授業② 2年 はこの形

公開授業②
公開授業②
算数科学習指導案
算数科学習指導案
2年2組教室
場所 2年2組教室
1.単
2年2組 小出 一裕
2年2組
小出 一裕
元 名 はこの形
2.研究主題との関連
子どもの算数的な「気づき」でつなぐカリキュラムづくり
~こいのぼり型カリキュラム~
(1)本単元について
本学級の子どもたちは、第1学年での立体を仲間分けする学習や、図画工作での箱をつなげる学習な
どで、箱を使っての学習を経験してきている。また、日常生活でも入れ物として箱を使う機会は多くあ
り、箱は、子どもたちにとって身近な存在である。ただ、これまでの学習や経験では、箱そのものの形
を全体的にとらえ、重ねたり積み上げたりできるといった機能的な側面を理解している程度である。
本単元では、これまで学習したり経験したりしてきた箱について、実際に箱を観察したり、箱をつく
ったりする活動を通して、構成要素(面・辺・頂点)に着目させ、立体への概念形成を図ることがねら
いである。まず箱そのものを観察し、面の存在を知る。その面で箱を構成したり分解したりする活動を
通して、辺や頂点の存在を知る。そして、1枚の工作用紙から6枚の長方形や正方形をつくり貼り合わ
せて箱の形をつくったり、12本のひごを用いて箱の形をつくったりする活動を行う。このような活動
を通して、立体図形が平面図形で構成されていることを理解し、第4学年で学習する「直方体と立方体」
の素地となる単元である。
指導にあたっては、子どものこれまでの経験を踏まえ、箱を与えて観察させるのではなく、実際に箱
を作る活動を行うことから始める。実際に箱を作ることで、箱を作るコツや、箱がうまくつくることが
できないわけを考える中で、子どもたちはさまざまな「気づき」を持つ。そのさまざまな「気づき」か
ら、箱の構成要素(面・辺・頂点)につながる算数的な「気づき」を見取り、その算数的な「気づき」
で単元構成をしていく。こうすることで、意欲的に学習することにつながり、立体への概念を形成する
ことにつながると考える。
(2)単元の目標
【関心・意欲・態度】箱の形に関心を持ち、進んで箱の形を観察したりつくったりしようとする。
【 数 学 的 な 考 え 方 】箱づくりを通して、箱を構成する要素(面、辺、頂点)に着目し、箱の形の特徴的な
性質をとらえることができる。
【
技
能
】工作用紙やひご、粘土玉を使って、箱の形やさいころの形をつくることができる。
【 知 識 ・ 理 解 】箱の形を構成する要素(面、辺、頂点)とそれらの数を知り、面と面のつながり方や
位置関係がわかる。
(3)活動構成の仮説
箱の形の構成要素をもとに、算数的な「気づき」を見取ることにより、子どもが学びを創り続ける場
を創造することができる。
(こいのぼり型カリキュラム)
単元のはじめに、実際に箱の形を作る活動を行う。この活動によって、さまざまな「気づき」が生ま
れる。この「気づき」から、構成要素(面・辺・頂点)にかかわる「気づき」
、すなわち算数的な「気
づき」を見取る。そして、この算数的な「気づき」を共有することで、次時以降の課題をみんなで考え
ることができる。次時以降の一つひとつの課題をこいのぼりに見立て、4.指導計画のように単元構成
を行う。この単元構成は、こいのぼり型カリキュラムとなり、子どもが学びを創り続ける場を創造する
ことができる
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3.カリキュラムの位置づけ
1年「いろいろなかたち」
「かたちづくり」
2年「はこの形」
箱の構成要素
4年「直方体と立方体」
2年「三角形と四角形」
直角 長方形 正方形
4.指導計画(全5時間)
問題解決活動の流れ
事象との出合い
問題の焦点化
○引き出すための手立て
問題の解決
・引き出したい「気づき」
○町の道路を描いた模造紙を用意し、その上にビ
ルを建てるというめあてを持たせることで、意
欲的に箱の形を作る場を創造する。
○箱の形を作る活動を通して、子どもの「気づき」
を引き出し、箱の構成要素につながる算数的な
「気づき」を見取る。
この町に、ビルを建てよう。
2時間
箱の形を作って、ビルにしよう
・箱をうまく作って、ビルを建てることが
できたよ。
・ビルは、うまくできなかったな。
箱の形を作
るためには、
面が必要だ。
でも、面の形
はどんな形
でもいいわ
けではない
よ。
辺の長さが
合わないと、
まっすぐに
立つ箱の形
を作ること
ができない
よ。
頂点が重な
ると、箱の形
になるよ。頂
点の場所が
大切なんだ
ね。
○工作用紙を用意し、実際に箱の形を作ることで、
面の性質を見つけることができる場を創造す
る。
○箱の形を作ることができない場合に着目させ、
箱の構成要素について交流する視点を持たせ
る。
辺の長さが合わな
いと、箱の形を作る
ことができないね。
面の形について、もっと調べたいな。
(本時)
1時間
箱の形を作るには、どのような面を何枚
作るとよいか考えよう。
・箱の形を作るには、同じ形の面が2つ
ずつ3種類必要だよ。
・どの箱の形も、面の数は6枚だ。
○ひごと粘土玉を用意し、実際に箱を作ることで、
辺と頂点の性質を見つけることができる場を創
造する。
○辺の長さが合わないひごで箱の形を作ることが
できないことを体得させるため、実際に作る活
動を取り入れる。
辺と頂点について、もっと調べたいな。
1時間
箱の形を作るには、どんな長さのがいる
のか、頂点はいくつあるのか考えよう。
・箱の形を作るには、同じ長さの辺が4本
ずつ3種類必要だよ。
・どの箱の形も、辺が12で、頂点が8つ
だね。
これで、箱のことは
わかったよ。いろい
ろな大きさ箱の形
を作ってみたいな。
四角形ではなく、
三角形でも箱の形
を作ることができ
るかな。
1時間
この町に、もっとビルを建てよう。
○第1・2時の学習で使った町を用意し、これま
での学習を生かして箱の形を作る時間とする。
○多角柱や多角錐などの形も認める。
○作り方をふりかえらせることで、立体図形の構
成要素に気づかせる。
これまでの学習を生かして、いろいろな
箱の形を作って、ビルにしよう。
楽しい町ができたよ!
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