子どもと家族支援のための研修会

九福臨
子どもと家族支援のための研修会
第 21 回研修会 in おおいた
テーマ「愛着に視点を置いた子どものケア」
この研修会は、九州地区の児童福祉など家族支援に携わる様々な機関や職種のメンバーが、自発的
に企画・参加して作り上げてきた参加型の研修です。現場を大切にし、小さなことでいいから使える
知恵を分かち合おうという趣旨で「Small&Useful」というキーワードを大切にしてきました。
21回目の大分県大会は、これまで大切にしてきた研修会のエッセンスに運営面において新しい視
点を盛り込んだ内容にチャレンジしました。大分県中央児童相談所が事務局を運営しています。参加
者の皆様に「参加して良かった」と思っていただけるような大会にしたいと考えております。多くの
皆様のご参加を心からお待ちしております。
九福臨・第21回研修会 in おおいた実行委員長 後藤 慎司(大分県中央児童相談所)
1. 期 日
平成28 年2月6日(土)~7日(日)
2. 場 所
【研修会】ホルトホール大分
大分市金池南一丁目5番1号
TEL:097-576-7555
【懇親会】豊の国健康ランド(大分駅から徒歩 15 分)
大分市南春日町12−5 TEL:097-546-1126
3. 主 催
九州子どもの福祉臨床と家族支援研究会 第 21 回研修会 in おおいた実行委員会
(大分県中央児童相談所内)
4. 日 程
10:00 10:30
12:00
2/6
(土) 9:15
受付
2/7
(日)
ワークショップ(3 択)
9:30~12:30
5. 定 員
基調講演
13:30~15:00 15:30~17:00
昼食
分科会Ⅰ
(3 択)
休
憩
分科会Ⅱ
(4択)
19:00~
懇親会
12:30 終了
120名(※先着順)
6. 参加要件
子どもと家族支援に携わる(児童福祉施設、児童相談所、市町村担当課、司法機関、医療機関、
保健機関、教育機関等)職員、及び里親、FH 養育者等で、守秘義務を遵守する立場にある者。
7. 費用・申込み期限
参加費は3,000 円、懇親会費は 5,000 円です。①研修会のみ参加される方は 3,000 円を、
②研修会と懇親会の両方参加される方は 8,000 円を、振込期限までに下記へお振込みください。
参加申込み及び振込みを確認した時点で、申込み受付の完了とします。振込みにかかる手数料
は各自でご負担願います。定員に達した場合、期限前に申し込みを締め切る場合があります。
入金後のキャンセルにつきましては、1 月 29 日(金)までにお願いします。キャンセルされた
方には参加費から振り込み手数料を引いた額を返金します。1 月 30 日(土)以降のキャンセルに
ついては返金できませんのでご了承ください。
※申込み及び振込み期限:H28年 1 月8日(金)
●振込み先 ゆうちょ銀行【店名】七二八(読み:ナナニハチ)【店番】728【預金種目】普通預金
【口座番号】2415825【口座名義】大分子どもと家族支援研究会
8. 参加申込み・お問合せ方法
参加申込み・お問合せ共にインターネット「こくちーず」による受
付を利用します(スマートフォン等からも可能)
。右記 QR コードまた
は URL よりアクセスの上、お申し込みください(こくちーずトップか
らは探せません)
。分科会・ワークショップの選択は第 2 希望まで入力
をお願いします。なお、電話での問合せは受け付けていませんのでご
了承ください。
※こくちーず(九福臨) http://kokucheese.com/event/index/336765/
↑QR コード
9. 交通アクセス
●車の場合:
大分自動車道大分ICより
約 15 分
※ホルトホール大分の駐車場は割高
です。地図に示した民間駐車場等をご
利用ください。
●最寄駅:
JR日豊本線 大分駅を下車
南口(上野の森口)から徒歩1~2分。
10. 宿泊について
今年度の研修会では、宿泊施設の指定はありません。周辺にビジネスホテル等も多数ありま
すので各自でご予約ください。(2 月 7 日には別府大分毎日マラソンが開催されるため、市内
のホテルが大変混雑することが予想されますので、予約はお早めにお願いします。)
なお、懇親会会場でもある「豊の国健康ランド ホテル豊の国」の客室を、本研修会で確保し
ています。ご希望の方は、ご予約の際に「九福臨、大分大会」に参する旨をお伝えください。
11. プログラムの内容
(1)基調講演(第1日目/6日(土)10:30~12:00)
基調講演
『精神科医から見た子どもの見立てと支援』
山本 隆正(医療法人山本記念会 山本病院長)
身体的虐待や心理的虐待を受けている児童は急激に増加しています。それでも虐待と認定されて
いるものは氷山の一角で、程度の差はあっても事例として上がってこないケースも多く存在すると
思われます。被虐待児は、反応性愛着障害など情緒的な障害を起こし、その後の成長に大きな影響
を受けます。しかしながら、一般臨床場面では、このような診断を下される児童は限定されており、
多くは、表現型が類似する発達障害と診断され、その治療薬が投与されています。
通常、成人患者を扱っている精神科医が、発達障害と診断される児童の背景に見え隠れする家族
の機能不全や児童の自立の問題等の臨床像を取り上げながら、子どもの見立てや支援のあり方につ
いて説明します。
(2)分科会Ⅰ(第 1 日目/6日(土)13:30~15:00)
A
『各地でやっている小さな LSW 的取り組みをシェアしよう!』
企画・進行:永野 智裕(熊本県中央児童相談所)、高松 江三子(熊本県こども未来課)
まとめ役 :園部 博範(崇城大学)
※熊本 LSW 研究会
私たちは、施設入所・退所の告知、理由の説明、希望に添えられない時の説得など、“自信はな
いけど避けられない”場面を経験しています。そして、その一つ一つは、子ども自身のライフスト
ーリーを紡ぐ大事な手がかりになるものでもあります。その重みを知るからこそ、大事なことだと
信じて意識していること、いつかチームで取り組めるよう仕掛けていること、周りを巻き込みなが
らのチャレンジ等、様々な工夫や知恵があるのではないでしょうか。
今回は、自分の働く場で、手の届く範囲でやっているささやかな“LSW 的取組み”を共有した
いと考えます。自分が行き詰っていることを誰かが工夫して取り組んでいて、その中に「これなら
ウチでもできそう」なことが拾えるかもしれません(頑張っている自分や仲間に気付くかも?)。
どうやって日常の支援で一歩進めるか、どうしたら続けられそうか、その辺りについても苦労話
を交えながら語り合えたらと思います。
B
『性虐待を考える-子どもが心をひらく時-』
企画・進行:河浦 龍生(福岡市こども相談センター)
インタビュアー:中島 由紀子(佐賀県精神福祉保健センター)
虐待の中でも、性虐待は「魂の殺人」と言われるように子どもに深い傷跡を残し、その後の人生
を苦しめます。私達が考えている以上、決して誰からも悟られず、否認や解離や依存や自傷で自身
を守り、堪え忍び生き抜こうとしているようです。
私達は発見から事実の開示とケアまで、どこでどんなふうに、どんなタイミングで子どもに接し
ていけばいいのかいつも考えさせられます。この分科会では、福岡市こども総合相談センターの事
例を紹介し、その支援の足跡をたどるところから、私たちの関わりを考えていきたいと思います。
【進め方】事例紹介「保護後、事実の開示まで1年と2ヶ月要した事例」*経過を追いながら司
会が事例の状況を説明。節目々で、担当CWにインタビューをしながら、当時の面接の状況や担当
CWの思いなどを語ってもらう。*参加者は全員守秘義務を負う誓約書をお願いします。
C
『連携を構築する~他職種、他機関とのコラボレーション~』
企画:長谷川 多美子(大分県中央児童相談所)
発表:和氣 陽子(大分県中央児童相談所:児童福祉司)、大塚 智史(同所:児童心理司)
松田 英樹(大分市東部子ども家庭支援センター:社会福祉士)、岡田 知也(同所:臨床心理士)
大石 智子(児童養護施設小百合ホーム 副施設長)
児童相談所は、所内では他職種との連携をまず考え、そして市町村や施設等、他機関との円滑な
連携を常に考えていかなければならない立場にあります。
今回、我が大分県中央児童相談所で交流派遣職員として厳しい半年間の研修を終え、今年度晴れ
て大分市子ども家庭支援センターに帰られた大分市の心理職員と、そこの辣腕ワーカー、そして大
分で老舗の施設長期勤続職員、大分県中央児童相談所の若手職員とのコラボで、『連携』をテーマ
に話をしたいと思っています。3つの事例を参考に、連携構築について、失敗から学んだこと、成
功から学んだことなど、たっぷりと本音でトークします。
この分科会では、参加者の皆さんと共に連携について考えるワークも用意していますので、何ら
かの連携の形を構築できればと楽しみにしています。ぜひ、ご参加ください。
(3)分科会Ⅱ(第 1 日目/6日(土)15:30~17:00)
い
『体験!家族にこにこプロジェクト~中津児相版家族支援プログラム紹介~』
企画:本田 しのぶ、永淵 悦子(大分県中津児童相談所)
発表:橋本 純子(子育て支援サークルグッドイナフの会代表)、山本 さやか(児童家庭支援センター「和」)
1.家族にこにこプロジェクトとは?:H26 年度より開始した、中津児童相談所独自の家族を支
援するためのグループワーク等の総称(以下6つ)
。
親グループ :
「ぽかぽか」
(在宅の親対象、コモンセンスペアレンティング(CSP)実施)
「ぴかぴか」
(子と離れて暮らしている親対象、気持ちのワーク等実施)
子グループ :
「きらきら」
(施設入所児童対象、セカンドステップ/SST 実施)
親子グループ:
「すくすく」
(在宅親子対象、親は CSP、子は SST)
「にこにこ」
(在宅親子対象、一緒に調理)
親子宿泊型事業:
「かるがもステイ」
(在宅/分離親子対象、日帰り/1泊過ごす活動)
2.分科会趣旨:家族にこにこプロジェクトの全体を紹介し、さらに2つのグループについて詳し
く紹介します。参加者から感想や意見を出してもらいます。
ろ
『援助者に求められる力ってなんだろ~♪』
企画:濱畑 善行(福岡市こども総合相談センター)、太田 義隆(福岡市男女共同参画推進センター)
助言:赤井 兼太(子ども福祉臨床研究室)
「児童福祉司の専門性を高める必要がある」と言われて久しいですが、必要な「専門性」とはい
ったい何なのでしょう。児童相談所だけでなく、市町村、児童福祉施設、学校など、児童に関わる
職種に求められる専門性の具体的な中身とは、どんなものなのでしょうか。
この分科会では、そんなことを立ち止まって考えてみたいと思います。それはきっと、様々な専
門的な技術や知識といったものから、意識、倫理観、態度といった言語化しにく~いものまで広~
い範囲に及ぶのかもしれません。そんなモヤモヤしたものでも、みんなで語り合って
何とか言葉にすることで、みつかる何かが必ずあるはずです。
最低限の道具と材料とスパイスを提供しますので、味わい深い「専門性」
を作り上げるためのオリジナルメニューを作ってみませんか?あなただけの
レシピを、パワーメーターに描いてみませんか?
は
『警察と児童相談所の連携を考える』
企画・進行:河浦 龍生(福岡市こども総合相談センター)
児童虐待対応における警察との連携は、児童相談所に権限が集中するにつれ重みを増してきてい
る感があります。非行少年を巡る連携やきしみは以前からあったと思いますが、虐待事案について
はまだまだ模索中です。
全国の児童相談所では、警察からの通告件数の増で、その対応と体制づくりなどで困惑が広がっ
ています。一方で全国の児童相談所の約半分には、なんらかの形で現職警官やOBが配置され、実
践的な連携が進んでいるかに思えます。これらは、児童相談所のこれからの在り方や虐待対応の在
り方にも関わる問題ではないでしょうか。この分科会では、警察との連携について現状や課題を考
えながら、今後を展望していきたいと思います。
【進め方】シンポジュウム①大分県中央児童相談所から ②熊本県中央児童相談所から ③福岡
県福岡児童相談所から ④福岡市児童相談所弁護士から
に
『保護者の犯罪と子どもたち』
企画:中村 知英(北九州市子ども総合センター)
話題提供:深谷 裕(北九州市立大学)
覚醒剤取締法や窃盗など、保護者が行う犯罪行為で家族から分離される子ども達は少なくありま
せん。このことは子どもの心理にも大きな影響を与えます。
今回、犯罪というテーマを通して親と子の関係を考える場として分科会を企画しました。分科会
では「触法者を親族に持つ子どもに関する研究」というテーマで児童相談所や児童養護施設での調
査を行った北九州市立大学の深谷裕さんの研究報告をもとに、保護者の犯罪が子ども達に与える影
響と子ども達や家族への支援について、事例も交えて皆さんと考えていきたいと思います。
(4)ワークショップ(第2日目/7日(日) 9:30~12:30)
X
『暴れる君の対応~家庭内暴力のケースを使って~』
企画:長野 真基子(長崎県)、園部 博範(崇城大学)
事例提供:坂野 梨絵(大分県中央児童相談所)
家庭内で暴力を振るうわが子に怯えSOSを出してくる家族がいます。児相に保護者や警察から
連絡がくると、目的は早急な一時保護の要請だったり、
「今すぐどうにかして!」という叫びです。
しかし、保護所の定員の問題や子どもの抵抗の強さ、または一時保護所でも適応できなかったりな
ど、現実的に対応が困難な場合も多くあります。
暴力により周囲の困り感をあおり振り回している…この「暴れる君」への対応を、その背景を整
理するとともに、ケースにじっくり向き合う対処法だけでなく、緊急の対応のあり方なども考えて
いければと思います。一つの事例を、パーソン・センタード・アプローチ・グループ・インシデン
ト・プロセス(PCAGIP)法を用いて、参加者とともに考えていく中で、施設等での対応にも役立
つヒントが生まれることを期待しています。
Y
『初心者のための介入的ソーシャルワーク演習-強制保護後の親対応場面を考える-』
企画・進行:河浦 龍生(福岡市こども総合相談センター)
児童虐待の対応は、強制介入後の保護者との対応が大変です。どのような切り口で養育上の問題
を直面化させたり、児相の考えを伝えるかなどは、保護者の反応に応じてその場で瞬時に対応を迫
られます。特に、強制保護後の対応は、支援過程での大きな山場であり、困難な作業です。家裁申
し立ても念頭に置きながら、それでも援助関係づくりの努力も求められます。先輩児童福祉司から
介入的ソーシャルワークの基本的考え方の講義を受けるとともに、ロールプレイを通じて、有効な
切り口をみんなで考えていきます。
【進め方】 ①先輩児童福祉司から介入的ソーシャルワークの考え方を学ぶ ②グループワーク
で講義内容、それぞれ困った体験などを共有する ③ケースを仕立て、ロールプレイを行う
*ロールプレイはいろんな親のタイプ別に行います。先輩児童福祉司から考え方やポイントの説
明を受け、その後参加者でロールプレイを行い、みんなで考えます。
Z
『あなたならどうする?~現場での困りを考える~』
企画:谷本 幸子(大分県中央児童相談所)、若杉 篤(児童養護施設 光明童園)
進行:坪居 潤(大分県中央児童相談所)
発表:児童養護施設 光明童園(熊本県)、清心乳児院(福岡県)
大分県の里親・ファミリーホーム(未定)、大分県中央児童相談所(里親担当)
助言:矢頭 道三(大分県教育委員会)
社会的養護に携わる関係者(児童養護施設、乳児院、里親、ファミリーホーム、児童相談所)が
養育場面又は日常業務において直面する様々な「困り」を一緒に考えます。
前半は、時間を決めて各発表者のテーブルを5~6人のグループで移動しながら話を聴きます。
発表者からはどんな「困り」が出されるのでしょう?じっくり聴くことでお互いの立場理解が深ま
り、もしかしたら、あなたの困りへの対応のヒントが見つかるかもしれません。後半は、グループ
で事例(長期養育あるある事例)を検討します。
ワークショップ全体を通じて、話し合う時間を多めに設定しました。皆様のご参加をお待ちして
います。