速報!2016年度国公立大志願状況 - Kei-Net

2016年度入試情報
速報!2016年度国公立大志願状況
2016/2/4
国公立大の出願が2月3日に締め切られた。文部科学省より発表された同日 15 時現在の集計では、志願者
総数は 455,766 人で、募集人員に対する志願倍率は前年同時点の 4.48 倍から 4.51 倍へとアップした。
以下、発表された国公立大の出願状況について概況をまとめた。
■志願者数は前年同時点と大きく変わらず 確定志願者数は18日発表
国公立大の2次試験志願者数は、出願最終日となった2月3日 15 時現在で 455,766 人となっている。前年
最終日同時点と比較して前年比 100.1%と大きな変化はみられない。募集人員に対する志願倍率は前年最終日
同時点の 4.48 倍から 0.03 ポイントアップの 4.51 倍となった【表1】。
【表1】国公立大志願状況(出願最終日 15 時現在)
募集人員
国立大
公立大
国公立計
志願者数
志願倍率
(最終日 15 時現在)
(最終日 15 時現在)
15 年度
16 年度
15 年度
16 年度
前年差
前年比
15 年度
16 年度
前
65,157
64,889
192,347
後
15,789
15,556
140,347
192,582
+235
100.1%
2.95
2.97
136,926
-3,421
97.6%
8.89
8.80
計
80,946
80,445
332,694
329,508
-3,186
99.0%
4.11
4.10
前
14,987
15,057
56,610
56,980
+370
100.7%
3.78
3.78
後
3,714
3,697
41,255
42,805
+1,550
103.8%
11.11
11.58
中
1,958
1,958
24,932
26,473
+1,541
106.2%
12.73
13.52
計
20,659
20,712
122,797
126,258
+3,461
102.8%
5.94
6.10
前
80,144
79,946
248,957
249,562
+605
100.2%
3.11
3.12
後
19,503
19,253
181,602
179,731
-1,871
99.0%
9.31
9.34
中
1,958
1,958
24,932
26,473
+1,541
106.2%
12.73
13.52
計
101,605
101,157
455,491
455,766
+275
100.1%
4.48
4.51
※文部科学省資料より(独自日程で実施する大学は表に含まない)
国公立大入試の中心である前期日程の志願者数は 249,562 人(前年比 100.2%)と前年並みに落ち着いてい
る。センター試験の受験者数も前年比 101.2%と前年並みの状況であり、国公立大志願者数に大きな変化がな
いのもこれに呼応した動きといえる。
後期日程の志願者数は 179,731 人(前年比 99.0%)で前年から約2千人減となった。難関大や医学科では
後期日程廃止・縮小の動きが続いている。今春は、東京大が推薦入試の導入に伴い後期日程を廃止したほか、
医学科では信州大と熊本大が後期日程を廃止した。これらの大学の影響もあり、志願者数は減少している。
公立 14 大学で実施される中期日程は前年比 106.2%と志願者数が大幅に増加している。文系学部の人気を
反映してか、釧路公立大(経済)、高崎経済大(経済)、都留文科大(文)、下関市立大(経済)などで大幅な
志願者増となっている。
確定志願者数は2月 18 日に発表される予定である。前年はこの時点から確定までの間に、志願者数が約1
万9千人増加した。今年度も今回の集計では反映されていない締め切り直前の出願者が相当数いると考えられ
る。最終的な志願者数は、前年同様 47~48 万人の間に落ち着きそうだ。
■学部系統別の志願状況 「文高理低」が鮮明
昨春入試より文系学部の人気が復活し、学部系統の人気はそれまでの「文低理高」から「文高理低」へシフ
トした。今春の受験生においても、河合塾が実施してきた模試の志望校調査では文系学部の人気が一層高まっ
ている様子が感じられた。
【表2】は国公立大の前期日程の志願状況を、文部科学省が分類している学部系統別に集計したものである。
大きな流れは昨春入試の「文高理低」が継続している。前期日程全体の志願者前年比は 100.2%であるが、
「人
文・社会」学系は前年比 104.3%と大きく増加している。なかでも、経済・経営系の学部で志願者の増加が目
-1© Kawaijuku Educational Institution.
立っている。また、地方大、公立大で志
【表2】国公立大(前期日程) 学部系統別の志願状況
願者の増加が目立つのも特徴である。
志願者数
一方、理系・医療系の各系統は「農・
募集人員
(最終日
15 時現在)
系統
水産」が前年比 101.9%と増加しているも
15 年度 16 年度 15 年度 16 年度
前年比
のの、
「理工」学系が前年比 98.7%、
「医・
21,599
21,474
64,097
66,840 104.3%
歯」学系が 97.6%、「薬・看護」学系が 人文・社会
理工
27,579
27,559
80,530
79,519 98.7%
99.2%と低調である。
4,891
5,062
15,216
15,500 101.9%
また、今春の国公立大では多くの大学 農・水産
で学部・学科の再編が行われる。教育学 医・歯
7,242
7,241
28,583
27,901 97.6%
部では 15 の大学で総合科学課程を廃止し
医
6,690
6,686
26,299
25,844 98.3%
ており、募集人員も大幅減となっている。 歯
552
555
2,284
2,057 90.1%
その影響から「教員養成」学系の志願者 薬・看護
3,721
3,740
12,333
12,236 99.2%
数は、前年比 94.1%と大幅に減少してい
薬
763
750
2,792
2,775 99.4%
る。一方、「地域」「国際」の名を冠した
看護・保健
2,958
2,990
9,541
9,461 99.2%
新しい学部が数多く誕生しており、
【表2】
教員養成
9,313
8,653
24,822
23,369 94.1%
の集計ではそれらの多くが「その他」学
その他
5,799
6,217
23,376
24,197 103.5%
系に含まれている。
「その他」学系の募集
合計
80,144
79,946 248,957 249,562 100.2%
人員が約 400 名増加しているのはそのた
※文部科学省資料より(数値は昨今とも出願最終日 15 時時点の数)
めで、志願者数も前年比 103.5%と増加し ※系統の分類は文部科学省によるもの
ている。
志願倍率
(最終日 15 時現在)
15 年度
2.97
16 年度
3.11
2.92
2.89
3.11
3.06
3.95
3.85
3.93
3.87
4.14
3.71
3.31
3.27
3.66
3.70
3.23
3.16
2.67
2.70
4.03
3.89
3.11
3.12
■難関国立大の状況 大学により志願者増減に差
【表3】は旧帝大を中心とした難関 10 大学の志願者数を、前年 【表3】難関国立大の志願状況
同時点と比較したものである。
大学名
前期日程
後期日程
難関 10 大学全体では、前期日程は前年比 100.1%と前年並みと
今
5,346
3,873
北海道
100.6%
102.6%
なっている。
昨
5,314
3,774
東京大は前年比 98.0%と微減の状況である。科類別では、文科
今
4,900
1,269
99.8%
85.7%
三類が既に前年の最終志願者数を上回る高い人気を示している。 東北
昨
4,908
1,480
文科三類の志願者増により、文科類全体の志願者数も前年を上回
今
9,172
98.0%
る数となっている。一方、理科類は2年連続で志願者が減少して 東京
昨
9,363
2,925
いた理科三類が増加に転じているものの、理科一類、理科二類は
今
3,881
508
東京工業
102.4%
105.8%
系統不人気を反映してか志願者数が減少している。特に理科二類
昨
3,789
480
今
2,733
1,432
は約1割減少しており低調な人気である。
一橋
99.7%
104.4%
昨
2,740
1,371
京都大は前年比 99.9%と前年並みに落ち着いている。学部別で
今
4,576
68
は総合人間学部が2割以上の志願者増となっているのが目立つ。 名古屋
93.1%
81.0%
昨
4,913
84
また、法学部、経済学部(文系)も志願者増となっている。
今
7,983
322
志願者の増加率が高かったのが神戸大、九州大である。近年、 京都
99.9%
昨
7,993
両大学は志願者数が減少基調を示しており、昨春入試においても
今
7,305
3,080
大幅減となっていた。今春の増加はその反動とみてよい。逆に、 大阪
101.5%
101.3%
昨
7,194
3,041
名古屋大は昨春入試で志願者増となった工学部が大幅減となった
今
5,761
4,100
影響が大きく、他大学と比較して減少率が高くなった。
神戸
103.5%
93.5%
昨
5,565
4,384
後期日程は、東京大の廃止の影響が注目された。一橋大、東京
今
5,082
2,634
工業大では警戒されつつも志願者数が増加している。一方、その 九州
103.4%
97.7%
昨
4,916
2,696
他の大学では極端な志願者増に至る大学・学部はみられず、難化
今
56,739
17,286
難関10大
100.1%
85.4%
に対する懸念もあってか敬遠された様子がうかがえる。難関 10
計
昨
56,695
20,235
大学全体では、前年比 85.4%と大幅減となっている。なお、今春 ※文部科学省資料より
(数値は昨今とも出願最終日 15 時時点の数)
入試より特色入試の一環として後期日程を復活した京都大(法)
は、募集人員 20 名に対し、志願者数 322 人となっている。
以上、国公立大の志願状況について速報をお伝えした。最新の大学別の志願状況は河合塾入試情報サイト
Kei-Net(*)に掲載しているので、ぜひご活用いただきたい。
(*Kei-Net 国公立大出願状況:http://www.keinet.ne.jp/shutsugan/)
-2© Kawaijuku Educational Institution.