オメプラゾール注用 20mg「TYK」 溶解後の安定性試験に関する資料 大正薬品工業株式会社 20101018 作成(20120829 改訂 名称変更) 試験は旧販売名品で実施されています。 オメプラゾール注用 20mg「TYK」 溶解後の安定性試験 1. 試験の実施概要 本品の医薬品製造販売承認申請書の製造方法に従った製品を試料とし、日局第 15 局通則または一般 試験法に準じて溶解後の安定性試験を実施した。 2. 試験試料 1) 検体 オメプラゾール注用 20mg「TYK」 (旧販売名:オメプトロール注用 20mg) 2) 溶解液 生理食塩液 5%ブドウ糖液 3) 保存試料 溶解液 生理食塩液 5%ブドウ糖液 濃 度 保存形態 1.0 mg/mL ガラス瓶 0.2 mg/mL ガラス瓶 1.0 mg/mL ガラス瓶 0.2 mg/mL ガラス瓶 4) 保存試料の調整方法 i) 1.0 mg/mL 濃度溶液の調製 各試験検体 25 個をとり、内容物に生理食塩液もしくは 5%ブドウ糖液(以下、溶解液)を加え て溶かし、容器を溶解液で洗い、洗液は先の液と合わせ、溶解液に加えて正確に 500 mL とした。 別に各試験検体 25 個をとり、内容物に溶解液を加えて溶かし、容器を溶解液で洗い、洗液は先 の液と合わせ、溶解液に加えて正確に 500 mL とし、先に調製した液と合わせて、1 mg/mL 溶液 とした。 ii) 0.2 mg/mL 濃度溶液の調製 各試験検体 10 個をとり、内容物に溶解液を加えて溶かし、容器を溶解液で洗い、洗液は先の 液と合わせ、溶解液に加えて正確に 1000 mL とし、0.2 mg/mL 溶液とした。 調製したⅰ)、 ⅱ)の各溶液は密栓した無色ガラス瓶 10 個に分注し、5±1℃・遮光下及び室 温・散光下で各 5 個ずつ保存した。 3. 保存条件 1) 冷所:5℃±1℃、遮光、ガラス瓶 2) 室温:室温、室内散光、ガラス瓶 4. 保存期間 48 時間 試験時期:開始時、3 時間後、6 時間後、24 時間後、48 時間後 5. 試験項目及び規格 1) 外観 無色澄明である 2) 浸透圧比 約1 3) pH ― 4) 定量法 95.0~105.0% 5) 類縁物質 相対保持時間 1.45 の類縁物質量:0.5%以下 相対保持時間 1.45 以外の類縁物質量:0.5%以下 類縁物質量合計:1.5%以下 オメプラゾール注用 20mg「TYK」 6. 試験結果 <溶解液:生理食塩液 濃度:1.0 mg/mL> 表1-1 項目 規格 外観 無色澄明である 保存条件 開始時 5±1℃ 3 時間後 6 時間後 24 時間後 48 時間後 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 微黄色澄明であった。 微黄色澄明であった。 1.04 1.03 1.03 1.03 1.04 1.04 1.03 1.04 9.73 9.78 9.72 9.76 9.72 9.75 9.68 9.68 99.44% 98.99% 99.38% 99.34% 無色澄明であった。 室温/室内散光 5±1℃ 浸透圧比 約1 1.04 室温/室内散光 5±1℃ p H - 9.77 室温/室内散光 5±1℃ 残存率 定量法 95.0 ~ 105.0% 99.97% 残存率 99.52% 残存率 99.91% 残存率 99.87% 99.47% 99.17% 99.00% 98.70% 97.73% 室温/室内散光 残存率 99.70% 残存率 99.53% 残存率 99.23% 残存率 98.25% 表1-2 項目 規格 相対保持時間 1.45 の類縁物質量 :0.5%以下 類縁物質 保存条件 24 時間後 48 時間後 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 :0.14% :0.15% :0.17% その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 :0.11% :0.09% 相対保持時間 1.45 の量 :0.16% :0.23% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :0.15% :0.32% :0.32% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :0.38% :0.45% 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 5±1℃ 相対保持時間 1.45 以外の類縁物質量 :0.5%以下 3 時間後 6 時間後 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 :0.14% その他の最大類縁物質量 :0.16% 類縁物質量合計 :1.5%以下 開始時 室温/室内散光 類縁物質量合計 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 :0.34% :0.15% :0.16% :0.16% :0.15% その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 :0.18% :0.26% :0.48% :0.88% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :0.44% :0.52% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :1.18% :1.98% オメプラゾール注用 20mg「TYK」 <溶解液:生理食塩液 表2-1 濃度:0.2 mg/mL> 項目 規格 外観 無色澄明である 保存条件 開始時 5±1℃ 3 時間後 6 時間後 24 時間後 48 時間後 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 微黄色澄明であった。 微黄色澄明であった。 1.02 1.02 1.02 1.02 1.02 1.02 1.02 1.02 9.37 9.36 9.30 9.29 9.36 9.33 9.24 9.23 100.09% 99.86% 99.62% 99.36% 無色澄明であった。 室温/室内散光 5±1℃ 浸透圧比 約1 1.03 室温/室内散光 5±1℃ p H - 9.43 室温/室内散光 5±1℃ 残存率 定量法 95.0 ~ 105.0% 100.28% 残存率 100.05% 残存率 99.81% 残存率 99.55% 99.81% 99.58% 99.16% 97.80% 95.21% 室温/室内散光 残存率 99.77% 残存率 99.35% 残存率 97.99% 残存率 95.39% 表2-2 項目 規格 相対保持時間 1.45 の類縁物質量 :0.5%以下 類縁物質 保存条件 24 時間後 48 時間後 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 :0.13% :0.13% :0.16% その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 :0.08% :0.11% 相対保持時間 1.45 の量 :0.15% :0.19% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :0.12% :0.26% :0.27% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :0.35% :0.43% 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 5±1℃ 相対保持時間 1.45 以外の類縁物質量 :0.5%以下 3 時間後 6 時間後 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 :0.13% その他の最大類縁物質量 :0.17% 類縁物質量合計 :1.5%以下 開始時 室温/室内散光 類縁物質量合計 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 :0.28% :0.15% :0.21% :0.17% :0.17% その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 :0.21% :0.27% :0.83% :2.06% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :0.44% :0.67% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :2.11% :4.72% オメプラゾール注用 20mg「TYK」 <溶解液:5%ブドウ糖液 表3-1 濃度:1.0 mg/mL> 項目 規格 外観 無色澄明である 保存条件 開始時 5±1℃ 3 時間後 6 時間後 24 時間後 48 時間後 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 微黄色澄明であった。 微黄色澄明であった。 1.06 1.06 1.06 1.06 1.05 1.06 1.06 1.06 9.45 9.46 9.44 9.44 9.45 9.42 9.39 9.30 99.49% 99.31% 99.98% 99.52% 無色澄明であった。 室温/室内散光 5±1℃ 浸透圧比 約1 1.06 室温/室内散光 5±1℃ p H - 9.46 室温/室内散光 5±1℃ 残存率 定量法 95.0 ~ 105.0% 99.97% 残存率 99.79% 残存率 100.46% 残存率 100.00% 99.52% 99.24% 99.09% 98.21% 95.54% 室温/室内散光 残存率 99.72% 残存率 99.57% 残存率 98.68% 残存率 96.00% 表3-2 項目 規格 相対保持時間 1.45 の類縁物質量 :0.5%以下 類縁物質 保存条件 24 時間後 48 時間後 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 :0.15% :0.13% :0.15% その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 :0.11% :0.12% 相対保持時間 1.45 の量 :0.20% :0.25% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :0.14% :0.40% :0.41% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :0.43% :0.56% 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 5±1℃ 相対保持時間 1.45 以外の類縁物質量 :0.5%以下 3 時間後 6 時間後 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 :0.15% その他の最大類縁物質量 :0.16% 類縁物質量合計 :1.5%以下 開始時 室温/室内散光 類縁物質量合計 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 :0.35% :0.15% :0.16% :0.15% :0.15% その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 :0.23% :0.30% :0.89% :2.42% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :0.53% :0.69% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :1.71% :4.14% オメプラゾール注用 20mg「TYK」 <溶解液:5%ブドウ糖液 表4-1 濃度:0.2 mg/mL> 項目 規格 外観 無色澄明である 保存条件 開始時 5±1℃ 3 時間後 6 時間後 24 時間後 48 時間後 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 無色澄明であった。 微黄色澄明であった。 微黄色澄明であった。 1.04 1.04 1.03 1.03 1.03 1.03 1.04 1.04 9.02 8.99 8.99 8.98 9.01 8.98 8.96 8.90 99.47% 99.73% 99.55% 99.60% 無色澄明であった。 室温/室内散光 5±1℃ 浸透圧比 約1 1.03 室温/室内散光 5±1℃ p H - 9.00 室温/室内散光 5±1℃ 残存率 定量法 95.0 ~ 105.0% 99.80% 残存率 100.06% 残存率 99.88% 残存率 99.93% 99.67% 99.04% 98.89% 95.88% 92.08% 室温/室内散光 残存率 99.37% 残存率 99.22% 残存率 96.20% 残存率 92.38% 表4-2 項目 規格 相対保持時間 1.45 の類縁物質量 :0.5%以下 類縁物質 保存条件 24 時間後 48 時間後 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 :0.16% :0.15% :0.15% その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 :0.12% :0.15% 相対保持時間 1.45 の量 :0.23% :0.35% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :0.15% :0.46% :0.48% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :0.64% :0.79% 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 5±1℃ 相対保持時間 1.45 以外の類縁物質量 :0.5%以下 3 時間後 6 時間後 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 :0.16% その他の最大類縁物質量 :0.15% 類縁物質量合計 :1.5%以下 開始時 室温/室内散光 類縁物質量合計 相対保持時間 1.45 の量 相対保持時間 1.45 の量 :0.35% :0.15% :0.15% :0.15% :0.14% その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 その他の最大類縁物質量 :0.27% :0.45% :1.17% :3.15% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :0.72% :1.07% 類縁物質量合計 類縁物質量合計 :3.31% :7.22% オメプラゾール注用 20mg「TYK」 7. 考察 オメプラゾール注用 20mg「TYK」における生理食塩液及び 5%ブドウ糖液中での溶解後の安定 性を確認した。 その結果、5%ブドウ糖液で溶解した試料は、室温・散光下条件で保存した場合、経時的に外観 の着色、類縁物質の増加、含量の低下を認めたが、溶解後 6 時間まで規格範囲内であった。また、 生理食塩液で 1.0mg/mL に溶解した試料については、外観に着色を認めたものの、その他の試験 項目は溶解後 24 時間まで規格範囲内であった。 一方、5±1℃・遮光下で保存した場合、生理食塩液及びブドウ糖液ともに溶解後 48 時間まで 安定であった。
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