資料2 ヘリカル方式核融合研究の進捗状況と今後の取り組み(3) (PDF

核融合工学研究の推進計画について
年度 2012
2015
2021
2016
大学・
民間等との共同研究と人材育成
炉設計の段階的高度化
概念設計
基本設計
成果の反映
大型ヘリカル装置
先端基礎
学術研究
重水素実験/最高性能化
連携
エネルギー循環工学研究
工学基盤の構築
国内外の研究拠点の形成
新分野創成
人材育成
(1)大型高磁場超伝導
マグネット研究
100 kA級導体開発
とヘリカル巻線の
試作
(2)長寿命液体
ブランケット研究
ブランケットの試作
と核融合模擬条件
での実証研究
(3)高熱流プラズマ
対向壁研究
核融合炉
超高熱負荷対向壁
の製作と核融合模
擬条件での実証研
究
(4)低放射化構造材料研究
寄与
核融合炉の工学設計
実規模・実環境・実機能
工学実証研究
ITER / BA活動 、 原型炉R&D、特別設計チーム活動
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数値実験炉研究プロジェクトの第3期中期計画
- 数値実験炉の構築に向けたコアプラズマから周辺プラズマ・プラズマ対向壁
までを含む数値コードの整備・拡張・高精度化及び統合化のための研究 [1] プラズマシミュレータの増強を含む研究環境の整備とエクサスケール時代を見据えた大規模核融合
シミュレーションを推進するための先進的計算手法の開発
[2] LHD重水素実験をはじめとする様々な実験結果を用いた実験検証(validation) を通じての物理モデ
ル・コードの拡張・高精度化
[3] 各種ベンチマークによる数値コードの理論検証(verification )、高エネルギー粒子・複数イオン種効
果の取り込み・プラズマ対向材研究等の核燃焼プラズマを念頭に置いたコードの整備・各種コード間
の連携
[4] 各種物理過程のモデル化と統合輸送コードへの組み込み、ヘリカル型定常核融合炉(FFHR)設計へ
の貢献
2010
第2期中期計画
数値シミュレーションによる核融合
プラズマを支配する要素物理の解明
(MHD 平衡・安定性, コアプラズマ
輸送, 乱流, 高エネルギー粒子, 加
熱, 境界プラズマ輸送、プラズマ壁
相互作用)
2016
第3期中期計画
マルチスケール、マルチ物理、
多階層モデルの構築による全要
素物理の統合化と核燃焼プラズ
マへの応用
2021
数値実験炉構築によるヘ
リカル型定常核融合炉設
計への寄与
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③今後策定されるアクションプランにおけ
る、ヘリカル方式としての貢献の在り
方、要望等
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原型炉工学設計活動に向けたNIFSの役割・貢献
-LHDは2019年まで日本における唯一の大型実験装置LHD研究
定常
重水素
実験
熱・粒子制御/PWI
高性能
プラズマ
3次元物理
環状プラズマの
総合的理解
高性能
定常
プラズマ
・(LHD)ヘリカル型定常核融合炉の学理・工学にかかる学術の体系化研究からの貢献
重水素実験を軸とした3次元物理、熱・粒子制御、PWI、ダイバータ、加熱機器等の研究
・(数値実験炉)ヘリカル型定常核融合炉設計へ向けた数値実験炉構築研究からの貢献
LHD重水素実験等の検証を通じた物理モデル・コードの確立・整備
・(核融合工学)ヘリカル型定常核融合炉の設計研究およびR&Dの推進からの貢献
超伝導技術:高温超伝導、導体接続、導体開発、等
先進技術開発:液体ブランケット、液体ダイバータ、耐熱機器、低放射化材料、等
・大学院教育を通じた人材育成と人材供給
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ITERテクノロジーをフル活用した基本オプションに
加え、別途R&Dが必要だが建設とメンテナンスが
容易になる挑戦的オプションの検討を開始
技術成熟度
Technology
Readiness
Levels
基本
発想 明確化 検討と予測
実験的評価
タングステン + 銅合金パイプ
+ 高圧水冷却
原型炉 原型炉 原型炉
定格 ミッション
性能 達成
達成
単独実証 総合実証 基本
LHD / JT-60SA
ITER
R&D in NIFS,
Univs. JAEA
LHD
ダイバータ
挑戦的 液体金属(Sn)シャワー
超伝導
コイル
Nb3Sn導体 + 液体He冷却
基本
+ 連続巻線
挑戦的
高温超伝導導体
+ Heガス冷却 + 接続巻線
基本 フェライト鋼
LHD / JT-60SA
ITER
R&D in NIFS,
Univs. JAEA
LHD
R&D in JAEA
ITER
R&D in NIFS,
Univs. JAEA
LHD
構造材料
挑戦的
フェライト鋼 + ODS鋼
+ バナジウム合金 + 異材接合
固体増殖材 + 高圧水冷却
基本
+ ヘリカル分割
炉心
Core
プラズマ
plasma
ヘリカル
コイル
R&D in JAEA
ITER
R&D in NIFS,
Univs. JAEA
LHD
ブランケット
挑戦的
溶融塩 + Ti パウダー
+ 水平/トロイダル分割
ブランケット
個々の技術につい
て、原型炉運転開
始までにTRL=6を達
成することが望まし
い
基本オプションは
JAEAを中心に、
NIFSや大学と共同
で研究開発を進め、
ITERでTRL=6を達成
挑戦的オプション
はNIFSを中心に、大
学やJAEAと共同で
研究開発を進め、
LHDを活用して
TRL=6を達成する
挑戦的オプション
の研究開発で
得られる技術は
トカマク型原型炉
においても有用
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将来の核融合炉実現への戦略(大型ヘリカル装置の貢献)
ヘリカル方式核融合炉研究開発
‘98
‘10
第1期中期計画
スタート
第2期中期計画
~‘22
第3期中期計画
核融合研・大学の連携による学術研究の推進・人材育成
将来の核融合にかかる学術研究の体系化
大型ヘリカル装置
の基本性能の検証
工学・製作設計
 建設  発電
開発組織による核融合炉建設へ
大型ヘリカル装置の超高性能化
核融合を見通せる1億2千万度のプラズ
マの実現と核融合科学の学術的体系化
ヘリカル方式における
・重水素実験(H28~H37実施予定)
・プラズマの閉じ込め
・高エネルギー粒子
核融合工学研究
の閉じ込め
・ヘリカル型定常核融合炉の設計
・定常運転性能
・工学基盤  要素毎の実規模・実環境
・高圧力実現
工学実証研究
他
数値実験炉研究
・数値実験炉  核燃焼段階を補完
大学センターとの双方向型共同研究
・全国の核融合科学研究者を糾合
共同研究による
大学研究基盤の展開
~’40 FY
共同研究による
知の結集と課題解決
・基礎と応用の交換
・人材供給・還流
・経験工学等の
課題分担
核融合研・大学
革新概念の学術研究
・更なる高性能核融合を
目指した基礎学術研究
・基礎学術による課題解決
・共同研究の推進
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磁場閉じ込め核融合発電実用化に向けて
2015
2020
2025
2030
2035
LHD(核融合研)ヘリカル
重水素による最高性能化
 核融合炉の高度化に向けた開発研究
 先端基礎学術研究
2017
JT-60SA (原子力機構)トカマク
建設
運転  定常実証
2019
強力中性子源による炉材料試験
ITER
トカマク
建設
運転核燃焼実証
原型炉
概念設計
基盤R&D
原型炉形式判断?
中間評価
建設判断
移行判断
基本設計
中規模R&D
工学設計
実規模R&D
大型ヘリカル装置は2019年のJT-60SA稼働開始までは我が国唯一の大型実験装置
製造設計
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高温領域の拡大 ま
と め
ヘリカル方式核融合研究の総合的な進捗状況と今後の取り組みを、核融合科学研究所で
進められているLHDを基盤とした研究状況からまとめた。
・ 核融合研では、ヘリカル型定常核融合炉へ向けて、大型ヘリカル装置(LHD)計画、数値
実験炉研究、核融合工学研究の3つの研究プロジェクトを、大学共同利用機関として、大
学等との連携・共同研究を軸に推進している。
・ LHDでは、8.1keVのイオン温度、5%のベータ値、1時間近くに及ぶ高性能プラズマの定常
保持等を達成するなど、研究が進展している。
・ 数値実験炉研究では、コードの開発・高度化と物理機構解明に向けた理論検証・実験検
証を、核融合工学研究では、ヘリカル型定常核融合炉の設計活動と工学課題のR&Dを、
それぞれ推進している。
・ LHDでは、2016年度末に開始する計画の重水素実験により、10keVのイオン温度達成な
ど、核融合炉に外挿できる超高性能定常プラズマの実現を目指す。その結果を数値実験
炉構築に反映させると共に、環状プラズマの理学・工学にかかる学術研究の体系化を図
り、原型炉設計に貢献する。
・ 核融合工学研究では、重水素実験の結果を取り込みながら、ヘリカル型定常核融合炉の
設計研究を進めると共に、先進的な課題を含むR&Dを進め、原型炉工学設計に寄与する。
・ 核融合研で進めているヘリカル方式核融合研究は、将来の定常核融合炉の実現に向け
て重要であり、現在、トカマク型を参照方式として設計を進めている原型炉工学設計に対
しても、物理、工学の両面で貢献する。また、人材育成・人材供給からも大きく貢献する。
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