JBICの中堅・中小企業融資 の取り組みとメキシコ地方政府 とのMOU締結について 2015年12月17日 国際協力銀行 中堅・中小企業担当特命審議役 本間 学 1 【第1部】 JBICの中堅・中小企業融資 の取り組み 2 国際協力銀行の概要(設立・経緯) ○設 立 1950年 日本輸出銀行として設立(1952年、日本輸出入銀行に改称)。 1999年 日本輸出入銀行(輸銀)と海外経済協力基金(OECF)との 統合により、「国際協力銀行(JBIC) 」が発足。 2008年 旧輸銀業務は、日本政策金融公庫に統合。 2012年 国際協力銀行(JBIC)として独立(日本政府100%出資) 。 ○融資実績 出融資・保証実績:2兆8,518億円(2015年3月期) 出融資・保証残高:17兆2,653億円(2015年3月末時点) ○海外ネットワーク 海外事務所は、世界各国に16拠点。 ●北京駐在員事務所 ●バンコク駐在員事務所 ●ハノイ駐在員事務所 ●ジャカルタ駐在員事務所 ●マニラ駐在員事務所 ●シンガポール駐在員事務所 ●ニューデリー駐在員事務所 ●モスクワ駐在員事務所 ●ロンドン駐在員事務所 ●パリ駐在員事務所 ●ドバイ駐在員事務所 ●ニューヨーク駐在員事務所 ●ワシントン駐在員事務所 ●ブエノスアイレス駐在員事務所 ●メキシコシティー駐在員事務所 ●リオデジャネイロ駐在員事務所 3 JBICの業務内容 1)我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得の促進 2)我が国の産業の国際競争力の維持及び向上 3)地球温暖化の防止等の地球環境の保全を目的とする海外における事業の促進 4)国際金融秩序の混乱の防止又はその被害への対処 輸出金融 :日本から海外への工場設備等の機器輸出、 技術供与への融資・保証 輸入金融 :エネルギー資源等の輸入に関する融資・保証 投資金融 :日本の産業の国際競争力の維持・向上 日本企業の生産・販売等の海外事業展開にかかる 資金(設備投資、長期運転資金等)に対して出資・ 融 資 ・ 保 証 を 活 用 し た 支 援 を 実 施 ⇒特に、中堅・中小企業向け支援を重視 事業開発等 :日本企業の海外展開のためのインフラ整備や 金融 や事業環境整備等への途上国政府向け融資・保証 出資 :海外事業サポートのための出資 ほか 4 新JBICにおける組織体制(2012年4月∼) 地域別からミッション・分野別の営業部門体制へ JBICミッションに応じた分野・セクターを担当部門に専担させることにより、 ● 我が国政策に直結する各ミッションを、機動的・戦略的に遂行する体制を確立 ● 各分野・セクターのノウハウ・専門性を集約化し、より高度な案件組成能力を実現 ミッション・分野別の営業体制とし、案件の形成・発掘段階から関与、官民挙げた受注支援体制を構築 資源 ファイナンス部門 インフラ・ 環境ファイナンス部門 産業 ファイナンス部門 船舶航空・ 金融プロダクツ部 産業投資・ 貿易部 社会インフラ部 電力・ 新エネルギー第2部 電力・ 新エネルギー第1部 鉱物資源部 石油・ 天然ガス部 中堅・中小 企業専担ユ ニット (東日本) (西日本) 5 中堅・中小企業の海外進出支援に向けた取組 ① 融資条件(金利・期間等) − 優遇措置の適用 ② 金額面では、数千万円の小額融資も取扱 − 出資金のバックファイナンス、設備更新、長期運転資金等にも対応 ③ 現地通貨建て資金 − タイ・バーツ等の現地通貨による長期ニーズにも対応 ④ 地銀・信金・メガバンクとの連携・協調(銀行保証の活用等) − JBIC融資参加により、現地事業の信用力向上 − 現地政府との直接対話ルートの確保(現地政府とのトラブル時等) ⑤ 投資有望国の投資環境情報の提供 − 各国投資環境情報誌や法務・会計アドバイザリー・サービスの提供 6 国際協力銀行の概要(中堅・中小企業向けの融資実績) 国際協力銀行の概要(融資実績の内訳) 2015年10月末現在 ①中堅・中小企業向け融資件数 100 80 60 109 40 20 0 62 54 34 14 16 2010 2011 2012 2013 2014 2015上半期 ②中堅・中小企業向け融資割合(件数ベース) 100% 【凡例】 90% 80% 60% 70% 60% 50% 89% 89% 86% 56% 大企業 77% 中堅・中小 企業 40% 30% 40% 20% 10% 0% 11% 11% 14% 2010 2011 2012 44% 23% 2013 7 2014 2015上半期 協融実績のある地銀・信金一覧(2012年4月∼) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 愛知銀行 池田泉州銀行 伊予銀行 磐田信金 愛媛銀行 大垣共立銀行 関西アーバン銀行 紀陽銀行 京都銀行 京都信金 群馬銀行 滋賀銀行 静岡銀行 清水銀行 十六銀行 常陽銀行 西武信金 瀬戸信金 第三銀行 多摩信金 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 千葉銀行 中国銀行 東邦銀行 長野銀行 名古屋銀行 南都銀行 浜松信金 百五銀行 百十四銀行 広島銀行 福井銀行 福井銀行 碧海信金 北陸銀行 北國銀行 三島信金 もみじ銀行 山口銀行 横浜銀行 (五十音順) 8 三省庁施策に基づく取り組み 1.経緯 ◆2010年12月、金融庁・財務省・経済産業省が、本邦金融機関(地銀等)とJBIC等が連携し、中堅・中小企業のアジ ア地域等への進出支援体制の整備・強化を図ることを決定。 ◆以後、JBICが、現地に支店や事務所を持たない地銀等と海外地場銀行との間の仲介、連携の推進を目的として、 アジア各地の地場銀行との間で業務協力に係る覚書を締結。 2.スキーム概要 覚書 JBIC 参加 海外地場銀行 ジャパンデスク 情報提供等 地銀等 情報提供等 顧客紹介 職員派遣 取引関係 出資(親子関係) 中堅・中小企業 海外現地法人 3.実績:地銀等の参加状況 国 銀行名 覚書締結時期 参加金融機関数 タイ カシコン銀行 2011年5月 28行 インドネシア バンクネガラインドネシア(BNI) 2011年7月 33行 インド インドステイト銀行 2012年8月 45行 BDO Unibank フィリピン ベトナム メトロポリタン銀行 2013年3月 7行 45行 ベトナム投資開発銀行(BIDV) 2013年7月 5行 ベトコムバンク 2013年8月 45行 9 メキシコへの投資誘致 ・ 地銀協からの要請に基づき、日系自動車関連企業の進出が相次いで いるメキシコについて、下表のとおり2州政府と、覚書を締結済。 ・ その他の2州政府との間でも協議を進めており、地場銀行とのMOU締 結についても現在検討中。 州名 覚書締結時期 参加金融機関数 アグアスカリエンテス州 2015年10月 募集中 ハリスコ州 2015年11月 募集中 グアナファト州 未定 - サンルイスポトシ州 未定 - メキシコ地場銀行 未定 - ・ 今後も、地銀協との協議を継続しつつ、MOU締結先の拡充を図る方針。 中堅・中小企業向け業務相談及び情報提供① ①海外投資環境情報の提供 ◆ 中国投資環境シリーズ 「総論編」「北京市、天津市、河北省、山西省、山東省編等 ◆ 「インドの投資環境」 ◆ 「マレーシアの投資環境」 ◆ 「インドネシアの投資環境」 ◆ 「タイの投資環境」 ◆ 「ベトナムの投資環境」 ◆ 「フィリピンの投資環境」 ◆ 「ラオスの投資環境」 ◆ 「カンボジアの投資環境」 ◆ 「ブラジルの投資環境」 ◆ 「ロシアの投資環境」 ◆ 「クロアチアの投資環境」 ◆ 「ブルガリアの投資環境」 ◆ 「ルーマニアの投資環境」 ◆ 「ミャンマーの投資環境」 ◆ 「メキシコの投資環境」 ◆ 「トルコの投資環境」 ②海外投資セミナーの開催 海外投資アンケート結果を踏まえて、各地で有識者を講師に迎えてセミナーを開催 メキシコ、インド、タイ、ベトナム、インド等々の新興有望国の投資セミナーを全国各地で開催 中小企業懇談会の開催(平成27年7月、於:浜松) ③海外投資事業に対するアドバイザリー業務 協調融資案件等に対し、内談段階から外部専門家による下記分野・地域のアドバイスを提供できます。 対象分野:①税務・会計、②法律分野 対象地域:①中国、②インド、③ASEAN10カ国*(*インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マ レーシア、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジア ) 11 中堅・中小企業向け業務相談及び情報提供② 1.業務相談(移動相談室)の実施状況 地区 開催場所 東京 東京商工会議所 名古屋 開催頻度 連携先 毎月 東京商工会議所 中小企業相談センター 名古屋商工会議所 毎月(ニーズベース) 名古屋商工会議所 産業振興部 貿易証明センター 太田(群馬) 太田商工会議所 隔月(ニーズベース) 太田商工会議所 工業支援部 仙台 ジェトロ仙台事務所 四半期(ニーズベース) ジェトロ仙台事務所 2.主な情報提供の機会 セミナー名 開催場所 開催年月 「海外投資セミナー」 東京、大阪、名古屋、秋田、山形 2014年12月、2015年4月 「中小企業のための中国セミナー」 東京、名古屋 2015年6月 「インドセミナー」 大阪、岐阜 2015年6月 「メキシコセミナー」 大阪、名古屋、広島 2015年6月 「中堅・中小企業懇談会(東海)」 浜松 2015年7月 「海外事業支援セミナー」 福島 2015年7月 「ASEAN統合セミナー」 東京、大阪、名古屋 2015年10月 12 【第2部】 メキシコ地方政府とのMOU 締結について 13 ハリスコ州との覚書について 《概要》 契約当事者: ハリスコ州 覚書締結日:2015年11月9日 (於:東京) 背景: • 州都のグアダラハラはメキシコ第2の都市で、世界的に知られる 大手電子企業が進出したことにより、メキシコのシリコンバレーと 呼ばれるまでに発展。日系企業ではホンダ、ヤクルト、花王等が 進出している。 • 近年、隣接するアグアスカリエンテス州及びグアナファト州への 自動車関連企業の進出が相次いだことにより、同2州への良好 なアクセスが可能なハリスコ州への注目が高まっており、ハリス コ州としても自動車関連企業の投資誘致に注力している。 14 アグアスカリエンテス州との覚書について 《概要》 契約当事者: アグアスカリエンテス州 覚書締結日:2015年10月26日 (於:東京) 背景: • メキシコ国内において、自動車生産台数第1位の日産自動車㈱ が1983年から同州で操業を開始。同社は2013年に20億ドルの 追加投資を行い、第3工場が稼働済。同投資等により、近年自 動車メーカーの進出が相次いでいる状況。 • また、同州は2014年10月には神奈川県との間で、同県内中小 企業の同州への進出支援を目的とした「経済交流に関する覚書 」を締結。 • 同州はジャパンデスクの設置に合意しており、本邦中堅・中小企 業及び本邦金融機関との関係構築を要望。 15 覚書概要(その①) 1. 本邦金融機関の紹介 JBICは、本邦金融機関の要請に基づき、当該金融機関を州政府に紹介し、州政 府が当該金融機関を「協力銀行」として追加することを認めた場合、当該金融機 関を本覚書の別添リストに追加する。 2. ジャパンデスク 州政府及びJBICは、中堅・中小企業の現地法人に対し、各種アドバイザリー業務 を提供する州政府の専門部署(ジャパンデスク)を保持することの重要性を共通 理解とする。 3. 職員派遣 州政府は、協力銀行からJBICに対する要請に基づき、協力銀行が派遣する職員 を少なくとも1名、ジャパンデスクに受け入れ、その業務に従事させることを検討 する。職員派遣の条件は州政府と当該金融機関が別に書面にて合意するものと する。 16 覚書概要(その②) 4. 中堅・中小企業へのアドバイザリー・サービス 州政府は、協力銀行及びその取引先である中堅・中小企業の要請に基づき、 (1)メキシコにおけるビジネスパートナー候補の選定、(2)必要な事業許認可取 得、(3)メキシコ地場銀行の紹介、(4)有能な現地職員採用方法などに関する アドバイザリー・サービス等を提供すべく、最大限努力する。 5. 情報・意見交換 州政府及びJBICは、それぞれの判断に基づき、以下の事項について情報・意 見交換を行う。 (i) 本覚書に基づく州政府、JBIC及び協力銀行の活動のレビュー (ii) メキシコにおける中堅・中小企業の事業に関する地場銀行、JBIC及び協力 銀行の業務方針 (iii) メキシコの投資環境 (iv) 両者の将来の協力に繋がる関連事業 (v) その他両者が合意する事項 17 お問い合わせ先 国際協力銀行 東京都千代田区大手町1-4-1 URL : http://www.jbic.go.jp/ 中堅中小企業担当 TEL:03-5218-3579 特命審議役 本間 学 同参事役 斧田 開文、同参事役 阿由葉 真司 中堅・中小企業ユニット(東日本)TEL:03-5218-3576 ユニット長 佐久間 佳寿子 ユニット長代理 田丸 伸介 ユニット長代理 芳野 浩久 調査役 村石 雄示 調査役 前田 英淳 調査役 小林 拓朗 調査役 伊藤 英孝 調査役 菱沼 拓生 調査役 山田 昌平 18
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