ガイダンス

育児・教育
財政学(財政学B)
第7回
畑農鋭矢
1
高齢化の進行
65歳以上人口比率
0.5
2006年
0.4
2002年
1997年
0.3
1992年
0.2
0.1
0.0
1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055
資料:国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口』
人口構成の国際比較
各年齢の割合(%)
日本
フランス ドイツ
イタリア
イギリス
スペイン
0~14歳
13.3
18.4
14.3
14.2
18.0
14.5
15~64歳
63.9
65.1
66.8
66.2
65.9
68.7
65歳以上
22.7
16.5
18.9
19.6
16.1
16.8
スウェーデン ポーランド ロシア
カナダ
アメリカ アルゼンチン
0~14歳
17.4
16.3
15.1
17.6
20.8
26.2
15~64歳
65.4
70.4
71.1
69.3
66.8
63.4
65歳以上
17.2
13.3
13.8
13.1
12.4
10.3
中国
インド
0~14歳
22.0
15~64歳
65歳以上
韓国 シンガポール 南アフリカ
世界
33.1
19.1
19.6
31.7
28.4
70.4
62.3
71.6
71.9
64.3
64.4
7.6
4.6
9.3
8.5
4.1
7.3
資料: United Nations "World Population Prospects The 2008 Revision Population Database"
少子化の進行
資料:厚生労働省「人口動態統計」
主要国の合計特殊出生率
資料:内閣府『平成22年版子ども・子育て白書』
年齢別女性の出生率
資料:厚生労働省「人口動態統計」
結婚後の出生行動
結婚持続期間別にみた平均出生子ども数
資料:国立社会保障・人口問題研究所「第13回出生動向基本調査」
晩婚化
平均初婚年齢の推移
資料:厚生労働省「人口動態統計」
生涯未婚率(50歳時の未婚率)
資料:総務省統計局「国勢調査」
子ども数決定の経済理論
•
•
•
•
•
消費財c
子ども数n、育児費用p
労働時間l、育児時間h
効用 u=u(c, n)
時間制約
総生活時間 H=l+hn
• 予算制約 w(H-hn)=c+pn (wは実質賃金)
c=wH-(wh+p)n
子ども数の決定と育児費用
消
費
c
c=wH-(wh+p)n
育児費用 p↑
E0⇒E1
n↓
wH
E1
E0
I2
I1
O
B
A
子ども数n
消
費
c
子ども数の決定と機会費用
c=wH-(wh+p)n
賃金 w↑
(切片・傾きともに増加)
E0⇒E1
n↓
wH
E1
E0
I2
I1
O
B
A
子ども数n
子ども数の決定と選好の変化
消
費
c
子どもnから消費cへの
選好(好み)の変化
I1⇒I1’
n↓
E1
E0
O
I1’
I1
子ども数n
少子化の3つの原因
• 子育て費用の増加
核家族化⇒育児の外部化(保育園など)
教育費用
• 機会費用の増加
女性の社会進出・女性の賃金の上昇
• 子ども財に対する欲求の低下
ライフスタイルの変化・個人(自分)主義
産業構造の変化⇒労働力としての価値低下
社会保障の充実⇒子どもによる老後保障機能の低下
子どもの数ではなく質を重視する傾向
女性の社会進出と出生率
資料:総務省統計局『就業構造基本調査』、厚生労働省「人口動態統計」
少子化対策の経済学的根拠
• 外部性
規模の経済性
⇒いま少子化対策が必要な理由?
• 制度的な移転
賦課方式の公的年金制度
⇒子どものいる世帯からいない世帯への移転
賦課方式⇒積立方式?
• 流動性制約
大家族による育児⇒親世代からの借入と同等
育児の外部化⇒流動性制約が顕在化
待機児童の問題
保
育
料
S
D
p
p’
待機児童
O
xS
得している人
x
xD
需要・供給量
認可保育園と認可外保育園
保
育
料
S’ (認可外) S(民間)
D
p2
p*
p1
O
認可保育園
x1
x 待機児童
xD
保
育
サ
ー
ビ
ス
高等教育への進学率
1967
1972
1977
1982
1987
1992
1997
2002
高校
男性 女性
75.3 73.7
86.2 88.2
92.2 94.0
93.2 95.5
92.8 95.0
93.9 96.2
94.8 97.0
95.2 96.5
大学
男性 女性
20.5
4.9
33.5
9.3
39.6 12.6
37.9 12.2
35.3 13.6
35.2 17.3
43.4 26.0
47.0 33.8
短期大学
大学院
男性 女性 男性 女性
1.6
8.5
5.5 2.4
2.2
14.4 4.6 1.7
2.3
20.7 5.0 1.6
1.9
20.5 5.3 2.1
1.8
21.5 7.1 2.9
1.8
23.5 8.8 3.7
2.3
22.9 10.6 5.3
1.8
14.7 13.5 6.9
資料:文部科学省「学校基本調査」
教育の経済理論
• 人的資本理論
G・ベッカー
教育⇒人的資本投資
教育は能力を引き上げる
• シグナリング理論
A・M・スペンス
不完全情報のもとで有能さを示すための学歴
教育は能力を引き上げる必要はない
学歴によるスクリーニングが重要
公的介入の根拠
• 正の外部性
教育への補助金
• 流動性制約
奨学金制度
• 親からの移転
親の資金力格差による不公平
育児・教育政策の指針
• 公立施設の低生産性
競争の導入=公立への補助の削減・廃止
• 公立施設への超過需要
公立への補助の削減・廃止
• 流動性制約に対する対処
子育て世帯への補助
• バウチャー方式
=子育て世帯への補助
⇒公立への補助の削減・廃止により財源調達