「丸太のようなうで」鈴木絢乃さん(静岡県・袋井市立袋井北小学校4年)

第 24 回全国小学生作文コンクール
「わたしたちのまちのおまわりさん」
読売新聞社賞(高学年の部)
タイトル:丸太のようなうで
氏名:鈴木 絢乃
小学校名:静岡県 袋井市立袋井北小学校 四年
七月の暑い日。
私と友達が学校から家へ帰っているときのことです。
友達のかばんについていたキーホルダーが突然外れ、道路脇のみぞに落ちてしまいました。
友達が旅行先で買った、とても大切にしているキーホルダーです。
私と友達が取り出そうとがんばりましたが、とても無理です。
それを見ていた近所のおじいさんが手伝ってくれましたが、みぞのコンクリートのふた
は持ち上がりませんでした。
友達が泣きながらあきらめようとしていたとき、スクーターに乗ったおまわりさんが通
りかかり、泣いている友達にやさしく声をかけ、道路脇のみぞを見て、
「大丈夫だよ。
」
と言い、うでまくりをして、コンクリートのふたを持ち上げてくれました。
その時のおまわりさんのうでは、丸太のように太く、たのもしいうででした。私たちは、
急いでキーホルダーを取り、おまわりさんはゆっくりふたをもどしました。
おまわりさんは、大きく息を吐き、ポケットからタオルを出して顔や首の汗をふきながら
「取れてよかったね。
」
とえ顔で言ってくれました。
私たちがお礼を言うと、
「気をつけて帰るんだよ。
」
と言ってスクーターに乗り、去っていきました。
ほんの一しゅんの出来事でしたが、さりげなく、さわやかに去っていくおまわりさんがと
てもかっこよく、心強く感じました。
その後、近所のおじいさんの家でキーホルダーを洗わせてもらっているとき、おじいさ
んが、
「気持ちのよいけいさつ官だったのぉ」
と言い、私たちは、え顔で返事をしました。おじいさんにお礼を言い、私たちは家へ向か
い歩き出しました。
私は、おまわりさんの丸太のような太いうでは、見えないところでトレーニングをして
いるうでだと思います。そのうでは、私たちの生活を守るためであり、みんなを支えてく
れる私たちの大切なうでであると感じました。
友達が言いました。
「このキーホルダーにまた、思い出ができちゃったね。
」
私たちが、おまわりさんや近所のおじいさんに守られていることの幸せと、感しゃするこ
との大切さを教えてくれた、幸運のキーホルダーだねと二人で話しました。
そして、見えないところでトレーニングをしている丸太のようなうでは、見えないとこ
ろで私たちの生活を守り、支えてくれるおまわりさんそのものだと感じ、心からの感しゃ
とたくさんの拍手を送りたいと思いました。