遺伝子(Tmku80)破壊白癬菌の開発 による病原・耐性

4.新技術説明会について(実施後フォローアップ、来年度の実施) 【産連展開部(産学連携支援G)】
遺伝子(Tmku80)破壊白癬菌の開発
による病原・耐性因子の解析法
帝京大学
帝京大学
医療共通教育研究センター
医真菌研究センター
教授 槇村 浩一
1
従来技術とその問題点
従来、白癬(ミズムシ)菌においては遺伝子破
壊や導入が困難であったため、その遺伝子機
能解析は実質的に不可能であった。
↑
標的とする遺伝子と導入ベクターとの間で生
じる相同組換え頻度が極端に低かったため
2
白癬(ミズムシ)の問題点
• 日本人口の約20%が足白癬、約10%が爪白癬と報告されている。
• 本邦皮膚科新来患者の13%以上が白癬であり、病型別の頻度とし
ては、足白癬が約64%、爪白癬20%、体部白癬7%、股部白癬5%の
順である。足部皮膚疾患に限って見れば、その4割は足白癬であると
いう。
• 動物からヒトへの直接感染としては、酪農家をはじめとしたウシ取扱
者に見られるT. verrucosum、コンパニオン・アニマルとしてのネコか
ら感染するM. canis、およびウサギ目またはげっ歯目の動物より感
染するT. mentagrophytes 動物型による体部白癬、頭部白癬が問
題となっている。
• 好獣性菌による白癬の特徴は、宿主動物である患畜においては症
状が軽いか、または無症状であることが多い点である。
3
新技術の特徴・従来技術との比較
• 遺伝子(Tmku80)破壊白癬菌の開発によって、
– 白癬菌における遺伝子破壊が実際的に可能
となった。
– 新規遺伝子を新たに導入することも可能と
なった。
↓
• 病原因子や抗菌薬に対する耐性の解析
が可能になった。
4
想定される用途
• 患者が多い白癬(ミズムシ・タムシ・シラク
モ)の病原性を明らかにすることにより、新
規診断・治療法を開発できる。
• 白癬菌の抗真菌薬耐性機序を明らかにす
ることにより、新規治療薬を開発できる。
• 病原性が高く、一般に研究が困難である
高度病原菌による輸入真菌症対策上のモ
デル研究に応用し、新規治療法開発に資
することができる。
5
本邦で問題となりうる輸入真菌症流行地
6
実用化に向けた課題
• 現在、白癬菌について安定した遺伝子破壊・
遺伝子挿入が可能なところまで開発済み。
• しかし、以下の点が未解決(未決定)のため本
発明は事業化されていない。
– 研究開発ツールとして販売、または解析サービ
スとして提供する際のプラットフォーム
– 白癬菌または関連する高度病原菌に対する具体
的な薬剤開発候補。
• 実用化に向けて、基礎研究を推進することに
よって、標的分子の発見と絞り込みが必要。
7
本技術に関する知的財産権
•
•
•
•
•
•
発明の名称 :遺伝子破壊白癬菌
出願番号 :特願2008-11432(P2008-111432)
公開番号 :特開2009-261255(P2009-61255A)
登録番号 :特許第4837702号(P4837702)
出願人
:学校法人帝京大学
発明者
:槇村浩一、山田剛、安部茂
8
産学連携の経歴
• 1994年-2000年 東洋紡ジーンアナリシス社と共同研究実施
• 1995年-2000年 新エネルギー・産業技術総合開発機構委
託業務(提案公募型・最先端分野研究開発事業)に採択
• 1998年-2000年 財団法人日本宇宙フォーラム 平成10年度
宇宙環境利用に関する公募地上研究に採択
• 2007年-現在 日本宇宙航空研究開発機構 宇宙ステー
ション内微生物叢に関する共同研究実施
• 2012年-現在 ワールドジェノマトリクス社との共同研究実施
• 2015年-現在 株式会社エアリーテクノロジー社との共同研
究実施
9
お問い合わせ先
帝京大学
EBMセンター
松田 浩幸
TEL 03-3964 - 1211
FAX 03-3964 - 8423
e-mail mazda@med.teikyo-u.ac.jp
10