質問4 利根川、那珂川の水を霞ヶ浦に導水しても、水質は改善しないの

質問4
利根川、那珂川の水を霞ヶ浦に導水しても、水質は改善しないのではないですか。
(回答4)
・霞ヶ浦へ流入河川(櫻川、恋瀬川等)と那珂川・利根川のCODや栄養塩(全窒素、硝酸
態窒素や全リン、オルトリン酸態リン)※aの濃度を比較すると、那珂川・利根川の方
が流入河川よりも低い状態です。
・霞ヶ浦湖水の栄養塩濃度は流入河川の栄養塩濃度が大きく影響しており、流入する河
川水の栄養塩濃度が低下すれば、これに応じて霞ヶ浦湖水の栄養塩濃度も低下するこ
とになります。
利根川※1
COD
4.1 mg/L
全窒素
TN
硝酸態窒素
NO3-N
全リン
TP
オルトリン酸態リン
PO4-P
那珂川※2
霞ヶ浦※3
2.0 mg/L
流入河川※4
7.9 mg/L
6.5 mg/L
b
※
2.8 mg/L
1.5 mg/L
1.1 mg/L
3.4 mg/L
2.1 mg/L
1.3 mg/L
0.23 mg/L
2.7 mg/L
0.11 mg/L
0.04 mg/L
0.11 mg/L
0.12 mg/L
0.05 mg/L
0.03 mg/L
0.03 mg/L
0.06 mg/L
出典等)
※1 「水質及び底質分析業務 報告書」(利根下河川事務所、平成13年度~平成21年度の平均値)
※2 「水質及び底質分析業務 報告書」(常陸河川国道事務所、平成13年度~平成21年度の平均値)
※3 「公共用水域及び地下水の水質測定結果」における西浦環境基準地点4地点の平均値(茨城県、平成13年度~
平成21年度の平均値)
※4 「平成21年度汚濁負荷量・流入負荷量等実態把握調査事業報告書」における西浦流入負荷量/西浦流入水量
(国交省試算値、平成13年度~平成21年度の平均値、ただしNO3-NはINの値)
(参考)
※a 富栄養化の指標となる化学物質でアオコ発生の原因となるものです。 ※b 霞ヶ浦(西浦)湖水中の全窒素濃度が流入河川水中の全窒素濃度よりも低くなるのは、
脱窒作用を含む窒素の循環のメカニズムによるものです。 脱窒作用のメカニズム
(出典:霞ヶ浦環境科学センターHP)
・那珂川・利根川の水を霞ヶ浦に導水することにより、湖水の希釈と入れ替えの促進効
果が働きます。平成 22 年度負荷量の想定をもとに平成 8~17 年の流況により水質予測
を試算すると、霞ヶ浦(西浦)の水質(COD)の平均値を0.8mg/L低下させ
ます。