第Ⅲ章 業務実績のトピックス (不正事案への対応など) 第Ⅲ章 業務実績のトピックス(不正事案への対応など) 1 不正事案への対応 (1)薬物犯罪の捜査・取締り ○ 不正な麻薬、大麻、覚せい剤などの薬物犯罪の取締りを行いました。 ① 法令別検挙人員 (関東信越厚生局における平成23年の実績) 麻薬及び向精神薬取締法 30 人(22年 17 人) 0 人(22年 1 人) 大麻取締法 52 人(22年 27 人) 覚せい剤取締法 92 人(22年 40 人) 3 人(22年 1 人) 177 人(22年 86 人) あへん法 麻薬特例法 合 計 ② 特徴等 平成 23 年は平成 22 年に比べ検挙人数がほぼ倍増しています。全国的にも覚醒 剤事犯の再犯者は半数以上を占める高水準であり、依然として憂慮すべき状況 が続いています。 (2)保険医療機関等の指定の取消・保険医等の登録の取消 ○ 診療内容・診療報酬等の請求において、不正または著しい不当があったことを疑う に足りる理由がある際に、患者への調査・確認を行い、当該事実の確認(監査)を 行ったうえで、保険医療機関等の指定取消、保険医等の登録取消といった行政処分 を行いました。 ① ② 取消の状況 保険医療機関等の指定取消 7 件 (22年度 1 件) 保険医等の登録取消 7 人 (22年度 1 人) 特徴等 ・不正内容は付増請求、振替請求がそのほとんどを占めています。 ・取消に係る端緒は、指導を行った際に不正が強く疑われたことによるものです。 113 第Ⅲ章 業務実績のトピックス(不正事案への対応など) (3)健康保険組合の不正への対応 ① 概 要 平成23年11月に、健康保険組合より当該健康保険組合の支部において支部 常務理事による不適正な経理処理の疑いがあり、組合において調査をした結果、 使途不明金が発覚したとの報告がありました。 関東信越厚生局の実地監査及び健康保険組合において調査をした結果、支部常 務理事が、医療機関から人間ドックの助成金請求があったように仮装し、健康保 険組合名義の預金口座から現金を引き出して着服していた事実が判明しました。 常務理事は、事実関係を認め、懲戒解雇の上、刑事告発されました。 ② 対応状況 ・健康保険組合における不正発覚の報告を踏まえ、3日間にわたり実地監査を行 い、当該健康保険組合の支部常務理事による不適正な支出を確認しました。 ・また、その他の支出については、不正がないことを確認しました。 ・事故発生の原因としては、常務理事の個人的資質によるものもありますが、歳 出における支払証拠書の添付や確認、本部による出先機関に対する適切な監査 等、法令遵守、事務処理体制などが、充分に機能していなかったことも原因と してありました。 ・このような実態を踏まえ、健康保険組合に対し、理事長をはじめ役職員が公法 人としての使命と職責を自覚するとともに、相互牽制制度の確立、監査機能の 強化、法令・規程の遵守等、厳正に遵守し、適正な事業運営と事務執行に努め るよう指導しました。 ・また、不正事故に関して、損害額、補填方法、職員の処分、責任の所在及び再 犯防止策について報告を求めました。 114
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