株価、ドル・円急落を受けた今後の見方

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アムンディ・マーケットレポート
2016 年 2 月 9 日
アムンディ・ジャパン株式会社
株価、ドル・円急落を受けた今後の見方
① 日経平均株価終値は 1 万 6000 円に近付く急落、ドル・円相場は 14 年 11 月以来の 115 円割れです。
② 一部の欧米企業の信用不安が世界経済への不安を拡大させ、市場のリスク回避姿勢が強まりました。
③ 日本の株安は急激なドル安・円高からきており、ドル安・円高はほとんどが外的要因とみられます。
④ 当面の注目点は FRB の政策スタンスで、世界経済の情勢を十分加味するかどうかがカギでしょう。
⑤ 日本株は PER、PBR双方とも大きく低下し、円高の業績への影響等考慮しても割安水準と思われます。
欧米企業の信用不安をきっかけに市場のリスク回避姿勢が急拡大
本日、日経平均株価は前日比 918.86 円安(-5.4%)の 1 万 6085.44 円と、1 月 21 日に記録した
年初来安値 1 万 6017.26 円に近付く急落となりました。また、ドル・円相場も大幅なドル安・円高と
なりました。本日 3 時時点では 114.70 円近辺で推移しており、前日の同時間に比べて 2.5 円を超
える円高となっています。
8 日の欧米時間で、一部の欧州銀行や米国エネルギー企業に対する信用不安から、欧米の社債
が売り込まれ、信用リスクが拡大しました。これが、金融危機の再来を伴った世界経済への不安に
つながり、投資家のリスク回避姿勢を強めました。この結果、市場から安全資産と見なされている
円が全面的に買われる流れが強まりました。一方でドル安になったため、米株式の下落はそれほ
ど大幅ではありませんでした(NYダウは前日比-1.1%)が、大幅な円高が日本企業の業績悪化
への警戒につながる形で、日本株をさらに押し下げる動きとなりました。
狼狽(ろうばい)的な市場心理の沈静化が待たれるものの、日本株は割安となり底値拾う機会も
このような局面では、とにかく目先のリスクを回避するという狼狽(ろうばい)的な市場心理が働き、
市場の動きを大きくしてしまうため、まずは市場心理が落ち着くことが必要です。そこで、米金融当
局のスタンスは今後重要になってくると思われます。FRB(米連邦準備理事会)は年 4 回程度の利
上げペースを今のところ変えていません。一方、米国経済減速に対する市場の警戒感は強まって
おり、年内利上げなしという見方も出てきています。こうしたなか、FRB が市場との見方の隔たりを
埋める試みをしないままだと、混乱を長引かせる恐れがあります。
日本株は、円高進行で企業業績に対する警戒感が強まっていることも下落の一因ですが、バリュ
エーションを見る限り割安になっていることは否めないところです。本日終値ベースの PER(株価収
益倍率)、PBR(株価純資産倍率)はそれぞれ 12.0 倍(12 カ月先ベース)、1.09 倍(実績)(いずれ
も TOPIX ベース)となっています。また、東証 1 部の PBR1 倍割れの銘柄数の割合も 15 年 9 月
以来の 50%超えとなっており、底値を拾うチャンスが出てきていると思われます。
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政権交代直前からの日経平均株価、ドル・円相場
(円)
22000
中国元切り下げ(15.8.11)
米利上げ(15.12.16)
日経平均株価(左軸)
20000
(円)
140
ドル・円相場(右軸)
130
18000
120
バーナンキ・ショック(13.5.23) 米量的緩和縮小開始(13.12.18)
量的緩和縮小を示唆
16000
日銀、マイナス金利導入(16.1.29)
110
日銀量的緩和第2弾(14.10.31)
米量的緩和終了(14.10.29)
14000
100
イエレンFRB議長就任(14.2.3)
12000
90
量的緩和開始(13.4.4)
円安
安倍政権発足(12.12.26)
10000
80
衆院選挙、自民圧勝(12.12.16)
8000
円高
野田首相、解散宣言(12.11.14)
70
※12年10月1日から16年2月9日まで日次
6000
12/10 13/ 1
4
7
10 14/ 1
4
7
10 15/1
4
7
60
10 16/ 1 (年/月)
出所:Bloombergのデータなどよりアムンディ・ジャパン作成
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