社会科学習指導案 - 大阪教育大学附属平野小学校

公開授業Ⅱ(10:45~11:30)
公開授業②
場所 5年3組教室
社会科学習指導案
社会科学習指導案
平成 28 年 2 月 13 日(土)5 年 3 組教室5年3組 安野 雄一
40 名(男 20 名 女 20 名)
大阪教育大学附属平野小学校 5 年 3 組 安野
雄一
1.単元名「国土の環境を守る」
2.単元設定の理由
社会科学習におけるコンピテンシーを意識したカリキュラムづくり
~学びの必然性が高まることで、学びを創り続ける姿が持続する場の構成〜
(1)単元について
これまで第5学年では、世界の中の日本における地形や気候、それに応じた人々の生活の様子、
日本の食料生産について学習を進めてきた。その後、食料生産以外の生産活動として日本の工業生
産を取り上げ、それと関連させて情報についても、子ども達の思いやねがい、思考の流れを繋ぎ合
わせながら学習を進めてきた。子ども達は、食料生産及び工業生産の各単元において、単元をまた
いで、学習や実生活の中で興味関心をもったTPPの在り方と結びつけて学習を進めていった。そ
の中で、
「対話」を通して自らの思いやねがい、考えたことから学びを紡ぐ、学びを創り続ける姿と
同時に、自ら視野を広げて考えようとする姿が見られた。
そこで、本単元では、生産活動と関連付けながら、人々が日本の国土の環境を守り、健康な生活
を維持・向上させていくために公害の防止に努めている事、国土の保全等のために森林資源の育成
や保護、自然災害の防止に努めている事を捉え、考えていくようにしたい。また、これを手掛かり
に、国土の環境が人々の生活や産業との間には密接な関係がある事を、具体的に考えられるように
する事が重要である。
これまでの生活経験や既習事項と結びつけながら、国土の保全に従事する人たちの生の声や映像、
航空写真や分布図、グラフ等の資料から、環境問題の変遷と現状について学びを進めていく事がで
きるように単元構成を行う。その中で、国土の保全に従事する人たちの工夫や努力、苦労、抱えて
いる問題等にも迫っていく。そして終末部では、環境問題の現状を踏まえた上で、これから先の日
本の生産活動と自分達の生活の在り方について、子ども達自身が未来を見通して考え、伝え合い、
思考を広げながら深化していく事ができるように単元構成を行う。
(2)単元の目標
○開発にともなう環境問題や人々に有害な影響を及ぼす公害と、国民の健康や生活環境との関係性
に関心をもち、国土の環境保全や国民一人ひとりにできることを考えることができる。
【関心・意欲・態度】
○開発に伴う環境問題や人々に有害な影響を及ぼす公害について、国土の環境を守り健康な生活を
維持・発展させていくために、公害の防止が重要であることなどを考え、調べたことや考えたこ
とをノートやレポート、発言等において、適切に表現することができる。【思考・判断・表現】
○開発に伴う環境問題や人々に有害な影響を及ぼす公害について、書籍の読み取りや関係各所への
聞き取り、インターネット、地図や地球儀、統計などの各種の基礎的資料を効果的に活用して調
べ、調べた過程や結果をノートやレポート等にまとめることができる。【技能】
○開発に伴う環境問題や人々に有害な影響を及ぼす公害など、国土の開発が国民の生活や産業の発
達と密接な関係があることを理解することができる。【知識・理解】
(3)活動構成の仮説
(仮説1)学びの必然性を生み出す「学習計画」及び「資料づくり」により、学びを創り続ける姿が持続する
子ども達の持つ思いやねがい、問題意識に沿って、子ども達と共に授業間の繋がりについても考
え、学習計画を立てていく。そして、社会的事象と実生活との結びつきを意識しながら考えていく
ようにする。また、発言や学習の感想等から子ども達の思いやねがいを見取って座席表を作成し、
子ども達の思考の繋がりを活かした資料づくりを行う。これにより、子ども達の内に学びの必然性
が高まり、単元を貫いて高い意欲を持続させながら学習を進めていくことができるものと考える。
(仮説2)コンピテンシーを育むカリキュラム編成と「対話」で紡ぐ学びにより、学びを広げ深め合う子どもが育つ
単元を通して、本校社会科が考えるコンピテンシー(「自律」
「協働」
「相互作用的に道具を使う」)
の3つの要素を、各授業に取り入れていくことで、子ども達が対象と関わりながら、社会的事象に
ついて十分に思考することができる。また、子ども同士の「対話」を通して学習を紡いでいく中で、
友だちと共に学びを創り続けていく子どもが育つと考える。こうして学びを広げ深め合う中で、子
ども達はより学習に対する意欲を高めていくものと言える。
教師は単元全体を大きな枠として捉え、子ども達の思考の実態を発言や学習の感想などから見取
って座席表を作成し、必要に応じて単元の中や単元間の繋がりを柔軟に扱う等、学習計画を追加・
修正し、子ども達自身で学びを連続発展させていく姿が育っていくよう、支援していくようにする。
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1
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3.指導計画
子どもの活動・意識の流れと評価・支援(全7時間
子どもの意識の流れと学習の流れ
思いやねがい
問題設定
教師の役割
評価計画
関心・意欲・態度
次の単元へつなげる。
単元のまとめを
するとともに、次
の単元の学習に
向けて、方向付け
をする。
本時2)
環境のことを考える 今の日本の自然環境 自然を守っていくた
と、自然が大切なので って、どうなっている めに、どんなことがで
はないかな。
のかな。
きるのかな。
絵や図、グラフ
などを使って、
学習したことを
画用紙にまとめ
て交流するよう
にする。
⑥⑦過去・現在の環境問題と問題に対する
取り組みについて調べ、これからの生
産活動や生活の在り方について考え、
伝え合う(2時間)
開発にともなう環境
問題や人々に有害な影
響を及ぼす公害と、国民
の健康や生活環境との
関係性に関心をもち、国
土の環境保全や国民一
人ひとりにできること
を考えることができる。
思考・判断・表現
ICT や書籍を活用して環境問題
への取り組みについて調べ、伝
え合い、学びを深めるようにす
る。
今でも環境問題に対する
抗議があるみたいだけれ
ど、昔はあったのかな。
写真や映像、グラフを読み取り
環境問題への取り組みについて
調べ、これからの生活の在り方
を考えるようにする。
未来のことも考えてみたいな。
工業
や私たちの生活をどうしていくと
いいのかな。
⑤現在の環境問題への取り組みついて調
べ、これからの生活を考える。
今でも環境問題に対する
取り組みがされているみ
たいだけれど、昔はされ
ていたのかな。
今も環境問題は起こっている
環境問題に対して何か取り組
のかな。
どんな取り組みがされ
まれてきたことはあるのかな。
ているのかな。
地域の人たちは、
何か行動を起 今も環境問題は起こっている
こしたのかな。
僕なら抗議する のかな。
どんな取り組みがされ
けれど。
ているのかな。
③環境問題と人々の動きについ
て調べ、考える
④元の環境を取り戻すための取
り組みについて調べ、考える
ICT や書籍を活用し環
境問題への取り組み
について調べ、伝え合
い、学びを深めるよう
にする。
インタビューを通して
環境問題に直面してき
た人たちの思いや行動
を捉えるようにする。
地域の人たちは何か行
動を起こしたのかな。
僕
なら抗議すると思うけ
れど。
ICT や書籍を活用し、環
境問題の現状と過去に
ついて調べ、伝え合い、
学びを深めるようにす
る。
写真や映像、グラフを
読み取り、環境問題へ
の取り組みについて
調べ、考えるようにす
る。
今も環境問題はあって、取り
元の環境に戻すために
組みとかされているのかな。
取り組まれたことはあ
地域の清掃とかに参加した
るのかな。
ことがあるよ。
②過去と現在の環境問題について調べ
考える ≪本時≫
日本国内及び世界で起き
てきた環境問題について
捉えるようにする。
子どもたちの思考の流れ
に応じて、単元内の構造
を柔軟に取り扱うように
する。
高度経済成長の中で、
環 今も環境問題は起こっ 環境問題が起こってい
取り組み たとしたら、
何か取り組
境問題は起こらなかっ ているのかな。
はされているのかな。 みはされていたのかな。
たのかな。
児童の学びたいことを
読み取り、学習展開を
組むようにする。
①日本の社会の変化と現在の生活につ
いてふりかえり、学習計画を立てる
開発に伴う環境問題
や人々に有害な影響を
及ぼす公害について、国
土の環境を守り健康な
生活を維持・発展させて
いくために、公害の防止
が重要であることなど
を考え、調べたことや考
えたことをノートやレ
ポート、発言などにおい
て、適切に表現すること
ができる。
技能
開発に伴う環境問題
や人々に有害な影響を
及ぼす公害について、書
籍の読み取りや聞き取
り、インターネット、地
図や地球儀、統計などの
各種の基礎的資料を効
果的に活用して調べ、調
べた過程や結果をノー
トやレポートなどにま
とめることができる。
知識・理解
開発に伴う環境問題
や人々に有害な影響を
及ぼす公害など、国土の
開発が国民の生活や産
業の発達と密接な関係
があることを理解する
ことができる。
今までの生活・学習経験
○食料生産や工業生産ついて学習したね。
○自動車工場の人にも遠隔インタビューをしたね。
○自動車工場で働く人が「環境については特に気をつけている」と言っていたね。
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