ワーク・ライフ・バランス取組状況調査 【概要版】 1.調査概要 ● 調 査 対 象 県内事業所 ● 調 査 方 法 郵送配付・郵送回収 ● 実 施 期 間 平成 27 年 7 月 10 日から平成 27 年 12 月 28 日まで (調査期間:平成 27 年 7 月 10 日から平成 27 年 8 月 31 日) ● 調査票発送数 3,600 件(うち有効配付数 3,489 件 有効回収数 1,063 件 有効回収率 30.5%) ● 主 な 内 容 女性・シニア社員の活躍推進、職場におけるハラスメント、両立支援制度の 整備・活用状況、ワーク・ライフ・バランスに対する認識 など ※調査結果の数値は、原則として有効回収に対する回答率〔※有効回答数/有効回収数(%) 〕を表 記してあり、小数点第2位を四捨五入し小数点第1位までを表記している。このため、単数回答 の合計が 100.0%とならない場合がある。また、一人の回答者が2つ以上の回答をしてもよい質 問(複数回答)では、回答の合計は 100%を上回ることもある。 2.調査結果概要 (1)女性の活躍推進 平成 19 年度からの経年調査でみると、女性管理職のいる事業所の割合は、今回の調査(57.6%) が最も高く、 「10%以上」の割合も最も高い。 図表-15 女性管理職の割合(経年調査との比較) 1 0 % 以 上 1 0 % 未 満 5 % 未 満 2 % 未 満 1 % 未 満 0 . 5 % 未 満 い女 な性 い管 理 職 は n 平成19年度 (796) 無 回 答 (%) 17.8 7.5 7.0 3.9 6.2 51.9 2.1 52.0 2.1 3.5 平成21年度 (806) 18.9 6.9 6.5 5.0 6.1 2.6 (934) 22.1 平成25年度 (1,092) 21.3 平成23年度 8.1 6.7 7.6 4.4 4.7 6.0 6.0 7.0 45.1 50.9 2.0 1.1 3.5 3.5 平成27年度 (1,063) 24.8 8.9 8.3 4.8 4.7 6.0 1 41.4 1.0 女性の活用についての考えをみると、 「男女とも区別せずに、人材活用していく」が 51.5%で最 も高く、次いで「積極的に女性を活用していく」 (20.1%) 、 「徐々に女性の活躍の場を拡大していく」 (12.0%)となっており、前回調査と比較すると、 “女性に着目した活用拡大” (「積極的に女性を活 用していく」と「徐々に女性の活躍の場を拡大していく」の合計)の割合が増加している。 図表-23 女性の活用についての考え(前回調査との比較) て躍徐 いの々 く 場に を女 拡性 大の し活 し ず男 て に女 い と く人も 材区 活別 用せ 、 活積 用極 し的 てに い女 く性 を し現 た状 いを 維 持 い特 なに い考 え て そ の 他 無 回 答 n 平成25年度 (1,092) (%) 13.2 10.9 49.8 4.9 12.1 7.3 1.8 平成27年度 (1,063) 20.1 12.0 51.5 3.5 8.0 3.9 1.0 (2)シニア社員が活躍できる職場づくり シニア社員が活躍できる職場づくりに取組んでいる事業所は 86.6%で、取組内容の中では、 「知 識、経験などを活用できる配置」が 56.2%と最も高く、次いで「能力に応じた人事評価・賃金制度 の見直し」(41.4%)、 「勤務時間の弾力化」(33.5%)となっている。 図表-26 シニア社員が活躍できる職場づくりに向けての取組(n=1,063) 〔複数回答:該当するものすべて〕 0 20 40 60 80 100 (%) 86.6 *取り組んでいる計 56.2 知識、経験などを活用できる配置 能力に応じた人事評価・ 賃金制度の見直し 41.4 勤務時間の弾力化 (短時間勤務、フレックスタイム制等) 33.5 体力低下に配慮した作業・ 業務工程・設備の見直し 26.5 18.9 安全衛生や健康管理に対する支援 シニア社員に対する業務・ 意識改革研修 4.9 ワークシェアリングの導入 4.4 その他 2.0 特に取り組んでいない 無回答 2 11.3 0.6 (3)職場におけるハラスメント ハラスメントに関する相談や苦情をみると、パワーハラスメントについて“相談や苦情がある” (しばしば+ときどき相談や苦情がある)は 18.2%と、セクシャルハラスメント(7.7%) 、マタニ ティーハラスメント(0.8%)の3項目中で最も高い。 図表-32 各ハラスメントに関する相談や苦情の状況(n=1,063) 苦し 情ば がし あば る相 談 や 苦と 情き がど あき る相 談 や 苦ほ 情と はん など い相 談 や 苦全 情く は相 な談 いや 無 回 答 (%) セクシャルハラスメント 7.1 30.1 61.9 0.3 0.7 パワーハラスメント 16.1 37.7 43.7 0.4 2.1 マタニティーハラスメント 14.6 84.0 0.7 0.3 0.5 ハラスメントを防止するための取組として「事業所内外に相談窓口・担当者、苦情処理機関等の 設置」について、従業員規模別にみると、従業員規模が小さい事業所ほど低い傾向がみられる。 「ハラスメントに関する研修・講習等の実施」等の他の取組も同様の傾向がみられる。 図表-37 ハラスメントを防止するための取組(従業員規模別) 事業所内外に相談窓口・担当者、苦情処理機関等の設置 実 施 し て い る 実 施 し て い な い 無 回 答 実実 施施 をし 検て 討な 中い が n 30人以下 (139) 31~50人 (132) 51~100人 (211) 101~200人 (253) 201~300人 (113) 301人以上 (191) (%) 48.2 42.4 46.2 7.9 37.1 63.5 22.3 73.9 93.7 5.3 10.9 16.2 85.0 3 11.4 1.4 3.3 9.5 0.4 12.4 1.8 0.9 4.2 2.1 0.0 (4)育児休業の取得状況 育児休業の取得率を男女別にみると、男性は5.2%で前回調査より1.4ポイント増加し、調査開始 以来、過去最高の数値となったが、女性は90.0%で前回調査から2.0ポイント減少している。 図表-53 出産した従業員数、育児休業を取得した従業員数、育児休業取得率(前回調査との比較) 25 年度調査 本人または配偶者が そのうち育児休業を 出産した従業員数 取得した従業員数 育児休業取得率 男性 2,555 人 98 人 3.8% 女性 1,623 人 1,493 人 92.0% 27 年度調査 本人または配偶者が そのうち育児休業を 出産した従業員数 取得した従業員数 育児休業取得率 男性 1,768 人 92 人 5.2% 女性 1,328 人 1,195 人 90.0% (5)男性の育児休業に対する考え方 平成19年度からの経年調査でみると、 「限られた人員の中で、男性の取得は難しい」は増加傾向で あり、今回の調査(62.7%)が最も高い。 図表-58 男性の育児休業取得に対する考え方(経年調査との比較) 考い経 え 済 て 取的 い得支 る 促援 進を を行 促啓社 進発内 を を報 考行等 えいを て 通 い取 じ る得た 、 無 回 答 、 考い管 え 理 て 取職 い得研 る 促修 進を を行 、 、 取な限 得か ら はでれ 難 た し 男人 い性員 のの n (%) 平成19年度 (796) 57.4 平成21年度 (211) 56.0 14.2 23.2 2.9 2.3 4.2 13.3 25.6 1.0 平成23年度 (934) 58.2 28.1 5.1 6.0 2.6 平成25年度 (1,092) 62.1 4.5 25.3 5.4 24.6 5.4 2.7 平成27年度 (1,063) 62.7 4.9 2.4 4 (6)介護休業、介護休暇の取得状況 調査実施の前年1年間の調査対象事業所における介護休業、介護休暇の取得者の有無についてみ ると、正規従業員全体で介護休業は「取得なし」が82.2%と多く、「取得あり」は正規従業員全体 のうち5.9%、非正規従業員全体で1.1%となっている。 介護休暇においても正規従業員全体で「取得なし」が79.4%と多く、 「取得あり」は正規従業員全 体のうち6.2%、非正規従業員全体で2.0%となっている。 図表-63 介護休業、介護休暇の取得者の有無(n=1,063) 介護休業 取 得 あ り 正規従業員 全体 取 得 な し 無 回 答 (%) 5.9 82.2 11.9 正規従業員 男性 84.1 13.5 2.4 正規従業員 女性 4.0 82.6 13.4 非正規従業員 全体 80.5 18.3 80.7 19.2 80.4 18.4 1.1 非正規従業員 男性 0.1 非正規従業員 女性 1.1 %Baseは全事業所(n=1,063) 介護休暇 取 得 あ り 正規従業員 全体 取 得 な し 無 回 答 (%) 6.2 79.4 14.4 正規従業員 男性 81.1 15.3 3.6 正規従業員 女性 3.6 80.6 15.8 非正規従業員 全体 78.4 19.7 2.0 79.3 非正規従業員 男性 20.4 0.3 78.4 非正規従業員 女性 19.8 1.8 %Baseは全事業所(n=1,063) 5 (7)ワーク・ライフ・バランスの推進 “ワーク・ライフ・バランスに対して積極的”(「若い世代の人材確保において、必要不可欠な考 え方である」と「多様な経験を持つ社員の増加につながり、企業の業績によい影響を与えると考え ている」 、 「少子化対策として有効な手段と考えている」の合計)は74.0%となり、経年調査と比較す ると増加傾向である。 図表-91 ワーク・ライフ・バランスについての考え方(経年調査との比較) か制 る度 の導 で入 消や 極運 的用 でに あコ るス ト が か ら雇 消用 極管 的理 でが あ煩 る雑 に な る こ と か ー 、 と少 考子 え化 て対 い策 る と し て 有 効 な 手 段 あ 共社 る 感員 をの 得価 ら値 れ観 には く多 い様 考で えあ 方り で はワ 全 く ク 関 ・ 心ラ がイ なフ い ・ バ ラ ン ス に 無 回 答 11.2 7.8 12.8 12.0 6.9 13.3 、 影に多 響つ様 あなな り が経 り験 を 企持 業つ の社 業員 績の に増 好加 、 必若 要い 不世 可代 欠の な人 考材 え確 方保 でに あお るい て n 平成19年度 (796) 平成21年度 (806) 平成23年度 (934) (%) 26.1 19.7 23.6 11.1 20.8 27.3 9.8 6.8 4.5 6.1 29.8 7.4 10.5 7.8 6.2 10.8 4.2 3.4 26.9 平成25年度 (1,092) 27.6 38.6 平成27年度 (1,063) 10.9 23.2 6.0 4.8 12.2 11.1 4.1 8.7 4.5 8.2 3.7 7.6 2.0 積極的 消極的 従業員規模別にみると、 “ワーク・ライフ・バランスに対して積極的”は『30人以下』で64.0%と 最も低く、従業員規模が小さくなるほど“ワーク・ライフ・バランスに対して積極的”が低い傾向 がみられる。 図表-92 ワーク・ライフ・バランスについての考え方(従業員規模別) か制 か度 る導 の入 でや 消運 極用 的に でコ あス る ト が か雇 ら用 消管 極理 的が で煩 あ雑 るに な る こ と ー と少 考子 え化 て対 い策 る と し て 有 効 な 手 段 無 回 答 12.2 7.9 10.8 4.5 6.8 10.6 あ 共社 る 感員 をの 得価 ら値 れ観 には く多 い様 考で えあ 方り で はワ 全 く ク 関 ・ 心ラ がイ なフ い ・ バ ラ ン ス に 、 影に多 響つ様 あなな り が経 り験 を 企持 業つ の社 業員 績の に増 好加 、 、 必若 要い 不世 可代 欠の な人 考材 え確 方保 でに あお るい て n 30人以下 (139) 31~50人 (132) 51~100人 (211) (%) 42.4 11.5 10.1 2.2 2.9 34.8 18.2 38.9 14.4 22.3 15.6 5.3 5.3 5.2 6.2 4.3 6.2 1.4 101~200人 (253) 36.0 24.5 12.6 5.9 8.3 201~300人 (113) 42.5 27.4 12.4 8.7 2.4 1.6 4.4 4.4 1.8 301人以上 (191) 39.3 33.5 7.9 7.9 0.5 2.1 1.6 積極的 6 5.3 1.8 消極的 7.3 (8)県の事業の認知状況 県で実施しているワーク・ライフ・バランス推進事業の認知度は2割台にとどまっていることか ら、更なる周知啓発が必要である。 図表-101 ワーク・ライフ・バランス推進事業の認知状況(n=1,063) 〔複数回答:知っているものすべて〕 0 ワーク・ライフ・バランス普及啓発セミナー 20 40 80 100 (%) 29.6 「働きやすい職場づくり」取組事例集の作成(県 HPで紹介) 24.9 “社員いきいき!元気な会社”宣言企業の募集 24.4 千葉県両立支援アドバイザー派遣事業 60 21.4 いずれも知らない/無回答 58.7 3.今後の課題 人口減少・少子高齢化社会が進行していく中、女性・シニア社員の活躍推進は重要であ り、今後、 「女性に着目した活用拡大」の考え方や、 「シニア社員が活躍できる職場づくり」 を更に普及啓発していく必要がある。 約2割の事業所でパワーハラスメントについて“相談や苦情がある”と回答があり、ハラ スメント防止に向けた取組は、いずれの取組も従業員規模が小さい事業所ほど実施率が低い 傾向がみられる。 男性の育児休業の取得率は、調査開始以来、過去最高の数値となったが、一方で、 「限られ た人員のなかで男性の取得は難しい」とする考え方の割合も、 過去最高の数値となっており、 従業員規模の小さい事業所におけるワーク・ライフ・バランスの推進が課題となっている。 介護休業、介護休暇の取得状況では、 「取得あり」とする事業所の割合は、正規従業員、非 正規従業員とも1割に満たないが、今後、要介護、要支援に認定された人口が増えると見込 まれるため、仕事と介護の両立支援を進めていく必要がある。 ワーク・ライフ・バランスを積極的に捉えている事業所の割合は、増加傾向にあるものの、 従業員規模の小さい事業所ほどその割合は比較的低い傾向にある。 このような傾向は、 「両立支援制度の整備状況」「国の助成金及び県のワーク・ライフ・バ ランス推進事業の認知状況」においても同様の傾向であり、中小企業における「ハラスメン ト防止の取組」 「ワーク・ライフ・バランスの正しい理解及びその効果」について、引き続き 普及啓発を進める必要がある。 7 4.主な指標の比較 指標 常用雇用者 1 の女性の割 合 19年度調査 21年度調査 23年度調査 25年度調査 女性 女性 女性 女性 常用雇用者 40.1% 常用雇用者 42.9% 常用雇用者 47.3% 常用雇用者 男性 男性 男性 男性 常用雇用者 51.7% 常用雇用者 49.9% 常用雇用者 46.6% 常用雇用者 27年度調査 女性 43.1% 常用雇用者 男性 50.7% 常用雇用者 42.8% 48.7% 女性正社員 21.4% 女性正社員 20.5% 女性正社員 12.8% 女性正社員 18.6% 女性正社員 16.0% 男性正社員 44.4% 男性正社員 42.4% 男性正社員 34.7% 男性正社員 40.6% 男性正社員 39.7% パート・ア 2 ルバイトの 女性の割合 3 4 5 派遣請負女 性の割合 女性管理職 の割合 女性の 就労傾向 出産・子育 てを機に退 職した元社 6 員の再雇用 制度の普及 率 育児休業制 7 度の就業規 則率 8 男性の育児 休業取得率 9 WLBに対 する意識 一般事業主 10 行動計画策 定状況 11 各種給付金 認知度 女性パート 18.7% 女性パート 22.4% 女性パート 34.5% 女性パート 24.5% 女性パート 26.8% 男性パート 7.3% 男性パート 7.5% 男性パート 11.9% 男性パート 10.1% 男性パート 9.0% 女性派遣 3.2% 女性派遣 2.9% 女性派遣 2.7% 女性派遣 2.6% 女性派遣 2.9% 男性派遣 5.1% 男性派遣 4.3% 男性派遣 3.4% 男性派遣 3.5% 男性派遣 5.6% 女性管理職 女性管理職 女性管理職 女性管理職 女性管理職 の割合が の割合が の割合が の割合が の割合が 10%以上 17.8% 10%以上 18.9% 10%以上 22.1% 10%以上 21.3% 10%以上 24.8% 結婚・出産 結婚・出産 結婚・出産 結婚・出産 結婚・出産 を経ても を経ても を経ても を経ても を経ても 働き続ける 働き続ける 働き続ける 働き続ける 働き続ける ことが ことが ことが ことが ことが 一般的 22.5% 一般的 29.4% 一般的 35.4% 一般的 35.1% 一般的 41.8% 制度あり 12.2% 制度あり 15.1% 制度あり 17.2% 制度あり 15.9% 制度あり 18.9% 規定化 している 規定化 75.8% している 規定化 78.5% している 規定化 91.3% している 規定化 89.9% している 92.3% 常用雇用者 常用雇用者 常用雇用者 常用雇用者 10人以上 10人以上 10人以上 10人以上 の事業所 80.8% の事業所 84.4% の事業所 92.4% の事業所 常用雇用者 10人以上 90.5% の事業所 93.0% 取得率 3.8% 取得率 5.2% 1.7% 取得率 肯定的な 回答割合 56.9% 中小企業 (299人以下) 策定・届出した 7.8% 知っている 平均 21.8% 利用したことがある 平均 0.3% 2.2% 取得率 肯定的な 回答割合 54.2% 中小企業 (299人以下) 策定・届出した 7.2% 知っている 平均 27.8% 利用したことがある 平均 0.7% 3.8% 取得率 肯定的な 回答割合 67.6% 中小企業 (300人以下) 策定・届出した 34.0% 知っている 平均 30.3% 利用したことがある 平均 0.9% 8 肯定的な 回答割合 65.4% 中小企業 (300人以下) 策定・届出した 32.5% 知っている 平均 30.9% 利用したことがある 平均 1.0% 肯定的な 回答割合 74.0% 中小企業 (300人以下) 策定・届出した 31.7% 知っている 平均 24.4% 利用したことがある 平均 0.9%
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