超音波応答性バブル製剤の開発 と それによる 診断と治療(セラノスティクス) 帝京大学 薬学部 教授 准教授 薬物送達学研究室 丸山 一雄 鈴木 亮 1 バブル製剤の現状と問題点 現在のマイクロバブル製剤 供給停止中→ 現在のマイクロバブル製剤の問題点 ●(特に、Levovistに代わる)使い易いバブル製剤の要望が多い ● 国内には2種類のバブル製剤しかない(実質1種類) ● 限られた適用のバブル製剤 2 超音波セラノスティクスバブル開発へのモチベーション ●(特に、Levovistに代わる)使いやすいバブル製剤の要望が多い Levovistに代わる使いやすいバブル製剤の開発 ● 国内には2種類のバブル製剤しかない(実質1種類) 新しいバブル製剤の市場性がある ● 限られた適用のバブル製剤 超音波診断に限らず、治療も可能にする ● 超音波機器の高性能化 診断と治療の同時(セラノスティクス)が可能となる 特異性の高いセラノスティクスが可能となる ● カナダでBBB*オープニングによる抗がん剤送達治療が実施された(2015年11月) バブル製剤のオシレーションを利用した画期的な治療法 http://sunnybrook.ca/media/item.asp?i=1351 *BBB : Blood Brain Barrier 3 バブル製剤と超音波照射によるセラノスティクス 診断用超音波 5〜20 MHz オシレーション Piezo Transduser Acoustic emission 超音波造影・診断 BBBオープニング *BBB : Blood Brain Barrier Cavitation erosion Oscillation Cavitation 薬物・遺伝子・核酸医薬 導入 BBBオープニング 組織破壊 血栓溶解 Heating effect 温熱療法 がんの焼灼治療 治療用超音波 0.5〜3 MHz オシレーション → キャビテーション 4 新規セラノスティクスバブル製剤の開発に成功 超音波応答性ガスの保持性が良く、血中安定性の高い特徴を有する → 新しい超音波造影 剤 無菌製造法・凍結乾燥製剤化を開発 → GMP製造 組成物は医薬品又は医薬品添加物として既使用の素材 → 安全性評価し易い ターゲティング分子を搭載可能 → 新しい超音波造影剤 5 診断と治療を同時にできるセラノスティクスシステムへの可能性 (Sonazoidと比較) 発表ではムービーで示します 6 iv 投与後の腫瘍組織の各種超音波造影(新生血管の血流) 発表ではムービーで示します 7 In vivo 遺伝子導入 8 超音波とバブル製剤による新しい診断と治療への展開 超音波応答性ガスの保持性が良く、血中安定性の高い特徴を有する セラノスティクスバブル製剤 診断用超音波照射 心臓超音波検査・臓器内血流検査 腫瘍新生血管の造影・オープニングによる薬物送達・センチネルリンパの造影 BBBオープニングによる脳内への薬物送達 血栓部位の造影 治療用超音波照射 → キャビテーションの誘導 臓器内血管内皮細胞への薬物の導入による治療 腫瘍血管内皮細胞への薬物の導入による治療・血管の破壊による薬物送達 (プラスミド遺伝子・siRNA・mRNA・抗がん剤・タンパク質) 表在性膀胱がん治療 がんの温熱療法・焼灼治療 *BBB : Blood Brain Barrier RGD-バブルによる血栓溶解 細胞への導入試薬として Ex vivo 樹状細胞免疫療法 抗原を直接樹状細胞質内に送達出来る → MHC class I 提示 → CTL ⬆ in vitro 遺伝子導入試薬 核酸医薬(siRNA, mRNA, etc)の細胞質内直接導入 9 新技術の特徴・従来技術との比較 •TB製剤は、血中滞留時間が長く、心臓や各種臓器 の血流、腫瘍血管などを長時間観察できる。 •TB製剤のオシレーションとキャビテーションによ る治療が可能である。 •BBBオープニング用バブルとして使用できる。 •凍結乾燥製剤化に成功し、長期保存できる。 •復水後の造影機能、キャビテーション機能は、 凍結乾燥前と復水後でほとんど変化しない。 •用時調製で使用できる。 10 実用化に向けた課題 •現在、凍結乾燥製剤化に関する方法は開発済みである。 しかし、最終製剤が1μmのサイズとなるため、最終段 階での滅菌ができない。したがって、全ての工程を無菌 的に行う必要があり、設備を含めたGMP対応無菌製造法 の確立が必要である。 •病院に導入されている超音波造影装置を使用できるが、 治療に用いる治療用超音波照射装置の開発が必要となる。 •BBBオープニングに用いる集束超音波装置が必要である。 例えば、GEヘルスケア・インサイテックのMRガイド下 集束超音波治療器。 *BBB : Blood Brain Barrier 11 企業への期待 •超音波とバブル製剤による新領域の展開 •製薬会社及び超音波機器メーカに期待したい。 •先ずは、超音波造影剤として上市したい。 •国内の超音波造影剤はソナゾイドのみとなっており、 また適用も限られている。本TB製剤はソナゾイドに 無い適用が可能である。 •現在の超音波造影剤の市場規模が小さいと言われて いるが、本TB製剤の開発により、新しい診断と治療 の領域が展開できる。 •BBBオープニング用バブルとして使用できる。 *BBB : Blood Brain Barrier 12 本技術に関する知的財産権 •発明の名称 •出願番号 •出願人 •発明者 :セラノスティクス用のバブル 製剤(TB)及びその使用方法 :特願2015-117793 :学校法人帝京大学 :丸山一雄、鈴木亮、小俣大樹 Johan Unga、小田雄介 13 問い合わせ先 ○ 研究内容に関すること 帝京大学 薬学部 薬物送達学研究室 教授 丸山 一雄 准教授 鈴木 亮 TEL 03-3964-8239 FAX 03-3964-8243 e-mail [email protected] [email protected] ○ 産学連携(知的財産・共同研究等)に関すること 帝京大学知的財産センター TEL 03-3964-1211(代表)内線22470 FAX 03-3964-5486 e-mail [email protected] 14
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