株式会社 東京設計事務所 下水道総合地震対策計画の提案 下水道施設の耐震化による機能高度化、施設の安全性向上、住民サービスの向上を目指して 1.はじめに 2004 年 10 月に発生した「新潟中越地震」は、阪神・淡路大震災以来の大規模な被害(マ ンホールの突出による交通障害、下水処理場の機能停止による公衆衛生被害など)を下水 道施設にもたらしました。下水道は重要なライフラインの一つであることから、常に下 水を適切に排除、処理する必要性があることから、国土交通省では、平成 21 年度に「下 水道総合地震対策事業」を創設し、DID 地域など地震対策に取り組む必要性が高い地域 を対象として、「防災」と「減災」の観点から総合的な地震対策計画を策定することと しています。 2.下水道総合地震対策計画の内容 下水道総合地震対策計画においては、重要な下水道施設の耐震化を図る「防災」と、 被災を想定して被害の最小化を図る「減災」を組み合わせて策定するものです。 (計画 策定期間は平成 21 年度より 5 年間以内で、5 年後に事業効果の検証が必要です) 災害対策基本法および同法に基づく地域防災計画に位置づけられた関連施設におい て、以下の項目が現行の補助対象に追加されました。 ① 防災拠点・避難地・要援護者関連施設と終末処理場とを接続する管渠の耐震化 ② 上記施設が存在する排水区内の一定規模以上の貯留・排水施設の耐震化 ③ 緊急輸送路・避難路・軌道の下に埋設された管渠の耐震化 ④ 防災拠点・避難地に整備するマンホールトイレシステム(下部構造に限る) ⑤一定規模以上の防災拠点・避難地に設置する備蓄倉庫および耐震性貯水槽 ● 国土交通省 都市・地域整備局 下水道部 HP より Tokyo Engineering Consultants Co.,Ltd. http://www.tokyoengicon.co.jp 3.下水道総合地震対策計画の提案 当社は、 「下水道地震対策緊急整備計画(アクションプラン)」を策定するための「計画 策定の手引き」の作成に関与しており、速やかな計画策定のお手伝いが可能です。 下水道総合地震対策の構築に向けて以下のような計画策定フローを提案しています。 1.下水道地震対策の目標と 計画策定に関する検討 ¾ 下水道の現状と課題 ¾ 下水道の将来目標と重点施策との整合 ¾ 防災目標、減災目標の設定 ¾ 検討手法の提案、耐震診断の実施 ¾ 被害予測の定量的評価(シミュレー 2.防災対策および 減災対策の検討 3.地震対象対象地区の優先順位 地区の選定と対策の優先順位 4.事業化に向けた検討 下水道総合地震対策計画書 5.まとめと課題の整理 ション) 被害予測の定性的評価 地震ハザードマップの作成 汚泥輸送に関する検討 情報ネットワークに関する検討 改築・更新と耐震化の効率化・平準 化・省力化に関する検討 ¾ 省資源・省エネルギー対策の推進 ¾ と地球環境への貢献に関する検討 ¾ 事業効果の評価→アウトカム指標の 作成 ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ 概略施設計画と事業費の算定 施策別効果量の検討 ネットワーク構築の評価 最適ネットワークの検討 ¾ ¾ ¾ ¾ 重要度評価、期待される効果 整備順位の検討 段階別の概算事業費の算出 要綱による調書の作成 ¾ まとめ ¾ 中長期計画への課題整理
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