アジア NPO 訪問を終えて 河村 久美 ESD は、海外特にアジア地域において、どのように受け止められているのだろうか。 今回の旅に向かうにあたって、私が第一に考えたことであり、この目で確かめておき たいことだった。 韓国、インドネシア、タイと 3 カ国を続けて訪問したが、同じアジアであっても政 治、経済、文化などの背景はかなりの違いがある。会話の中にも、それぞれの国によ る考え方の違いを垣間見ることができた。 その中で改めて感じたのは、ESD は日々の「暮らし」の中に存在するということ。 韓国では、暮らしやすいまちを自らの手でつくることが結果として ESD となっていた。 インドネシアやタイでは、自分たちの生活基盤を整えるために、その場限りの対策で はなく ESD を取り入れようとしていた。 「先進」という言葉は ESD には当てはまらないと思う。どんな事例が日本より進ん でいるとか、遅れているとかと比較するものではない。ESD は、それぞれの国、それ ぞれの地域において、そこにある人やものという資源を有効に利用しながら、人々が 持続可能な暮らしを安心して続けていくためのもの。地球に暮らす人々が海外で国内 でいろいろな事例に触れ、 「では私自身は?」と自分に問いかけるとき、ESD の種は芽 を出す。そんな種まきをするのも、今の私たちの役割なのか。 そのためにも、互いの活動を「イイ取り組みですね」だけでは終わらせない関係が 必要だ。10 年かけて地球全体で花が咲くことを夢見て、これからも種をまき育てる活 動を続けていきたい。
© Copyright 2024 ExpyDoc