5 本時の学習 (1)本時の目標 ①前転・後転系の技と補助倒立を、安全に気をつけながら練習することができる。 お互いに協力し合って課題解決をし、意欲的に学習できる。 (2)本時の展開 過程 学 習 活 動 形態 (時間) 導 1準備運動・補強運動 入 2整列・挨拶・出欠確認 健康観察 10 分 発問・指示や指導の留意点(手立て) ICT活用の工夫 一斉 T2:高めている部分を意識させながら (10) 行わせる。 T2:健康面や安全面に気をつけること を確認する。 T1:練習内容と課題を確認する。 3本時の学習課題を確認す る。 評価 ② 備考 (ICT) タブレット プロジェクタ ー 学習カード 本時の学習課題(めあて1) 今できる技を、よりなめらかに行う。 展 開 4今まで学習した技の反復 練習をする。 ・前転 ・後転 ・開脚前転 ・開脚後転 班 T1:今まで学習してきた技のポイント (5) を確認する。 ポイント1(手のつき方、視線、 着地) ポイント2(手のつき方、視線、 柔らかな開脚、手で押す) T2:マットを重ねたり、傾斜をつけた りして練習するように助言する。 本時の学習課題(めあて2) 新しくできそうな技に挑戦する。 5新しい技を理解し練習す る。 ・倒立(補助倒立) 35 分 一斉 T1:技のポイント3を映像で見せるこ (5) とによりイメージをつくらせる。 ◎ポイント3 ①手のつき方 ②視線 ③手・肩・腰の位置 マット タブレット プロジェクタ ー ロイター板 タブレット プロジェクタ ー はちまき 班 (12) T1:補助の仕方をはちまきを使いなが ら理解させ、安全面に気をつけさせ る 。 ①最初に上がる足の確認 ②最初に上がる足をしっかり キャッチ ③垂直になるように手、肩、腰 の位置を調整 6補助倒立をタブレットで 撮影し、お互いの良さを 認め合う。 班 (13) T2:ポイント3ができていない生徒を タブレットを使い支援する。 T1:補助倒立をタブレットで撮影し、 お互いの演技を見て認め合うことを 確認する。 生徒用 タブレット プロジェクタ ー 補助倒立の姿勢をお互いに観察さ せ、よい演技を認め合う。 ま と め 5分 7本時の学習のまとめをす る。 8次時の予告を聞き、挨拶 をする。 一斉 T1:本時を振り返りながらポイントを (5) 整理し、学習カードに記入させる。 T2:本時の反省を活かし、次の時間の 課題を考えさせる。 -3- 学習カード (3)本時の評価 評 価 規 準 B規準:バランスよく姿勢を保つための力の入れ方で、基本的な技の一連の 動きを静止することができる。 A規準:バランスよく姿勢を保つための力の入れ方で、基本的な技の一連の 動きを滑らかに静止することができる。 B規準:互いに助け合い、励ましながら協力して取り組もうとしている。 A規準:自分の役割を自覚して責任を果たしながら、互いに助け合い、励ま しながら協力して取り組もうとしている。 -4- 観点及び評価の 方法 観察 【技能】 観察 【関心・意欲・ 態度】
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