「食の安全安心の確保に関する基本的な計画(第3期)」案への御意見に対する宮城県の考え方 平成28年2月1日 1安全で安心できる食品の供給の確保 (1)生産及び供給体制の確立 No. 御意見・御提言の内容 食の安全・安心を確保する為には,生産者・事業者のコンプライアンスは不可欠と考えられます。安全な食品を提供 することは生産者・事業者の責務です。過去の食品事故・事件の発生原因の殆どは,生産者・事業者に起因しており 生産者・事業者の食品安全に対する認識の欠如が食品の安全を脅かしています。宮城県においても(最近の事例で は)賞味期限の(組織的と思われる)改ざん事件がありました。 1 生産者・事業者に対する食品安全に対する認識を高めることが急務と考えます。従来,リスクコミュニケーションとして 行政サイドは生産者・事業者に対し,講習会等を通して食品の安全性について教育を実施し,さらに監視・指導を実 施しております。しかしながら,食品の事故・事件は依然として減少しません。生産者・事業者に対する指導・教育は品 質管理・品質保証担当者に加えて(品質は経営に影響するので)経営者(トップマネージメント)に対しても行うことを要 望します。 宮城県の考え方 食の安全に関する生産者等の意識を高め,環境に配慮した生産管理方法の導入や安全性を確保する生産工程 管理等の普及を通じて,安全で安心できる食品を提供できるよう,生産者等を支援してまいります。 事業者に対する監視・指導については,年度毎に食品衛生監視指導計画を作成し,施設の監視,製品の検査, 食中毒の発生防止等に努めているところです。教育体制については,食品衛生法施行条例に基づき,事業所毎に食 品衛生責任者を設置することとなっており,保健所では講習会等を実施しております。また,食品衛生責任者は,営 業者と協力し施設の衛生管理等を行い,営業者に対して衛生上の意見を述べる責務があります。県としては,これま でもHACCP研修会の実施等行い,衛生的な食品製造及び提供について事業者へ啓発をしているところですが,今後 も機会を捉えて,コンプライアンスの一層の意識の向上を図るとともに,食品衛生責任者のみならず,経営者が受講し 社員への教育が出来る講習会の開催等について,検討してまいります。 ネオニコチノイド系農薬は,世界各地で大問題となったミツバチ大量死・失踪の原因とされ,その神経毒性,浸透性, 国は蜜蜂の被害を防止する観点を含め水稲の斑点米カメムシ防除に使用する殺虫剤やその適切な使用方法を検 残留性から,ヒトを含む生態系への影響,特に子ども達の脳や神経への影響が懸念されています。EUではすでに全域 討するため,様々な情報の収集と解析を行う予定であることから,県といたしましては,国の動きを注視してまいります。 で使用禁止となり,韓国やカナダでも登録制限や使用規制が始まり,アメリカでさえミツバチに対する影響の検証が始 2 まっています。世界の流れと逆行し規制を緩和しているのは日本だけです。「みやぎの環境にやさしい農業の推進」のた めに,国に先んじてネオニコチノイド系農薬の問題を取り上げ,使用削減-撤廃へ向けて取り組んでください。 遺伝子組み換え作物の自然環境への拡散(遺伝子汚染)を防ぐ対策を取ってください。 今年,あいコープが行った調査によって,石巻港の飼料工場周辺の道端3箇所で遺伝子組み換えナタネが自生して いるのが発見されました。輸送中にトラックからこぼれた種が自然の中で芽吹いたものと考えられます。宮城県には遺伝 子組み換え作物栽培指針があり,栽培に当たっては事前に計画書を提出し交雑防止措置を取ることなど厳格な規 3 定があります。そのような植物が自然の中に野放しに自生していることはゆゆしき事態と考えます。在来ナタネやアブラナ 科の野菜(白菜,キャベツ,ブロッコリーなど多数)と交雑し,遺伝子汚染が広がる心配もあります。「安全安心な農水 産物生産環境づくり」のために,拡散(遺伝子汚染)を防ぐ対策を取ってください。遺伝子組み換え食品に対しては多く の消費者が不安や懸念を抱いていますから,この問題の啓発に努めてください。 国は,平成18年からセイヨウナタネの輸入実績のある港周辺地域において,遺伝子組換えセイヨウナタネの生育状況 やカラシナや在来ナタネとの交雑状況を調査し,国民に広く情報提供しております。 平成25年度までの直近5か年の結果の検証において,国は各県の輸入港周辺において,陸揚げ時にこぼれ落ちたと 考えられる遺伝子組換えセイヨウナタネの生育が確認されているが,生育範囲は拡大しておらず,また在来ナタネ等との 交雑体も見つかっていないことから,遺伝子組換えセイヨウナタネが在来ナタネ等の生育に影響を及ぼす可能性及び除 草剤耐性遺伝子がカラシナや在来ナタネに移行する可能性は低いと考えております。 引き続き,国は遺伝子組換えセイヨウナタネの個体数や生育範囲,近縁種との交雑体数の経年変化を調査する予 定であるため,県としては国と情報交換を行い,情報提供に努めてまいります。 県内の土壌の放射性物質検査をできるだけ細かなメッシュで行い,全県的な「土壌の放射性物質濃度分布マップ」 (土壌汚染マップ)を作ってください。 食品や空間線量について「これまで構築した全県的な測定体制と,生産・流通・消費の各段階における測定体制を 活用し,きめ細かな測定を継続する」(施策32)という施策を支持します。それに加えて,県内の土壌の放射性物質濃 度をできるだけ細かなメッシュで測定し,「土壌汚染マップ」を作ることを要望します。事故から5年,時間経過によってセ 4 シウムがどのように減衰しているのか? あるいは移動していないか? 逆に増えているスポットはないのか?等々,セシウ ムの「動態」を監視し,知見を積み重ねていく必要があると考えます。 震災後,国(文部科学省,農林水産省)と県は,被災地の土壌(農地土壌を含む)の放射性物質の濃度の推移を 把握し,現場での対策に資するよう調査を実施し,分布図を公表しておりました。 平成26年度から,国は,本県の農地土壌の放射性セシウム濃度が除染基準(5,000Bq/kg)と比較して大幅に低い ため,分布図の作成を止めております。しかし,県は,国と連携して,農地土壌の定点調査を継続し,放射性セシウム 濃度の推移を把握しておりますし,こうした調査を踏まえ,安全安心な農産物生産に向け,引き続き農業者に対し生 産技術対策を支援してまいります。 【計画本文の変更】 1-(1)-ロ 施策5 ・・・防止します。また,放射性物質濃度の各種データを活用し,必要な営農対策等の支援を行います。 食品衛生法第50条第3項の改正により,管理運営基準にHACCP管理手法を選択できる規定が盛り込まれました。 将来的には,HACCP管理手法は義務化されることが予想されることから,HACCPに関する研修会を多くの事業者に 受講してもらえるよう工夫してください。 また,安全安心な食品の提供を行うためにHACCP管理手法を取り入れていることを多くの消費者に認識してもらえ 5 るように,県が積極的に啓発するなどの取り組みを行うことの記述をお願いします。 関東に行った時購入した名産品の包装紙にHACCPの認証番号の記入があり,HACCPについての説明が記述して ありました。宮城県でもこのような取組を推奨し,多くの消費に認識してもらえるように,啓発の取組を行うとの記述をし てください。(類似5件) 宮城県でもHACCPの管理手法を用いることになっています。また,この手法が国際的に輸出を視野に入れた場合に 重要となることから,義務化されることが予想されます。食の安全安心を守る観点から多くの事業者に理解,取り組んで 6 欲しいので,積極的に講習等に参加できるような働きかけとこの制度の理解が広がる広報の工夫をしてください。 県はこれまで「みやぎHACCP」という登録認証制度により,HACCP型の管理運営基準を推進してきました。 今回食品衛生法が改正されたことから,この「みやぎHACCP」制度をリニューアルするとともにこれまで実施してきた HACCP研修会についても,これからHACCPを目指す事業者の方々のニーズを踏まえた内容に見直してまいります。 なお,1-(1)-ハー(イ)施策8に「消費者に対する周知も行い」と記載のとおり,消費者への制度の周知に努めてまいりま す。 また,水産物の輸出については、HACCP普及促進のための連絡協議会を立ち上げ,HACCP施設登録に向けた研 修・施設整備補助等の情報共有等を図っており,継続して支援してまいります。 (2)監視指導及び検査の徹底 No. 御意見・御提言の内容 県が認証しているゴールド興産(株)による特殊肥料の原料として使用できない原料の使用が確認された事案につい て,記者発表や新聞等によるマスコミ報道はありましたが,みやぎ食の安全安心推進会議には佐藤敏悦委員が質問し 7 なければ詳しい情報の報告がなされなかったのではないでしょうか。また,消費者基本法にある「消費者の知る権利」に より,多くの県民にも正しい情報が伝わらなければなりません。「立入検査を実施します」のみではなく「違反があれば直 ちに公表する」を追加してください。(類似2件) 宮城県の考え方 今般問題となった件は,「特殊肥料(県への届出制)」は,肥料中に化学合成成分が含有していたことから,本来は, 普通肥料として農林水産省で登録されるべきものであり,混入の内容物が健康被害を生じるものではありませんでし た。 県民へ正しい情報を伝達していくことは必要なことと認識しておりますので,今後とも立入検査を実施し,問題が発生 した際に事実を確認しだい,2-(1)-イの冒頭に記載してある考え方に基づき,速やかに公表してまいります。 近年,宮城県の食中毒件数は減少しております。しかしながら,ノロウィルス食中毒は食中毒者人数が横ばい傾向で す。ノロウィルスの変異により,新型のノロウィルスが流行するとの情報もあり,ノロウィルスによる食中毒の防止対策が急 務と考えられます。過去(8年前)には,県内の水産加工施設で不適切は管理により広域食中毒(腸炎ビブリオ)を起こ 8 しております。食材王国宮城県の水産食品・食材(牡蠣など)が原因食品となる,広域・重篤な食中毒を引き起こさな いように,生産者・事業者に対し強力な防止対策の実施を要望いたします。 ノロウイルスは下痢や嘔吐を伴った食中毒原因物質で非常に感染力が強く,発生の原因のほとんどが調理従事者か らの二次汚染によるものです。従って,調理従事者の健康管理や手洗い,消毒等によって食品を汚染させないこと,十 分に加熱調理することが大切であり,衛生管理の徹底について食品営業施設等への監視・指導を行ってまいります。 牡蠣については,漁協が計画的にノロウイルスの自主検査を行い,検出された場合には生食用かきの出荷を自粛し ております。また,県では,漁協の実施する自主検査等の情報収集を行い出荷等について指導するとともに,かき処理 場や水産加工施設の監視指導,流通するカキの規格基準検査やノロウイルス検査を実施し,食品衛生上の危害防 止に努めています。 TPPが実施されることに伴い,輸入食材・食品は今後増加すると考えられる。衛生基準・検査方法等も生産国によ 食品を輸入する際は,食品衛生法により厚生労働大臣への届出が義務付けられており,安全確保については国が り違い,違反食品の増加が予想されます。輸入食品の安全性確保については厚生労働省の輸入時の検疫検査によ 一義的に責任を有しています。輸入食品の監視体制は3つのカテゴリーに分かれており,①輸出国における対策(二国 り行っておりますが,検疫検査だけでは不十分と感じます。宮城県としても,何らかの検査(店舗等での商品検査等)を 間協議や厚生労働省による現地調査等)②輸入時における対応(検疫所における届出審査や検査等)③国内での 9 実施して輸入食品の安全性及び違反食品の排除にこれまで以上の対策の実施を要望いたします。 対応(流通食品について自治体による収去検査)が行われています。 宮城県でも輸入食品について,残留農薬や添加物,アレルギー物質,組換遺伝子等,毎年150検体程度の検査を 実施しており,今後も的確な検査に努めていきます。 平成27年10月9日に公表された業務用冷凍食材卸売会社による賞味期限改ざん問題について,新聞報道によれ ば,公益通報制度が機能していないうえ,県の記者発表の内容にも虚偽内容があったりしました。また,原産地表示に おいても偽装があったとの記事がありました。食品表示のみならず公益通報制度や景表法にいたる食品安全に関わる 10 分野の法令等についての食品安全分野に携わる職員すべてに研修を徹底してください。 また,平成28年4月に施行された食品表示の新たな制度について事業者だけでなく県民にも理解が広がるよう広報 の方法に工夫が必要です。特に「機能性表示食品」についてはまだまだ知られていないので,啓発をしてください。(類 似4件) 今年度は,事業者向けに県内7箇所で食品表示法の説明会を開催しましたほか,消費者向けとして,県の「食の安 全安心セミナー」において,食品表示法を1つのテーマに開催しております。今後とも,表示義務のある事業者と商品選 択をする消費者の双方に対して普及広報を行ってまいります。 また,「機能性表示食品」については,利用者がその趣旨を理解した上で日常の食生活で摂取されるよう,県ホーム ページ等でわかりやすい情報提供に努めるとともに,食育コーディネーター等食育関係者の研修会の開催や県民及び 食品関連事業者等が集まる機会を利用して普及啓発を図ってまいります。 今年度指示公表を行った事案等も踏まえ,食品安全分野に従事する職員に対する研修等をなお一層充実してま いります。 平成27年4月に施行された食品表示の新たな制度について,要請に応じて食品表示に関する講師を派遣を行うな 計画案においては,施策21を修正します。「適正な食品表示を確保するための監視指導」の第1段落に追加するとと ど普及啓発を図るとありますが,とても良いことだと思います。研修会の実施は,事業者だけでなく消費者にも理解が広 もに第2段落を修正します。 11 がるように,また要請によって講師派遣を行えること自体を知らない県民が多いと思いますので,その点についても上手に なお,公益通報に関することについては,制度の趣旨を踏まえ,細心の注意を払って対応しているものであり,御理解 広報をしていただきたいと思います。 願います。 「機能性表示食品」についても同様で,消費者に正しい理解が広がる学習会などの実施もお願いしたいです。 【計画本文の変更】 1-(2)-ハ 施策21 ・・・表示の遵守・徹底をします。また,監視指導に当たっては,従事する職員に対して関係法令等の研修を充実しま す。 「食の110番」,「食品表示110番」や消費生活センター等を通じて寄せられた被疑情報や公益通報制度等による情 報については,関係法令に基づき,国及び市町村,県機関内での連携を図りながら,迅速かつ適切に適正表示に向 平成27年10月9日に公表された業務用冷凍食材卸売会社による賞味期限改ざん問題について,新聞報道によれ けた調査・指導を行います。 ば,5月に通報があってから県の9月の発表まで時間が掛かりすぎている疑問がわきます。また,原産地表示の偽装も あった記事もあり,食品安全に不安が残ります。 食品安全に関わる分野の法令等について,食品安全分野に携わる職員全てに研修を徹底してください。 13 平成27年4月に施行された食品表示の新たな制度について消費者はよく理解できてないのがほとんどです。事業者だ けでなく県民に理解が広がるよう広報の方法に工夫が必要です。 特に「機能性表示食品」についてはまだまだ知られていないので,情報提供し,正しい判断ができるよう啓発してくださ い。 平成25年6月に食品表示法が公布され,平成27年4月に新しい表示基準とともに施行されました。この食品表示の 制度について,事業者だけでなく,県民も理解できるような広報や研修ができるような機会が与えられるべきと考えま 14 す。県として,消費者を対象とした研修会が実施されるように取り組んで下さい。 平成27年4月に施行された食品表示法について事業者の理解は当然ですが,消費者の理解も同様に必要となって います。リスクコミュニケーションの方法は様々ですが単にパンフレット配布するだけにとどまらず,消費者教育の一環として 12 学習会や講習会などの開催を記載してください。 特に「機能性表示食品」制度については初めての制度であることから丁寧な周知方法を工夫してください。 商品購入に際しては,食品表示も参考にします。商品の選択にあたって,消費者が新しい制度を理解していなけれ ば,より良い選択ができません。 15 表示を行う事業者向けの理解のための研修や説明会のみではなく,県民に表示制度について理解が広がるように多 くの場面で広報や説明等を行うようなことを計画に盛り込んでください。 2安全で安心できる食品の供給の確保 (1)情報共有及び相互理解の促進 No. 御意見・御提言の内容 「県内食料自給率の向上」を目標に掲げて,地産地消の産直運動・産直事業を後押しする施策を推進してくださ い。 「食の安全安心」の基本は,生産者と消費者が人間的な信頼関係を結び,対等な話し合いを重ねて共に「食べも の」を創り出していくことにあると考えます。そしてその条件のひとつが,お互いに顔の見える関係が築ける「地産地消」で 16 あると考えます。「県内で生産される農林水産物に対する一層の理解の向上や消費・活用の促進を図る」(施策30)と いう施策を支持すると共に,それに加えて,「県内食料自給率」を数値目標として掲げて,地産地消の「お互いの顔の 見える」産直運動・産直事業を後押しする施策の推進を要望します。 宮城県の考え方 「地産地消」においては,消費者と生産者とが「顔が見え,話ができる」関係を築くことが重要であると考えております。 このため,民間企業や生産者団体と連携して,「食材王国みやぎ地産地消の日」や「食材王国みやぎ地産地消推 進店」の取り組みを全県的に推進しております。 「県内食料自給率」をはじめとした数値目標については,本県が目指す地産地消の指標として,どのような数値目標 が相応しいのか,捕捉がしやすいかといったことを総合的に判断してまいりたいと考えております。 地産地消・風評被害払拭の視点を入れ,農林水産物の理解の向上や消費・活用の拡大のため,「食材王国みや 「食材王国みやぎ地産地消推進店」への登録は,震災以後も堅調に推移しており,その取り組みが飲食店の皆様 ぎ地産地消推進店」の取り組みを飲食店に理解・登録するよう進める一方,消費者に対しては「推進店」を積極的に にご理解いただいていると認識しております。また,消費者の皆様に対しては,ホームページや各種イベントでの周知のほ 利用するような広報の工夫をしてください。(類似4件) か,キャンペーンの実施やガイドブックの作成・配布などにより利用拡大を図っており,引き続き,様々な広報媒体により 周知してまいります。 17 水産物の消費拡大と理解の向上について,「みやぎ水産の日」を軸に生産者・加工業者・流通業者,飲食店等と連 携し実施しており,今後,「食材王国みやぎ地産地消推進店」を含めた飲食店での取組を広めてまいります。 県内で生産される農林水産物に対する一層の理解の向上や消費・活用の促進を図るため,民間企業や生産者団 体と連携して「食材王国みやぎ」を全県的に推進するということで,村井知事も力を入れるとテレビで放送されていました が,みやぎ生協で行っていた「食材王国みやぎ」の試食推奨活動は今年3月で終わってしまいました。多くの消費者に 18 知らせる手段としていい取り組みだっただけに残念に思います。今後も,こういった取り組みで,「食材王国みやぎ」そのも のを発信する機会を多くつくってほしいです。 「食材王国みやぎ」の推進に当たっては,民間企業や生産者団体の皆様との連携が欠かせないと考えております。 中でも,スーパーマーケットなどの量販店は,消費者の皆様にとって身近であり,「食材王国みやぎ」を発信する場とし て有効であると認識しております。 これまでも,各量販店の皆様には,地場産品を取り扱った地産地消フェアやメーカー各社と提携した試食イベントの 開催などにより,積極的に「食材王国みやぎ」を発信していただいておりますので,引き続き,連携したPRを実施してま いります。 震災以降,宮城県の農林水産物の消費や活用に風評被害が起こっています。宮城県は地産・地消を推進し「食材 本県では,地産地消に取り組む飲食店などを対象に「食材王国みやぎ地産地消推進店」への登録を進めておりま 王国みやぎ地産地消推進」を打ち出してきた経緯があります。地元県民に地産地消のため,積極的にこれを打ち出し す。その数は年々増加しており,認知度も高まっていると認識しております。県民の皆様に対しては,ホームページや各 ている事業者の利用を呼びかけて下さい。 種イベントでの周知のほか,キャンペーンの実施やガイドブックの作成・配布などにより利用拡大を図っており,引き続き, 様々な広報媒体により周知してまいります。 19 また,本県では,食に関わる生産者,製造業者,流通販売者,飲食店,消費者,マスコミ,行政が参画する「食材 王国みやぎ推進パートナーシップ推進会議」を組織しており,引き続き,パートナー(参画者)の皆様と官民一丸となっ て,「食材王国みやぎ」の普及推進や地産地消の推進を図ってまいります。 20 食育はとても大切なことです。この施策を読むと,力を入れていることが感じられます。特に「健康で安全な食品を自ら 宮城県食育推進プランにおいて,「食の安全安心に配慮した食育」を重点施策の1つとして取り組んでおります。今 選択する力を習得できるよう普及啓発を図ります」というところは,その通りだと思います。また,みやぎ食育コーディネー 後も,「みやぎ食育コーディネーター」等の研修会の開催や活動の支援を通して,コーディネーター等による食育活動を ターの人材も豊富ですが,コーディネーターによる安全安心に配慮した食育推進活動が,さらに県全体に広がることを期 推進し,食の安全安心に配慮した食育をさらに進めてまいります。 待したいです。 「食育」には「自分たちの暮らしを見直す」視点もぜひ取り入れてください。 食育を推進する上で「自分たちの暮らしを見直す」視点は重要であると考えますので,関係課等との取組と連携し, 食育において「健康で安全な食品を自ら選択する力を習得」(施策31)することはもちろん重要ですが,その食べ物を生 子どもの頃から農林漁業体験等を通じて農業等の理解を深めるとともに,身近な生活の中で地産地消などを通して 産する場である「農業・農村を守る」視点,「自然環境を守る」視点も取り入れてください。さらに自然環境は自分たち 食と環境との調和に関心を高める取組を推進してまいります。 の暮らしとも繋がっているのであり,例えば家庭の中で合成洗剤や家庭内農薬など有害化学物質の使用を止めるなど 21 「自分たちの暮らし方を見直す」視点も取り入れてください。 御意見・御提言の内容 No. 宮城県の考え方 食の安全安心のための情報共有には,情報の開示が重要になります。特に,風評被害と関連する放射性物質の検 査体制,検査件数,検査結果を100%公表することが大切です。放射性物質の検査結果の公表は数値と合わせ,そ の結果の見方や数値の表す意味について理解できるような工夫が必要です。検査結果が公表されることで,基準値超 22 過した食品の流通が阻止されていることを県民が理解できることが重要です。(類似4件) 消費者が抱える不安を解消するためには,検査結果の公表に加え,結果の内容を理解していただけるような公表方 法が重要であると認識しております。放射線・放射能の影響への不安解消のためには,放射能に関する知識を県民一 人ひとりが涵養し,放射能を理解できるようにすることが必要であると認識しています。そのため県では,「放射能情報サ イトみやぎ」を開設し,正確・迅速な情報の提供に努めており,さらには,県民を対象としたセミナーの開催やパンフレット の作成・配布など通じて知識の定着を図ってきました。今後とも,正確な情報を余さず発信するとともに,検査結果の 理解がより一層促進されるような公表方法の工夫に努めてまいります。 県で開催している「食の安全安心セミナー」では,平成24年度以降「食品中の放射性物質」をテーマに実施し,正し 宮城県のホームページを見ると,放射性物質の検査結果の数値の公表が行われていますが,数値の公表だけでな い知識を提供することにより,消費者の不安解消や風評被害の防止に努めております。 く,その結果の見方や数値の表す意味について理解できるような情報提供にしてください。例えば,なぜ基準値超過な セミナー参加者に対するアンケート結果をみる限りにおきましては,理解が進んだとの肯定的な意見が過半を占めてい るところですが,内容や構成,参加者等については,改善や工夫を加えて実施してまいりたいと考えております。 のか理解が進まないとただ不安を煽ることになりかねません。 放射性物質の検査結果の数値のみが公表されても,基準値以下だから安心,超過したから不安という問題ではあり 23 ません。なぜこのような結果になったのかという理由がわかることで,ある程度の不安が解消されるのです。理解がすすむ ような情報提供の仕方が重要です。例年通りのセミナー等の開催では参加した消費者の不安の解消になっているとは 思えないので,新たな開催方法の検討もしてください。 食の安全安心セミナーの開催について,消費者,生産者,事業者,行政にとどまらず,学識経験者,保護者の関心 の高い学校給食を扱う学校関係者等の多様な主体が参加し,自由な意見交換や質問等への回答ができる体制を 整えるなど,参加者の不安の解消になるよう開催方法の検討や工夫を望みます。 24 多様な主体が参加し意見交換を行うとありますが,今まで開催された食の安全安心セミナーでは,一方的な情報の 提供の仕方が多く,出された質問や意見の回答が得られないなど,消費者が知りたいと思っていることや消費者が求め ている「安全安心」に繋がる開催方法になっていません。消費者の不安の解消になるような方法の検討が必要です。 (類似6件) この間宮城県が開催するリスクコミュニケーション(講演会など)に参加しましたが,本来リスクコミュニケーションは専門 家等が一方的に説明する場ではなく,消費者の意見を聞いて消費者が不安なことや疑問を聞く場であると思います。 25 単にリスクコミュニケーションの開催という記述ではなく,消費者の意見を聞く場として開催するなど本来の目的をいれた 記述を求めます。 26 宮城県は「食材王国みやぎ」を推奨していますが,放射性物質に関する風評被害がなくならないのが現状です。水 産物だけに限らず農産物についても積極的に推進することを明記してください。 「食材王国みやぎ」については,水産物に限らず,農産物も含め,その魅力と安全性を情報発信しておりますので,御 理解願います。 (2)県民参加 No. 御意見・御提言の内容 消費者モニターについて,各年齢層(世代)のバランスに配慮する必要があります。バランスのとれた年齢層とするため に,特に若年層のモニターの取り込みが必要です。個人のみの対象だけでなく,団体登録や学生,子育て世代を取り 込むために,参加しやすい企画の設定(平日以外の開催等)や直接出かけなくても参加できる形式(スマホ,パソコン 27 等)のものを取り入れることなど制度の推進方法の改善をしてください。(類似5件) 宮城県の考え方 施策38「県民意見の把握」に記載のとおり,幅広い年齢層から意見が得られるよう,消費者モニターの年齢構成のバ ランスは重要だと認識しております。 このため,今年度は県が主催する行事等における募集活動の強化を図っており,若年層の新規登録をいただいてい るところですが,モニター制度の推進においては,こうした視点から,引き続き改善や工夫に努めてまいたいと考えておりま す。 「県民参加」にタウンミーティング的な手法を取り入れてください。この基本計画の策定や施策の推進に当たって,県内 これまで実施してきた「食の安全安心セミナー」や「地方懇談会」が消費者,生産者・事業者が顔を合わせる機会の の消費者,生産者,事業者が直接顔を合わせ,自由に話し合い,お互いの状況や意見がわかりあえるような「対話」の 1つでありますこと,また,話題が絞られており参加者が議論しやすいと考えられますことから,こうした事業において「対 場をぜひ作ってください。そのような様々な立場の県民同士の「対話」の中から,新たな施策のヒントを見いだしていく手 話」の視点をこれまで以上に意識して実施してまりたいと考えております。 28 法が,今,求められていると考えます。
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