挨拶と ビッグデータパネル発表 - 持続可能なモノづくり・人づくり支援協会

ESD21「ビッグデータ・フォーラム」、2016/1/28 東桜会館
挨拶と
ビッグデータパネル発表
黒岩 惠 ([email protected])
一般社団法人 持続可能なモノづくり・人づくり支援協会 会長
NPO法人「ものづくりAPS推進機構(APSOM)」理事長
九州工業大学大学院 客員教授
ESD21の概要
ESD21: Association for Support of Economic Sustainable Development
<概要>
・TPS(人的能力)とIT(テクノロジ-)
による企業の「改善と改革」支援
・学会、社団、NPO活動とコンサル
会社のビジネススキームを持つ団体
ESD21:www.esd21.jp:
<会員(概数)>
法人会員60社 個人会員120名
<事業概要>
〇特別事業 (会員例会、合宿)
〇テーマ事業
(1)トヨタ生産方式(TPS/Lean/Agile)
(2)情報技術 (IT/CPS事業)
(3)ミャンマー事業
ESD21とミャンマーのNGOと業務提携
先進テクノロジーのハイプサイクル
米調査会社ガートナーが、2000以上のテクノロジーを112分野にグループ化し、
市場のハイプ(誇大宣伝)や成熟度など考慮すべき分析情報を提供。下図は
2014年版。2015年版のBig Dataは、過度な期待の「ピーク期」から「幻滅期」へ。
自律走行車
音声翻訳
IoT
出所:ガートナー Hype Cycle for Emerging Technologies, 2014
Big Data
データ・サイエンス
M2M
クラウド
(注)Hype cycle(ハイプ曲線)は、
特定技術の成熟度、採用度、
社会への適用度を示す図で、
1995年、ガートナー社が考案
3Dプリンター
企業向け3Dプリンターは
2009年版では「黎明期」
ビッグデータパネル発表
(続き)
黒岩 惠 ([email protected])
一般社団法人 持続可能なモノづくり・人づくり支援協会 会長
NPO法人「ものづくりAPS推進機構(APSOM)」理事長
九州工業大学大学院 客員教授
情報化新時代、IT/CPS時代の始まり
70年
80年代
大型機、WS,LAN,VAN
μCPU(1971)⇒PC
90年代
インターネット
2000年代
モバイル
の普及
現在~
IoT,ビッグデータ、
AIの普及・進展
20年前
現在
μCPUがコンピュータ
の世界を変えた。
Internetが通信
の世界を変えた。
光ファイバの発明. DARPA/ARPA ネットと
TCP/IP展開
人の繋がりとグローバル
ビジネスの加速
IoT, Big Data, AIなど
CPSによる新ビジネス
モデル、新価値の創出
40年前
Intel 8008 NEC, TK80
DEC,PDP11
超LSI 技術研究組合
設立(75年)
電子立国日本の始まり
84~86年:JUNET/WIDEプロジェクト
95年:日本のインターネット商用化
TCP/IPのアドレス空間
IPv4 (232 )⇒ IPv6 (2128 )
・世界の人口
2015年 72億人 2020年 76億
・接続機器(IoT)
2015年 25B
2020年 50B
・接続機器/人
2015年 3.47
2020年 6.58
<独・米プロジェクト>
<経済産業省のプロジェクト> Industry 4.0, Industry Internet
<経済産業省のプロジェクト>
¾ ロボット革命イニシアティブ協議会
¾ IoT推進コンソーシアム
・学会関係ではIVI(西岡教授)
ドイツの Industrie 4.0
・ICT(クラウド、モバイル、Big data, IoT、AI)によるCPSの 第四次産業革命の到来
・ドイツの強い危機感。東アジア市場の日米の競争、IT業界の製造業進出など
(18世紀後半)
(20世紀初頭)
第一次産業革命
機械
第二次産業革命
電気
(1970代~)
第三次産業革命
IT
蒸気機関
電力
コンピュータの利用
(現在~)
第四次産業革命
CPS/IOT
ビッグデータ,AIの利用
ドイツの「スマートファクトリー」の狙いはダイナミックセル生産方式
日米はTPS/Lean方式
スマートァクトリーの
4つのキー:
①工程管理
②製造装置
③エンジニアリング
④ソフトウェア
出展:Final report of the Industrie 4.0 Working Group(April 2013)
GEのインダストリアル・インターネットと新しい価値創出
「インダストリアル・インターネット」とは産業機器とビッグデータと人々を
結びつけるオープン&グローバルネットワーク。(モノからコトへ) ・データレイク:
データ収集
データ蓄積
データ分析
分析ソフト
ビッグデータ
Intelligent機器
・IoT/IoE ・M2M ・データレイク, GE社ソフト基盤
・産業用DB
(Predix)
・各種センサー
アクション
見える化
KPI表示
非構造化データ
の格納基盤
・Predix:Industrial
Internetの共通
プラットフォーム
コトの
経済効果
付加価値
円/年
航空 1%の燃料節減 2,500億
産業
機器独自の
データ収集
Big Data の
解析
http://www.ge.com/jp/company/industrial_internet/
電力 1%の燃料節減 5,500億
医療 1%のシステム
効率UP
鉄道 同上
5,250億
石油 1%の資本
(ガス) 支出の削減
7,500億
2,250億
コマツの KOMTRAXはIT活用(IoT)の代表例
システムの機能よりビジネスモデルに価値がある。
http://www.komatsu.co.jp/CompanyInfo/profile/product_supports/
日本の製造業のIoT、Big Data導入の代表例。建設機械に取り付けた機器から、
車両の位置や稼働時間、稼働状況などの情報を提供するシステム。お客さまの
保有車両の稼働率向上や維持費の低減等、機械のライフサイクルサポート。
トヨタは、AIとビッグデータに本気
・トヨタは1月初に西海岸にTRI設立を発表。5年間10億ドル投資、「人工知能とビッグ
データ」の推進発表。又、米UIEvolution社に出資、車載システムのソフト開発加速。
・車載ITでFordと2015年6月に連携して、「つながる車」として、スマホ活用を推進。
・トヨタスマートセンター内にTBDC(Toyota Big Data Center) 設置し、スマホとの連携。
<エージェントシステムの概要>
トヨタ社長と元DARPAでCEOのギル・プラット氏
「T‐Connect」のテレマティクス・サービス
①エージェントは、ロボットオペレータサービス
(エージェント音声対話)、有人への引継ぎ、先読み
サービスなどのサービスあり。
② Appsは車両情報連動のアプリ(運転支援、イン
フォ・テイメントなど)を最大20個インストール可。
③オンラインケアの「ルート探索」 は、VICS情報に
加えて、トヨタの物流車両のプローブ情報(位置、
速度)のビッグ・ データを活用し、最適ルート案内。
ビックデータ利用による社会システム化
路側感知器データ
東京都心部
超音波
マイクロ波
光ビーコン
プローブデータ
2011年3月11日 14:46
東日本大震災の地震発生時
の車両プローブデータ
従来の交通情報システム
交通管制センター
プローブシステム
位置
時刻
GPS
交通情報
10
CPSにより変革される社会の到来
・ロボット革命イニシアティブ協議会(METI製造産業局)が5月、IoT推進コンソーシアム(METI
商務情報政策局)が10月、産官学のコンソーシアムが設立された。
・Fintech(Finance とTechnologyの造語)研究会など、IoT, ビッグデータ,AI の利活用
とCPSにより、新価値、新事業の創出、産業界の活性化が期待される
出所:経済産業省
日本のIT技術者の割合とIT投資
日本の企業のIT技術者、ソフト技術者は努力の割に人事的処遇は良くない?
各国のIT技術者数
日本のIT技術者分布
各国のソフトウェア文化の違い
欧州: Software as a Science
日本: Software as a Production
インド: Software as a Service
USA : Software as a Business
出所:M.Cusumano 講演資料
ビッグデータの活用状況の調査結果
IT予算増額企業における増額予算の用途
日本企業のトップの認識の甘さは問題
出所:経済産業省「ものづくり基盤技術の現状と課題」
出所:JEITA(2013/10)
ビッグデータ業務の人財育成は喫緊の課題
ビッグデータとは何?
¾ The data deluge(データの大洪水)
¾ 米マッキンゼーは”The next frontier for innovation, competition and productivity”
¾ Gartnerの2001年の研究報告書で、
ビッグデータの3Vを挙げている
①Volume(データ量)、
②Velocity(入出力データの速度)
③Variety(データのタイプの多様性)
¾ USでは「Data is the new Oil」と言われる
日本学術会議数理科学委員会の提言書
「ビッグデータ時代における統計科学教育・
研究の推進について」(2014/8)
<提言>
<学会の会員数>
・米国統計学会:約18,000名)
・英国王立統計学会(約7,000名)
・中国統計学会(5,000名).
・日本統計学会(約1,500名)
●国家的研究プロジェクトへの
●日本に統計学科がない。統計学専門家1,000名弱、
統計専門職配置の制度化
●中国の統計学は1級学科、大学院教育で統計科学
●統計・データサイエンスの
の修士・博士号取得者は年間約2,000~2,500名。
専門家育成と認証制度の確立
●米国の調査では、統計専門職者が約27,000人
●大学学部、初等・中等教育の充実
(2012年)で、年々増加
有難うございました
・拘らない心、捉われない心、偏らない心,
広く、広くもっと広く、これ般若心教、空の心なり
・障子を開けてみよ、外は広いぞ (豊田佐吉)
黒岩惠 ( [email protected])
車と工場の情報システムと連携モデル
つながる車
自動車部品業界の
EDI標準の次ぎは、
中小企業のIT基盤
つながる工場
IEC62264
製造業FAの
管理システム
経営システム
の統合モデル
80年代のCIM参照モデル(6階層)
企業
工場
ライン
セル
設備
機器
製造業(生産)の情報システム(3階層)
製品開発・製品設計 資源管理 営業・サービス
ERP
管理システム
エンジニアリング
生産工程・生産設備
エンジニアリング
製品開発/生産準備
生産情報
ロジスティックス管理
MES
SCM
設備制御
Control
生産/製造
マーケティング/販売
ビッグデータの活用
製造業
小売り、流通
・販売データ共有によるSCM
・製品の遠隔監視による保守の合理化
・遠隔監視データによる新規サービス展開
・POSデータを用いた商品調達
・ID付きPOSデータによる販促
・SNS、位置情報を使った販促
農業
インフラ(道路、交通)
・栽培条件データを用いた作物品質管理
・衛星写真を用いた作物生育状況管理
・植物工場
ビッグデータの活用
・プローブ情報サービス
・自動走行実績による道路改良地点発見
・トンネル、橋梁など補修点検
<現在活用、検討中> 〈有望領域>
アンケート結果による将来の有望領域
(野村総研アンケート結果)
①マーケティング
②商品企画・開発
③経営管理
④戦略策定
⑤販売促進
⑥営業
⑦サービス
出所:総務省調査資料(平成25年)、野村総研アンケート調査