いつ来ても「楽しく、学べる」動物園をめざしたイベントの実施 〇大谷 美穂子 ( (公財)横浜市緑の協会 よこはま動物園) 現在、よこはま動物園では園全体で動物園を盛り上げていくため、職員による「プロジェクト」 という組織体制を導入している。 「動物園の魅力を伝えたい」という職員たちの共通認識を実現させ るためのこれまでの取組みついて報告する。 動物園は「種の保存、環境教育、調査・研究、レクリエーション」という役割をもつ施設である が、それと同時に集客施設でもある。集客なくして動物園を円滑に運営するのは難しい。しかし、 集客のみに偏ってしまっては環境教育施設としての役割を果たす事ができない。動物園の存在意義 を揺るがす事なく、来園者に満足してもらえるイベントを遂行するのがプロジェクトのテーマだ。 当園で実施するイベントの企画・運営の戦略を主に練るのが「事業推進係」という部署である。 プロジェクトとは、事業推進係が中心となり、飼育担当者を含む他業種の職員が集まるワーキン ググループである。これはイベントの内容や性質ごとに4つに分かれて組織され、それぞれの企画・ 調整・実施を行う。 私が所属する「季節プロジェクト」とは、年間を通じ、いくつかの季節的イベントを実施する事 で「何度も来たくなる」動物園を作るのが目的だ。季節プロジェクトの主催するイベントとしては、 「秋の大運動会、餌プレゼント特別ガイド、企画展」であり、ポイントはこの全てが動物の知識を 必要とするにイベントであるという点だ。だからこそ、飼育担当者という立場の存在が必要となっ てくる。しかし、一方的に知識を押し込むイベントでは、来園者の理解と満足感は得られないだろ う。環境教育の促進と効果的な集客を促すためには、来園者が自然な形で知識を吸収できるイベン トが良い機会となってくれるはずだ。 動物の魅力について「楽しく、学べる」という点が最も大切だと思う。それにより、動物園が身 近な存在になるとリピーターも増え、動物園の活性化につながると思う。それを実現するためにこ れからも奮闘していきたい。
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