平成 27 年度2学期終業式 校長あいさつ 平成 27 年 12 月 24 日 おはようございます。 今年は暖かい冬になっています。そのためにたまに寒い日が来ると一層寒 く感じられ、かえって体調を崩すことが多いようです。そしてお正月を挟ん で生活リズムも崩れやすい時期です。体調管理には十分気をつけてください。 さて、文化祭に始まり長かった 2 学期、みなさんはこの長い2学期を充実 して過ごせましたか。生活面、勉強の面、あるいはクラブ活動など、自分と して十分力を発揮できたでしょうか。また、文化祭をはじめとするクラス活 動などで、みんなでお互いに協力してすることはできましたか。自分自身は みんなのために、あるいは誰かのために何かすること、貢献することはでき たでしょうか。 いうまでもなく学校生活はみんな一人ひとりの努力とみんなのお互いの協 力で成り立っています。これからもお互いの協力で過ごしやすい学校になる よう、またそうした環境のもとでまた、一人ひとりが一層がんばれるような 学校になることを願っています。 さて、3年生は学校生活も残すところあと1カ月です。最後の最後まで充 実した学校生活を送ってほしいと思います。そして進路について多くの人が 決まってきていますが、まだこれから本番という人もいます。自分は決まっ たからいいやではなく、みんなが自分の進路を実現できるように協力してほ しいと思います。最後の 1 か月、しっかり気を引き締めてください。 2年生は、修学旅行も終了し、いよいよ進路について具体的に考え、準備 するときが来ました。3年生になったと思うとあっという間に夏です。とう ぜん進路本番になってから焦ってももう遅い。過ぎてしまった時間は取り返 せません。今から十分に心づもりをしてほしいと思います。 長尾高校のいいところの一つは、誰もが長尾高校に来たいと思ってくれて いたことです。1 年生は、その気持ちを今一度思い出し、長尾高校でやろう としたことができているか振り返ってほしいと思います。できていなかった と感じたなら、今一度目標にむかって決意を新たにしてほしい。 いうまでもないことですが、いままで成績がよくなかった人は最後の挽回 のチャンスです。新しい年を迎えるにあたってしっかり決意してもらいたい。 さて、次に 2015 年を終えるにあたり今年の話題を一つ。3 日前に気象庁 が、 「今年 2015 年の世界の平均気温は、ここ 120 年間の気象統計を取って いる中で過去最高である」という発表をしました。実は昨年も過去最高だっ たのが、今年はそれ以上に上がったとのことです。ちなみに平均気温が高か った年ベスト 10 のうち実に9までが 2001 年以降の年です。いわゆる「地 球温暖化」が着実に進行しているのは明らかです。しかもそれが数字の上だ けでなくて、極端な気象現象の発生がだんだん当たり前のことになり、私た ち自身が実際に体で感じ取れるレベルになってきたということです。 さて、この「地球温暖化」が話題になったのは 1990 年代です。「地球温 暖化」の原因は温室効果ガス、なかでも二酸化炭素の空気中への排出増加で あり、これを抑えることが主な対策となります。そのため「国連気候変動枠 組条約」が結ばれ、その加盟国による第 3 回会議、通称“COP3”が 1997 年に日本の京都で行われ、 「京都議定書」が採択されました。ここでは二酸化 炭素などを多量に排出してきた先進国が 1990 年を基準に5%減らすという ものでした。しかし二酸化炭素を減らすということは経済活動を抑え、我々 の生活もエネルギーを節約していかなければならないということにほかなり ません。なので、当時世界最大のCO2排出国だったアメリカはこの議定書 に加わりませんでした。また、先進国以外の国々には排出を減らす義務はあ りませんでした。 その後も有効な対策を取るための話し合いが続けられましたが国家間の利 害対立でまとまらず、その間に世界の平均気温は上がり続けたのです。そし て今年、21 回目の会議、通称“COP21”がフランスのパリで開かれ、 「京 都議定書」から 18 年たって、ようやく「パリ協定」が結ばれたのです。 この協定では 190 を超える加盟すべての国が削減目標をかかげ、5 年ごと に見直すという画期的なもので、しかも 18 世紀にはじまった産業革命時代 からの気温上昇を1.5度以内に抑えるという目標、そして今世紀末までに 温室効果ガスを実質0にするという、 「京都議定書」時代には考えられなかっ たきわめて高い目標を掲げています。日本の場合だと、1990 年レベルから 約20%近く温室効果ガスを減らさなければなりません。それほど「地球温 暖化」問題は人類を追い詰めつつあり、せっぱつまった問題になってきてい るのです。 もちろん、協定が結ばれたとはいえ、これまで長い間ガスを排出してきた 先進国と、これからようやく経済発展しようとする発展途上国の対立、気温 上昇による干ばつや大雨、それによる農業被害、さらには食糧問題などこれ から様々な問題が起きてきます。それらは当然紛争や戦争の原因になる可能 性もあります。でも、誰一人地球から逃れられない以上、これらを解決する のは今を生きる私たちであり、とりわけ未来を託されたあなたたちです。こ の休みに、一度この問題についてぜひニュースを見て考えてください。 それでは来年 1 月 8 日には皆さんの元気な姿を見せてください。
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