株安でボラティリティが高まる中、低リスク投信増加

情報提供資料
三菱UFJ国際投信
【投信調査コラム】
情報提供資料/【投信調査コラム】 日本版ISAの道
2016年1月25日
日本版ISAの道 その128
株安でボラティリティが高まる中、低リスク投信増加
による投信残高の着実な積み上がりが期待される
~日米欧豪の投信ボラティリティ比較~
商品企画部 松尾 健治
窪田 真美
※三菱UFJ国際投信がお届けする、日本版ISAに関する情報を発信するコラムです。
株安でボラティリティが高まる中、NISA で投資をしている若年層や投資未経験者は…
NISA 導入 3 年目となる 2016 年は年明けから世界同時株安である。 日経平均株価は 2016 年 1 月 21 日(木)
に 16017.26 円と 2014 年 10 月 30 日以来の安値(*2016 年 1 月 22 日は 16958.53 円、NY ダウは 1 月 20 日に
15766.74 ㌦と 2015 年 8 月 25 日以来の安値)、為替は 2016 年 1 月 20 日(水)に 1 米㌦=116.94 円(NY 引け値)
と、2015 年 1 月 15 日以来の円高米ドル安となっている。
市場では「指数の水準もさることながら、相場のボラティリティ(変動性)が高まっている点も投資家心理の萎縮に拍
車をかけている。 保有資産の価格変動が大きくなれば、将来的な下落幅拡大の可能性も高まる。 運用管理の
観点ではリスク量の増加にほかならない。 リバティービュー・キャピタル・マネジメントのリチャード・メックラー氏は『4
~5 年前までの低ボラティリティの地合いから完全に引き戻された。 投資家のリスク許容度が改善するまで慎重
姿勢を維持する』と話す。」(2016 年 1 月 21 日付日本経済新聞電子版~URL は後述[参考ホームページ])などと
言われている。
日経平均株価と円(対米ドル)の推移(2012年1月1日~2016年1月22日)
*日次データ、青い吹き出しは株高材料、赤い吹き出しは株安材料)
日経平均株価
(単位: 円)
20,000
18,000
日本の金融政策…2013年4
月4日に「バズーカ砲」とも
呼ばれた量的・質的金融緩
和(QQE)。
日経平均株価は2013年4月
3日に12362.20円、2013年4
月4日に12643.54円(前日比
+2.20%)。
米国の金融
政策…2013
年12月18日
にFRBは量
的緩和縮小
(Tapering/
テーパリン
グ)。
(実線)日経平均株価(引け
値)…2015年6月24日に20868.03円
日本の
と1996年12月5日来高値(右軸)。
税制
…2014年
(破線)為替(引け
1月1日
からNISA 値)…2015年6月5
日に1米㌦=125.63
開始。
円と2002年6月12
日以来の円高米ド
ル安(右軸)。
日本の
税制
…2013
年12月
31日軽
減税率
打ち切
り。
円(対米ドル)
(1米ドル=○○円
中国の通貨
政策…2015
年8月11日
に予想外の
人民元切り
下げ。
14,000
10,000
140
130
120
16,000
12,000
150
米国の金融政策…2012年
9月13日に量的緩和第3
弾(QE3)。
日本の政治…アベノミクス相
場の起点とされる2012年11
月14日(当時の野田首相が衆
議院の解散を表明)。
日本の金融政策…2014年10月31日に「バ
ズーカ2」と呼ばれた量的・質的金融緩和
(QQE)第二弾。
日経平均株価は2014年10月30日に15658.20
円、2014年10月31日に16413.76円(前日比
+4.83%)。
(実線)日経平均株
価(引け値)…2016
年1月21日に
16017.26円と2014年
10月30日来の安値
(右軸)。 2016年1月
22日は16958.53円
(前日比+5.88%)。
110
米国の金融
政策…2015
年12月16日
(日本時間
12月17日)に
米利上げ。
90
80
(破線)為替(NY引
け値)…2016年1月
20日に1米㌦
=116.94円(NY引け
値)と、2015年1月
15日以来の円高
米ドル安(右軸)。
70
2012年1月1日
2012年2月8日
2012年3月17日
2012年4月24日
2012年6月1日
2012年7月9日
2012年8月16日
2012年9月23日
2012年10月31日
2012年12月8日
2013年1月15日
2013年2月22日
2013年4月1日
2013年5月9日
2013年6月16日
2013年7月24日
2013年8月31日
2013年10月8日
2013年11月15日
2013年12月23日
2014年1月30日
2014年3月9日
2014年4月16日
2014年5月24日
2014年7月1日
2014年8月8日
2014年9月15日
2014年10月23日
2014年11月30日
2015年1月7日
2015年2月14日
2015年3月24日
2015年5月1日
2015年6月8日
2015年7月16日
2015年8月23日
2015年9月30日
2015年11月7日
2015年12月15日
2016年1月22日
8,000
100
日経平均
株価指数
米ドル(対
円)
(出所: ブルームバーグより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
株安でボラティリティが高まる中、NISA で投資をしている若年層や投資未経験者が気になる。 投資未経験者に
よる NISA 口座開設は 2015 年 9 月末に 21.2%と制度開始以来初の 20%超え、20~30 歳代の口座開設は同
13.4%といずれも増加傾向にある(日本証券業協会発表値で証券会社全体~URL は後述[参考ホームページ])。
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」を必ずご覧下さい。
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三菱UFJ国際投信株式会社
三菱UFJ国際投信
情報提供資料/【投信調査コラム】 日本版ISAの道
今、ボラティリティ、つまりリスクから逃げるべきか、そのままリスクを維持すべきか、場合によってはリスクを増やす
べきか、悩む所でもある。 そこで、今回は、高齢者や投資経験者の多い既存投信でボラティリティが高まった時、
昨年 2015 年 8 月頃や 2008 年 9 月頃(リーマン・ショック)など、どうであったかを見る。 まず日本を見て、その後、
日本が範とする投信超大国・米国、そして、最後には欧豪を含む主要国の投信を見る事とする。
日本では過去、株安でボラティリティが高まると、高リスクが志向され、その後の利食い
解約で残高が積み上がりにくかった
日本の投信純資産は 2015 年 8 月から 5 カ月を超える株安・高ボラティリティ相場の中、2015 年 12 月にかけて
「最もボラティリティの高いグループ(比較的価格変動が大きい商品)」(下記グラフの上方左斜め線部分)は高リスク
ゆえに純資産を減らすが、「最もボラティリティの低いグループ(比較的価格変動が小さい商品)」(下記グラフの下
方横線部分)は純資産を減らす事もなく堅調に推移している(*ボラティリティ…後述※1 参照)。
日本の投信のボラティリティ(3年標準偏差)別・純資産推移
2006年1月末~2015年12月末、月末ベース、投信…ETFとMMFを除く。
TOPIX
純資産
(東証株価指数)
(単位: 億円)
700,000
600,000
500,000
1,800
最もボラティリティの高い
1,600
グループ(比較的価格変動が
1,400
大きい商品)
1,200
400,000
1,000
300,000
100,000
次に価格変動が小さい商
品(第2四分位)
次に価格変動が小さい商品
400
(第2四分位)
2015年5月
2015年12月
2014年3月
2014年10月
2013年8月
2013年1月
2012年6月
2011年4月
2011年11月
2010年9月
2010年2月
2009年7月
2008年5月
2008年12月
2007年3月
2007年10月
2006年8月
0
2006年1月
0
最もボラティリティの高い
グループ(比較的価格変
動が大きい商品)
第3四分位
600
200
高
第3四分位
800
200,000
(
(その他以外)
2,000
NISA(2014
年1月~)
リーマン・ショック
(2008年9月15日)
ボラティリティ
最もボラティリティの低いグループ
最もボラティリティの低い
グループ(比較的価格変
動が小さい商品)
TOPIX (東証株価指数)
(比較的価格変動が小さい商品)
低
(出所: Ibbotson、ブルームバーグより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
ただ、過去、例えば、リーマン・ショック(2008 年 9 月)後では「リターン・リバーサル」と言う言葉が流行し、通貨選択
型ファンドなど高リスク投信が純資産を大きく伸ばしていた。 上記グラフの通り、過去は「最もボラティリティの高い
グループ」が大きく増加し、「最もボラティリティの低いグループ」や「次に価格変動が小さい商品」が減少傾向となっ
たのである(*リターン・リバーサル…市場が大きく売られるとその後大きな買戻しが期待される事)。 高リスク投信
は、期待通りのリターンを獲得出来れば、そこは利食いの解約も出やすく、その影響もあり、株安要因ともなって、
投信残高が積み上がりにくい状態となる。
※1: ボラティリティ…世界最大級の投信評価機関モーニングスターが「リスク」のデフォルトとして提供している「ボラティリ
ティ(3 年標準偏差)」を使う。 3 年以上経過したファンドのボラティリティ(3 年標準偏差)を順に並べ、それをボラティリティ
の高い順に「最もボラティリティの高いグループ(比較的価格変動が大きい商品)」、「第 3 四分位」、「第 2 四分位」、「最も
ボラティリティの低いグループ(比較的価格変動が小さい商品)」と本数で均等に振り分ける相対的なリスクとなっている(今
回は ETF と MMF を除く投信で見ている)。 尚、モーニングスターがボラティリティのデフォルトとしているのが 3 年標準
偏差を見ている為、設定 3 年未満が入る「その他」は除く。
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」を必ずご覧下さい。
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三菱UFJ国際投信株式会社
三菱UFJ国際投信
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日本の投信純設定は 2015 年 8 月から 5 カ月を超える株安・高ボラティリティ相場の中、2015 年 12 月にかけて
「最もボラティリティの高いグループ」は 3 カ月連続の純流出、「最もボラティリティの低いグループ」は 19 カ月連続
の純流入だ。 最新月 2015 年 12 月の純設定の上位には、日本株ファンドの様な「最もボラティリティの高いグル
ープ」に入るものも見られるものの、リーマン・ショック後の様な通貨選択型などは見られず、過去の様な「最もボラ
ティリティの高いグループ」に積極的に向かう姿勢は見られない。 また、リーマン・ショック後の様な「最もボラティリ
ティの低いグループ」から資金が流出し続ける事も無い(*2008 年 9 月~2011 年 4 月は 32 カ月連続純流出)。
日本の投信純設定で 2015 年 12 月にかけて「最もボラティリティの低いグループ」が 19 カ月連続の純流入となっ
ている事は大きな変化と言える。 低リスク(ボラティリティ)投信が増えていると言う事で、NISA による「貯蓄から投
資へ」の流れの可能性もある。 これであれば、高リスク投信にありがちな利食いの解約も出にくく、低リスク投信は、
後述する米国の様に、より高いリスクの投信に向かう可能性もあって、今後の投信残高の積み上がりが期待出来
そうである。
日本の投信のボラティリティ(3年標準偏差)別・純設定推移
純設定
(単位: 億円)
2006年1月~2015年12月、月次ベース、投信…ETFとMMFを除く。
リーマン・ショック
(2008年9月15日)
+20,000
+15,000
ボラティリティ
TOPIX
(東証株価指数)
(その他以外)
2,000
NISA(2014
年1月~)
最もボラティリティの高いグループ
1,800
(比較的価格変動が大きい商品)
1,600
+10,000
1,400
高
最もボラティリティの高
いグループ(比較的価格
変動が大きい商品)
第3四分位
第3四分位
1,200
+5,000
1,000
+0
800
-5,000
-10,000
最もボラティリティの低いグループ
(比較的価格変動が小さい商品)
600
次に価格変動が小さい商品
400
(第2四分位)
次に価格変動が小さい
商品(第2四分位)
最もボラティリティの低
いグループ(比較的価格
変動が小さい商品)
TOPIX (東証株価指数)
200
2015年5月
低
2015年12月
2014年3月
2014年10月
2013年8月
2013年1月
2012年6月
2011年4月
2011年11月
2010年9月
2010年2月
2009年7月
2008年12月
2008年5月
2007年3月
2007年10月
2006年8月
0
2006年1月
-15,000
(出所: Ibbotson、ブルームバーグより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
(
米国ではこれまで株安でボラティリティが高まると、低リスクが志向され、その後、徐々
にリスクを高めていき、残高が積み上がりやすかった
日本が学ぶ所の多い米国の投信純資産は 2015 年 8 月から 5 カ月を超える株安・高ボラティリティ相場の中、
2015 年 12 月にかけて「最もボラティリティの高いグループ」は高リスクゆえに純資産を減らすが、「最もボラティリ
ティの低いグループ」は純資産を減らす事もなく堅調な推移となっている。 これは今の日本と同じである。
ただかつては日本と違っていた。 リーマン・ショック後、「最もボラティリティの高いグループ」は緩やかな増加で、
「最もボラティリティの低いグループ」や「次に価格変動が小さい商品」が大きく増加、全体も伸び、2010 年 12 月末
に既にリーマン・ショック前を超えて、2015 年半ばにかけて過去最高を更新したのである。 まさに、投信残高の積
み上がりと言えよう。
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三菱UFJ国際投信株式会社
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米投信(ETFとMMFを除く)のボラティリティ(3年標準偏差)別・純資産推移
2006年1月末~2015年12月末、月末ベース、ETFとMMFを除く。
純資産
(単位: 億米ドル)
ボラティリティ
S&P500種
140,000
2,500
リーマン・ショック
(2008年9月15日)
(その他以外)
最もボラティリティの高いグループ
高
(比較的価格変動が大きい商品)
120,000
2,000
100,000
第3四分位
1,500
80,000
60,000
最もボラティリティの高い
グループ(比較的価格変
動が大きい商品)
第3四分位
次に価格変動が小さい商
品(第2四分位)
1,000
次に価格変動が小さい商品
40,000
(第2四分位)
500
20,000
最もボラティリティの低い
グループ(比較的価格変
動が小さい商品)
S&P 500種
2015年5月
2015年12月
2014年3月
2014年10月
2013年8月
2013年1月
2012年6月
2011年4月
2011年11月
2010年9月
2010年2月
2009年7月
2008年5月
2008年12月
2007年3月
2007年10月
2006年8月
0
2006年1月
0
最もボラティリティの低いグループ
低
(比較的価格変動が小さい商品)
(出所: Ibbotson、ブルームバーグより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
米国の投信純設定は 2015 年 8 月から 5 カ月を超える株安・高ボラティリティ相場の中、2015 年 12 月にかけて
「最もボラティリティの高いグループ」が 8 カ月連続純流出、「次に価格変動が大きい商品(第 3 四分位)」が 3 カ月
ぶりの純流入、これらよりボラティリティの低い「第 2 四分位」が 9 カ月連続純流出、「最もボラティリティの低いグル
ープ」が純流出と純流入を繰り返す展開だ。
米投信(ETFとMMFを除く)のボラティリティ(3年標準偏差)別・純設定推移
2006年1月~2015年12月、月次ベース、ETFとMMFを除く。
ボラティリティ
S&P500種
リーマン・ショック
(2008年9月15日)
純設定
(単位: 億米ドル)
(その他以外)
2,500
高
最もボラティリティの低いグループ
+800
(比較的価格変動が小さい商品)
最もボラティリティの高いグ
ループ(比較的価格変動が大
きい商品)
2,000
+400
第3四分位
1,500
第3四分位
+0
1,000
-400
次に価格変動が小さい商品
次に価格変動が小さい商品
(第2四分位)
(第2四分位)
500
-800
最もボラティリティの低いグ
ループ(比較的価格変動が小
さい商品)
最もボラティリティの高いグループ
S&P 500種
(比較的価格変動が大きい商品)
(
2015年5月
2015年12月
2014年10月
2014年3月
2013年8月
2013年1月
2012年6月
2011年11月
2011年4月
2010年9月
2010年2月
2009年7月
2008年5月
2008年12月
2007年10月
2007年3月
2006年8月
0
2006年1月
-1,200
低
(出所: Ibbotson、ブルームバーグより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
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日本とは違い、多くが純流出となっている。 重要なのはその後である。 米国ではリーマン・ショック後に「最もボラ
ティリティの低いグループ」から純流入となり、その後も「最もボラティリティの低いグループ」の純流入が継続したの
である(2008 年 9 月及び 2009 年 1 月~2010 年 11 月で純流入を記録)。 米国では株安でボラティリティが高ま
ると、低リスクが志向され、その後、徐々にリスクを高めていく傾向がある様だ。
これについて、説明を加えると、「まず無リスクの貯蓄から低リスクの投資へ向かい、その後中リスクの投資へ向か
う。 さらにその後、高リスクの投資をする人もいる」と言うステップである。 この様なステップであれば、リスク&リ
ターンの理解も進みやすく、一気に「リスクオフ」などと言って貯蓄に戻る事も少なくなろう。 これが日本では無リス
クの貯蓄から、かなりの速さで高リスク(それも米国よりも高リスク)の投資に向かい、そして、利食いの解約につなが
り、また預金が増え、投信残高の積み上がりにつながらない様に思われる。 これは一面で「日本が米国より進ん
でいる」とも言えるだろうが、その一面で、しっかりリスク&リターンを理解しているかと言う事で問題があろう。
株安でボラティリティが高まる中、低リスク投信増加による投信残高の着実な積み上が
りが期待される
日米以外はどうだろう。 ここでは割愛するが、欧州やオーストラリアでも米国の様な投信残高の積み上がり傾向
が見える。 そこで日米欧豪と言った主要国の投信のボラティリティ比較をする。 2015 年 12 月末現在(*一部は
2015 年 11 月末)と NISA 導入直前の 2013 年 12 月末現在との比較である。 下記のグラフ左側が NISA 導入直
前(2013 年 12 月末現在)、右側が最新 2015 年 12 月末現在のものだ。
主要国の投信のボラティリティ(3年標準偏差)
ボラティリティ
20%
15%
15
10%
10
5%
5
0
米
国
最もボラティリティの高いグループ(昔)
(
フ
ラ
ン
ス
第3四分位(昔)
イ
タ
リ
ア
第2四分位(昔)
オ
ー
ス
ト
ラ
リ
ア
(*主要国・・・Ibbotsonが提供しているもの。 英国やカナダ、ドイツなどは
個々のファンドでボラティリティが提供しているが、集計されていない。
フランスはフランス籍以外も含む。)
25
20
日
本
2015年12月末現在(オーストラリアは11月末)
(3年標準偏差)
(単位: %)
(*主要国・・・Ibbotsonが提供しているもの。 英国やカナダ、ドイツなどは
個々のファンドでボラティリティが提供しているが、集計されていない。
フランスはフランス籍以外も含む。)
25
主要国の投信のボラティリティ(3年標準偏差)
ボラティリティ
2013年12月末現在
(3年標準偏差)
(単位: %)
20%
20
15%
15
10%
10
5%
5
0
オ
フ
シ
ョ
ア
日
本
最もボラティリティの低いグループ(昔)
(出所: Ibbotsonより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
フ
ラ
ン
ス
米
国
最もボラティリティの高いグループ
(
第3四分位
イ
タ
リ
ア
第2四分位
オ
ー
ス
ト
ラ
リ
ア
オ
フ
シ
ョ
ア
最もボラティリティの低いグループ
(出所: Ibbotsonより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部室が作成)
「最もボラティリティの低いグループ(*各国の最も右側にある横線部分)」は日本が 5.0%(←2013 年 12 月末 5.6%)、
米国が 2.9%(←2013 年 12 月末 3.3%)となっている。 「最もボラティリティの高いグループ(*各国の最も左側にある
左斜め線部分)」は日本が 21.5%(←2013 年 12 月末 24.2%)、米国が 14.7%(←2013 年 12 月末 18.4%)となっている。
日本は米国より高ボラティリティであるが、日本は欧州やオーストラリアよりも高ボラティリティである。 日本の投信
リスクも、NISA 導入直前(2013 年 12 月末現在)から下がってはいるが、主要国の投信リスクも下がっており、日本
の投信リスクは相対的に高いままなのである。
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三菱UFJ国際投信株式会社
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今後、日本においてさらなる投信のボラティリティ低下が期待される。 既存投信では高齢者による保有が多い高
リスク投信から中・低リスク投信へのシフト、NISA で投資している若年層や投資未経験者に多い新規投信では、
取りあえず低リスク投信となれば、日本も主要国の投信ボラティリティに近付くであろう。 尚、低リスク投信と言っ
ても、個別ファンドで言うと「最もボラティリティの低いグループ」では国内債ファンドが多い中で、先進国国債ファン
ドも大きな存在となっており、次にボラティリティの低い「第 2 四分位」では単一国外債ファンドなどが大きな存在と
なっている。
株安でボラティリティが高まる中、低リスク投信増加による投信残高の着実な積み上がりが期待されると言う事でも
ある。 少し時間はかかるが、この様な流れが、中長期的には投信残高の積み上がりにつながるものと思われる。
以
上
[参考ホームページ]
2016 年 1 月 21 日付日本経済新聞電子版「NY 株ハイライト 高まる変動性、萎縮する心理 時価総額 190 兆円が消失」・・・
「 http://www.nikkei.com/markets/kaigai/summary.aspx?g=DGXLASFL21H10_21012016000000 」、
2016 年 1 月 20 日付発表の日本証券業協会「証券会社でのNISA口座開設・利用状況の調査結果(主要 10 社)平成 27 年
12 月 31 日現在」及び 2015 年 12 月 16 日付発表の同「(全証券会社)平成 27 年 9 月末時点」…
「 http://www.jsda.or.jp/shiryo/chousa/nisajoukyou.html 」。
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三菱UFJ国際投信株式会社