オーストラリア美食のコンプレックス「テラ・アウストラリス」 開業で加速する

【第 7 回】
オーストラリア美食のコンプレックス「テラ・アウストラリス」
開業で加速するシロメィブーム
「お出汁スープ」でスタートするコース
ライブ感あるオープンキッチンとワインセラーが印象的な 2F レストラン。
1 月 26 日はオーストラリア国民の祝日である「オーストラリア・デー」
。
1788 年、イギリスの船団がシドニーに上陸したことを記念したこの休日
は、オーストラリアの真夏と重なっていることもあり、毎年ビーチで花火
を上げて大騒ぎする習慣なのだとか。そのオーストラリア・デーに東京・
千駄ヶ谷 / 北参道にオープンしたのが「TERRA AUSTRALIS( テラ・アウ
ストラリス = 通称 TERRA)」。日本とオーストラリアの食文化を結ぶ
コミュニケーション・ベースとしての機能も期待されるレストラン、バー、
イベントスペースなどをあわせもつ美食のコンプレックス ( 複合施設 )
である。ビーフやラムなどオージー産で名高い食材はもちろん、コーヒー、
ビール、ワイン、店内のアメニティにいたるまであらゆる面でオースト
ラリアにこだわる同店で、シロメィはどのようなパフォーマンスを発揮
するのか。元 Salt 総料理長を経てシェフに就任した福田浩二氏と、ワイン
のセレクトやサービスを担当する岩原千尋氏に話を聞いた。
マリネしたタスマニア産トラウトをヨーグルトソースで。「オーシャントラウトのグラ
ビラックス」にはフレッシュな<パーフェクト・デイ>アンウッデッド・シャルドネ。
東京にいながらオーストラリアを感じる場所
ドをのぞいて食材はオーストラリア産。とくに
れていない」と語るのは福田浩二シェフ。26 歳
しています」
。今回のオープンを前にシェフは自ら のにブドウのパフォーマンスを最大限に発揮
クイーンズランドのビーフファームを訪問。 させている。ワインメーカーの意気を感じま
「オーストラリアのおいしさをまだまだ伝えき
で単身ニュージーランドへ渡り、オーストラリア
のスターシェフであるルーク・マンガンに出会
った。以来、彼の右腕として初の海外出店とな
る「Salt」
(東京・丸の内)総料理長に就任。
オーストラリア政府公認のラム大使に選任され
るなど「美食大陸オーストラリア」をスローガ
ンとする豪州の食シーンをリードする存在とし
て知られてきた。そんな福田シェフがオープン
した新店「TERRA AUSTRALIS( 以下 TERRA)」
は、とことんオーストラリアの食材にこだわり
オープニング当日から日本在住のオージーが
多数駆けつけるなど、一躍熱い注目を集める
スポットとなっている。
「野菜や一部のシーフー
羊とビーフは厳選したクオリティのものを使用
安価で固いという印象のあるオージービーフの
イメージを覆すオーストラリア産和牛に出会
い、仕入れを決めた。和牛特有の細かいサシ
はあるものの、それ以上に赤身の旨みが濃い
肉質は日本で肥育された和牛にはないおいしさ
だとして、すでに人気メニューの一皿になっ
ている。時を同じくしてシェフはシロメィのワ
イナリーへも足を運んだ。
「ワイナリーのなか
で野生のワラビーが生息するなど恵まれた環
境。醸造責任者のアダム・チャップマン氏にも
ブドウへの思い入れを感じるワイン
シロメィのワインを評して「まだ歴史は浅い
す」と話してくれたのは福田シェフが「Salt」
時代から、同グループ内の「アロッサ」でサー
ビスを担当していた岩原千尋さん。まだ 20 代
の若さだが福田シェフの料理を知り尽くして
いるよき仲間のひとりだ。
「シェフの料理はお
いしいだけじゃなくていつも新しい発見があ
ります。ワインと一緒に召し上がっていただく
ことで、さらに発見を増やしていきたい」と
いう岩原さんがスペシャリテのひとつである
会えて、同じ作り手同士気持ちの通じるものが
前菜「タスマニア産オーシャントラウトのグ
ありました」
ラビラックス」にあわせたのは、「シロメィ
福田浩二シェフ(中央)を囲んで、岩原千尋さん(右)
とマネージャーの吉田一貴さん(左)
。
<シグネチャー・コレクション>、<ヴィンヤード・
セレクション>をはじめカジュアルラインの<パー
フェクト・デイ>など他店にはないアイテムも充実。
オーストラリアの雰囲気そのまま、ウッディな 3F バー。
<パーフェクト・デイ>アンウッデッド・シャ
ルドネ」。あえて
熟成させていないシャープ
な口当たりがあぶらの乗ったタスマニア産の
トラウトをトロのような味わいへと変化させる。
そして炭火でじっくりと焼かれた「グラスフェ
肉の旨み豊かなメインの炭火焼きには<シグネチャー・コレクション>シラーズ ヴィオニエをあわせて。
ッドサーロイン」には「シロメィ<シグネチャー
・コレクション>シラーズ ヴィオニエ」。豪州
のシラーズといえばどっしりと重いワインが
多いなか、ほのかにペッパーを感じさせるエレ
ガントなこの 1 本が肉の凝縮した旨みをひきた
てるペアリングとなった。オーストラリアの
大地が生んだ美食とワインがともに味わえる
TERRA はいま、大きな注目を集めている。
テラ・アウストラリス
東京都渋谷区千駄ヶ谷 3-29-2
03-6455-4827(2F) 03-6455-4828(3F BAR329)
www.terra.tokyo
シロメィワイン http://sirromet.com
シロメィワイン正規輸入代理店(株)
東京都港区虎ノ門 4-3-1 城山トラストタワー 33F
TEL:03-3436-2772 http://winetree.co.jp