(表紙~29ページ) (PDF:4223KB)

とく
のののの
わたしたち の
どう
道徳
小学校三・四年
小学校三・四年
の道 徳
わたしたたた
たちちち
ち ののの
とく
わたしたち の
どう
道徳
学校名
名前
四年
三年
組
組
小学校三・四年
ど
う
道徳
わたしたち の
と
く
たい
か か
ま ごころ
人と関わって
2
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
66
62
56
54
ぶん か
り かい
きょうりょく
き
わたしたちがつくる、
ち きゅう
が く しゅう
も
地球にやさしい生活
どうとく
道徳の時間に学習したこと
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
きゅう
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もっと仲良くするために ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
分けへだてをしない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なか よ
周りの人たちと、
まわ
どのように使えばよいのでしょうか
つか
コンピュータやけい帯電話などを
たい
⑹伝とうと文化を大切に
でん
読み物 みんな待っているよ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あい
⑸きょう土を愛する心をもって ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ま
⑷協力し合って楽しい学校、学級を
が っ きゅう
読み物 ブラッドレーのせい求書 ・・・・・・・・・・・・・
とも
共に助け合って生きる ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
⑶家族みんなで協力し合って
か ぞく
⑷そんけいと感謝の気持ちをもって
かんしゃ
ささえ合い 助け合い
「合い」の力で 心と心をつなげよう
たす
読み物 同じ仲間だから
なか ま
⑶友達とたがいに理解し合って
ともだち
読み物 心と心のあく手
⑵相手を思いやり親切に
あい て
⑴だれに対しても真心をもって
・・・・
70
もくじ
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
76
つか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
自 分 を 高めて
せつ ど
⑴よく考えて節度ある生活を
もの
さい ご
少しだけなら ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
読み物
自分を見つめ、自分を生かそう ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
き
⑵やろうと決めたことは最後まで
きっとできる ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
読み物
ゆう き
⑶正しいことは勇気をもって ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
た ろう
読み物 よわむし太郎 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
⑷正直に明るい心で ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ところ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・
読み物 六セント半のおつり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
よ
⑸自分の良い所をのばして ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
か ん
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うれしく思えた日から
読み物
いのち
命 を 感 じて
⑴命あるものを大切に
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヒキガエルとロバ
読み物
ど う しょくぶ つ
ほくさい
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
たった一つの命 つながる命
し ぜん
⑵自然や動植物を大切に
うつく
じ
⑶美しいものを感じて
ふ
読み物 富士と北斎
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
みんなと関わって
まも
⑴社会のきまりを守って
て い りゅうじ ょ
読み物 雨のバス停留所で ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
みんなが守らなくてはならない
はたら
きまりがある ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
⑵働くことの大切さを知って ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
80
この本の使い方
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
自分のことを書いてみよう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
88
2
3
8
90
82
164 158 154 148 146 142 136
170
184
178 174
190
50 46 42 38 34 30 26 22 20 16 10
112 108 102 100 96
116
124 118
130 128
1
3
4
ぎょう
ご
つ
か
この本の使い方
学校で
どうとく
じゅ
道徳の時間で
ほか
ほう か
その他の授業で
て い
休み時間や放課後に
か
家庭で
家の人と い っ し ょ に
地いきで
もの
読み物を読んで考えたり、
自分の考えを書きこんだり
家の人と話し合ったり、
話を聞いて
地いきの人に
しましょう。
書きこんだりして
みましょう。
地いきの 人 と い っ し ょ に
みましょう。
ひら
なん ど
ともだち
友達と考えを
話し合いましょう。
いつでも、どこでも、何度でも、
開いてみよう﹁わたしたちの道徳﹂。
生きていく上で大切なことを考え、
自分の生き方に生かしていこう。
4
5
す
あそ
好きな遊び
好きな
スポーツ
もの
好きな食べ物
好きな食べ物
好きな
スポーツ
好きな遊び
好きな歌
好きな歌
とく い
得意なこと
得意な
こと
む
ちゅう
夢中になって
いること
夢中になって
いること
4
書いた日
月
好きな
ところ
本やお話
自分の
好きな所
自分の
好きな所
好きな
本やお話
書いた日
月
日
日
もく
ひょう
目標 に
したい人
ゆめ
しょう来の夢
しょう来の夢
目標に
したい人
6
7
年
年
3
書いてみよ
う
を
と
こ
の
分
自
自分を高めて
せ つ
ど
⑴ よく考えて節度ある生活を
き
さ い
ご
⑵ やろうと決めたことは最後まで
ゆ う
き
⑶ 正しいことは勇気をもって
⑷ 正直に明るい心で
よ
ところ
⑸ 自分の良い所をのばして
8
9
1
せ
つ
ど
す す
よ しゅう
ふ く しゅう
学習の進め方
が く しゅう
節度ある生活をするために大切なこと
け ん こ う
自分の健康
はん
しら
・予習や復習をする。
つ か
さい ご
物やお金の使い方
も の
・朝ご飯をしっかりと食べる。
り
・知りたいことを調べたり、本を読んだりする。
す
せ い
・好ききらいなく食べる。
み
身の回りの整理整とん
ひっ き よう ぐ
・筆記用具を最後まで使う。
つか
・使ったものをかたづける。
・むだづかいをしない。
お
リズムのある生活
・自分でそうじをする。
あ そ
みんなとの遊び
うご
べ ん きょう
・早ね早起きをする。
き
・体を動かして元気に遊ぶ。
なか よ
・時間を決めて、勉強や遊びをする。
まも
ほか
・きまりを守って仲良く遊ぶ。
い しゃ
い
み
しら
とく
早起きは三文の徳
さんもん
次のことわざにはどのような意味があるのかを調べてみましょう。
つぎ
節度ある生活をするために大切なことを、他にも考えて話し合ってみましょう。
ことわざ
はらはちぶん め
腹八分目に医者いらず
10
11
⑴よく考えて節度ある生活を
よく考えて節度ある生活を
よく考えて節度ある生活を
社会で活やくする人に学ぼう
ち
はたら
せつ ど
遊園地で働いている人の話
ゆ う え ん
社会で活やくしている人の中には、自分の力が十分に出せるように節度ある生活を心がけて
いる人がたくさんいます。
や きゅう せ ん し ゅ
プロ野球選手の話
遊園地で働くお姉さんは、えがおがすて
きで、とてもかがやいて見えました。
ねえ
選手の話を聞いておどろきまし
プロし野あ球
い
お
た。試合が終わると、すぐにミットやスパ
し ごと
お姉さんに話を聞くと、毎日、仕事に出
るときには、必ず鏡を見
かがみ
イクの手入れをします。そして、その日う
て服そうを整え、あいさ
きゃく
かなら
まくいかなかったことを、くり返し練習す
つの練習をしているそう
く ふう
身近な人に、節度ある生活の工夫を聞いてみましょう。
れ ん しゅう
るようにしているのだ
です。また、お客さんが
かえ
そうです。
帰った後には、すみずみ
けん
ととの
プロ野球選手として
活やくしているわけが、
まできれいに遊園地のそ
じ
ふく
分かるような気がしま
うじをしているそうです。
しょく
み ぢか
した。
う ん て ん し ゅ
バスの運転手さんの話
ぜん
バスの運転あ ん
手さんに、安
全運転のひけ
つを聞いてみ
ました。
ど
運転手さん
さん
は、毎日しっかりとねむり、三
こう
度の食事をきちんととって、健
康な体づくりを心がけているそ
うです。
また、きそきく正しい生活をす
ることは、決まった時こくどお
りにバスを運行することにも大
やく だ
いに役立っていると言っていま
した。
12
13
よく考えて節度ある生活を
話のコラム
むかし
こん ど
りょう
昔、まずしい漁
し
師の おじいさんが
漁をしていると、
金色の魚がかかり
ました。魚はおじ
す
いさんに、好きな
ものをあげるから
にがしてください
とたのみました。
おじいさんは、
何も いらないと言っ
てにがしました。
金色の魚
1
5
今度は、おばあ
さま
さん は女王様にな
りたいと言いまし
た。おじいさんは
よくばりすぎだと
言いましたが、お
ばあさんは聞きま
せん。
おじいさんは、
海へ 行って金色の
魚にたのみました。
おじいさんが帰っ
てみ ると、りっぱ
なごてんで、おば
あさんは女王様に
なっていました。
2
6
家に帰っておば
あさ んに話すと、
おばあさんは、お
けがこわれている
ので、おけをもら
うようにと言いま
した。
おじいさんは、
海に もどって、お
けがほしいと金色
の魚にたのみまし
た。
おじいさんが家
に帰 ると、おばあ
さんが新しいおけ
も
を持って立ってい
ました。
とうとう、おば
あさ んは、海の王
様になりたいと言
い出しました。
おじいさんは、
海へ 行って、金色
の魚をよんで、こ
まったような顔を
そこ
してわけを話し、
たのみました。
金色の魚は、だ
まっ て海の底へか
くれてしまいまし
た。
3
つぎ
こ
や
次に、おばあさ
んは 、新しい家が
ほしいと言いまし
た。
おじいさんは、
海へ 行って金色の
魚にたのみました。
おじいさんが
帰っ てみると、そ
まつな小屋が、新
しいきれいな家に
か
変わっていました。
7
4
おじいさんが、
おば あさんのとこ
ろへ帰ると、元の
ようなそまつな小
屋の前で、おばあ
さんがぼんやりす
わっていました。
ふく
その次に、おば
かね も
あさ んは、お金持
ちになりたいと言
いました。
おじいさんは、
海へ 行って金色の
魚にたのみました。
おじいさんが
帰 っ て み る と、
りっぱな家の入口
に、きれいな服を
着たおばあさんが
立っていました。
この話を読んで考えたことを、書いてみま
しょう。
ともだち
金色の魚は、なぜだまって海の底へかくれ
てしまったのでしょうか。友達と話し合っ
てみましょう。
14
15
よく考えて節度ある生活を
少しだけなら
かあ
つか
が く しゅう
しら
「ねえ、お母さん、パソコンを使ってもいいかな。学校の調
もの
べ物があるんだ。
」
そうごうてき
ちゅう
あつしたちは、総合的な学習の時間で、遠足のパンフレッ
おう
トづくりをしています。あつしは、中央公園のたん当になり
ました。
たいへん
「だめよ。きちんと使わないと、大変なことになるんだから。
お母さんは、今から買い物に行くから、帰ってきたらいっ
しょに見てあげるわ。
」
なら
しん
「大じょうぶだよ、学校で習ったから。みんなも、家で使っ
ているって言っていたよ。」
まも
「本当に、大じょうぶなの。」
やくそく
き
「ちゃんと約束を守るから。ぼくを信じて。ねっ。」
じゅう
あつしは、パソコンを使うときは﹃時間を決める﹄、﹃あや
しょ
しいサイトは見ない﹄
、
﹃名前や住所などは入力しない﹄とい
うことを、お母さんと約束しています。
「大じょうぶね。しっかり守るのよ。」
お母さんは、そう言うと買い物に出かけました。
(いつものように、タイマーをセットして……。)
む
あ つ し は、さ っ そ く、パ ソ コ ン に 向 か い ま し た。
つ
「中央公園」と入力すると、うまくサイトを見付ける
ことができました。
いんさつ
(よし、これを印刷したら、できあがりだ。)
面の右はしに、気になるものを見
が めん
そのときです。画
付けました。
「なになに、ゲームソフトのわり引きけんがもらえる
のか。でも、あやしいサイトは見ないって、お母さ
んと約束したからな……。でも、少しだけなら、大
じょうぶだろう……。
」
あつしは、おそるおそる、クリックしてみました。
れん
「あなたの名前と連らく先を入力してください。」
16
17
よく考えて節度ある生活を
う
し かた
いん
(ええっ。名前を入れないとだめなのか……。仕方な
いな。
)
ちゅうお
あつしは、パソコンの電げんを切り、中央公園の印
さつぶつ
せい り
はじ
刷物を整理し始めました。
でも、あつしは、ゲームソフトのわり引きけんが気
になって仕方がありません。
(少しだけなら、いいかな。それに、お母さんもまだ
帰ってきていないし。
)
いち ど
あつしは、もう一度、パソコンの電げんを入れ、先
すす
ほどのサイトに進みました。
れん
(名前と連らく先か……。少しだけなら、大じょうぶ
だろう。きっと、みんなもしているよ。)
へ
や
どきどきしながら、名前を入れ始めたときです。
ピピッ、ピピッ、ピピッ。
タイマーの音が、部屋の中にひびきわたりました。あつしは、はっとしてキーボードから手をは
なしました。
が めん
カチッ。タイマーの音を止めたあつしは、じっとパソコンの画面を見つめました。
(ふう……。
)
もの
つか
やくそく
まも
大きくため息をついたあつしは、ゆっくりとゲームソフトのサイトをとじ、パソコンの電げんを
切りました。そして、中央公園の印刷物を整理し始めました。
かあ
そこに、お母さんが買い物から帰ってきました。
「ただ
いま。あらっ、ちゃんと使えたのね。約束も守って、
えらかったわね。」
「うん……。」
む
あつしは、下を向いて、ぽつりと答えました。
18
19
自分を見つめ、自分を生かそう
つ づ
わたしの前に続く一本の道。
その道は
ま
まっすぐな道。曲がりくねった道。
ざ か
下り坂がある。上り坂もある。
でこぼこな道。細い道。
そして、広い道。
どこまでも、
どこまでも続いている。
この道は
新しいことに出会える道。
そして、これからの
すてきな自分と出会う道。
20
21
き
さ
い
ご
⑵やろうと決めたことは最後まで
﹁すごいな、かっこいいなあ。﹂
﹁できなくて、くやしいな。﹂
﹁がんばってみようかな。﹂
このように思うのは、あなたに
﹁今よりも、よくなりたい﹂
という心があるからです。
その心を大切にして、
自分のがんばる力をのばして
みましょう。
も く ひょう
む
きょう
か ぞく
やく
もっと、家族の役に
立ちたい。
べん
ず
もっと、勉強をがんばりたい。
じょう
もっと、上手になりたい。
うんどう
しゅざい
もっと、運動をがんばりたい。
方法
せんしゅ
① 有名な人やスポーツ選手などの本を読む。
ともだち
族や先生、友達に聞いてみる。
② 家 ゆうめい
目標をやりとげられるひけつを取材してみましょう。
つ づ
目標に向かってがんばり続けるひけつ
がんばれ ば で き そ う な こ と か ら
目標を立 て て い く
がんばる 時 こ く を 決 め る
ところ
目標を書いて見える所にはる
す
好 きでは な い こ と も
少しずつ や っ て み る
人に目標を話してはげましてもらう
22
23
﹁今よりも、よくなりたい﹂という心を大切にしよう
やろうと決めたことは最後まで
やろうと決めたことは最後まで
も く ひょう
む
目標をもってチャレンジしてみよう
り ゆう
月
月
日
日
日
月
月
月
日
日
日
ひっ し
ど
りょく
つづ
ほ まれ
澤 穂希
さわ
月
三年
目標や目標を立てた理由、目標に向かってがんばって
き
も
いるときの気持ちを書きましょう。
じんぶつ
人物のコラム
ゆ め
せんしゅ
夢は見るものではなく、かなえるもの
まも
しゅうちゅう
四年
なでしこジャパンの選手たちは、サッカーとなれば必死に努力し続けています。
ち
お
こけても、血が出ていても、ボールを追うこと、ゴールをうばうこと、ゴールを
わる
守ること……そこに集中することにみんな必死でした。そんなわたしたちのすが
めい
たはかっこ悪いものだったでしょうか。きっとそうではなかったと思います。だ
ちゅう
と はん ぱ
からポイントは、「一生けん命やること」なんです。もしそれを「はずかしい」
と思うならば、その理由はたった一つです。それは、
「
『一生けん命』を中途半端
つぎ
次の「夢をかなえる」ために。
かさ
だんぜん
わたしは、そうやってこれまでを積み重ねてきました。そしてこれから
も積み重ねていくと思います。
つ
そして、もしその思いがほんもので、向かっているものも正しい道だと
こん ど
思えたときは、今度はそれをとことん楽しんでください。
んばること、わたしはかなりかっこいいと思います。
にやっている」から。だからかっこ悪いし、はずかしいんです。
「一生けん命」が
澤 穂希
(一九七八〜)
元サッカー選手
やっぱり、夢は見るより、かなえた方が断然楽しいと思います。
24
25
目標
目標を立
てた理由
一言がんばり日記
やろうと決めたことは最後まで
とう
きっとできる
「行ってきます。
」
なお こ
にい
な
小学生の尚子は、お父さんとお兄ちゃんの三人で、元気よく
み おく
かあ
ジョギングに出かける。見送ってくれるお母さんにえがおで手
をふって走り出した。
む
しばらくすると、道の向こうの方から、泣き声が聞こえてく
る。尚子だ。お父さんとお兄ちゃんは、小さな尚子がおくれて
まった
も全く気にせず、どんどん先に行ってしまうので、尚子は、く
お
やしがって、泣きながら追いかける。そんなに泣くなら、いっ
つぎ
しょに走らなければいいのだが、次はまた、うれしそうに走りに出かけるのである。この小さな女
えら
の子が、しょう来、オリンピックに出場することになると、だれが思っただろう。
だ い ひょうせ ん し ゅ
尚子は、高校生になると、いろいろな大会の長きょりの代表選手に選ばれた。しかし、出場して
い
よ せん お
はや
みると四十七人中、四十五位だったり、予選落ちだったり、尚子より速い選手はたくさんいた。
り く じょうきょう ぎ
大学生になって陸上競技長きょりのテレビ中けいを見ていて
が めん
も、画面にうつる人たちはみんな、びっくりするくらい速かっ
いき
た。尚子は、ため息をつきながら、ごろんとねころんだ。
も く ひょう
(自分はどんな選手になりたいんだろう。何を目標にして走っ
ているんだろう⋮⋮。
)と、毎日考えていた。
れ ん しゅう
尚子が毎日練習で走る道には、出会いがいっぱいだ。
ひら
「こんにちは、つぼみが開いたね。きれいだよ。」
尚子は道ばたの草花に立ち止まって話しかけ、ほほえむ。
そしてまた走り出す尚子にふく風は、「春から夏になるよ」
き せつ
か
つた
ひ ざ
と季節のうつり変わりを伝えてくれる。土のにおい、日差しの
色。尚子は、いつの間にか自分が風になったように走りぬける。
(小さなころから、そう、くやしくて泣きながら走っていたあのころから、ずっとそうだ。わたし
す
つ
は、走ることが好きで好きでたまらなかったんだ⋮⋮。)
たたか
ある日、走りながら気が付いた。
き ろく
(人と戦うんじゃない、自分の記録と戦うんだ。)
26
27
やろうと決めたことは最後まで
せん
つづ
そだ
ひょう
と ちゅう
それからというもの、毎日、がんばれば手がとど
もく
たっせい
く小さな目標を立ててそれを達成していくことにし
た。
かい
長い階だんを一気にかけ上がろうとすれば、途中
でばてる。時間がかかっても、一だんずつしっかり
のぼ
き
も
れ ん しゅう
登っていけば、上まで登り切れる。
なお こ
子は、そういう気持ちで練習した。大学の門は、
尚
へ
や
夜八時にしまる。七時まで走って、その後、部屋に
き ん りょく
入って筋力をつけるトレーニングを毎日行った。い
ひ と り
き の う
つも一人で、八時ぎりぎりまで練習していたら「ハ
き ょ う
チコさん」とよばれるようになってしまった。昨日
しん き ろく
おく
の 自 分 の 新 記 録 を、今 日、自 分 で や ぶ る と い う、自
ゆうめい
こ いで
分へのちょう戦が続いた。つらいときは自分をはげまし、できたときは自分にはく手を送った。
(がんばれば、きっとできる。)
せんしゅ
こうして尚子は、自分の記録をのばしていった。
ねつ い
くる
その後、尚子は、強いマラソン選手を育てることで有名な小出かんとくのもとでさらに練習を続
ど りょく
つ
けた。そして、努力と熱意で、オリンピックのぶ台へとかけ上がっていくのである。苦しくつらい
の
練習を乗りこえ、がんばることができたのは、あの日、自分で見付けた答えのおかげだった。
せ かい
あらそ
二〇〇〇年、シドニーオリンピック。世界の有名選手とのマラソンレース。レースの後半は、尚
子とルーマニアのシモン選手の二人の金メダル争い
となっていた。
かん
そんな中でも、尚子はシドニーの風を感じ、走る
えんどう
とう
ことを楽しんでいた。沿道でお父さんのすがたを見
付けた尚子は、かけていたサングラスをお父さんに
な
向かって投げた。それと同時に、シモン選手をぐん
ぐん引きはなすラストスパートをかけたのである。
ゆ う しょう
かんどう
じょせい
大かん声の中、尚子は優勝のゴールテープを切っ
た。 こうして世界中の人の感動とともに、日本人女性
はつ
たかはし
として初のマラソン金メダリスト「高橋尚子」がた
ん生したのである。
28
29