勝沼から世界へ ~苦悩と喜びの歴史~ 創業 1891 年 甲州市勝沼町下岩崎 2488 TEL:0553-44-1005 まるき葡萄酒㈱ FAX:0553-44-0650 http://www.marukiwine.co.jp みずのえたつ 壬 辰 の年、「暦」によりますと本年の大きな流れは、 “東南東”の方角。甲府盆地の東方の丘陵地一帯に は葡萄園やワイナリーが展開、甲州勝沼を中心に日 本最大のワイン郷を構成しています。 明治 10 年(1877)、2 人の青年が勝沼からフランス りゅうけん まさなり に留学しました。土屋 龍 憲 と高野正誠 。2 年後に持 ち帰ったのがワイン醸造技術。日本のワイン造りは こうして本格的にスタート。2 人のひたむきな情熱 をかたむけた葡萄づくりとワインづくり。まるき葡 萄酒は、この情熱を今日まで引き継いできました。失敗や失意に幾度とも襲われましたが、喜びの 歴史も数多く伝えられています。 さきがけ 魁 たちの苦悩の歴史と伝統を絶やしてはならない。甲州ワインの本流を受け継いでいるものとし て、身が引き締まる思いです。明治 24 年、土屋龍憲の共同事業体として発足、昭和 24 年、まるき 葡萄酒として再スタート、昭和 36 年からは、私がこの事業を受け継いできています。 私がワイン醸造の経営指針としたのは“誠実なワインづくり”でした。そして新しい技術導入と最 新の技術開発。幸いに多くの師に恵まれ教えを受け、意気に燃えて挑戦してきました。先走ったよ うに見える私の行動は、時には危惧されることもあったようですが、結果的には良かったと思って います。 世界のぶどう産地の中で、決定的にハンディを背負っているのが日本の気候風土ですが、それをワ インづくりでカバーしようと、逆浸透膜濃縮法で厚みのあるワインを造ったり、ワインを楽しむた めの「マイワインシステム」を構築。ワインに関連する商品づくりにも挑戦、ワインゼリーの商品 くんせい おり 化、ブドウの種子の油からワイン石鹸開発、葡萄の木のチップを使った燻製 タクアン、ワインの澱を 肥料にクレソン栽培等々を試みました。さらに、ワイン文化普及の一環として、離すことのできな い料理文化を育てようと、レストラン“ワインハウス勝沼”の出店もしました。 こうした数々の取り組みは、時代時代に襲ってくる様々なワイン不況期を乗り切るための方策でも ありました。 現在、3 年前からロシアに日本のワインとして弊社のワインを 輸出していますが、日本とロシアの関係はもっと拡大深化して いくと思います。また、日本・アジアの関係も更に拡大してい くでしょう。日本のワインが世界で愛飲される日も遠い先のこ とではありません。本年の風は東方から吹いて来そうです。何 故なら、辰は龍に通じ東方の守護神ですから。
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