『災害はどこでも起きる』 [PDFファイル/183KB]

岡山県審査入賞作品 作文中学生の部
(岡山県知事賞)
最優秀賞
「災害はどこでも起きる」
うえだ
さ え
岡山県 玉野市立東児中学校 3年 植田 紗衣
毎年、梅雨頃から 10 月にかけての時期、日本に上陸する台風が多くなり、大雨、洪水、暴風、高潮など
をもたらします。今年も、夏休み直前に大型で速度の遅い台風が日本を通過し、各地に災害をもたらしまし
た。
私の住む岡山県は、晴れの国岡山とキャッチフレーズにするくらい、気候も温暖で、災害も比較的少ない
ところだと思います。しかし、災害が全くないとは言えません。実際に 2011 年、私の住む玉野市では台風
による高潮の浸水被害が広範囲におよびました。市役所あたりの中心部が浸水し、公用車などが被害にあ
ったということです。私の家も床下でしたが、駐車場が浸水しました。幸い我が家は自動車を高い場所に移
動していたので、被害は少なくてすみましたが、近所の人で車をダメにした人もいました。夜間の出来事で
、車を移動しようと思ったら、あっという間に水が上がってきたということです。また、海岸や沿岸部では、ま
るで津波のように数十メートルも波が上がり、道路を超えて海水が家に上がってきたとの事です。被害に遭
われた方が、60 歳すぎて、まさかこんな体験をするとは思ってもみなかったと言われていました。
また、私が小さい頃の 2004 年には、玉野市の市街地に近い高台の住宅地で台風による土砂災害がおこ
り、民家が全半壊し、人の命まで奪いました。小規模の土砂崩れでもそこに家があり人が住んでいるのなら
、大きな災害となり得るのです。当時、そこの地域は、危険箇所には指定されていなかったということです。
それとよく似た災害で、同じ中国地区の広島で昨年起きた集中豪雨による土砂崩れは、記憶に新しいひ
どい災害です。真夜中に起こり、大雨が川のように家の横を流れ、家を出て避難するのも難しい状態だっ
たということです。その後、あっという間に土砂が流れ込み、家を、そこに住んでいる人々を飲み込み、大き
な被害となりました。自然の脅威、人の無力さを知らされた災害でした。
このように、災害は日本全国のどこでも起こるということを認識しておく必要があると思います。今まで災害
が起こらなかったからこれからも起こらないだろうは通用しません。いつ何があるかわからないという心構え
が必要だと思います。
土砂災害による被害を防ぐためには、施設整備や警戒避難体制を整えることが大切ですが、私たち一人
一人が日頃から備えておくことが重要です。自分の住んでいる土地を把握し、ハザードマップを個人、地
域の人と把握しておくことが大切です。土砂災害などの災害は一気に起こるため避難時には隣近所連絡し
て、早めに避難することが大切だと思います。
今回の7月の大型台風の情報などは、今までの災害の教訓が生かされているなと思いました。はじめから
、テレビ番組等で注意を呼びかけてくれていたので、早めに心の準備、防災対策ができました。
また、私の地域では、台風接近に伴い、防災広報車がアナウンスして回ったり、防災情報が携帯電話に
その都度連絡が入ったりしました。そのおかげで我が家はスムーズに対応できたように思います。しかし、
携帯電話を持っていないような独居老人には情報が届いているのだろうかと思いました。防災広報車がア
ナウンスしているとはいえ、暴風雨の音に打ち消されて聞きとりにくくなっていたので、その点が今回不安に
思ったことです。私は、普段は隣近所の方とはあまり関係なく生活をしています。しかし、もし災害が起こっ
たときにお互いに助け合いができるように、普段からあいさつやちょっとした会話などで関わりを持っていた
方がいいなと思いました。
これから私たちが生きていくのに、自然を切り離して考えることは、できません。地震は防ぎようがないで
すが、土砂崩れは、人が森の木々を大切にするなど、意識を変えれば防げる可能性もあります。なので自
然を大切にして共存していきたいと思いました。