まち・ひと・しごと創生雄武町人口ビジョン

追加資料1
まち・ひと・しごと創生
雄武町人口ビジョン
(案)
【抄】19ページ~30ページ
北海道 雄武町
雄武町人口ビジョン
目 次
Ⅰ
はじめに............................................................................................ 2
Ⅰ‐1
策定の目的 ...................................................................................2
Ⅰ‐2
人口ビジョンの位置づけ ..................................................................2
Ⅰ‐3 計画期間 .......................................................................................2
Ⅱ
人口の動向 ......................................................................................... 3
Ⅱ‐1
総人口 .........................................................................................3
Ⅱ‐2 人口ピラミッド ..............................................................................4
Ⅱ‐3
外国人人口 ...................................................................................5
Ⅱ‐4
婚姻 ...........................................................................................6
Ⅱ‐5
合計特殊出生率 .............................................................................7
Ⅱ‐6
出生・死亡、転入・転出の人数 .........................................................8
Ⅱ‐7
年齢階級別の人口動態 ................................................................... 10
Ⅱ‐8
転出先・転入元 ........................................................................... 12
Ⅲ
就業の状況 ....................................................................................... 13
Ⅲ‐1
就業率 ....................................................................................... 13
Ⅲ‐2
産業別就業人口 ........................................................................... 14
Ⅲ‐3
就業人口のピラミッド ................................................................... 16
Ⅳ
雄武町の人口問題をめぐる課題 ............................................................. 19
Ⅴ
将来人口のシミュレーション ................................................................ 20
Ⅴ‐1
自然体の推計 .............................................................................. 20
Ⅴ‐2
出生率が回復したパターン ............................................................. 23
Ⅴ‐3
社会移動も好転したパターン .......................................................... 25
Ⅴ‐4
各パターンの年齢構成比の比較 ....................................................... 28
Ⅵ
めざすべき人口目標と取組方向 ............................................................. 29
雄武町人口ビジョン
Ⅰ
はじめに
Ⅰ‐1
策定の目的
わが国では、平成 20 年(2008 年)を境に「人口減少時代」に突入しています。
このままの状況で推移すると、平成 60 年(2048 年)前後にはわが国の人口が1億
人を割り込み、6割以上の居住地域で人口が半分以下に減少し、2割の地域で無居住
化するとの推計もあります。
このように、地域社会の維持が重大な局面を迎える中、平成 26 年(2014 年)11
月、まち・ひと・しごと創生法が制定されました。これは、大都市圏への人口の過度
な集中を是正するとともに、地方における人口の減少に歯止めをかけ、将来にわたっ
て活力ある地域社会を維持していくため、国と地方自治体それぞれが計画を策定し、
その計画に基づいた取り組みを進めていくことを目的とした法律です。
国は、同法に基づき、平成 72 年(2060 年)までの将来人口推計を示し、今後め
ざすべき方向を提示する「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」(長期ビジョン)
と、平成 31 年度(2019 年)までの当面5年間の具体的な施策をまとめた「まち・
ひと・しごと創生総合戦略」(総合戦略)を策定しました。
このため、雄武町においても、「まち・ひと・しごと創生」に総合的に取り組むた
め、国の長期ビジョンに対応した「雄武町まち・ひと・しごと創生人口ビジョン」
(雄
武町人口ビジョン)と、国の総合戦略に対応した「雄武町まち・ひと・しごと総合戦
略」(雄武町総合戦略)を策定し、人口の減少に歯止めをかけ、活力ある地域社会を
維持していくための施策を重点的に推進していきます。
Ⅰ‐2
人口ビジョンの位置づけ
雄武町人口ビジョンは、雄武町における人口の推移と現状を分析するとともに、今
後めざすべき将来の方向と人口の将来展望を提示し、人口に関する地域住民の認識を
共有するために策定するものです。また、雄武町総合戦略の実現に向けて、効果的な
施策を企画立案する上での重要な基礎資料となります。
なお、北海道においても、北海道人口ビジョンを策定しており、平成 22 年(2010
年)に 550.6 万人の全道人口が、平成 72 年(2060 年)に 308.2 万人(60%に減少)
に減少する見通しを改善させ、390.8 万人(71%に減少)をめざすものとしています。
雄武町人口ビジョンは、北海道人口ビジョンの内容と整合を図りながら策定します。
Ⅰ‐3
計画期間
計画期間は平成 27 年(2015 年)から平成 72 年(2060 年)までとします。
2
雄武町人口ビジョン
Ⅱ
人口の動向
Ⅱ‐1
総人口
一貫して人口減少が続く
昭和 60 年(1985 年)以降の雄武町の国勢調査人口の推移をみると、5年間で 200
~500 人ずつ、一貫して減少が続いており、平成 22 年(2010 年)では 5,000 人を
割り込んで 4,939 人となっています。
その後、平成 26 年(2014 年)10 月について、出生・死亡・転入・転出の動向を
もとに把握した雄武町基礎調査の数字では、4年間でさらに 300 人減少し、4,610
人となっており、少子高齢化も一層進み、年少人口は 508 人(11.0%)、老年人口は
1,464 人(31.8%)となっています。
年齢3区分別人口の推移
(人)
7,000
6,000
6,567
6,357
5,976
835
1,032
1,224
5,000
5,778
5,507
4,939
1,343
4,610
1,399
1,441
4,000
1,464
4,438
3,000
4,144
3,780
3,638
3,452
2,964
2,000
2,638
1,000
1,294
1,180
1985年
( 昭 和 60)
生産年齢人口
(15~64歳)
年少人口
(0~14歳)
972
797
656
534
508
1990年
1995年
2000年
2005年
2010年
2014年
( 平 成 2)
( 平 成 7)
( 平 成 12)
( 平 成 17)
( 平 成 22)
( 平 成 26)
0
老年人口
(65歳以上)
資料:国勢調査、雄武町基礎調査
3
雄武町人口ビジョン
Ⅱ‐2
人口ピラミッド
ピラミッドの面積が小さくなり、山も上方(高年齢層)にシフト
平成 17 年(2005 年)と平成 26 年(2014 年)の人口ピラミッドをみると、平成
17 年は男女ともに「団塊の世代」と呼ばれる昭和 20 年代前半生まれの 50~54 歳の
層が、最も多くなっており、その 10 年後の平成 26 年でも「団塊の世代」の層が最
も多く、男性では 60~64 歳、女性では 65~69 歳に山があり、人口ピラミッドその
ものが「つぼ型」から「逆三角形型」に移行してきています。また、人口の減少に伴
い、ピラミッドの面積も小さくなってきています。
平成 17 年の人口ピラミッド
100歳以上
95~99歳
90~94歳
85~89歳
80~84歳
75~79歳
70~74歳
65~69歳
60~64歳
55~59歳
50~54歳
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
15~19歳
10~14歳
5~9歳
0~4歳
(人)
男
250
200
150
女
100
50
0
50
100
150
200
250
資料:国勢調査
平成 26 年の人口ピラミッド
100歳以上
95~99歳
90~94歳
85~89歳
80~84歳
75~79歳
70~74歳
65~69歳
60~64歳
55~59歳
50~54歳
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
15~19歳
10~14歳
5~9歳
0~4歳
(人)
男
250
200
150
女
100
50
0
50
100
150
200
250
資料:雄武町基礎調査
4
雄武町人口ビジョン
Ⅱ‐3
外国人人口
減少傾向にあるが依然、200 人近く在住
平成 27 年(2015 年)の在住外国人の人口は 189 人で、依然、人口の約4%を占
めますが、平成 17 年(2005 年)の 219 人からは1割程度減少しています。
雄武町では、平成 10 年(1998 年)以来、水産加工業に携わる外国人技能実習生
の受け入れを行っており、在住外国人の大半はこの外国人技能実習生です。
人口ピラミッドをみると、平成 17 年は 20~24 歳の層を中心に 20 代から 30 代前
半が圧倒的に多くなっていましたが、平成 27 年は 10 代後半から 40 代前半まで年齢
層が分散しています。
平成 17 年の外国人の人口ピラミッド
65歳以上
60~64歳
男
女
55~59歳
50~54歳
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
15~19歳
10~14歳
5~9歳
0~4歳
(人)
70
60
50
40
30
20
10
0
10
20
30
40
50
60
70
資料:国勢調査
平成 27 年の外国人の人口ピラミッド
65歳以上
60~64歳
男
女
55~59歳
50~54歳
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
15~19歳
10~14歳
5~9歳
0~4歳
(人)
70
60
50
40
30
20
10
0
10
20
30
40
50
60
70
資料:平成 27 年4月末住民基本台帳
※ 平 成 24 年 7 月 か ら 外 国 人 も 当 台 帳 に 登 載 )
5
雄武町人口ビジョン
Ⅱ‐4
婚姻
近年、未婚率が急上昇
平成 22 年(2010 年)の 20 代、30 代の未婚率(離婚した人は含まない)をみる
と、35~39 歳の男性の 37%が未婚となっており、平成 12 年の 1.3 倍に上昇してい
ます。
また、女性は、20~24 歳の層で 91%、25~29 歳の層でも 53%が未婚となってお
り、これらの年齢層の未婚率は、平成 12 年から上昇を続けています。
男女とも、晩婚化・非婚化の深刻度が増していると言え、人口問題の観点からも、
若者の結婚をうながす取り組みを一層進める必要があります。
未婚率の推移
〔男性〕
100%
95.7%
92.5%
85.7%
80%
67.6%
63.0%
62.2%
60%
39.6%
40%
38.1% 37.0%
37.6%
29.1%
27.0%
20%
0%
平成12年
20~24歳
平成17年
25~29歳
30~34歳
平成22年
35~39歳
〔女性〕
100%
80%
90.7%
87.6%
79.1%
60%
52.9%
44.7%
40%
20%
30.7%
23.8%
14.5%
14.5% 17.1%
21.5%
12.3%
0%
平成12年
20~24歳
平成17年
25~29歳
30~34歳
平成22年
35~39歳
資料:国勢調査
6
雄武町人口ビジョン
Ⅱ‐5
合計特殊出生率
合計特殊出生率は一貫して全道、全国平均を上回る
本町における、一人の女性が一生に生む子どもの平均数を示す「合計特殊出生率」
(5年ごとの平均値)の推移をみると、1983-1987 年から 2008‐2012 年まで低下
を続けていますが、一貫して全道平均、全国平均を上回っています。
直近の 2008‐2012 年の「合計特殊出生率」を他市町村と比較すると、西紋地域内
では紋別市より高いものの興部町より低く、友好都市では益子町より高いものの武雄
市より低くなっています。
合計特殊出生率の推移と比較
1983-1987
1988-1992
1993-1997
1998-2002
2003-2007
2008-2012
2.10
2.00
1.90
1.80
1.70
1.60
1.50
1.40
1.30
1.20
1.10
雄武町
全道
全国
紋別市
興部町
昭和 58 年~
昭和 63 年~
平成5年~
平成 10 年~
平成 15 年~
平成 20 年~
昭和 62 年
平成4年
平成9年
平成 14 年
平成 19 年
平成 24 年
1983-1987
1988-1992
1993-1997
1998-2002
2003-2007
2008-2012
雄武町
1.83
1.81
1.59
1.57
1.55
1.48
全道
1.62
1.45
1.33
1.24
1.19
1.25
全国
1.73
1.53
1.44
1.36
1.31
1.38
紋別市
1.70
1.58
1.39
1.44
1.39
1.48
興部町
1.95
1.71
1.64
1.63
1.45
1.61
資料:厚生労働省「人口動態保健所・市区町村別統計」
7
雄武町人口ビジョン
Ⅱ‐6
出生・死亡、転入・転出の人数
自然減かつ社会減が続く
本町の自然増減は、1980 年代は出生数が死亡数を上回る自然増が続いていたもの
の、1990 年代に入り、少子高齢化により死亡数が出生数を上回る年がみられるよう
になり、1997 年を最後に、以降は一貫して自然減が続いています。
一方、社会増減は、1980 年代以降、平成 15 年(2003 年)と平成 24 年(2012
年)を除き社会減となっており、年間の減少幅は、平成 18 年(2006 年)、平成 20
年(2008 年)などで 100 人を超えています。
出生数・死亡数の推移
(人)
90
80
70
60
50
40
30
20
出生
死亡
10
0
資料:人口動態統計
転入数・転出数の推移
(人)
400
350
300
250
200
150
100
転入
転出
50
0
資料:人口動態統計
8
雄武町人口ビジョン
自然増減数と社会増減数の推移をみると、転入の多かった平成 24 年(2012 年)
を除くと、近年は 40 人前後の自然減と、70~120 人前後の社会減という状態となっ
ています。自然増減を縦軸に、社会増減を横軸にとり、昭和 62 年(1987 年)から
の人口動態を散布図に落として線でつないでみたところ、自然増減は長期的な自然減
の傾向がみられたものの、社会増減は一貫した社会減でかつ1年ごとに振幅があるこ
とがわかります。このため、社会増減については、大幅な減少がある年をなくすこと、
そのために、離職等を余儀なくされた場合に他の雇用があり地域に定住し続けられる
ようにすることが重要であると言えます。
自然増減・社会増減の推移
(人)
自然増減
社会増減
50
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
-40
-50
-60
-70
-80
-90
-100
-110
-120
-130
-140
-150
40
1987年
30
1990年
20
10
0
自
-160
然
増 -10
減
(
人
) -20
-140
-120
-100
-80
-60
-40
1995年
0
20
40
60
2000年
2010年
-30
2012年
2003年
↓
2008年
2014年
↑
2005年
-40
人
口
減
-50
-60
-20
人
口
増
社会増減(人)
資料:人口動態統計
9
雄武町人口ビジョン
Ⅱ‐7
年齢階級別の人口動態
女性のU・Iターンが少ない
平成 17 年(2005 年)から平成 22 年(2010 年)の年齢階級別の人口動態をみる
と、男女とも、平成 17 年の 10~14 歳の層が平成 22 年に 15~19 歳になるときに
は、進学や就職等により 40 人程度ずつ、転出が超過し、平成 17 年の 15~19 歳の
層が平成 22 年に 20~24 歳になるときには、Uターンにより 10 人弱ずつ転入が超
過となっています。このことは、本町では中学・高校卒業後、他地域に転出した人
のうち、一部しか戻ってきていないことを意味します。
続いて、平成 17 年の 20~24 歳の層が平成 22 年に 25~29 歳になるときについ
てみると、男性は町内での就職等により 40 人程度の転入超過であるのに対し、女性
は 20 人程度の転出超過であり、女性は、20 代から 30 代前半までこのような転出
超過の状況となっており、この間の人口減少の大きな要因となっています。
年齢階級別・男女別の人口動態の状況を、過去6回の国勢調査の5期間にわたっ
てみると、20 代から 30 代前半までの女性も、以前は転入超過状態であったことが
わかり、この年齢層の女性がU・Iターンしやすい、雇用の場などの条件整備を進
めることが、本町の現在の大きな課題と言えます。
また、30 代以降も、男女とも、各年齢層で 10~30 人程度ずつの転出超過が続い
ています。この年齢層の転入は、国や道関係職員、金融機関等の支店職員の異動に
よる転入などが中心であり、本町の産業構造から、新規就農や起業などによる転入
は少ないと考えられますが、離農や転職などを余儀なくされた町民が町を離れずに
済むよう、町内で多様な雇用の受け皿を作ることが求められます。
2005 年→2010 年の年齢階級別・男女別人口動態
60
40
20
0
-20
-40
男
-60
-80
女
-100
-120
(人)
10
雄武町人口ビジョン
年齢階級別人口動態の推移【男性】
60
1985年→1990年
40
1990年→1995年
1995年→2000年
2000年→2005年
20
2005年→2010年
0
-20
-40
-60
-80
-100
(人)
年齢階級別人口動態の推移【女性】
60
1985年→1990年
40
1990年→1995年
1995年→2000年
2000年→2005年
20
2005年→2010年
0
-20
-40
-60
-80
-100
(人)
資料:国勢調査
11
雄武町人口ビジョン
Ⅱ‐8
転出先・転入元
道内への転出超過傾向と道外からの転入超過傾向がみられる
平成 25 年(2013 年)の雄武町からの転出者の転出先、雄武町への転入者の転入
元をみると、転出者 212 人のうち、道内への転出が 194 人(92%)を占め、中で
も札幌市が 55 人(26%)と多くなっており、あとは北見市、紋別市などが続きま
す。一方、転入者 172 人の転入元は道内が 140 人(81%)で、こちらは旭川市、
札幌市の順となっています。道外への転出先、道外からの転入元は、首都圏が3~
5割を占めています。
転入元別転入者数と転出先別転出者数の差引を平成 24 年(2012 年)と平成 25
年(2013 年)で平均すると、道内市町村への転出超過が 44 人、道外市町村からの
転入超過が9人となっており、人口動態を政策的に好転させるためには、道内市町
村への転出超過のうち半数以上を占める札幌市に対する転出超過数の緩和と、道外
市町村からの転入超過数の拡大が重要と言えます。
転出先・転入元
24 年
転出先
210
25 年
転出先
212
24 年
転入元
181
181
194
148
172
140
札幌市
39
55
29
旭川市
16
6
11
紋別市
20
20
北見市
12
23
遠軽町
7
網走市
1
合計
道内
道内主要都市
管内主要都市
25 年
転入元
24 年
差引
-29
25 年
差引
-40
差引2か
年平均
-35
-33
-54
-44
17
-10
-38
-24
19
-5
13
4
17
10
-3
-10
-7
14
3
2
-20
-9
10
3
8
-4
-2
-3
4
2
7
1
3
2
3
7
2
11
-1
4
2
11
7
2
11
-9
4
-3
枝幸町
2
8
5
7
3
-1
1
名寄市
5
2
2
1
-3
-1
-2
士別市
0
1
1
5
1
4
3
稚内市
0
4
7
0
7
-4
2
その他道内
65
47
53
41
-12
-6
-9
道外
首都圏(東京都・神奈川県・
千葉県・埼玉県)
京阪神(大阪府・京都府・兵
庫県・奈良県)
東海三県(愛知県・岐阜県・
三重県)
29
18
33
32
4
14
9
7
9
13
13
6
4
5
7
3
2
6
-5
3
-1
5
1
5
0
0
-1
-1
その他
10
5
13
13
3
8
6
興部町
近隣町村
近隣都市
西興部村
資料:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」
12
雄武町人口ビジョン
Ⅲ
就業の状況
Ⅲ‐1
就業率
男女とも全国平均より就業率が高い
平成 22 年(2010 年)の男女別・年齢別の就業率をみると、男性は全勤労世代で
就業率が9割を超え、女性も勤労世代では7~9割でともに全国平均を大きく上回っ
ています。平成2年(1990 年)と比較すると、男性の就業率は下がっており、平成
2年(1990 年)当時より雇用動向が悪いことが推察されます。また、一般に出産・
子育て期と言われる 25~34 歳の女性の就業率が顕著に上がっており、晩婚・非婚化
と密接に関係すると考えられます。さらには、近年の女性の転出超過も、子育てに専
念したい女性の転出志向が影響しているかもしれないと示唆され、多様な就業形態の
選択肢を増やしていくことが必要と考えられます。
男女別・年齢別の就業率
【男性】
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
【女性】
15~19
歳
20~24
歳
25~29
歳
30~34
歳
35~39
歳
40~44
歳
45~49
歳
50~54
歳
55~59
歳
60~64
歳
平成22年雄武町
16.9%
93.9%
93.9%
98.6%
96.4%
91.4%
96.9%
95.4%
93.9%
74.5%
平成2年雄武町
22.3%
98.2%
98.4%
98.9%
98.8%
97.9%
98.1%
95.0%
94.1%
84.0%
平成22年全国
12.9%
58.4%
78.5%
83.1%
85.0%
85.3%
86.3%
86.6%
84.0%
69.2%
15~19
歳
20~24
歳
25~29
歳
30~34
歳
35~39
歳
40~44
歳
45~49
歳
50~54
歳
55~59
歳
60~64
歳
平成22年雄武町
9.0%
86.8%
73.9%
75.4%
72.6%
83.5%
81.3%
82.9%
68.6%
62.9%
平成2年雄武町
13.2%
84.7%
52.4%
66.9%
70.7%
80.8%
78.5%
73.2%
63.8%
53.6%
平成22年全国
13.3%
60.3%
67.1%
60.6%
60.4%
65.1%
69.3%
68.1%
59.7%
44.0%
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
資料:国勢調査
13
雄武町人口ビジョン
Ⅲ‐2
産業別就業人口
女性は製造業、男性は農林業、漁業、建設業、製造業が多い
平成 22 年の産業別就業人口をみると、男性は、建設業と製造業(主に水産加工業)
の就業者がともに 250 人前後で最も多く、次いで農林業と漁業がともに 210 人強と
なっています。一方、女性は製造業の就業者が 380 人と圧倒的に多く、次いで、農
林業、卸売業・小売業、医療・福祉がそれぞれ 140~150 人前後となっています。
就業者の構成比が全国平均や全道平均などと比べて相対的に特化している産業を
把握する特化係数をみると、男女ともに、漁業を筆頭に、農林業、製造業などで、
構成比の平均値である1を超えており、本町はこれらの産業が主要産業であると言
えます。
一方、第3次産業については、札幌市を除く全道平均に対する特化係数において
も、多くの産業分野で1を大きく割り込んでおり、例えば、交流人口の拡大につな
がる「宿泊業・飲食サービス業」や、地域住民の生活の質の向上に寄与する「生活
関連サービス業・娯楽業」「教育・学習支援業」「医療・福祉」などの産業を発達さ
せることは、定住人口を確保するためにも重要と考えられます。
平成 22 年の産業別就業人口
(人)
400
350
300
男
250
200
150
100
50
0
14
女
雄武町人口ビジョン
就業人口の産業別構成比の「札幌市を除く全道平均に対する特化係数」
7.00
6.00
5.00
男
4.00
女
3.00
2.00
1.00
0.00
就業人口の産業別構成比の「全国平均・全道平均等に対する特化係数」
平成 22 年の
就業人口
男性
女性
全国平均
に対する特化係数
男性
女性
全道平均
に対する特化係数
男性
女性
札幌市を除く全道平均
に対する特化係数
男性
女性
A農業,林業
216
148
3.73
3.44
2.43
2.08
1.65
1.38
B漁業
216
111
36.52
53.91
8.86
8.67
5.88
5.67
1
1
1.21
6.03
0.51
3.72
0.36
2.60
D建設業
252
25
1.50
0.77
1.22
0.76
1.19
0.76
E製造業
248
380
0.85
2.65
1.91
4.14
1.64
3.49
F電気・ガス・熱供給・水道業
7
1
0.65
0.52
0.58
0.53
0.56
0.51
G情報通信業
0
0
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
H運輸業,郵便業
43
12
0.37
0.42
0.32
0.45
0.33
0.46
I卸売業,小売業
100
136
0.47
0.57
0.46
0.56
0.51
0.59
J金融業,保険業
13
14
0.43
0.35
0.52
0.44
0.62
0.50
K不動産業,物品賃貸業
24
7
0.80
0.34
0.82
0.41
1.26
0.59
L学術研究,専門・技術
サービス業
16
7
0.28
0.24
0.33
0.31
0.42
0.41
M宿泊業,飲食サービス業
28
83
0.48
0.82
0.46
0.75
0.49
0.74
N生活関連サービス業,
娯楽業
14
35
0.36
0.56
0.34
0.53
0.34
0.53
O教育,学習支援業
50
36
0.98
0.51
0.83
0.62
0.85
0.64
P医療,福祉
41
146
0.65
0.65
0.53
0.59
0.55
0.59
Q複合サービス事業
68
23
7.14
2.97
4.02
2.19
3.04
1.68
Rサービス業
75
35
0.80
0.57
0.73
0.46
0.76
0.53
S公務
92
24
1.40
0.96
0.81
0.85
0.70
0.75
0
3
0.00
0.04
0.00
0.05
0.00
0.07
C鉱業,採石業,砂利採取業
T分類不能の産業
※特化係数は、例えば全国平均に対する特化係数で あれば、
「町のⅩ産業の就業者比率/全国のⅩ産業の就業者比率」で算出。
資料:国勢調査
15
雄武町人口ビジョン
Ⅲ‐3
就業人口のピラミッド
第2次産業、とりわけ建設業の就業人口減が著しい
平成 12 年(2000 年)と平成 22 年(2010 年)の就業人口のピラミッドを産業
別にみると、農林業、漁業の第1次産業は、ピラミッドの山が上方へシフトするも、
20 代など若い就業者も比較的確保され、堅調に推移していると言えます。
一方、製造業(水産加工業など)、建設業の第2次産業は、この 10 年間でピラミ
ッドの面積が大きく減少しています。製造業では、平成 12 年には 50 代から 60 代
女性の世代で 200 人以上の雇用がありましたが、平成 22 年になると、その世代の
雇用は3分の2に減少し、ピラミッドの山は外国人技能実習生を中心とした 20 代前
半の男女にシフトしています。また、建設業は、平成 12 年から平成 22 年にかけて、
国の行財政改革の影響による公共事業大幅減を受け、就業者は6割程度にまで大き
く落ち込んでおり、このことが他分野に雇用の受け皿が少ない本町においては、こ
の間の転出増をまねいたと考えられます。
卸売業・小売業や各種サービス業などの第3次産業は、全体としてはピラミッド
の面積が小さくなっているものの、50 代から 60 代女性の世代では、製造業からの
移行という要因もあり、就業者は増えています。公務員は、やはり行財政改革を要
因として、公務員を除く第3次産業と同様に、全体としてピラミッドの面積が小さ
くなるとともに、平成 22 年では 30 代前半が少ないなど、年齢的な偏りもみられる
ようになっており、そのことは行政運営上も課題と言えます。また、建設業などと
比べて女性が働きやすい職場であり、就業者数が極めて少ない女性の雇用を増やし
ていくことも重要と考えられます。
就業人口のピラミッド
〔農林業〕
平成 12 年
平成 22 年
男性
女性
男性
85歳以上
85歳以上
80~84歳
80~84歳
75~79歳
75~79歳
70~74歳
70~74歳
65~69歳
65~69歳
60~64歳
60~64歳
55~59歳
55~59歳
50~54歳
50~54歳
45~49歳
45~49歳
40~44歳
40~44歳
35~39歳
35~39歳
30~34歳
30~34歳
25~29歳
25~29歳
20~24歳
20~24歳
15~19歳
女性
15~19歳
80
60
40
20
0
20
40
60
80
80
16
60
40
20
0
20
40
60
80
雄武町人口ビジョン
〔漁業〕
平成 12 年
平成 22 年
男性
女性
男性
85歳以上
85歳以上
80~84歳
80~84歳
75~79歳
75~79歳
70~74歳
70~74歳
65~69歳
65~69歳
60~64歳
60~64歳
55~59歳
55~59歳
50~54歳
50~54歳
45~49歳
45~49歳
40~44歳
40~44歳
35~39歳
35~39歳
30~34歳
30~34歳
25~29歳
25~29歳
20~24歳
20~24歳
15~19歳
15~19歳
80
60
40
20
0
20
40
60
80
80
60
40
20
女性
0
20
40
60
80
40
60
80
40
60
80
〔製造業〕
平成 12 年
平成 22 年
男性
男性
女性
85歳以上
85歳以上
80~84歳
80~84歳
75~79歳
75~79歳
70~74歳
70~74歳
65~69歳
65~69歳
60~64歳
60~64歳
55~59歳
55~59歳
50~54歳
50~54歳
45~49歳
45~49歳
40~44歳
40~44歳
35~39歳
35~39歳
30~34歳
30~34歳
25~29歳
25~29歳
20~24歳
20~24歳
15~19歳
15~19歳
80
60
40
20
0
20
40
60
80
80
〔建設業〕
平成 12 年
40
20
0
20
平成 22 年
男性
男性
女性
85歳以上
85歳以上
80~84歳
80~84歳
75~79歳
75~79歳
70~74歳
70~74歳
65~69歳
65~69歳
60~64歳
60~64歳
55~59歳
55~59歳
50~54歳
50~54歳
45~49歳
45~49歳
40~44歳
40~44歳
35~39歳
35~39歳
30~34歳
30~34歳
25~29歳
25~29歳
20~24歳
20~24歳
15~19歳
15~19歳
80
60
女性
60
40
20
0
20
40
60
80
80
17
60
40
20
女性
0
20
雄武町人口ビジョン
〔第3次産業(公務員を除く)〕
平成 12 年
平成 22 年
男性
女性
男性
85歳以上
85歳以上
80~84歳
80~84歳
75~79歳
75~79歳
70~74歳
70~74歳
65~69歳
65~69歳
60~64歳
60~64歳
55~59歳
55~59歳
50~54歳
50~54歳
45~49歳
45~49歳
40~44歳
40~44歳
35~39歳
35~39歳
30~34歳
30~34歳
25~29歳
25~29歳
20~24歳
20~24歳
15~19歳
女性
15~19歳
80
60
40
20
0
20
40
60
80
80
〔公務員〕
平成 12 年
40
20
0
20
40
60
80
40
60
80
平成 22 年
男性
女性
男性
85歳以上
85歳以上
80~84歳
80~84歳
75~79歳
75~79歳
70~74歳
70~74歳
65~69歳
65~69歳
60~64歳
60~64歳
55~59歳
55~59歳
50~54歳
50~54歳
45~49歳
45~49歳
40~44歳
40~44歳
35~39歳
35~39歳
30~34歳
30~34歳
25~29歳
25~29歳
20~24歳
20~24歳
15~19歳
15~19歳
80
60
60
40
20
0
20
40
60
80
80
60
40
20
女性
0
20
資料:国勢調査
18
雄武町人口ビジョン
Ⅳ
雄武町の人口問題をめぐる課題
雄武町の人口問題をめぐる主な課題を再掲すると次のとおりです。
【人口の動向の整理】
○総人口は一貫して人口減少が続いている
○人口ピラミッドは面積が小さく、山も上方(高年齢層)にシフトしている
○在住外国人は減少傾向も、依然、200 人近く在住
○近年、未婚率が急上昇し、晩婚化が進んでいる
○合計特殊出生率は比較的良く、一貫して全道、全国平均を上回る
○自然減かつ社会減が続いている
○進学・就職による転出者のうち、女性のU・Iターンが少ない
○道内への転出超過傾向と道外からの転入超過傾向がみられる
【就業の状況の整理】
○男女とも全国平均より就業率が高い
○女性は製造業、男性は農林業、漁業、建設業、製造業の就業人口が多い
○推移をみると、第2次産業、とりわけ建設業の就業人口減が著しい
【人口問題をめぐる課題】
○人口の減少傾向に歯止めをかけなければ、町が衰退してしまう
○進学や就職で一度町を離れても、再び戻ってくるまちづくりが必要
○基幹産業の振興がこれからも主軸だが、一方で、多様な産業を発展させ、
雇用の受け皿を地域に作っていくことが必要
19
雄武町人口ビジョン
Ⅴ
将来人口のシミュレーション
以上の分析を踏まえ、国が「地方版人口ビジョン」策定のために全国市町村向けに
配布した人口推計ソフト(平成 17、22 年の国勢調査人口をもとにしたコーホート要
因法)を用い、平成 72 年(2060 年)までの本町の将来人口のシミュレーションを
以下のとおり実施しました。
なお、人口推計ソフトには、増田寛也元総務大臣を座長とする「日本創生会議」に
よる市町村別推計、国立社会保障・人口問題研究所(以下、社人研と言う。)による
市町村別推計も登載されています。
Ⅴ‐1
自然体の推計
総人口は平成 72 年(2060 年)2,000 人前後にまで減少する
過去の傾向に基づく自然体の推計として、
「日本創生会議」による推計と、社人研
による推計があります。
「日本創生会議」による推計(パターン1)は、平成 52 年(2040 年)までしか
実施されていませんが、合計特殊出生率を全国と雄武町の傾向に基づき 1.22 を基
点に平成 52 年(2040 年)まで 1.18 まで減少とするものと設定し、年齢別社会増
減率を平成 17 年と平成 22 年の雄武町の国勢調査人口に基づき設定した推計です。
これによると、平成 52 年(2040 年)の総人口は 2,500 人を割り込むものと推
計され、年少人口、生産年齢人口、老年人口の各区分でともに減少が続きます。
パターン1
自然体の推計(日本創生会議)
6,000
(人)
5,000
65歳以上
4,939
4,537
15~64歳
4,109
4,000
3,673
0~14歳
3,259
2,863
3,000
2,484
2,000
1,000
0
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
2035年
2040年
65歳以上
1,441
1,452
1,452
1,352
1,246
1,113
1,006
15~64歳
2,964
2,607
2,254
1,975
1,712
1,481
1,240
0~14歳
534
478
403
346
301
269
238
4,939
4,537
4,109
3,673
3,259
2,863
2,484
合計
20
2045年
2050年
2055年
2060年
雄武町人口ビジョン
社人研による推計(パターン2)は、合計特殊出生率を全国と雄武町の傾向に基
づき 1.22 を基点に平成 52 年(2040 年)まで 1.18 まで減少とするものと設定し、
年齢別社会増減率を平成 17 年と平成 22 年の雄武町の国勢調査人口に基づく設定値
の半分とした推計です。年齢別社会増減率を半分にするとは、増加している年齢層
も、減少している年齢層もともに半分にするということで、平成 17 年と平成 22 年
に特殊な要因で社会増減率がイレギュラーな値となっている場合、その影響を緩和
するために行っています。
これによると、平成 52 年(2040 年)の総人口は 2,900 人となり、
「日本創生会
議」による推計(パターン1)よりは約 400 人多くなります。平成 72 年(2060
年)には 2,000 人を割り込むものと推計されます。
パターン2
自然体の推計(社人研)
6,000
(人)
5,000
65歳以上
4,939
4,537
15~64歳
4,190
3,845
4,000
0~14歳
3,517
3,206
3,000
2,905
2,614
2,350
2,108
2,000
1,890
1,000
0
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
2035年
2040年
2045年
2050年
2055年
2060年
65歳以上
1,441
1,452
1,480
1,410
1,337
1,234
1,161
1,047
956
887
787
15~64歳
2,964
2,607
2,303
2,080
1,863
1,680
1,478
1,330
1,187
1,038
941
0~14歳
534
478
407
355
317
292
266
237
207
183
162
4,939
4,537
4,190
3,845
3,517
3,206
2,905
2,614
2,350
2,108
1,890
合計
21
雄武町人口ビジョン
雄武町の直近の合計特殊出生率は 1.48 であり、将来にわたってこの 1.48 が継続
するという仮定で社人研推計を補正した推計がパターン3です。
これによると、平成 72 年(2060 年)には約 2,100 人になると推計されます。
パターン1~3のうち、このパターン3を、本人口ビジョンにおける自然体推計
の基本推計に位置づけます。
パターン3
自然体の推計(社人研推計を補正)
6,000
(人)
5,000
65歳以上
4,939
4,537
15~64歳
4,217
3,898
4,000
3,595
0~14歳
3,303
3,022
3,000
2,755
2,513
2,292
2,093
2,000
1,000
0
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
2035年
2040年
2045年
2050年
2055年
2060年
65歳以上
1,441
1,452
1,480
1,409
1,337
1,234
1,161
1,047
956
888
787
15~64歳
2,964
2,607
2,303
2,080
1,863
1,702
1,522
1,398
1,277
1,148
1,070
0~14歳
534
478
434
409
395
367
339
310
280
256
236
4,939
4,537
4,217
3,898
3,595
3,303
3,022
2,755
2,513
2,292
2,093
合計
22
雄武町人口ビジョン
Ⅴ‐2
出生率が回復したパターン
平成 72 年(2060 年)の総人口は 2,300~2,800 人台
社人研推計(パターン2・3)をベースに、出生率が好転すると仮定したのが、
パターン4~6のシミュレーションです。
パターン4は、平成 32 年(2020 年)に出生率が 1.8 に回復し、そのまま平成
72 年(2060 年)まで維持するパターンです。
パターン5は、平成 32 年(2020 年)に出生率が 1.8 に回復し、さらに平成 37
年(2025 年)に出生率が 2.1 に上昇し、そのまま平成 72 年(2060 年)まで維持
するパターンです。
パターン6は、平成 32 年(2020 年)に出生率が 2.1 に上昇し、さらに平成 37
年(2025 年)に出生率が 2.5 に上昇し、そのまま平成 72 年(2060 年)まで維持
するパターンです。
これによると、平成 72 年(2060 年)の総人口は、パターン4が 2,300 人台、
パターン5が 2,500 人台、パターン6が 2,800 人台となり、年少人口は、パター
ン4が 300 人台、パターン5が 400 人台、パターン6が 500 人台となります。
パターン4~6のうち、国の長期ビジョンの人口推計における設定値を用いてい
るパターン4と5を、本人口ビジョンにおける基本推計に位置づけます。
パターン4
出生率が 1.8 に回復したパターン
6,000
(人)
5,000
65歳以上
4,939
4,537
4,248
4,000
15~64歳
3,957
3,680
3,411
0~14歳
3,154
3,000
2,915
2,701
2,507
2,337
2,000
1,000
0
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
2035年
2040年
2045年
2050年
2055年
65歳以上
1,441
1,452
1,480
1,409
1,337
1,235
1,161
1,048
956
886
786
15~64歳
2,964
2,607
2,303
2,080
1,863
1,727
1,572
1,472
1,377
1,272
1,217
0~14歳
合計
2060年
534
478
465
468
480
449
421
395
368
349
334
4,939
4,537
4,248
3,957
3,680
3,411
3,154
2,915
2,701
2,507
2,337
23
雄武町人口ビジョン
パターン5
出生率が 2.1 に上昇したパターン
6,000
(人)
5,000
65歳以上
4,939
4,537
4,248
3,984
4,000
15~64歳
3,731
3,486
0~14歳
3,249
3,033
3,000
2,846
2,681
2,540
2,000
1,000
0
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
2035年
2040年
2045年
65歳以上
1,441
1,452
1,480
1,409
1,336
1,235
1,161
1,047
955
887
786
15~64歳
2,964
2,607
2,303
2,080
1,863
1,727
1,593
1,515
1,443
1,359
1,327
0~14歳
合計
2050年
2055年
2060年
534
478
465
495
532
524
495
471
448
435
427
4,939
4,537
4,248
3,984
3,731
3,486
3,249
3,033
2,846
2,681
2,540
パターン6
出生率が 2.5 に上昇したパターン
6,000
(人)
5,000
65歳以上
4,939
4,537
4,268
4,039
4,000
15~64歳
3,819
3,604
3,398
0~14歳
3,221
3,078
2,958
2,866
2060年
3,000
2,000
1,000
0
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
2035年
2040年
2045年
2050年
2055年
65歳以上
1,441
1,452
1,480
1,410
1,337
1,234
1,161
1,047
956
888
786
15~64歳
2,964
2,607
2,303
2,080
1,863
1,743
1,638
1,590
1,550
1,498
1,500
0~14歳
合計
534
478
485
549
619
627
599
584
572
572
580
4,939
4,537
4,268
4,039
3,819
3,604
3,398
3,221
3,078
2,958
2,866
24
雄武町人口ビジョン
Ⅴ‐3
社会移動も好転したパターン
平成 72 年(2060 年)の総人口は 2,800~3,100 人台
パターン7~10 は、パターン4・5をベースに、社会移動も好転すると仮定した
シミュレーションです。
パターン7は 5 年後に出生率が 1.8 に回復、社会減を 10 年間かけて、徐々に±
0へと好転していく推計、パターン8は 5 年後に出生率が 1.8 に回復、社会減を 5
年間かけて、徐々に±0へと好転していく推計です。
パターン 9・10 は、社会減がすぐに±0、すなわち、転出者数と転入者数が一貫
して同数と仮定した推計です。パターン9は、合計特殊出生率が 5 年後に 1.8 に回
復、パターン 10 は、5 年後に合計特殊出生率が 1.8、さらに 10 年後に 2.1 まで回
復するものと仮定した推計となっています。
これらによると、平成 72 年(2060 年)の総人口は、パターン7の 2,800 人台
から、パターン 10 の 3,100 人台の間と推計されます。
パターン7
社会移動も好転したパターン(出生率 1.8+社会増減 10 年後からゼロ)
6,000
(人)
5,000
65歳以上
4,939
4,537
4,251
4,020
4,000
3,843
3,670
3,485
3,295
15~64歳
3,122
3,000
0~14歳
2,963
2,824
2,000
1,000
0
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
2035年
2040年
2045年
2050年
2055年
65歳以上
1,441
1,452
1,481
1,434
1,398
1,332
1,293
1,197
1,125
1,083
993
15~64歳
2,964
2,607
2,305
2,116
1,956
1,872
1,750
1,680
1,605
1,503
1,462
0~14歳
合計
2060年
534
478
465
470
489
466
442
418
392
377
369
4,939
4,537
4,251
4,020
3,843
3,670
3,485
3,295
3,122
2,963
2,824
25
雄武町人口ビジョン
パターン8
社会移動も好転したパターン(出生率 1.8+社会増減5年後からゼロ)
6,000
(人)
5,000
65歳以上
15~64歳
4,939
4,537
4,285
0~14歳
4,111
4,000
3,931
3,753
3,562
3,367
3,191
3,028
3,000
2,884
2,000
1,000
0
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
2035年
2040年
2045年
2050年
2055年
2060年
65歳以上
1,441
1,452
1,492
1,461
1,429
1,363
1,320
1,222
1,153
1,115
1,020
15~64歳
2,964
2,607
2,326
2,173
2,005
1,916
1,794
1,721
1,640
1,528
1,488
0~14歳
534
478
467
477
497
474
448
424
398
385
376
4,939
4,537
4,285
4,111
3,931
3,753
3,562
3,367
3,191
3,028
2,884
合計
パターン 9
社会移動も好転したパターン(出生率 1.8+社会増減ゼロ)
6,000
(人)
5,000
65歳以上
4,939
4,537
4,386
4,207
4,021
4,000
15~64歳
3,837
3,641
3,441
0~14歳
3,262
3,094
3,000
2,945
2,000
1,000
0
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
2035年
2040年
2045年
2050年
2055年
2060年
65歳以上
1,441
1,452
1,523
1,492
1,461
1,392
1,349
1,249
1,188
1,148
1,039
15~64歳
2,964
2,607
2,390
2,231
2,054
1,965
1,839
1,763
1,668
1,553
1,522
0~14歳
534
478
473
484
506
480
453
429
406
393
384
4,939
4,537
4,386
4,207
4,021
3,837
3,641
3,441
3,262
3,094
2,945
合計
26
雄武町人口ビジョン
パターン 10
社会移動も好転したパターン(出生率 2.1+社会増減ゼロ)
6,000
(人)
5,000
65歳以上
4,939
4,537
4,386
4,235
4,076
4,000
15~64歳
3,917
3,748
3,579
3,432
0~14歳
3,299 3,191
3,000
2,000
1,000
0
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
2035年
2040年
2045年
2050年
2055年
2060年
65歳以上
1,441
1,452
1,523
1,492
1,462
1,392
1,349
1,249
1,187
1,147
1,041
15~64歳
2,964
2,607
2,390
2,231
2,054
1,965
1,867
1,818
1,748
1,660
1,658
0~14歳
合計
534
478
473
512
560
560
532
512
497
492
492
4,939
4,537
4,386
4,235
4,076
3,917
3,748
3,579
3,432
3,299
3,191
27
雄武町人口ビジョン
Ⅴ‐4
各パターンの年齢構成比の比較
平成 72 年(2060 年)の高齢化率は 27~42%
各パターンの年齢構成比を比較すると、平成 72 年(2060 年)の高齢化率は、下
表のとおり 33%~42%となります。
各パターンの年齢構成比の比較
平成 22 年
平成 52 年
平成 72 年
(2010 年)
(2040 年)
(2060 年)
0~14 歳
11%
10%
15~64 歳
60%
50%
65 歳以上
29%
40%
0~14 歳
11%
9%
9%
15~64 歳
60%
51%
50%
65 歳以上
29%
40%
42%
0~14 歳
11%
11%
11%
15~64 歳
60%
50%
51%
65 歳以上
29%
38%
38%
0~14 歳
11%
13%
14%
15~64 歳
60%
50%
52%
65 歳以上
29%
37%
34%
0~14 歳
11%
15%
17%
15~64 歳
60%
49%
52%
65 歳以上
29%
36%
31%
0~14 歳
11%
18%
20%
15~64 歳
60%
48%
52%
65 歳以上
29%
34%
27%
0~14 歳
11%
13%
13%
パターン 7(出生率 1.8+社会増減 10 年後からゼロ) 15~64 歳
60%
50%
52%
65 歳以上
29%
37%
35%
0~14 歳
11%
13%
13%
15~64 歳
60%
50%
52%
65 歳以上
29%
37%
35%
0~14 歳
11%
12%
13%
15~64 歳
60%
51%
52%
65 歳以上
29%
37%
35%
0~14 歳
11%
14%
15%
15~64 歳
60%
50%
52%
65 歳以上
29%
36%
33%
パターン1(地方創生会議自然体・出生率 1.18)
パターン2(社人研自然体・出生率 1.18)
パターン3(自然体・出生率 1.48)
パターン4(出生率 1.8)
パターン5(出生率 2.1)
パターン6(出生率 2.5)
パターン 8(出生率 1.8+社会増減5年後からゼロ)
パターン 9(出生率 1.8+社会増減当初からゼロ)
パターン 10(出生率 2.1+社会増減当初からゼロ)
28
雄武町人口ビジョン
Ⅵ
めざすべき人口目標と取組方向
45 年後に●割減程度(パターン●)をめざす
本町の平成 72 年(2060 年)の人口は、様々なパターンによるシミュレーション
の結果、平成 22 年(2010 年)比で 38~65%に減少することがわかりました。
自然体で推移すると、平成 72 年(2060 年)には、平成 22 年(2010 年)の半分
未満の人口となり、出生率と社会増減が改善することで、30~40%減程度の人口減
少となり、第4章までの分析から、そのためには、生産年齢人口の転出抑制が人口減
少の抑制には効果的であるとの結論を得ました。
平成 72 年人口の平成 22 年比
備考
区分
平成 72 年人口
平成 22 年比
パターン2
1,890
38%
国立社会保障人口問題研究所の推計
パターン3
2,093
42%
パターン2をベースに現在の出生率 1.48 を維持
パターン4
2,337
47%
パターン2をベースに 5 年後に出生率が 1.80 に回復
パターン5
2,540
51%
パターン2をベースに 5 年後に出生率が 1.80 に回復、10
年後に 2.10 まで回復
パターン6
2,866
58%
パターン2をベースに 5 年後に出生率が 2.10 に回復、10
年後に 2.50 まで回復
パターン 7
2,824
57%
パターン4(出生率が5年後に 1.80 に回復)をベースに、社
会増減が 10 年かけて±0 に回復
パターン 8
2,884
58%
パターン4(出生率が5年後に 1.80 に回復)をベースに、社
会増減が 5 年かけて±0 に回復
パターン 9
2,945
60%
パターン4(出生率が 5 年後に 1.80 に回復)をベースに、社
会増減がすぐに±0 に回復
パターン 10
3,191
65%
パターン5(出生率が 5 年後に 1.80 に回復、10 年後に 2.10
まで回復)をベースに、社会増減がすぐに±0 に回復
北海道人口ビジョンにおいては平成 72 年(2060 年)人口が平成 22 年(2010 年)
人口の 60%に減少する見通しを改善させ、71%減少にとどめること(11 ポイント増)
を目標とすることなどを参考に、本町では、出生率が今後●年で 1.8 まで回復し、か
つ、今後●年かけて社会増減±0をめざす「パターン●」のシミュレーションを採用
します。この場合、社人研推計の 38%に減少する見通しを改善させ、●●%にとど
めること(●●ポイント増)を人口とビジョンします。
この推計人口の達成をめざし、「雄武町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に盛り
込む人口の流入をもたらす施策・事業に加え、出生率の上昇につながる施策・事業に
取り組むことで、人口減少に歯止めをかけ、さらには、人口の維持・増加へとつなげ
ていくことをめざします。
その実現にむけて、国・道や産業界などと連携しながら、次のことに、長期的・重
点的に取り組みを進める必要があります。
29
雄武町人口ビジョン
1
地域産業の成長と産業の重層化
本町の産業は、農業と漁業、水産加工業が基幹産業となっており、これらへの依存
度が高く、転職の必要が迫られた場合に、町内での異なる産業分野への就業が難しく、
そのことが人口減少につながる大きな要因となっています。このため、地域産業の成
長策による所得の向上と雇用の確保を強化していくことが必要不可欠です。
このほか、地域産業と関連性の高い産業を誘致あるいは起業し、産業の重層化を図
ることも有効策として検討していくことも重要です。
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結婚・出産・子育てへの支援の強化
昭和の時代の高い合計特殊出生率への回帰を果たすため、結婚・出産・子育て など
家庭経済支援の強化を図ります。
結婚については、「婚活支援」など、ダイレクトな取り組みのみならず、若年非正
規就労の正規就労化の促進や、低廉で良好な住宅ストックの確保など、結婚生活を継
続的に営める地域の仕組みづくりを進めます。
出産については、妊婦健診や不妊治療などに関する交通費等の助成の拡充、西紋別
地域での産婦人科医療の確保などに努めます。
子育てについては、町内企業等における男性を含めた育児休業の取得促進や、こど
も園・放課後児童クラブ等の一層の充実、子育て世帯への経済的支援の充実に努めま
す。
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定住・移住環境の充実
本町は、民間の不動産会社がなく、土地・家屋の取引も知り合いを頼って行われて
いる実態があり、また、民間による宅地造成も行われていない状況です。
全国の不特定多数の定住・移住希望者を受け入れるためには、外部に向けた積極的
な情報発信や、そうした人々を受け入れる住宅の確保、さらには他地域により魅力的
な住宅取得や改修などの支援制度を促進し、定住・移住環境の充実をソフト・ハード
両面で行い、人口減少を食い止めていきます。
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雄武町人口ビジョン
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