大手町川端緑道の照明 - NIKKEI MESSE

照明デザイン
東京都
大手町川端緑道の照明
No.88
図1 清涼の光景
Fig.1 Lighting scene(Cool and refresh).
図2 桜林の光景から親水の光景を望む
Fig.2 View from lighting scene(Cherry woods)to lighting scene
(Hydrophilic)
.
J. Illum. Engng. Inst. Jpn. Vol. 100 No. 2 2016
図3 橋詰の光景から風光の光景を望む
Fig.3 View from lighting scene(Front of bridge)to lighting scene
(Light and wind).
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施設の概要
「大手町川端緑道」は,東京駅の北側を流れる日本橋川
に沿って整備された,緑豊かな歩行者専用道路である.日
本橋川の上部は,先の1964年東京オリンピックの時に建
設された首都高速道路が覆い,水辺の雰囲気が失われた場
所になっており,現在,周辺では数多くのオフィスビル再
開発工事が進行中である.2020年東京オリンピックに向
け,ますますにぎやかで活動的な地域となっていきつつあ
り,今計画は錦橋から JR 高架までの約760m に及ぶ江戸
の名残を残した川端に緑を配し,周辺オフィス街に対して
憩いを提供する遊歩道の照明計画である.
照明デザインの概要
これらを背景に都会の中で人が憩える癒しの光のオアシ
スをつくることを目標に,
「日本橋川に水を感じる光の風
図4 石舞台の光景
Fig.4 Lighting scene(Stone stage).
景をつくる」というコンセプトのもと「桟敷の光景」
,
「石
舞台の光景」
(図4)
,
「橋詰の光景」
「風光の光景」
,
(図3),
「広場の光景」
「清涼の光景」
,
(図1)
「親水の光景」
,
(図2),
「桜林の光景」の8つの光景をデザインした.照明手法も
照明器具が輝く従来の屋外照明ではなく,光が風景を浮か
び上がらせる方法を採用し,くつろぎの空間にふさわしい,
視界を広く,景観を楽しめるよう,環境にやさしい光を創
出した.
主に LED 光源利用のコンパクトなスポット(図7)を
使用,ポール1本に複数設置(3灯用 60本,6灯用 12本)
し,風景を邪魔しないすっきりした器具デザインした.そ
れにより,グレア対策と環境配慮・省エネルギー対策を施
した歩行に安全な照度を確保し,外構照明計画の実現がで
きた(図5)
.
・スポットライト
光 源:22W LED
光 束:1,300 lm
色 温 度:3000K
平均演色評価数:Ra85
消費電力:22W
1/2ビーム角40度配光(図6)
図5 緑道中央部 照度分布図(床面照度)
Fig.5 Central area of illuminance distribution.
所 在 地 東京都千代田区
竣工年月 2014年3月
施 主 都市再生機構 東日本都市再生本部
※所有者:千代田区
設 計 ㈱プレイスメディア
照 明 岩井達弥光景デザイン
資料提供 正会員 岩井 達弥(岩井達弥光景デザイン)
照明デザイン:Ⓒ岩井達弥光景デザイン
遠藤 充彦(㈱ YAMAGIWA)
図1~図7:Ⓒ㈱ YAMAGIWA 2015
図6 器具配光曲線
Fig.6 Photometric data.
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図7 使用器具例
Fig.7 Fixture.
照明学会誌 第100巻 第2号 平成28年