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2016年2月4日(木)
第6回全国知事会2020年東京オリンピック・
パラリンピック競技大会推進本部連絡調整会議
2020年に向けたWi-Fi環境の全国整備への対応
総務省 情報流通行政局 地域通信振興課長
山 碕
良 志
1
Wi-Fiの進化と普及状況
Wi-Fiの進化
<Wi-Fiの将来像の例>
第1期:高速ワイヤレス(~2010年)
ノートPC向けに、駅・空港・カフェ等への高速大容量のWi-Fiインフラ整備
第2期:携帯オフロード(2011年~)
携帯トラヒックのオフロードを主目的としたキャリア主導による大規模整備
第3期:企業・自治体利用(2013年~)
ユーザの利便性・回遊性を高めるためのマーケティングや地域活性化等への活用
将来:社会基盤化(2015年~)
全国的な整備が進んで社会基盤化し、あらゆる用途や地域に利用が拡大
Wi-Fiの普及状況
スポーツ
・レク施設
27%
飲食店
9%
バス
4%
ショッピング
センター
19%
コンビニ
74%
自然公園
26%
博物館
11%
文化財
13%
観光案内所
72%
避難場所
0.1%
避難所
1%
主
主
駅・鉄道
32%
宿泊施設
29%
政
間
空港
86%
③防災拠点
行
民
②(公共的な)観光拠点
①交通・商業施設
導
導
施設所有者への働きかけ
自治体等が主導的に整備(国が支援)
【注】普及状況は、(株)野村総合研究所の委託調査結果等に基づく推計値。主要な施設を抽出し、電話調査等を実施することによって普及率を算出。
訪日外国人による日本のWi-Fi環境の評価
 訪日外国人にとって日本滞在中にあると便利な情報は、「無料Wi-Fi」(観光・レジャー目的で54.7%)が一位。
 日本の無料Wi-Fiに「満足」した訪日外国人は63.6%。「不満足」が3.7%、「十分ではない」が32.7%。
 訪日外国人の利便性を高めるには、スマートフォンやタブレット端末等への観光情報等の提供を円滑に
行うことが重要。
日本滞在中にあると便利な情報
◆観光・レジャー目的
◆回答者全体
0%
20%
40%
無料Wi-Fi
48.3%
飲食店
32.0%
宿泊施設
買物場所
観光施設
0%
60%
52.1%
交通手段
土産物
日本の無料Wi-Fiに対する満足度
49.0%
飲食店
24.7%
買物場所
33.1%
28.6%
26.5%
観光施設
25.0%
土産物
13.2%
イベント
9.9%
イベント
10.9%
現地ツアー
9.7%
現地ツアー
10.5%
文化体験
7.9%
ATM
※観光庁「訪日外国人消費動向調査」より
2.7%
宅配便
7.9%
文化体験
8.7%
7.7%
ATM
※観光庁「訪日外国人消費動向調査」より
2.9%
宅配便
祈祷室
1.2%
祈祷室
0.9%
その他
1.6%
その他
1.4%
特になし
12.1%
60%
54.7%
交通手段
宿泊施設
12.1%
40%
無料Wi-Fi
25.0%
21.1%
20%
特になし
(出典) 観光庁「訪日外国人消費動向調査(平成27年10-12月期)」
10.0%
(出典) 2013年12月総務省調査
2
ICTによる地方創生の成功事例(掲載事例)
(Fukuoka City Wi-Fiによる観光振興・新事業創出)
観光振興、新事業創出等に寄与
(福岡県福岡市のFukuoka City Wi-Fi)
○福岡市は誰でも使える無料Wi-FiをH24年4
月に開始し、地下鉄・JRの駅、空港、バス
ターミナル等の交通拠点や観光拠点など、
83拠点、376アクセスポイントで展開。
○多言語対応(5言語)による観光情報発信、
簡素な認証(メール認証やパスワード不要)、
官民による協働、海外とのローミング等の先
進的なサービスを全国に先駆けて提供。
○災害時には認証手続なしで無料開放。
○市民や観光客による積極的な利用(※数字は平成27年7月時点)
入込観光客数
・平均認証回数は約80,000回/日(約19,000人/日の利用)
過去最高を達成! 1,782万人
1,740
・外国語閲覧回数は約2,300回/日
※平成26年度の閲覧回数(約36万回)は,導入年度と比較して7倍に増加) 1,614 1,642 1,678
・利用者の満足度は約82%
○観光振興、新事業創出等への寄与
・入込観光客数は1,782万人(H25)と、過去最高を更新(2年連続)
H21
H22
H23
H24
H25
・国際コンベンション開催件数は平成21年より6年連続東京に次ぐ2位
・国家戦略特区にも指定され、新規ビジネス創出に向けた外国人向け観光サービス実証を実施 3
3
Wi-Fi環境の整備による経済効果
4
(1) Wi-Fi環境の整備による国内への経済効果(マクロ)
(2) Wi-Fi環境の整備による福岡市の費用便益分析(ミクロ)
○Wi-Fi環境を全国的に整備し、訪日外国人への「おもてなし」
に有効に活用することにより、146万人の訪日外国人増、
2,102億円の消費額増、539億円の投資効果が見込まれる。
○便益としては、平成24~26年度の3年間で、Wi-Fi環境の整備
を通じて生み出された訪日外国人の増加が約2584人、訪日外
国人による消費額の増加が約1億2,400万円と推計される。
○費用としては、平成24~26年度の3年間で、 Wi-Fi環境の整備・
運用、広告・プローモーションに約8600万円を要していると推計
される。その結果、3年間の便益/費用は1.4程度となる。
○なお、インフラ整備のみではなく、観光情報等のコンテンツの提
供や訪日外国人向けの周知広報等を含め、訪日外国人の「お
もてなし」に資する
福岡へ訪問する外国人の増加、
「Wi-Fi環境」の効果的
消費額の増加
な整備を要すること
に留意。
○地方へのWi-Fi環境の整備が三大都市圏と遜色なく進んだ場
合、三大都市圏への訪問にとどまっていた訪日外国人が地
方へも足を伸ばすことにより、地方への経済効果として、321
万人の訪日外国人増、1,542億円の消費額増が見込まれる。
福岡
増加人数
経済波及効果
全国への効果(新規)
H24年
③公衆無線LAN整備の投資による関連産
業への波及効果(300億円の投資に対して)
+146万人
(2014年の訪日外国人
数1,341万人の約11%
に相当)
-
+2,102億円
無料Wi-Fi整備による
福岡へ訪問する外国
人の増加
(H24に開始のため、
H25年以降に効果が出
るとした)
(2014年の訪日外国人の
旅行消費額2兆278億円
の約10%に相当)
539億円
地方への効果
地方への効果合計
H26年
合計
便益
①公衆無線LAN整備によって訪日外国人
がSNS等での紹介する機会が増えることに
よる訪日者数の増加(年間)
②地方の様子が紹介される
機会が増え、訪日外国人の3
大都市圏以外の訪問が増加
(年間)
H25年
(既存)
+175万人
+841億円
(新規)
+146万人
+701億円
+321万人
+1,542億円
人
数
-
585人
1999人
金
額
-
2807万円
9590万円
1億2,397万円
3,710万円
2,600万円
2,330万円
8,640万円
-3,710万円
+207万円
+7,260万円
3,757万円
2,584人
費用
Wi-Fi整備・運用、広告・プ
ロモーションに関わる費用
便益-費用
地方小都市における整備事例
5
(長野県辰野町公衆無線LANサービス)
辰野町概要
配信アプリ(ポータルサイト)
人口 20,569人 7,779世帯
総面積 169.02k㎡(山林原野が9割)
日本の地理的中心に位置するホタルの町
<お知らせ>
防災行政無線や告知シ
ステムで放送された緊急
情報・行政情報を確認可
<辰野町への連絡>
利用者から役場へ、災害現場や危
険箇所などの状況、交通渋滞や迷
い犬、不審者情報等を写真添付で
簡単に連絡可
(撮影場所の位置情報も添付可)
防災情報ステーションの設置
<辰野町の情報/観光情報>
町ホームページの注目記事へリンク
言語は13カ国語対応
○H26.11.25 本稼動開始
○防災情報ステーション WiFi接続時
は初期表示
○インターネット切断時も情報提供、
町への連絡は可
6
【参考】 観光・防災拠点における整備対象箇所の概要
※「単価」は平成25年度補正事業等をもとに算出
 重点整備箇所への整備完了には約311億円の整備費用が必要
場所
自然公園
(約400公園)
都市公園
(約2,400公園)
重点整備箇所
普及率
(公共的な)観光拠点
ビジターセンター等513箇所
26%
(国立公園(31公園)、国定公園(56公園)の
ビジターセンター等関連施設198箇所、都道
府県立自然公園(315公園)1箇所ずつ)
(191箇所のビジターセンター等に
電話調査)
都市公園230公園
大規模公園:10%
【内訳】
大規模公園(213公園)
国営公園(17公園)
(133箇所の大規模公園に電話調査)
国営公園:10%
(17箇所の国営公園に電話調査)
(約1,300施設)
地方公共団体設立博物館
(約3,000施設)
(約50,000件)
防災拠点
避難場所
・避難所
(約88,000箇所)
庁舎施設
(8,784箇所)
合計
単価
ランニングコスト
25.1億円
1.1億円/年
24.5億円
1.5億円/年
6.1億円
1.4億円/年
1.5億円
0.5億円/年
建造物1件につき屋内型・屋外型
各1AP
史跡・名勝1件につき屋外型2AP
122.1億円
5.7億円/年
避難場所1箇所につき屋外型1AP
避難所1箇所につき屋内型2AP
99.5億円
15.9億円/年
庁舎施設1箇所につき屋内型2AP
32.0億円
11.2億円/年
310.8億円
37.8億円/年
ビジターセンター等の施設1箇所
につき屋内型・屋外型各3AP
大規模公園1公園あたり屋内
型・屋外型各5AP、
国営公園1公園あたり屋内型・
屋外型各10AP(弘前公園等の面
積当たり設置数をもとに推計)
上記以外の博物館 10%
上記以外の博物館(672施設)
(登録博物館・博物館相当施設)
721施設
地方公共団体運営
観光案内所 1,254施設
(H25.12観光庁調べ)
国指定の一部文化財4,544件
文化財
整備費用
動物園/植物園/水族館(49施設)
1施設につき屋内型・屋外型各
3AP(上野動物園等の整備を参考に推計)
(596施設の地方公共団体設立博
物館に電話調査)
観光案内所
1箇所あたりAP数
(25施設の地方公共団体設立博物
館に電話調査)
動物園/植物園/水族館 24%
博物館
(高機能のステーション(屋外型)と通常のAP(屋内型)の双方を含む)
※「ランニングコスト」は1AP当たり年約7万円(毎月6千円程度)と
単純化して試算
【内訳】
建造物:2,428件(うち国宝221件)
史跡:1,733件(うち特別史跡61件)
名勝:383件(うち特別名勝36件)
避難場所 3,000箇所
避難所 10,000箇所
(公立中学校区あたり避難所1箇所)
70%
(日本政府観光局認定(JNTO)の地方公共団
体運営観光案内所232施設に電話調査)
建造物(国宝):5%
建造物(重要文化財):9%
特別史跡:18%,史跡:13%
特別名勝:38%,名勝:12%
約29,000箇所
(ロビー等への整備を想定)
1施設につき屋内型2AP
屋内型
20万円
(1,260件の文化財に電話調査)
避難場所0.1%, 避難所1.1%
(総務省の自治体への調査で避難
場所・避難所への整備から集計)
庁舎施設
庁舎施設 8,784箇所
1施設につき屋内型3AP
屋外型
200万円
9%
(総務省の自治体への調査で避難
場所・避難所への整備から集計)
平成27年9月25日付け諮問第23号 「IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方」
中間答申 ~「データ立国ニッポン」の羅針盤~ (平成27年12月14日) (Wi-Fi関連部分抜粋)
7
◆アクセス回線について
【主な課題】

IoT/ビッグデータ時代においては、屋内外にあるあらゆるモノからデータが発せられるようになることから、それに合わせてア
クセス回線の多様化が必要となる。

自動車の走行履歴や着衣者の行動履歴といったデータを継続的かつ網羅的に収集・分析しようとすれば、それを支えるワイヤ
レス環境の整備が不可欠。

携帯電話・PHSが1億5,790万台(データ通信専用契約含む)、カバー率もほぼ100%となる等、普及が進展。近年、データ通信
専用契約の伸びが顕著であり、モバイルにおけるトラフィック増への対応や安定的な通信の確保が課題。

他方、今後爆発的な拡大が見込まれるセンサーやタグ等のIoTデバイスについては、接続される機器が多様であること、データ
量に振れ幅が大きく冗長性の高いネットワークが必要となること等を踏まえれば、既存の携帯電話ネットワークに加え、公衆無線
LAN等のワイヤレスインフラを利用することも課題。

我が国のWi-Fi環境はかなりの向上が図られているが、場所によって整備状況に大きな格差があり(例:空港は86%、バスは
4%)、特に、公共施設を中心に引き続き整備が遅れている状況にある。
【主な意見】
 顧客の行動情報を収集するためには、屋内だけでなく、屋外のネットワーク環境の整備が重要。
 IoTにおいては、モノと場所が規定でき、相互運用性が確保できるような技術が必要。
【考え方(案)】
 携帯電話については、ビッグデータを安定的に伝送する手段として、一層のサービス高度化が求められるとともに、「M2M等専
用番号」の創設や携帯電話向けIPv6の導入促進等、制度面での対応を加速させるべきである。
 公衆無線LANについて、引き続き観光・防災拠点への全国整備を促進するとともにシームレスに接続できる環境の実現を目
指すほか、IoT/ビッグデータのサービスを切れ目なく享受できる公衆無線LAN等のワイヤレスインフラの整備を促進していく必
要がある。
8
Wi-Fi環境の整備促進(平成28年度当初予算(案))
①観光・防災Wi-Fiステーション整備事業 2.6億円 (2.5億円<27当初> 及び 8.0億円<26補正>)
②公衆無線LAN環境整備支援事業 (携帯電話等エリア整備事業)12.6億円の内数(新規)
概 要:
• 観光や防災の拠点等における来訪者や住民の情報収集等の利便性を高めるため、観光拠点及び防災拠点等(※1)における
Wi-Fi環境の整備を行う地方公共団体・第三セクターに対し、その費用の一部を補助(※2)する。
(※1)観光拠点:観光案内所、文化財、自然公園、博物館等
防災拠点:避難場所、避難所、官公署等
(※2)補助率:地方公共団体:1/2、第三セクター:1/3
(注)公衆無線LAN環境整備支援事業については、
防災拠点のみを対象とする可能性がある。
目 標:
外国人受入環境の整備や地域の活性化等に寄与するため、主要な観光・防災拠点等におけるWi-Fi環境の整備を2020年
に向けて推進する。
観光拠点では、
移動環境に適したWi-Fiにより、
訪日外国人等、観光客の
利便性を向上
Wi-Fi環境の整備
Wi-Fiアクセスポイント
防災拠点では、
耐災害性の高いWi-Fiにより、
来訪者や住民の
災害時の安全を確保
Wi-Fiステーション
観光拠点
観光案内所
防災拠点
官公署
博物館
避難場所
自然公園
文化財
スマートホン タブレット端末
・必要な観光関連情報を収集
・観光客が旅行体験等を発信
スマートホン タブレット端末
・必要な災害関連情報を収集
・被災状況等を各所に配信
観光客・住民等
避難所
交付決定団体一覧
●観光・防災Wi-Fiステーション整備事業
(26年度補正予算(49団体))
総合通信局
北海道
東北
関東
信越
北陸
東海
団体名
北海道上富良野町
北海道小清水町
北海道東川町
北海道新ひだか町
北海道厚岸町
青森県板柳町
岩手県一戸町
秋田県秋田市
福島県会津若松市
東京都品川区
新潟県燕市
長野県千曲市
長野県長和町
長野県大鹿村
長野県白馬村
株式会社
テレビ松本ケーブルビジョン
富山県(1次、2次)
富山県氷見市
石川県輪島市
株式会社ケーブルテレビ富山
岐阜県東白川村
静岡県伊豆市
静岡県川根本町
豊橋ケーブルネットワーク
株式会社
9
●観光・防災Wi-Fiステーション整備事業
(27年度当初予算(10団体))
総合通信局
近畿
中国
四国
九州
団体名
滋賀県
京都府
和歌山県
京都府南丹市
京都府八幡市
兵庫県宝塚市
兵庫県養父市
奈良県葛城市
和歌山県田辺市
島根県奥出雲町
岡山県倉敷市
山口県萩市
株式会社倉敷ケーブルテレビ
株式会社アイ・キャン
徳島県
愛媛県四国中央市
愛媛県松山市
福岡県
長崎県長崎市
長崎県壱岐市
長崎県五島市
長崎県南島原市
大分県九重町
宮崎県綾町
総合通信局
関東
信越
北陸
東海
近畿
四国
九州
団体名
神奈川県鎌倉市
長野県小谷村
富山県入善町
愛知県一宮市
三重県明和町
三重県東員町
京都府
奈良県葛城市
徳島県
長崎県新上五島町
10
【参考】 「地域情報化アドバイザー制度」等の概要
○ ICTを利活用した取組みを検討する地方公共団体等からの求めに応じ、ICTの知見、ノウハウ等を有
する「地域情報化アドバイザー」等 [注] を派遣し、ICT利活用に関する助言、提言、情報提供等を実施。
H27年度は、「Wi-Fi」「テレワーク」「マイナンバー」が重点利活用分野
○ 地域におけるICT利活用の取組を促進し、活力と魅力ある地域づくりに寄与するとともに、地域情報
化の中核を担える人材を育成する。
[注]:地方公共団体等のニーズに合わせて、アドバイザー(短期:派遣回数3回まで)又は、マネージャー(中長期:概ね5回以上)を派遣
自治体等
1.派遣要請
総務省が委嘱した
地域情報化アドバイザー等
(110名、6団体)
総
務
省
①アドバイ
ザー派遣
ICTによる地域の
課題解決の取組
地域情報化アドバイザー等の派遣件数
(件)
200
170
150
②マネー
ジャー派遣
107
100
2.派遣人材
を決定
3.助言等
事案の内容や長短等に
応じて毎年度、派遣を実施
Wi-Fi
マイ
ナンバー
重点利活用分野
76
■支援地域
50
テレ
ワーク
213
27
16地域
105回
20地域
163回
30地域
216回
0
H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 H26年度
マネージャー
アドバイザー