麻中の蓬 19号

春江小学校 校長室だより
麻中の蓬
第19号 平成28年2月8日(月)
【そうじ】
学校評価の結果Ⅱ
保護者の皆さまからのアンケートの結果、いい評価をいただいたのが「2.我が子
は、学校のきまり(持ち物や集団登校、服装など)を守って生活している」の項目で、
92%の方から肯定的な評価を頂きました。ご家庭の協力があってこその結果で、日頃か
ら気に掛けて下さっていますこと、本当にありがとうございます。
「3.我が子には、友だちがいる」の項目でも、93%の肯定的評価をいただきました。児童アンケー
トでも「4.クラスの友だちと仲良くできていますか」には94%が肯定的な評価をしており、気の置け
ない友だちが周りにいるということは、学校生活を楽しく送る上では大きなウェイトを占めますので大
事なことです。しかし、否定的な回答が、保護者にも児童にも6%あり、実数では31名です。これは1
クラスの人数にも相当するので、良好な人間関係づくりにもっと意を用いる必要を痛感させられました。
「16. 春江小学校は、授業参観・学校行事等、教育活動の公開をしている」も91%
の肯定的評価を得、多くの方に来校頂き、日頃の学校生活の様子をご覧いただけてい
るものと思いますが、それでも、曜日によっては参観できないという声もあるので、
今後、曜日や日数を検討したいと思います。
児童の項目、「20.困ったときに相談にのってくれる先生はいますか」への肯定的評
価が87%、保護者の項目「15. 春江小学校は、保護者として心配事や不安があったと
き相談しやすい」は72%と相談に関する項目では「努力を要する」といった評価をいた
だいたものと考えています。
相談は人との関係が大切ですので、担任だけでなく、定期的に来ていただいているスクールカウンセ
ラーも含めて職員誰もが相談をお聞きしますのでいつでも来校ください。
保護者の方からの声
記述欄には日頃お感じになっていることを書いていただきました。お誉めや激励もあり、貴重なご意
見、お叱りもありましたので、紹介します。
【学校教育全般について】
①子供に対して怒るばかりでほめることをしてくれていないように思います。怒るばかりでは、ま
すます先生のことを嫌いになる。実際になっています。親としてもそんな先生にお願いしたくあ
りませんし、担任を選べない、悲しいです。連絡帳も、きちんと子どもの書いた後見ています
か?その後、親が見て不思議感が多いです。書かせるため、見せるためなら、誰が見ても分かる
ように指導していただきたいです。
②子どもたちをほめて育ててほしい。苦手なことにもチャレンジできる取組をしてほしい。集団で
生活することや行動することの大切さや機会を増やしてほしいです。
③教育活動については、時々体罰ともとれることがある。安心してよいのか不安。
我々大人でも、叱られるより誉められた方が嬉しいし、新社会人を伸ばすために社内
教育でも「誉めて伸ばす」という取り組みを取っている所が多いようです。家庭教育で
も当然その流れです。(それがかえって打たれ弱い人間をつくるのではないかという声も
あるようですが・・・)当然学校では、教科、特別活動を含めて「良いところをほめて
伸ばす」、「子どもの自己肯定感を高める」ことを全員で取り組んでいます。教員の「も
っと頑張って欲しい」「もっと頑張れるはず」という過度の期待が、ご指摘のような形で
表れ、嫌な思いをさせているのでは、本校の目指す教育は成り立ちませんので、体罰等厳禁で臨みます。
しかし、そうしていても、児童の行動が他に迷惑をかけたり、危害を与えそうな場合は、どうしても
きつく叱らなければならない場面はあります。それでも行動が治らずご心配をおかけしていることもた
くさんあります。
いただいたご指摘は、全職員肝に銘じて今後の教育活動にあたります。体罰や点検不足等、今後もお
気づきの際はご指摘ください。
③なんとなくですが、小学校が厳格になった気がします。良いことですが、少し学校が遠くなった
感じがします。
おっしゃるように、私自身も自分の若い頃(保護者のみなさんが小学生の頃)
と比べても、学校にゆとりがなくなったと感じますから、このご意見も頷けます。
何が変わったかというと、これといったものはなく、30年前の春江小は朝から
マラソンをするなど朝から大変でした。ただ、ご指摘のような厳格さといったも
のは感じたことがありません。今は当時と比べて授業 時数も増え、学力、体力
の向上への取り組みも多くなりました。いじめや行動面での課題に対しては、生命に関わることもあっ
て当然対応は厳しくしています。その意味では生活指導などは以前より厳しく且つ丁寧になっていると
思います。それら1つ1つ丁寧にやっている姿が厳格な印象になっているのかもしれません
ただ、多少のやんちゃに対しては、以前だったら子どものことだから多少のことは大目に見ようとい
う寛容な面がありましたが、何かあっては大変、何もないようにという方向で、学校も社会も寛容の幅
は狭くなっているように思います。
何もないようにと努力しても、なかなか上手くいかない場合も多く、前述のようにご心配をおかけす
ることも少なくないのが現状です。。
でも、首相の言葉常套句のように、「学校の扉はいつもオープンです」。
④校長や教員がかたよっている。出来る子と出来ない子を分けて教育してほしい。
例 体育・・・マラソンが嫌い。なぜならいつもトップは同じ。学・・・みんなが同じ心ではない。
気の強い子も弱い子も同じ教育ではNG。
指摘され、改めて考えてみると、私は偏っているのかもしれません。首相も
報道機関に偏っていると批判していましたが、絶対的な中立あるのかという疑
問もありますが、具体的には、大人数で騒ぐのは苦手ですし、がちがちに締め
るより、ゆるゆるに楽しむ方を好みます。学校経営でそれをやると学校崩壊に
もなりかねませんから、教頭、教務をはじめ、いろんな方向に特性のある職員
みんなでバランスが取れていると思っています。そういう意味で、職員も偏り
はあるのかもしれません。目に余るようでしたら、また、具体的にご指摘ください。
ただ自分がマラソン(実態はジョギング)をするから、学校で業間マラソンをしたりマラソン大会を
している訳でもありませんし、トップでなければならないなんてこともありません。マラソンに限らず
どんな分野でもトップがあればビリもあります。どのように取り組むかが重要であって、朝ドラの主題
歌「365日の紙飛行機」でいうところの「その距離を競うより どう飛んだか どこを飛んだのか そ
れが一番大切なんだ」ということです。表のご意見②の方のように、苦手であってもチャレンジして欲
しいと思っています。
また、教科の学習だけなら所謂「ホームスクール」でも可能ですが。学校で学ぶ
意味は集団での学びだと思います。大人同様、子どもにもいろんな性格の子がいま
す。正に社会の縮図です。そんな集団の中で教科学習だけでなく人間関係も学びま
す。
学ぶ内容は、苦手だからやらないではなく、偏らないためにも苦手な運動、食べ
物、学習などにもチャレンジして欲しいと思っています。繰り返しになりますが、
同じ結果を求めるものではありません。その子なりの頑張りの過程を認めるのも学
校教育のいいところだと思います。
かつては、習熟度別の学習形態を取り入れようとする時期もありました。できる子、できない子を分
けて学習した方がその子に合った学習が可能との考えからです。私も理想だと思いました。
しかし、実際に取り入れた学校の様子を聞くと、Aさんはできるから「ウサギさんクラス」、Bさん
はできないから「亀さんクラス」とすると、「なぜうちの子が亀なのか? ウサギに入れて欲しい」な
どの要望があるなどして、結局、習熟度、理解力というより、希望による編成になってしまったり、ク
ラス間に差別意識が生じたり、同じ教科でも分野、単元によって理解力が異なったり、進度のばらつき
が大きくなったりという課題が出て、その都度クラスを変えるのは難しくなりました。
さらに、「ウサギさんクラス」「亀さんクラス」内でも学習が進むうちにその中での差も広がり、対応
ができなくなるということも出てきました。
その結果、今は特に理解に時間がかかる児童を取り出して個別に指導した方が優位であるということ
に落ち着いています。