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「今さら聞けない」
「ちょっと気になる」
…
食についての基本のキを、毎月1回紹介します。
2016年
「BSE」
(牛海綿状脳症)
は1980 年代に英国で発生し、世界中に広がった
牛の病気です。名前の通り、脳が海綿
(スポンジ)
状に変化し、死に至ります。
神経症状が出ることから
「狂牛病」
とも呼ばれました。牛の骨や内臓などから
作られた
「肉骨粉」
を飼料に使ったため、牛から牛へと感染が広がったとされ
ています。日本でも2001 年に発生が確認され、社会問題になりました。
2 月15 日 発行
3 月1 回
FOOD
NAVIGATER
59
vol.
ちょっと
おやつに
牛丼でも
どう?
おやつって …
まったく。
輸入牛肉に決まっ
てるじゃない。
BSEって
覚えてる?
BSE
BSE って何?
1980 年代
1990 年代
2001 年
2003 年
2005 年
2006 年
英国で BSE が発生し、肉骨粉で拡大
英国で大流行し、欧州各国に拡大
日本でBSE 感染牛が発見され、全頭検査、特定危険部位除去、
飼料規制などBSE 対策を開始
米国でBSE 感染牛が発見され、米国産牛肉の輸入停止
国内の BSE 対策緩和を決定
(中間取りまとめ)
米国産牛肉の輸入再開、脊柱混入が発見され再停止されたが、
半年後に再々開
だいたい
どこの
肉なのよ
もう
12
34
AKBの
親戚?
人にもうつる BSE
!!
どこって、
松坂牛?
神戸牛?
なんちゃって …
なんか
思い出した。
こわーーい
異常蛋白と接触した正常な蛋白が異常化する
BSE 問題は解決したの?
本当に大丈夫? 不安な米国産牛肉
日本ではBSE が確認されてすぐに対策がとられたため、2002 年以降、感
染した牛は発見されていません。しかし、2003 年に米国でBSE が発見され
て以来、次々に対策が緩和されており、結果的に米国産牛肉の輸入拡大に
つながっています。
日本の BSE 対策
BSE検査
当初
全頭検査
(全月齢で検査)
現在
↓
48ヵ月齢超を
対象に緩和
米国
症状のある牛等のみ
検査。畜時検査なし
BSEの流行に少し遅れて、英国で家猫や動物園の動物、さらに人でも類似
した病気が発生し、牛以外の動物にもBSE がうつることがわかりました。人
にもうつったときの病気を
「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病」
といいます。
BSEは動物の身体の中にある
「プリオン蛋白」
という蛋白質が変形して異
常蛋白になることで起こるとされています。異常蛋白は脳や脊髄など体内の
特定の場所
(特定危険部位)
で集中的に増殖し、ごく微量の異常蛋白の摂取
で感染する可能性があるとされています。
シナサ
◉飼料規制が不十分
特定危険部位を
取り除く
肉骨粉を与えない
飼料規制
全月齢の特定危険部位
(脳、脊髄、回腸遠位部
など)
を除去
↓
脳、脊髄などを
30カ月齢超に緩和
全家畜→牛へ
牛→全家畜へ
肉骨粉を与えない
↓
一部を除いて
緩和していない
脳、脊髄などは
30カ月齢超
鶏・豚→牛の給餌を
2009年に禁止。ただし、
牛→鶏・豚の給餌は許容
2009 年に飼料規制が強化されたが、依然牛
の肉骨粉が飼料に使われており、いろいろな
原因による汚染で感染が広がる可能性がある
◉BSE 検査が少ない
症状のある牛だけの検査
(全体の0.1%)
では、正確な把握ができているか疑問
◉野生の鹿類にBSEと似た病気が流行
ずいぶん規制が、
ゆるくなっちゃったのね
ロッキー山脈の鹿・大鹿類に、
「慢性消耗病」
(CWD)
というBSEに似た病気が流行
している
◉クロイツフェルト・ヤコブ病の集団発生
本来、100 万人に1 人の発生とされているクロイツフェルト・ヤコブ病の集団発生
が、複数の州で報告されており、BSEとの関連が疑われる
パルシステムは国産牛のみ
BSE の新たな問題 −
「非定型 BSE」
「非定型 BSE」
近年、
と呼ばれる、英国から広がったBSEとはタイプの違
うBSEの発生が確認されています。これは異常蛋白の体内での分布が英国
型とは異なるので、BSE 検査と特定危険部位除去の対策だけでは、十分と
は言い切れません。
日本では徹底した飼料規制が行われてきたので、国産牛肉の安全性は確
保されていると考えられますが、輸入牛肉では心配な国もあります。
トマトやイチゴの箱もお返し下さい!
!
特に米国産の牛肉には、まだまだ不安要素が残っています。しかし2006
年に輸入が再開されて以降、対象月齢の引き上げなどの規制緩和で輸入拡
大が図られてきました。TPPの締結で、今後
輸入
さらに輸入量は増えることが予想されます。
ーイ!
パルシステムで取り扱う牛肉は加工
食品の原料も含め、原則として国産牛
です。
なかでも産直牛は、できるだけ薬剤
に頼らず、牛の生理にあった健康な飼
育を実践しています。さらに資源循環や
飼料の自給をめざす産地で、大切に育
てられています。
パルシステム
の牛肉の
87%は
産直です!
リユースびんだけでなく、トマト・イチゴの箱も、繰り返し利用します。
必ずお返しいただくよう、お願いいたします。