志布志市過疎地域自立促進計画(案)(PDF文書)

過疎地域自立促進計画
(平成 28 年4月 1 日~平成 33 年3月 31 日)
平
成
2 7
年
策
定
(案)
鹿児島県志布志市
目
1
次
基本的な事項
(1) 志布志市の概況
ア 自然的、歴史的、社会的、経済的諸条件の概要
(ア) 沿革・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(イ) 自然的・歴史的条件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(ウ) 社会的・経済的条件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
イ 過疎の状況
(ア) 人口等の動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(イ) これまでの過疎法に基づくものも含めた対策、現在の課題、今後
の見通し等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ウ 産業構造の変化、地域の経済的な立地特性、県の総合計画等における位
置付け等に配意した本市の社会経済的発展の方向の概要
(ア) 第一次産業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(イ) 第二次産業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(ウ) 第三次産業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
1
1
1
2
3
5
6
6
(2)
ア
イ
(3)
ア
(4)
ア
イ
ウ
人口及び産業の推移と動向
人口の推移と動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
産業別人口の推移と動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
行財政の状況
行財政の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
地域の自立促進の基本方針
都市基盤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
生活環境・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
産業経済・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
エ
オ
カ
キ
(5)
保健・医療・福祉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
教育・文化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
コミュニティ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
行財政・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
計画期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
産業の振興
(1) 現況と問題点
ア 産業振興の方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
イ 農林水産業の振興
(ア) 農業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
(イ) 畜産・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
(ウ) 林業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
(エ) 水産業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
ウ 地場産業の振興・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
エ 企業の誘致対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
オ 起業の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
カ 商業の振興・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
キ 観光の振興・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
ク 港湾の振興・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
(2) その対策
ア 産業振興の方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
イ 農林水産業の振興
(ア) 農業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
(イ) 畜産・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
(ウ) 林業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
(エ) 水産業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
ウ
エ
オ
カ
キ
ク
(3)
3
地場産業の振興・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
企業の誘致対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
起業の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
商業の振興・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
観光の振興・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
港湾の振興・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
交通通信体系の整備、情報化及び地域間交流の促進
(1) 現況と問題点
ア 道路
(ア) 国道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
(イ) 県道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
(ウ) 市道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
(エ) 農道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
(オ) 林道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
(カ) 都城志布志道路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
(キ) 東九州自動車道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
イ 地域情報化の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
ウ 交通
(ア) バス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
(イ) JR日南線・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
(ウ) 志布志・大阪航路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
エ 地域間交流・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
(2) その対策
ア 道路
(ア) 国道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
(イ) 県道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
(ウ) 市道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
(エ) 農道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
(オ) 林道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
(カ) 都城志布志道路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
(キ) 東九州自動車道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
イ 地域情報化の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
ウ 交通
(ア) バス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
(イ) JR日南線・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
(ウ) 志布志・大阪航路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
エ 地域間交流・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
(3) 計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40
4
生活環境の整備
(1) 現況と問題点
ア 住宅・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
イ 上水道等の施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
ウ 下水道施設等
(ア) 農業集落排水処理施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
(イ) 公共下水道事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
(ウ) 生活排水の処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
エ 新エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
オ 廃棄物処理施設
(ア) し尿処理施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
(イ) ごみ処理施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
カ リサイクル・ごみ分別
(ア) 徹底したごみの分別・再資源化・・・・・・・・・・・・・・・・46
(イ) 各主体による環境に対する取組の充実・・・・・・・・・・・・・47
キ 公園・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
ク 消防・防災
(ア) 消防・防災体制の強化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
(イ) 自主防災組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
(ウ) 防災行政無線・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
ケ 火葬場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
(2) その対策
ア 住宅・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
イ 上水道等の施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
ウ 下水道施設等
(ア) 農業集落排水処理施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
(イ) 公共下水道事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
(ウ) 生活排水の処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
エ 新エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
オ 廃棄物処理施設
(ア) し尿処理施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
(イ) ごみ処理施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
カ リサイクル・ごみ分別
(ア) 徹底したごみの分別・再資源化・・・・・・・・・・・・・・・・49
(イ) 各主体による環境に対する取組の充実・・・・・・・・・・・・・50
キ 公園・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50
ク 消防・防災
(ア) 消防・防災体制の強化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50
(イ) 自主防災組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
(ウ) 防災行政無線・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
ケ 火葬場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
(3) 計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・52
5
高齢者等の保健並びに福祉の向上及び増進
(1) 現況と問題点
ア 高齢者福祉
(ア) 効果的なサービスの提供・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55
(イ) 介護保険制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55
(ウ) 住み慣れた地域での生活・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55
(エ) 生きがいづくりの推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55
イ 児童福祉
(ア) 子育て支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56
(イ) 保育サービス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56
(ウ) 病児・病後児保育事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
(エ) 放課後児童クラブ(学童保育)・・・・・・・・・・・ ・・・・・57
(オ) 男女共同参画による子育ての促進・・・・・・・・・・・・・・・57
(カ) 児童虐待の防止・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58
ウ 障がい福祉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58
エ 保健予防対策
(ア) 疾病の予防・早期発見・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58
(イ) 健康づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59
(ウ) 介護予防・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59
(エ) 食育事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59
オ 母子保健の推進
(ア) 妊娠・出産期における母子保健・・・・・・・・・・・・・・・・60
(イ) 乳幼児に対する母子保健事業・・・・・・・・・・・・・・・・・60
(ウ) 子育て相談・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60
(エ) 思春期の保健対策の強化と健康教育の推進・・・・・・・・・・・60
(オ) こころの健康づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60
(2) その対策
ア 高齢者福祉
(ア) 効果的なサービスの提供・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60
(イ) 介護保険制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61
(ウ) 住み慣れた地域での生活・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61
(エ) 生きがいづくりの推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61
イ 児童福祉
(ア) 子育て支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62
(イ) 保育サービス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62
(ウ) 病児・病後児保育事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63
(エ) 放課後児童クラブ(学童保育)・・・・・・・・・・・・・・・・ 63
(オ) 男女共同参画による子育ての促進・・・・・・・・・・・・・・・63
(カ) 児童虐待の防止・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63
ウ 障がい福祉
(ア) 障がいのある人が安心して暮らせるまちづくり・・・・・・・・・63
(イ) 障がいのある子どもと家庭への支援・・・・・・・・・・・・・・63
(ウ) 在宅福祉サービスの充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64
エ 保健予防対策
(ア) 疾病の予防・早期発見・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64
(イ) 健康づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64
(ウ) 介護予防・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64
(エ) 食育事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・65
オ 母子保健の推進
(ア) 妊娠・出産期における母子保健・・・・・・・・・・・・・・・・65
(イ) 乳幼児に対する母子保健事業・・・・・・・・・・・・・・・・・65
(ウ) 子育て相談・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・65
(エ) 思春期の保健対策の強化と健康教育の推進・・・・・・・・・・・66
(オ) こころの健康づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66
(3) 計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67
6
医療の確保
(1) 現況と問題点
ア 医療の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69
(2) その対策
ア 医療の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69
(3) 計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70
7
教育の振興
(1) 現況と問題点
ア 学校教育・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・71
イ 心の教育の推進・安全管理・防犯対策・・・・・・・・・・・・・・・・73
ウ 施設整備
(ア) 学校施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・73
(イ) 社会教育施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・73
(ウ) 社会体育施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74
エ 生涯学習・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74
オ 図書館の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74
カ 生涯スポーツの推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74
キ 家庭・地域教育・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75
ク 幼児・児童教育・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75
ケ 青少年育成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75
(2) その対策
ア 学校教育・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75
イ
ウ
エ
オ
カ
キ
ク
ケ
心の教育の推進・安全管理・防犯対策・・・・・・・・・・・・・・・・76
施設整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76
生涯学習・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・77
図書館の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・77
生涯スポーツの推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・77
家庭・地域教育・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・77
幼児・児童教育・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・78
青少年育成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・78
(3) 計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・79
8
地域文化の振興等
(1) 現況と問題点
ア 文化活動の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・83
イ 歴史的遺産の保護活用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・83
(2) その対策
ア 文化活動の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・83
イ 歴史的遺産の保護活用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・83
(3) 計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・85
9
集落の整備
(1) 現況と問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・86
(2) その対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・87
(3) 計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・89
10
その他地域の自立促進に関し必要な事項
(1) 現況と問題点
ア 志布志ブランド確立の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・90
イ 男女共同参画社会の形成
(ア) 個人としての尊厳が尊重される人権の確立・・・・・・・・・・・90
(イ) 多様化する生活課題への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・90
(ウ) 個性と能力が発揮できる就業環境の整備・・・・・・・・・・・・91
(エ) 人権と生活環境の視点を踏まえた地域経済・地域産業の振興・・・91
(オ) 共生・協働による地域づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・91
ウ 住民参画のまちづくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・92
エ イベント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・92
(2) その対策
ア 志布志ブランド確立の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・92
イ 男女共同参画社会の形成
(ア) 個人としての尊厳が尊重される人権の確立・・・・・・・・・・・92
(イ) 多様化する生活課題への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・93
(ウ) 個性と能力が発揮できる就業環境の整備・・・・・・・・・・・・93
(エ) 人権と生活環境の視点を踏まえた地域経済・地域産業の振興・・・93
(オ) 共生・協働による地域づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・94
ウ 住民参画のまちづくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・94
エ イベント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・94
(3) 計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・95
11
過疎地域自立促進特別事業分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・96
1
基本的な事項
(1) 志布志市の概況
ア 自然的、歴史的、社会的、経済的諸条件の概要
(ア) 沿革
本市は、明治 22 年4月の市制町村制の施行で松山村と志布志村として発足し、
明治 24 年2月に志布志村から東志布志村と西志布志村に分村しました。その後、
松山村、東志布志村及び西志布志村からそれぞれに町制を施行し、変遷をたどり、
平成 18 年1月1日に曽於郡松山町、同郡志布志町及び同郡有明町の合併により新
設され、「志布志市」として誕生しました。
(イ) 自然的・歴史的条件
本市は、鹿児島県東部、志布志湾の湾奥ほぼ中央に位置し、東部は宮崎県串間
市、西部は大崎町、北部は曽於市と境をなし、その一部は、宮崎県都城市と接し
ています。東西に約 23km、南北に約 18kmの扇型の区域をなし、総面積 290.28
k㎡となっており、大崎町に 1.02km²の飛地を有しています。
さらに、台風通過の頻度が高く、年間降水量は 2,300mm前後に達し、台風・
豪雨による土砂崩壊などの災害が多く発生しています。また、菱田川、安楽川及
び前川の3つの河川が北部山岳地帯から志布志湾に注ぎ、農村部及び山間部の集
落の多くは、この3つの河川に沿って散在しています。
本市南部の志布志湾沿岸部一帯は、日南海岸国定公園の一部として指定され、
沖合約4km の志布志湾のほぼ中央に浮かぶ枇榔島は、枇榔島亜熱帯性植物群落が
国の特別天然記念物に指定されています。また、志布志湾沿岸東部の海岸線は景
勝に恵まれ、ダグリ岬を中心に陣岳山頂から海岸一帯にかけて亜熱帯性の樹木が
繁茂し、国民宿舎ボルベリアダグリをはじめ、海水浴、遊園地、及びマリンスポ
ーツや魚釣りなどの海洋性レクリエーションの場として観光需要が増大しつつあ
ります。
北部から東部にかけては、宮田山をはじめ、霧岳、御在所岳、陣岳などの森林
地帯が広がり、起伏の多い丘陵が連なっています。総面積の約 54.4%は山林で占
められ、耕地の占める割合は約 23.0%となっています。
(ウ) 社会的・経済的条件
本市は、菱田川の流域に開けた水田やシラス台地の畑地など、広大な農地と温
暖な気候を生かした県内有数の特色ある農業や畜産が盛んです。特に、メロン、
いちご、ピーマン、茶、さつまいも、肉用牛、豚、ブロイラーなどの農畜産物、
養殖うなぎなどの水産物の生産が盛んであり、県内上位の生産量となっています。
なかでも、茶、肉用牛や養殖うなぎは国内トップクラスの生産量を誇っています。
また、本市は、港湾の機能を主軸に陸海交通の要衝として流通機能を中核に発
1
展し、現在は、西部に鹿屋市を中心とした大隅定住自立圏、北部に都城市を中心
とした都城広域定住自立圏を形成し、広域連携によるまちづくりを推進していま
す。
志布志港は、昭和 44 年に国の重要港湾の指定を受け、現在は本港地区、外港地
区、若浜地区、新若浜地区で形成され、なかでも若浜地区は、当地域の基幹産業
である畜産の飼料供給基地として重要な役割を果たしており、平成 23 年に国際バ
ルク戦略港湾(穀物)に選定されています。さらに、平成9年からは外貿コンテ
ナ貨物取扱量の増大に対応するため、新若浜地区に新たな多目的国際ターミナル
の整備が進められ、平成 21 年3月には、その一部が供用開始されています。
本市の道路網は、西部に国道 269 号が走り、海岸沿いに大隅地域における重要
な幹線道路である国道 220 号及びグリーンロード志布志線が東西に横断し、志布
志港と後背地を結ぶ基幹道路である県道が志布志港を起点として放射状に延び、
その中で市道は相互を連結・補完しています。
都城志布志道路は、平成6年に計画路線の指定を受け、九州縦貫自動車道(宮
崎線)都城 IC と南九州地域の物流拠点港湾である志布志港とを結ぶ延長約 44km
の自動車専用道路として整備が進められています。南海トラフ地震による津波な
ど防災対策上重要な防災の道であり、周辺畜産地帯に志布志港で生産された配合
飼料を速く、安く運搬できる産業経済の道として、また、都城市郡医師会病院の
開院によって、救急医療体制が充実する医療の道として、効果が期待されていま
す。
また、東九州自動車道は、九州縦貫自動車道と一体となって高速道路ネットワ
ークを形成する道路です。志布志 IC(仮称)~末吉財部 IC 間の延長約 48km は平
成 15 年に新直轄方式による整備区間に位置付けられ、通行料無料区間として整備
が進められています。志布志港や鹿児島空港、鹿児島中央駅等の交通拠点と大隅
半島の食糧供給基地や観光地等を有機的に結び、東九州の産業、経済、文化の活
性化に重要な役割を果たすとともに南海トラフ地震の津波に対する防災対策など
の効果が期待されています。
さらに、地域情報通信基盤整備推進交付金事業により整備された光ファイバー
ケーブル網「しぶし志ネット」の有効利活用、携帯電話一部不感エリアの解消及
び行政告知放送端末の設置を推進しています。
イ 過疎の状況
(ア) 人口等の動向
本市の人口は、昭和 30 年をピークに、若年層を中心に多くの人々が大都市圏へ
流出し、高度経済成長期以降減少の一途をたどりました。昭和 55 年以降ややもち
なおしたものの、依然として減少が続いています。また、年齢階層別に見てみま
すと昭和 60 年を境に高齢者比率が若年者比率を上回り増加しています。高齢者比
2
率においては、平成 7 年に 21%、平成 17 年には 29.6%、平成 27 年には 31.81%
を超え、超高齢化社会になっています。
このような過疎化の傾向は、本市における雇用機会や快適な住環境など、定住
条件の未整備に伴う若年層の流出が最大の原因と思われます。
若年層の流出や少子高齢化の進行により、産業及び経済活動など地域社会にお
ける活力が低下してきており、企業誘致による若者が安心して働くことができる
雇用の創出や地場産業の育成など、住環境の整備に努める必要があります。
(イ) これまでの過疎法に基づくものも含めた対策、現在の課題、今後の見通し
等
昭和 45 年に過疎地域対策緊急措置法、昭和 55 年に過疎地域振興特別措置法、
平成2年に過疎地域活性化特別措置法、平成 12 年に過疎地域自立促進特別措置法
が制定され、本市でも魅力ある生活環境の整備や雇用機会の増大など、定住条件
の整備を図ることを目的に事業を推進してきました。
都市基盤の整備については、南九州地域の物流拠点港湾である志布志港の整
備・充実を図り、平成 9 年度から整備が進められてきた新若浜地区多目的国際タ
ーミナルも平成 21 年3月には一部供用が開始されました。輸出貨物の促進を図る
ことが、現在の課題であり、企業、荷主及び船社に対してのポートセールス活動
を引き続き行っていく必要があります。
また、志布志港と後背地を結ぶ広域道路網については、東九州自動車道の志布
志 IC(仮称)~鹿屋串良 JCT 間が平成 19 年度から着工し、都城志布志道路は平
成 25 年5月に県境区間が整備区間に指定され、全線において着手しています。本
市の産業振興のためにも、早期完成が望まれています。
さらに、地域の情報化については、山間部においても携帯電話サービスが受け
られるよう移動通信用鉄塔施設を整備し、情報格差の解消に努めてきました。今
後、地域情報通信基盤整備推進交付金事業により整備された光ファイバーケーブ
ル網「しぶし志ネット」の有効利活用を進めていく必要があります。
生活環境の整備については、ごみの再資源化を基本に 27 品目の分別を行い、ご
みの資源化率は、平成 17 年度以降「市」としては全国第1位を記録しています。
不法投棄防止対策として、平成 21 年 10 月にはポイ捨て防止条例を施行し、環境
学習会等を通じて市民へ啓発活動を行ってきました。また、生活排水処理につい
ては、公共用水域保全事業を活用しながら、合併浄化槽の設置の推進や農業集落
排水への加入促進に努めてきましたが、今後更なる推進をする必要があります。
産業経済の整備については、雇用・就労の場の確保のため、企業誘致に努めて
いますが、長引く景気低迷により平成 22 年度から平成 26 年度は1社の誘致実績
となっています。平成 26 年以降は円安・原油安・景気回復による企業の設備投資
の兆しが現れており、本市の基幹産業を生かした関連企業誘致に努力する必要が
3
あります。また、本市の基幹産業を支える後継者問題にも取り組み、新規就農支
援金事業により高齢化した農村集落の担い手を確保し、農業公社による研修制度
において、農業後継者の育成を行っています。また、高品質生産対策事業、降灰
対策事業によるハウス施設整備、土地基盤整備事業等を行い、農業経営基盤の整
備にも努めました。今後、環境保全型農業を推進し、安心・安全をテーマとする
作物のブランド化を進める必要があります。林業においては、地球温暖化対策の
ため、二酸化炭素の吸収源としての役割を担う整備された森林を維持するための
間伐等の推進に引き続き努め、所得向上のため特用林産物(枝物等)の産地化、
ブランド化を図る必要があります。
水産業については、放流事業の実施により水産資源の増殖に努めてきましたが、
その効果の検証が新たな課題となっています。また、現段階における整備が完了
した漁港については、施設の長寿命化に向けた適正な管理に努めていく必要があ
ります。
商工振興については、平成 24 年度から観光協会と特産品協会が一体となり、観
光特産品協会として新たな事業展開を行っています。サンポートしぶしアピアに
は、競艇場外発売場オラレの誘致や特産品販売所の「港湾通り」を開設し、賑わ
いの創出に努めてきました。また、入込客数 100 万人を目指し、各種イベントの
実施や JR 志布志駅への総合観光案内所の設置、民宿村や国民宿舎ボルベリアダグ
リなどの宿泊施設の整備等、観光の拠点整備も行ってきました。今後志布志駅の
整備計画に基づき、交通アクセスの改善や駅舎の改修を行っていくこととしてい
ます。また空き店舗対策や商店街の均衡ある活性化策が必要です。
保健・医療・福祉の整備については、年々増加傾向にある医療費を抑制するた
め、健康づくりに関する事業を展開してきました。しかし、一方で、医師不足の
状態が続いており、特に産婦人科の医師を確保するための対策が急がれます。
児童福祉については、子育て日本一のまちづくりの実現を目指し、乳幼児医療
費助成を子ども医療費助成事業として高校生の世代まで拡大、補助による妊産婦
健診回数を増やすなど、子育て支援の充実に努めてきました。今後、子育て支援
における地域のネットワーク構築のため、地域で中心となる人材の育成が必要で
す。
高齢者福祉については、高齢者の社会参加を促す地域ふれあいサロンの充実や
シルバー人材センターの運営補助を引き続き行う必要があります。障がい福祉に
ついては、そお地区障がい者相談支援センターを地域における中核的な役割を担
う基幹相談支援センターに移行するための検討を進めているところです。いずれ
も地域全体で支え合う社会形成が必要であります。
教育・文化の振興については、まちづくりの人材を育む市民大学講座として志
布志創年市民大学を実施し、全国の先進事例を学びながらその成果をまちづくり
4
に生かそうと取り組んでいます。市民の学びたいテーマを把握し、生涯学習の裾
野を広げることが課題となっています。
コミュニティの整備につきましては、地域の自治会活動の維持が困難になるこ
とが懸念されます。自治会の在り方検討委員会を設置し、自治会の再編や未加入
者対策を協議しています。今後、自治会の機能低下を防止する対策が求められま
す。
また、男女共同参画社会の実現に向けた取組を推進するために、「第2次志布
志市男女(ひと)がともに輝くまちづくりプラン・志布志市DV対策基本プラン」
を策定し、啓発事業等を実施してきました。誰もが、その人権を尊重され、性別
にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮でき、いかなる暴力も許さない社会
の実現を目指します。
広域連携については、国は地方圏から三大都市圏への人口流出を食い止め、地
方圏への人の流れを創出する必要性から、一定の都市機能を持った中心市と密接
なつながりを持つ関係市町村がお互いに連携協力して圏域全体の活性化を図る仕
組みとして定住自立圏構想を打ち出しました。本市は、鹿屋市及び宮崎県都城市
と協定を結び、それぞれに策定した共生ビジョンに基づいて、人口定住のために
必要な生活機能の確保に向けて取り組んでいます。広域連携により安心して暮ら
すことができる地域を形成し、人口流出を食い止め、地方圏への定住化を促進さ
せる方策として期待されます。
ウ 産業構造の変化、地域の経済的な立地特性、県の総合計画等における位置付け等
に配意した本市の社会経済的発展の方向の概要
(ア) 第一次産業
本市は、農業が基幹産業であり、農家経営の安定を基本に活力ある農村社会の
建設に向け、恵まれた自然条件を十分生かした産業基盤のもと、消費動向を的確
に捉え、地帯区分を設定し農業の振興を図ります。
機械化による高生産性農業の展開を図るため、ほ場整備や畑地かんがい施設を
活用した営農の確立が必要です。国が示す新たな農業・農村政策4つの改革に基
づき、土地の担い手等への集積や基盤整備による農地区画の集約化など作業効率
の高い団地化の整備を推進します。
また、農業後継者や新規就農者などの担い手確保・育成が重要であり、農業公
社の研修制度等を活用した新規参入者の受入れに努めます。さらに、集落営農や
受委託組織の育成に取り組み、効率的な営農を目指した地域共同による取組を促
進し、地域農業の担い手を確保します。
食料の安定供給という本来の役割に加え、消費者に安心、安全で新鮮な農作物
の供給に努めるとともに、化学肥料、農薬の使用、家畜糞尿処理が環境に及ぼす
影響を十分考慮しながら、環境への負荷を軽減する環境保全型農業を推進します。
5
地元で取れた新鮮な地場産品をいつでも提供できる体制づくりと地域に密着し
た流通体系の整備を図り、地元農畜産物の消費拡大と域内の流通販路拡大による
地産地消のシステムづくりに努めます。また、志布志港を利用し、急速な経済成
長を続けるアジア諸国をターゲットにした農畜産物の輸出への取組を大隅地域全
体で連携しながら推進していきます。
また、大隅加工技術研究センターを活用した新たな商品開発等の取組への支援
や農業者と多様な事業者との連携を推進します。
林業については、木材の安定供給と効率的な林業経営を促進するため、森林施
業の集約化や施業委託などを計画的に進め、低コストによる森林管理や木材の生
産を目指します。また、高性能林業に対応できる作業路整備、現状にあった路線
の配置及び選定を行い、作業効率の高い森林整備を進め、地球環境の保全に努め
る森林の有する多面的機能を促進します。
また、枝物等特用林産物の産地化、ブランド化を継続し、生産技術の向上と市
場の要望に沿った安定的な集荷体制を進め、さらなる市場の獲得を目指します。
水産業については、「つくり・守り・管理する」漁業を推進し、漁場整備に努
めるとともに、付加価値を高めた水産物販売体制の確立を図り、実情に応じた生
産基盤の整備、強化を図ります。
(イ) 第二次産業
本市は、港湾地区において穀物貯蔵施設や配合飼料製造業、運送業等の企業立
地が進んでおり、本市の農畜産物の物流拠点を形成しています。また、内陸地に
おいては、食肉加工、水産加工、縫製工場や発泡スチロール製品製造等の製造業
に関する企業が進出しています。しかし、長引く景気低迷等で、誘致した工場等
も厳しい経営状況にあります。一方、国内トップクラスの生産量を誇る養殖うな
ぎについては、うなぎの生産から加工まで一貫生産を行う企業が進出し、順調に
操業しています。
若者が定着できる環境づくりや若年層の就業機会の確保は、地域の自立促進に
大きな影響を与えます。
今後は、第一次産業の振興につながる第二次産業の振興が重要であり、豊富な
農畜産物を活用する地元企業や起業家の育成を図り地場産業の振興に努めるとと
もに、食品関連企業や製造業、新エネルギー産業を担う部材等業種の誘致、港湾
を活用した企業の誘致を推進する必要があります。
(ウ) 第三次産業
本市は国道 220 号沿いに商店街や住宅等が集中し、志布志地域には大型店舗の
進出も見られますが、市外から集客できる市の核としての人口集中地区には至っ
ていません。
一部地域では、空き地や空き店舗、空き家が目立ち、空洞化が進行しています。
6
その他の地域では、国道や主要地方道沿いで小規模な商店街と住宅等が混在し、
ある程度の集中した住宅地を形成しています。
中心市街地活性化に向けて整備されたサンポートしぶしアピアにおいても、競
艇場外発売場オラレの誘致や特産品販売所「港湾通り」を開設するなどし、賑わ
いを取り戻しつつあります。
また、市民の購買意欲を高め市内での消費を刺激するため、プレミアム付き商
品券の発行・販売にも取り組んでいます。
(2) 人口及び産業の推移と動向
ア 人口の推移と動向
本市の人口は、昭和 35 年に 51,766 人であったものの、表1-1(1)のとおり急
速に減少し、昭和 50 年には 37,930 人に落ち込みました。
その後、昭和 55 年以降はやや持ち直したものの、ここ数年過疎化傾向に拍車がかか
り、平成 17 年は 34,770 人、平成 22 年は 33,034 人となっており、昭和 35 年から平成
22 年の 50 年間において 36.2%も減少しています。なかでも、15 歳から 29 歳階層の
減少は高い割合で続いており、65 歳以上の高齢者比率が高く、平成2年から高齢者比
率が若年者比率を逆転しています。
今後も、過疎化及び少子高齢化が進行すると予想され、特に農村部における後継者
不足や就業者の高齢化は、労働力の低下など地場産業の衰退を促進する要因ともなっ
ています。また、人口減少は、山間部の農村地域において顕著であり、これらの地域
では就学適齢層の急激な減少が見られます。
人口動態を見てみますと平成 26 年は出生が 275 人、死亡が 502 人で自然動態による
減少が 227 人となり、転入が 1,110 人、転出が 1,310 人で社会動態による減少が 200
人となります。今後もわずかずつ減少するものと予想され、若年層の定着が今後の大
きな課題となっています。
7
表 1-1(1) 人口の推移(国勢調査)
区
分
昭和35年
実数
昭和40年
実数
増減率
昭和45年
実数
増減率
昭和50年
実数
増減率
昭和55年
実数
増減率
昭和60年
実数
増減率
総 数
人
51,766
人
46,801
%
△9.6
人
%
40,812 △12.8
人
37,930
%
△7.1
人
38,404
%
1.2
人
38,387
%
0.0
20,021
16,000 △20.1
11,492 △28.2
8,709 △24.2
8,127
△6.7
8,028
△1.2
28,532
27,115
25,244
24,539
△2.4
0歳~14歳
15歳~64歳
うち
15歳~
29歳(a)
65歳以上
(b)
(a)/総数
若年者比率
(b)/総数
高齢者比率
区
分
総 数
10,771
3,213
%
20.8
%
6.2
△5.0
△6.9
24,694
△2.2
25,150
1.8
8,826 △18.1
7,234 △18.0
6,842
△5.4
6,917
1.1
3,686
%
18.9
%
7.9
4,076
%
17.7
%
10.0
4,527
%
18.0
%
11.9
11.1
-
5,127
%
18.0
%
13.4
13.3
-
14.7
-
-
10.6
-
-
-
-
5,827 △15.8
5,820
%
15.2
%
15.2
平成2年
実数
増減率
平成7年
実数
増減率
平成12年
実数
増減率
平成17年
実数
増減率
平成22年
実数
増減率
人
37,312
%
△2.8
人
36,694
人
35,966
人
34,770
%
△3.3
人
33,034
%
△5.0
7,559
△5.8
4,867 △15.0
4,483
△7.9
23,015
△6.2
22,006
△4.4
20,888
△5.1
19,549
△6.4
18,511
△5.3
4,662 △20.0
4,606
△1.2
4,739
2.9
4,683
△1.2
6,738
%
12.5
%
18.1
7,924
%
12.6
%
21.6
17.6
-
9,349
%
13.2
%
26.0
18.0
-
10,282
%
13.5
%
29.6
10.0
-
%
△1.7
%
△2.0
13.5
-
-
0歳~14歳
6,764 △10.5
5,727 △15.3
15歳~64歳
うち
15歳~
29歳(a)
65歳以上
(b)
(a)/総数
若年者比率
(b)/総数
高齢者比率
15.8
-
-
-
-
-
4,033 △13.9
10,008
%
12.2
%
30.3
△2.7
-
-
国立社会保障人口問題研究所の推計によると、本市の総人口は平成 52 年に約 32,000
人、平成 72 年には約 17,500 人と、平成 22 年から 50 年間で 46.9%減少すると推計さ
れています。戦後間もない時期から人口減少が始まった本市においては、これまでの
人口流出による社会減に加え、高齢化による自然減の拡大が加わることで、人口減少
がさらに加速するものと考えられます。
今後、新若浜地区における企業の誘致、地場産業の振興、快適な住環境の整備、さ
らに、若者が定住する魅力ある雇用機会の創出などの各種施策の展開を図ることが、
本市の人口の減少に歯止めをかけるものと思われます。
8
表 1-1(2) 人口の推移(住民基本台帳)
平成12年3月31日
平成17年3月31日
区 分
実数
構成比
実数
構成比
増減率
総 数
男
女
人
36,737
-
人
35,789
-
平成22年3月31日
実数
構成比
増減率
%
△2.6
人
34,161
-
%
△4.5
17,283
%
47.0
16,838
%
47.0
△2.6
16,109
%
47.2
△4.3
19,454
%
53.0
18,951
%
53.0
△2.6
18,052
%
52.8
△4.7
区 分
実数
平成26年3月31日
構成比
増減率
総 数
(外国人住民除く)
人
33,021
男
(外国人住民除く)
15,714
女
(外国人住民除く)
-
実数
平成27年3月31日
構成比
増減率
%
△3.3
人
32,536
-
%
△1.5
%
47.6
△2.5
15,497
%
47.6
△1.4
17,307
%
52.4
△4.1
17,039
%
52.4
△1.5
参
男(外国人住民)
22
10.4
-
20
8.7
△9.1
考
女(外国人住民)
189
89.6
-
210
91.3
11.1
イ 産業別人口の推移と動向
本市の就業人口は、表1-1(3)に示すとおり、昭和 35 年以降第一次産業就業者
の激減、第二次及び第三次産業就業者の増という傾向を示しながら、総体的には減少
を続け、昭和 60 年には 19,223 人、さらに平成 22 年には 15,763 人に減少しています。
このような減少傾向は、主に農山村地域における基幹労働力の流出によるものであ
り、農業就業者の推移をみると、昭和 35 年の 70.3%から平成 22 年の 23.7%に大きく
減少しています。この間に、13,915 人が離農・離村していったものと考えられます。
第二次産業については、昭和 35 年に就業人口比率 8.0%しかなかったものが、港湾
地区における穀物貯蔵施設や配合飼料製造業及び内陸地における食肉加工場、水産物
加工場や発泡スチロール製品製造等の製造業に関する企業等の進出により、就業人口
が増加し、平成 7 年には 25.7%となりました。しかし、長引く景気低迷と労働人口の
減少により、平成 22 年には 19.7%に減少しています。
第三次産業については、昭和 35 年の就業人口比率が 21.7%であったものが、平成
2年には、第一次産業の比率を上回り、平成 22 年には 53.5%となっています。これ
は、港湾地区における運送業等の企業立地や志布志地域への大型店舗等の進出による
ものと思われます。
9
表 1-1(3) 産業別人口の動向(国勢調査)
区
分
昭和35年
昭和40年
実数
総 数
実数
人
昭和45年
増減率
人
実数
%
増減率
人
25,108 22,094 △12.0 20,779
第一次産業
%
%
70.3
64.1
第二次産業
%
%
就業人口比率
8.0
10.2
第三次産業
%
%
21.7
25.7
就業人口比率
就業人口比率
区
分
昭和60年
実数
総 数
19,223
第一次産業
就業人口比率
第二次産業
就業人口比率
第三次産業
就業人口比率
区
分
%
%
第一次産業
就業人口比率
第二次産業
就業人口比率
第三次産業
就業人口比率
-
%
%
△6.0 18,686 △10.1 19,932
6.7
-
%
%
-
%
人
-
%
-
%
人
%
-
19.8
-
%
-
36.9
平成12年
増減率
-
43.3
34.5
実数
%
%
14.3
平成7年
増減率
-
51.2
29.7
実数
%
増減率
人
9.9
-
実数
実数
平成17年
増減率
人
%
実数
増減率
人
%
△0.8 17,733
△3.5 17,269
△2.6
-
-
-
-
-
%
%
34.2
-
%
29.3
-
%
23.8
-
%
-
%
45.0
増減率
%
15,763
△8.7
-
23.7
-
19.7
-
53.5
10
%
26.7
-
25.7
42.0
人
%
人
60.4
平成22年
%
%
増減率
△3.6 18,380
39.3
%
実数
昭和55年
△3.6 18,525
20.7
実数
総 数
%
40.0
%
%
平成2年
増減率
人
-
昭和50年
%
26.4
-
24.0
-
%
49.3
%
%
-
21.6
-
%
51.9
-
(3) 行財政の状況
ア 行財政の状況
予算規模は、平成 25 年度一般会計の決算を見ると、表1-2(1)に示すとおり、
歳入総額 200 億 3,764 万円、歳出総額 195 億 1,398 万円で、平成 12 年度決算と比較
すると歳入で約 4.3%、歳出では約 5.1%の増額となっています。また、一般財源は
平成 25 年度 115 億 3,343 万円で、平成 12 年度と比較すると 0.3%の増加となってい
ます。
このようなことから、財 政 構 造 の 弾 力 性 を 判 断 す る た め の 指 標 で あ る 経 常 収
支 比 率 は 、 平 成 12 年 度 に 83.2% で あ っ た も の が 平 成 25 年 に は 88.7% に 増
加し、財政の硬直化が進行してきています。
今後、人口減少などの社会構造が大きく変化することが見込まれる中、これまで以
上に自主的、主体的な地域づくりが求められ、多様化、重層化する行財政需要に対し
的確に対応するため、市税等の自主財源の確保や国及び県の補助事業の積極的な導入、
事業内容の見直しによる整理統合など経常経費の節減や真に必要な事業の選択と集中、
持続可能かつ効率的な財源の確保と配分を行い、弾力性のある行財政基盤を確立する
必要があります。
表 1-2(1) 財政の状況
区
分
歳入総額 A
一般財源
国庫支出金
県支出金
地方債
うち 過疎債
その他
歳出総額 B
義務的経費
投資的経費
うち普通建設事業
その他
過疎対策事業費
歳入歳出差引額 C(A-B)
翌年度へ繰越すべき財源 D
実質収支 C-D
財政力指数
公債費負担比率
実質公債費比率
起債制限比率
経常収支比率
将来負担比率
地方債現在高
平成12年度
19,211,106
11,499,266
1,181,642
1,693,324
2,296,000
972,000
2,540,874
18,564,124
7,394,643
4,082,535
3,714,581
6,117,533
3,894,074
646,982
62,486
584,496
0.31
19.9
-
10.6
83.2
-
22,531,892
平成17年度
18,000,281
10,711,907
954,504
1,922,189
2,203,800
431,800
2,207,881
17,678,284
7,748,185
4,060,338
3,802,447
5,305,596
564,165
321,997
75,820
246,177
0.34
20.2
11.4
9.8
95.6
-
22,578,855
11
平成22年度
21,325,944
11,781,606
3,648,834
1,616,249
2,437,200
397,500
1,842,055
20,717,897
9,174,196
4,542,989
4,413,523
6,427,166
573,546
608,047
162,096
445,951
0.35
19.7
9.8
-
82.1
84.3
24,211,521
(単位:千円)
平成25年度
20,037,638
11,533,425
2,488,623
1,447,600
2,459,900
442,800
2,108,090
19,513,978
9,530,604
3,428,660
3,403,536
6,277,113
277,601
523,660
46,153
477,507
0.35
21.3
9.6
-
88.7
71.7
24,272,877
表 1-2(2) 主要公共施設等の整備状況
区
分
昭和45年度末
昭和55年度末
平成2年度末
平成12年度末
平成22
松
山
志
布
志
有
明
松
山
志
布
志
有
明
松
山
志
布
志
有
明
松
山
志
布
志
改良率(%)
26.8
28.4
47.5
49.9
16.8
74.7
63.2
58.8
91.1
72.4
69.4
97.1
86.6
舗装率(%)
0.2
5.3
4.5
94.0
24.4
61.1
98.5
57.6
66.5
99.8
73.0
87.6
89.0
有 年度末
明
市道
農道
延 長(m)
耕地1ha当たり農道延長(m)
670,437
21.4
99.7
98.3
82.6 112.0 123.4
83.0 110.0
92.8
79.2
91.3
88.4
―
林道
延 長(m)
62,071
林野1ha当たり林道延長(m)
1.2
27.3
1.7
0.8
5.4
2.4
1.9
5.8
1.8
6.6
水道普及率(%)
90.9
85.3
86.1
98.3
89.9
96.3
99.3
93.6
97.0
―
―
―
―
―
―
28.3
―
―
16.8
36.0
―
21.7
22.0
―
24.2
水洗化率(%)
11.0
2.9
―
99.5
98.2
99.2
―
56.2
―
79.7
22.0
―
15.0
13.4
人口千人当たり病院、
診療所の病床数(床)
区
分
平成25
年度末
市道
改良率(%)
87.1
舗装率(%)
89.8
農道
延 長(m)
耕地1ha当たり農道延長(m)
670,626
―
林道
延 長(m)
62,071
林野1ha当たり林道延長(m)
―
水道普及率(%)
99.4
水洗化率(%)
77.7
人口千人当たり病院、
診療所の病床数(床)
13.6
12
(4) 地域の自立促進の基本方針
本市は、農村地域として振興が図られてきた地域と、志布志港を中心に商業・物流地
域として振興が図られてきた地域とが一体となったものであり、それぞれの個性を尊重
し伸ばしていくため、農業地域を「ふるさと」として捉え、農産物、自然、風土、生活
様式などからくる「やすらぎ」を広く内外に提供することを将来の姿として、また、商
業・物流地域を「みなと・まち」として捉え、人の往来や物流による「にぎわい」が創
出されることを将来の姿として描き、市全体が「やすらぎ」と「にぎわい」を兼ね備え
て発展していくようなまちづくりに取り組みます。
本市の過疎対策にあたっては、「やすらぎとにぎわいの輪が協奏するまち~笑顔あふ
れるふるさと・みなと・まち~」を将来象に掲げ、「志のあふれるまち」という基本理
念を基に、美しい景観の整備、地域文化の振興等による風格ある個性豊かな地域社会の
形成、商業・物流地域としての港湾地区の整備、地域間交流と定住の促進、起業の促進、
高齢者等の保健福祉の向上及び増進、地域の自立促進の視点に立ったまちづくり、住民
が主役のまちづくり等に取り組みます。そして、地域の豊富な資源を生かし、市民の所
得向上、雇用の増大、観光客の誘引増のため、地域活性化総合特別区域及び地域再生の
事業等も活用しながら、地域のブランド化を図り本市のイメージアップにつなげ、住み
たいまち、訪れたいまちにするための方策を展開します。
過疎地域自立促進特別事業については、地域医療の確保、住民に身近な生活交通の確
保、自治会の維持及び活性化につながるような事業を展開し、誰もが健康で安心して暮
らすことのできる地域社会の実現を図ります。
地方創生による取組についても総合戦略に掲げる基本目標に沿ったプロジェクトを推
進し、人口減少と地域経済縮小の克服、まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立を目
指します。
また、この計画の策定に当たっては、地域住民の意向が反映できるよう、まちづくり
委員会等において、積極的に意見を聴きながら、住民参画に基づくものとします。
ア 都市基盤・・・新市の核づくりと周辺部とのネットワーク形成
3町が合併したことにより、集中的な投資が可能となり、市全域の均衡ある発展を
念頭に入れた社会基盤整備に努めることが重要です。
そこで、志布志港及び志布志駅等の交通拠点や各地域の市街地など住民生活や産業
活動を支える拠点の整備充実を図り、新たなまちづくりに向けた核づくりを進めます。
一方で、旧町間を結ぶ基幹道路や生活道路、高度情報通信(ICT)社会に対応した情報
通信網をきめ細かく整備することにより、中心部と周辺部の格差がなく、周辺部に住
んでいても、不便さを感じることがないようなまちづくりを進めます。
イ 生活環境・・・自然や風土と共生する豊かな生活空間づくり
海岸線をはじめとする豊かな自然環境や田園風景は、本市の貴重な財産であり、こ
うした地域資源を生かし、都市にはない魅力ある地域づくりを進めることが必要です。
13
そこで、海岸線の保全やごみ排出量の削減、ごみの再資源化、排水対策の強化など、
自然環境の保護及び保全に向けた取組を総合的に進めます。
同時に、自然と共生する住宅・公園づくりや自然の持つ可能性を生かした新エネル
ギーの導入など、平成 22 年3月に策定した志布志市環境基本計画に沿って、自然を資
源として効果的に活用したまちづくりを進め、地域の豊かさを住民が実感できる生活
空間の整備を進めます。
公営住宅、スポーツ施設、公共施設などの土地の有効・高度利用と既存施設の有効
活用を図りながら、良好な住環境の整備に努めます。
さらに、水の安定確保や防災対策など、安全で安心できるまちづくりを進めます。
ウ 産業経済・・・地域の風土に根ざした付加価値の高い産業群の育成
本市の産業振興は、基幹産業である農業を中心に、合併したことによるスケールメ
リットを効果的かつ最大限に生かすと同時に、充実する交通基盤などの本市の持つ優
位性を生かした産業振興策に取り組むことが必要です。
そこで、農林水産業については、生産基盤の整備や支援体制の強化、産地の広域化
などに取り組むとともに、交通基盤を生かした流通・物流の改革を進め、産地体制の
強化を図ります。また、志布志港や都城志布志道路等の発展する交通基盤を効果的に
活用し、自然、歴史、文化、農林水産資源を組み合わせた体験・交流型の観光を推進
するとともに、地域の商工業の振興や新たな産業の立地促進を図るなど、農業を中心
に地域の風土に根ざした付加価値の高い産業群を育成します。
エ 保健・医療・福祉・・・地域に密着した質の高いサービスの提供
本格的な高齢化社会を迎えている中で、保健・医療・福祉に対する需要はますます
増大していくことが予想され、合併したことによる規模拡大の効果を生かし、専門的
な事業体制を構築することにより適切な対応を図っていくことが必要です。
そこで、サービス水準は高いレベルで維持し、住民に多様なサービスを提供できる
体制を整備するとともに、人員体制の充実や関連施設の整備と併せ、健康づくりや高
齢者福祉等の推進組織を育成し、地域に密着した効果的な事業を展開します。また、
少子化対策についても、保育所等の関係機関を中心に、地域や企業と一体となった支
援を行います。
オ 教育・文化・・・伝統と文化を尊重する個性ある教育の推進
少子高齢化により、地域の伝統及び文化の継承や小・中学校の複式学級等が懸念さ
れていることから、学校規模の適正化及び適正配置を踏まえた教育文化の振興が必要
です。
そこで、地域の伝統や文化については、継承活動に対する支援をこれまで以上に充
実するとともに、生涯学習の視点に立って、学校教育や社会教育を通じて地域の歴史
と文化を大切にする学習を実践し、本市の伝統及び文化としての継承を進めます。ま
た、学校施設や生涯学習の拠点施設については、地域バランスを考慮しながら充実さ
14
せるとともに、特に小規模校については、学校間交流の促進や個別指導の充実を図り
ます。
カ コミュニティ・・・住民が主役となる協働の仕組みづくり
行政区域が広域となったことにより、これまで以上に住民が主体的なまちづくりに
参画する仕組みづくりが必要で、なかでも住民自治をこれまで以上に強化することは
重要な課題です。
そこで、地区(校区)を基礎的な単位として、住民自らが考え、行動する自治体制
を構築するとともに、こうした自治活動を側面から支える支援策を充実します。併せ
て、計画から事業実施まで幅広くまちづくりに参画できる仕組みづくりを進めます。
さらに、NPO法人や各種団体等については、それぞれの組織の意見を十分に踏まえ
ながら、活動しやすい体制づくりを進めます。
キ 行財政・・・地方分権時代に対応した足腰の強い行財政基盤づくり
合併の大きな効果として行財政改革の推進が期待されており、本市でも住民サービ
スの水準を維持しながら、地方分権時代に対応できる行政体制と足腰の強い財政基盤
をつくりあげることが必要です。
そこで、管理部門を中心に行政組織の合理化を進める一方で、住民に直接サービス
する部門の充実を図ります。同時に、電子自治体の実現や住民サービス拠点の拡大な
ど情報通信技術等を活用することにより、行政の効率化と住民の利便性向上を両立で
きる体制づくりを進めます。また、事業の実施にあたっては、民間活力や様々な事業
方式を導入するとともに、行政評価を実施するなど、効率的かつ効果的に事業を推進
し、健全な財政運営に努めます。
(5) 計画期間
計画期間は、平成 28 年4月1日から平成 33 年3月 31 日までの5箇年間とする。
15
2
産業の振興
(1) 現況と問題点
ア 産業振興の方針
本市は、国の重要港湾である、志布志港を持ち南九州の物流拠点都市であります。
これまで工業団地の整備と企業誘致により、港湾地域において、穀物貯蔵施設や配合
飼料製造業、運輸業、内陸地には縫製工場や食肉製造業、水産加工業などが進出して
いますが、雇用機会や快適な住環境の未整備による若年層の流出が課題となっていま
す。
企業誘致の取組としては、鹿児島県や関係機関と連携し、企業の情報収集活動に努
め、トップセールス、セミナーの開催その他様々な手法により誘致活動を行っていま
す。
また、企業の求めるインフラの整備促進や地元企業及び進出企業の増設等への支援
を行っていますが、新たな産業おこしへの支援等が必要になっています。
イ 農林水産業の振興
本市の産業振興は、基幹産業である農林水産業を中心に、恵まれた地域資源を活用
した産業振興と安心・安全な高品質農畜産物の生産実現に取り組むことが必要です。
(ア) 農業
本市では、温暖な気候と広大な農地を活用し、施設園芸、露地野菜及び茶を重
点品目に定め生産の振興に努めていますが、輸入野菜の増加による市場価格の低
迷、農業者の高齢化に伴う耕作放棄地の増加、農業後継者の減少などから生産の
停滞が懸念されます。農家数も年々減少し、平成2年に 4,367 戸あったものが、
平成 22 年には 2,657 戸となり、約 39%の減少となっています。
しかし、一方では、土地の集約や高性能機械の導入により規模拡大を進め、経
営の効率化を図っている経営体も現れています。
本市では、生産コストの低減や農業経営の効率化を図るため、国及び県の各種
助成制度を活用し、共同利用施設の導入を推進しています。
また、畑地かんがいについては、曽於東部地区で平成 24 年度に県営事業が完了
し、曽於南部地区においても県営事業の早期完了を目指し取り組んでおり、今後、
計画的な水利用による生産性向上や省力化が図られ、畑かん受益農家の経営向上
が期待されています。
16
表2
専兼別農家数
総農家
自給的
販売農
農家
家
兼
業
専業
第1種
世帯主農業主
第2種
世帯主農業主
平成2年
4,367
639
3,728
1,610
977
781
1,141
161
平成7年
3,833
683
3,150
1,354
712
576
1,084
124
平成 12 年
3,497
801
2,696
1,299
552
468
845
142
平成 17 年
3,148
811
2,337
1,282
446
385
609
93
平成 22 年
2,657
882
2,337
1,775
244
-
394
-
資料:農林業センサス
(イ) 畜産
本市の畜産経営は、小規模経営や複合経営が多く、また、農業後継者不足と農
業従事者の高齢化等により飼養戸数は年々減少しており、飼養頭数においても規
模拡大する農家もありますが年々減少しています。
肉用牛の振興については、飼料コストの上昇、口蹄疫などの疾病対策、輸入畜
産物との競争激化や畜産環境問題、TPPなどにより、将来に対する不透明感か
ら後継者不足となり、畜産農家の衰退が懸念されますが、繁殖や肥育の規模拡大
計画があり期待されるところです。
酪農経営については、生産者乳価は維持をしているものの、飼料コストの上昇
等により少頭飼育経営では生産コストの低減に限界があり、また、低コスト化の
ための粗飼料生産に係る労力が必要になり、十分な飼養管理が困難なことから、
繁殖率の低下等による産乳能力への影響が危惧されています。さらに新規参入と
なると莫大な設備投資が必要であり、容易に参入できない状況となっており、年々
飼養戸数、飼養頭数とも減少傾向にあります。
養豚、ブロイラーについては、農場新設に対し、混住化の進展により地域住民
の理解が得られない現状となっており、年々飼養戸数、飼養頭数とも減少傾向に
あります。
家畜防疫については、平成 22 年4月に宮崎県で発生した口蹄疫や平成 26 年度
国内で発生した鳥インフルエンザ並びに豚流行性下痢(PED)により、防疫に
対する意識は向上しておりますが、引き続き啓発を行い侵入防止を図ります。ま
た、近年、消費者の食の安心と安全に対する関心が高まる中、国内外における鳥
インフルエンザ等の発生により畜産物価格や消費動向が変動し、畜産を取り巻く
環境は大変厳しくなっています。このため、より一層の家畜防疫対策強化が必要
となります。
17
(ウ) 林業
林業を取り巻く環境は、戦後植栽した森林が伐期を迎え、志布志港では中国、
韓国へ木材輸出が増加し、木質バイオ施設原材料への供給可能量が増大している
にもかかわらず、木材価格の低迷や森林所有者の高齢化、林業生産コスト高、不
在村化等に伴う放置林の増加により非常に厳しい現状が続いています。
また、雑木林の改良、間伐等保育の推進や作業路の整備を進めているものの、
労働力不足等により除伐が不十分であり、今後、森林施業の集約化や施業委託な
ど、効率的かつ計画的な林業経営を引き続き図る必要があります。
そのような中、特用林産の奨励作目であるサカキやシキミ等は、全国的に安定
して需要があり、高い所得が見込まれる作物として期待されています。
(エ) 水産業
本市の漁業は、漁船漁業を主とした沿岸漁業が展開されていますが、漁業者の
高齢化、後継者不足、水揚量の減少、魚価の低迷など多くの課題を抱えており、
漁業従事者は、ピーク時の5分の2まで減少しており、様々な課題が影響してい
るものと思われます。
これまで水産資源の増殖や確保による水揚量の増加を図るため、海面において
は、ヒラメやマダイ等の放流を継続的に実施してきましたが、放流効果の確認、
水揚状況の検証が課題となっています。育てて捕獲する取組へシフトし、安定的
な漁獲量を確保するため、漁協等や水産研究施設等との新たな水産物の取組に向
けた連携が必要となっています。
内水面における稚鮎の放流については、水産資源増殖と合わせ、子ども達が川
や魚と自然にふれあう機会の創出を実施しています。
また、養鰻業については、シラスの採捕量の減少及び国際的資源確保・管理に
係る池入れ制限を行う検討が進められているなど、今後、安定的な養殖が難しく
なることも踏まえ、稚魚確保に向けた研究取組みに期待が高まっており、今後の
研究成果が注目されるところです。
生産基盤の整備については、漁協施設の老朽化等に伴う機能診断、更新を実施
し、施設利用者である漁業者への影響が出ないよう、また漁業者が減少傾向にあ
る中、後継者育成にも取り組む必要があります。
一定の整備を終えた夏井漁港については、整備後の漁港機能の現状を検証する
とともに、漁港施設の長寿命化を図るため、機能保全に努めています。
ウ 地場産業の振興
本市では、志布志湾で水揚げされる新鮮な魚介類を加工したチリメンジャコやさつ
ま揚げ等の水産加工品を代表として、焼酎、お茶、養殖ウナギ、食肉製品は、地元の
農林水産業と結びつき、雇用や所得の面で、過疎地域の経済を支える重要な役割を果
たしています。また、地場産業の振興を図るため、臨海工業団地を整備し、進出企業
18
等の立地促進を図っています。
関西や関東、海外での物産展を通じて、地場産品の販路拡大を図っています。また、
地産地消の推進を図るため、市内の特産品である牛肉、黒豚、はも等を学校給食の材
料に提供しています。地場産業の健全な育成のためにも、志布志ブランドの構築と農・
商・工連携による特産品の開発が必要です。
エ 企業の誘致対策
企業誘致については、志布志港湾部に飼料工場等が集積し、背後地には、水産加工
場、食肉処理工場等が進出しています。
企業誘致アドバイス事業として、専門家による企業誘致関連の情報収集や都市部の
会社動向の調査を行います。また、本市の特長である第1次産業を生かした農産加工
業や、新エネルギー産業を担う企業及び部材等業種の誘致を積極的に推進し、志布志
港の活用につなげていく必要があります。
オ 起業の促進
企業の立地を促進し、産業の振興及び安定的な雇用機会の拡大を図るため、企業立
地促進補助金等の支援策を講じています。長引く景気低迷の中で、起業への意欲が停
滞しており、時代に対応した業種の育成が必要です。
中小企業者として事業を開始しようとする場合については、県の窓口の紹介や融資
制度等の情報提供を行い、起業家の育成に努めています。
カ 商業の振興
平成 24 年に実施された商業統計調査によると商業関係の事業所数が 315 事業所で平
成 19 年(450 事業所)に比較し、30.0%の減少となっています。また、商品販売額に
ついても平成 19 年に 46,960 百万円あったものが、平成 24 年には 35,249 百万円とな
り、24.9%の減少となっています。
本市の既存商店街は、大規模小売店の立地等と相まって空洞化が進み、商店街の在
り方についても大きな変革が求められています。消費者ニーズの把握に努め、商店街
独自の方策や空き店舗を活用した新たな取組に向けて関係機関及び団体と一丸となっ
て取り組む必要があります。
本市では、観光特産品協会を中心に、海産物や農畜産物、特産品などを県内外の観
光キャンペーンや空港、観光物産展等に出品・販売し、特産品のPRに努めています。
長引く景気低迷により消費は冷え込み、地元商店の経営も厳しさを増しています。
緊急経済対策として、市独自でプレミアム商品券発行事業及び地域振興券発行事業等
に取り組み、市民の購買意欲を高め、市内での消費を刺激し、地元商店街の活性化を
図ってきました。この厳しい経済状況を乗り越え、地元商店街が希望を持てる事業の
展開が必要です。
キ 観光の振興
本市の観光産業は、ダグリ公園一帯に、国民宿舎、海水浴場、ダグリ岬遊園地を整
19
備しており、総合的な観光レクリエーション施設として、観光の拠点を形成していま
す。自然と歴史を生かした体験する観光のまちをつくるため、観光の拠点を整備し、
観光客の利便性の向上を図る必要があります。
志布志港の周辺には、スポーツ施設が複数あり、志布志港新若浜地区にも、サッカ
ー場が3面とれる多目的広場が整備され、スポーツ合宿の誘致や市民の憩いの場とし
て活用されています。
また、内陸部には開田や畑、丘陵などと調和した美しい田園風景、山間部には、森
林浴などの癒し効果が期待できる山里が残っており、近年の自然・本物体験志向に対
応できる素材として、やっちくふるさと村や農業歴史資料館などを利用した体験型観
光や滞在型観光を推進する必要があります。
しかし、フェリーさんふらわあを利用して志布志港に到着されても立ち寄り型の傾
向が強く、日南、宮崎方面や、霧島、指宿方面への観光客の流出が多いため、他地域
と連携した広域的な観光ルートの形成を図るなど、いかに本市に長期滞在させるかが
課題となっています。
ク 港湾の振興
志布志港の平成 25 年貨物取扱量は、全体で 10,496 千トン、内訳は、内貿貨物が 6,826
千トンで、外貿貨物が 3,670 トンです。
志布志港の内貿貨物のほとんどが志布志・大阪航路による輸送であることから、志
布志・大阪航路のさらなる利用促進に努める必要があります。
また、外貿貨物取扱量は、その後背地に日本有数の畜産地帯を有していることから、
その約半分が畜産用配合飼料主原料であるトウモロコシの輸入となっており、その大
量一括輸送による安価かつ安定的な輸送を継続的に行うため、志布志港は平成 23 年5
月に『国際バルク戦略港湾(穀物)』として選定されました。
平成 25 年外貿コンテナ貨物取扱量は、全体で 87,183TEU、内訳は、輸入が 43,573TEU、
輸出が 43,610TEU で、輸出のうち実入りは 16,754TEU となっていることから、輸出貨
物の確保が重要な課題となっています。
国の重要港湾である志布志港は、平成5年に改訂された「志布志港港湾計画」に基
づき順次整備が進められており、平成9年度から整備が進められてきました「新若浜
地区多目的国際ターミナル」の一部「新若浜地区国際コンテナターミナル」が、平成
21 年3月 28 日に供用開始されました。
志布志港の外貿コンテナ定期航路は、台湾航路が週2便、中国航路が週2便、韓国
航路が週6便就航、国際フィーダー航路(神戸)が週3便と南九州地域の各港と比較
して非常に充実していることから、その利便性を最大限に生かし、今後のコンテナ貨
物取扱量の増加次第で、その2期工事の着工が期待されています。
志布志港の国内定期航路は、大阪・志布志間が毎日、東京・志布志・沖縄航路が週
に3便、志布志・中城航路が週に1便就航しています。
20
また、物流の効率化には欠かせない、高速道路及び地域高規格道路の整備について
は、その建設促進に取り組んでいますが、整備は順調とは言えない状況です。
(2) その対策
ア 産業振興の方針
市の発展には、志布志港を核とした施策が欠かせません。新若浜地区の一部供用が
始まり、新埠頭においては、5万トン級のコンテナ船が入港可能となり、コンテナ蔵
置能力は 20 フィートコンテナ換算で年間 12 万 TEU となっています。また、現在の利
用量は 8.7 万 TEU を超えており、10 万 TEU に近づけることにより、2期工事着手への
弾みとなります。
本市は、茶、ピーマン、イチゴなどの農産物、シラス、ハモ、ウナギなどの水産物、
和牛、豚、鶏等の畜産物、サカキ、シキミ等の特用林産物など豊富な地域資源を有効
活用し「本物づくり」を行うために、官民連携のもと地場商材を全国へ情報発信でき
るような取組を実施していきます。
また、安心・安全な食料の供給地としての確立を図るため、通信ネットワークを整
備し、気象情報の活用や、消費者へのカメラによる農作物生育状況等の情報発信を行
います。
まちの活性化や経済が豊かになる取り組みとして、観光入込客 120 万人を目指し、
本市の特産品を始めとする「食」の掘起こしや開発の推進、グリーンツーリズム等の
体験型観光の取り組みを積極的に展開します。
イ 農林水産業の振興
農林水産業については、生産基盤の整備や支援体制の強化、産地の広域化などに取
り組むとともに、交通基盤を生かした流通・物流の改革を促進し、産地体制の強化を
図ります。また、整備が進められている志布志港や都城志布志道路等の交通基盤を効
果的に活用し、自然、歴史、文化、農林水産資源を組み合わせた体験・交流型の観光
を推進するとともに、地域の風土に根ざした付加価値の高い農林水産業を育成します。
そのために、まずは、安心・安全、環境、循環、有機をキーワードに、本市にある多
くの資源と可能性を伸ばし、様々な日本一、本物を作り上げていき、地域ブランド化
を進めていきます。
(ア) 農業
園芸については、台風に強い被覆施設の導入や暖房機等の付帯施設の整備など
により生産の安定を図るとともに、国及び県の助成制度を積極的に活用し、畑か
んを生かした営農推進により生産の振興を図ります。
露地野菜については、農地の集積を支援し一層の規模拡大を推進するとともに、
高性能作業機械の導入を推進し、コスト低減を図りながら経営効率を高めます。
茶については、土地の集積を進めながら優良品種への改植に努めます。また、
21
国及び県の助成制度を活用しながら防霜施設を整備し、安定した高品質茶の生産
に努めます。さらに、国及び県の補助要件に合わないものについては単独事業で
補完していきます。
農業者の所得向上を図るため、販路開拓と六次産業化の取組を強化し、生産過
程においては、IPM(総合的病害虫・雑草管理)による減農薬の取組を推進し
ます。
農業者の育成については、新規就農者の受入れ体制の拡充を図り、効率的かつ
安定的な経営の実現を目指す担い手を育成し、地域の活性化及び定住化を促進し
ます。
また、地域農業の持続的な発展を図るために、集落営農への参加促進や農作業
受託組織による効率的な受委託の仕組みの構築により、それらの組織化・法人化
を推進します。
農地については、優良農地を確保するとともに、農地の効率的な利用を図るた
め、農地中間管理事業や農地のあっせん活動等により担い手への農地の集積・集
約化の取組を推進します。
農業公社の研修事業については、今後も維持・拡充を図りながら、併せてハウ
ス建設地の集約化や農村部における住宅不足、排水などの諸問題について、関係
機関及び団体と連携を図りながらその対策に努めます。
また、農業に従事する女性が主体的に農業経営に関わり、政策や方針決定の過
程に参画できる環境づくりと能力を発揮できる場の確保に努め、ファーマーズ女
子会等を開催し、女性リーダーの育成を図ります。
地産地消については、平成 27 年3月に策定した志布志市食育推進計画に基づき
地元産の食材利用を高め、健康と環境に配慮した安心・安全な農産物の生産を推
進します。
(イ) 畜産
肉用牛の振興については、優良牛の種畜確保に努めるとともに、パドック式牛
舎、簡易牛舎、堆肥舎、牛舎改造等の設置補助を行い、環境保全や省力化、多頭
化経営及び後継者育成を推進します。併せて、繁殖や肥育等の多頭化へ向けた取
組を推進し、肉用牛経営基盤強化を図ります。また、平成 29 年に宮城県で実施さ
れる全国和牛能力共進会への取組も実施します。
酪農の振興については、優良牛の種畜確保に努めるとともに、性判別精液の利
用による後継牛の確保に努め、生産性の向上を図ります。
養豚・ブロイラー等の振興については、環境対策に係る施設管理の適正化を図
り、地域住民の理解を得られる養豚・ブロイラー農家等の育成に努めます。
環境衛生対策については、家畜排せつ物法に基づく施設の整備を進め、適正な
家畜排せつ物処理が行われるよう、関係機関と連携を取りながら調査及び指導を
22
行います。
防疫対策については、平成 22 年4月に宮崎県で発生した口蹄疫や平成 26 年度
に国内で発生した鳥インフルエンザや豚流行性下痢(PED)を教訓に、迅速な
情報把握・提供、人員派遣、資材の提供ができるような体制づくりを行っていき
ます。また、飼養衛生管理基準の遵守等による日常の防疫対策強化や疾病防止の
徹底を図ります。
本市のブランド化に向けた畜産物の取組については、肉用牛の生産から肥育、
食肉加工、流通までの過程を一貫して取り組める基盤があることから、日本一の
和牛生産・日本一の肥育牛産地を目指し、畜産農家と食肉加工等の関連産業とタ
イアップした地域内一貫生産システムの構築により、安心・安全で高品質な畜産
物のブランドづくりに努めます。
(ウ) 林業
森林所有者はもとより県や森林組合等と連携し、施業の集約化を推進しながら、
作業路及び集材路等の整備や間伐調査員の指導及び協力を得ながら除間伐を推進
するとともに、地元産材の利用促進(地材地建)に努め、放置林や伐採跡地の整
備についても再造林へ向けた取組を推進するとともに、新たな雇用の創出、森林
保全も含めた林業の発展と振興を図ります。
また、防砂林、緩衝緑地としての機能を持つ松の維持管理について、継続的に
松くい虫被害防止のための防除事業を実施します。
さらに、緑の基金等を活用した緑化を推進し、新たな地域活動への参画を促す
など地球環境の保全、国土保全や保健休養の場、水源のかん養など森林の持つ様々
な多面的機能の充実、森林保全に対する意識の高揚を図ります。
特用林産物の枝物について、補助事業等を活用した植栽の推進を図りながら、
面積を拡大し、生産者と連携した担い手の育成、新たな市場を開拓するなど、継
続した取組みを推進しながら、量産化、ブランド化を拡大します。
(エ) 水産業
本市の漁業が抱える課題は、水産業全般に共通する課題であると思われます。
そのような現状を踏まえ、本市漁業の実情に合った漁協施設の整備等による生産
基盤の充実に加え、イベントの開催等によるハモや地元産水産物の販売促進等に
努めます。
さらに、ハモの志布志湾産ブランドを市内外へ漁協と一体となった取組を継続
し、多様化する消費者のニーズに合わせた販売品目の拡充等にも取り組みます。
放流事業については、これまで継続的に実施してきた魚種の水揚量の動向等を
検証することで放流効果の確認を行います。
内水面漁業の振興については、内水面漁協等への支援を継続していくとともに、
環境関連協議会等での協議を踏まえ、養鰻業の振興に努めます。
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夏井漁港の整備については、既存施設の機能維持や施設の長寿命化を図るため
の保全事業に努めるとともに、漁協や漁業者の要望等を踏まえながら良好な漁場
の造成を推進します。
ウ 地場産業の振興
地域の豊富な資源を生かし、市民、関係団体、行政の協働による地域ブランドの創
生を目指します。
安心・安全、環境、循環、有機をキーワードに、地域にある素材を生かして、生産、
加工、流通、販売が一体となり、様々な日本一や本物を作り上げます。そして、ブラ
ンド化の確立を図るとともに、ふるさと納税を活用した地元特産品の掘り起こしとP
Rを積極的に展開し、全国的な情報発信に努めます。
エ 企業の誘致対策
工業団地の分譲や企業立地を促進するため、企業立地優遇制度を拡充検討し、企業
立地動向の把握や企業訪問、企業誘致セミナーなど誘致活動を展開します。今後成長
が期待される新エネルギー産業を担う部材関連企業や、農畜林水産など地域の資源を
生かした食品製造業や食品関連企業の立地促進及び地場産業の振興に努め、新たな雇
用の創出につながるようにします。
志布志港を生かした産業の創出のため、国内外におけるポートセールス活動の展開
や、船社や荷主企業へのPR活動などによる国際及び国内定期航路の拡充及び強化を
図ります。また、コンテナ貨物の取扱量の増加を図りながら、輸出入バランスの均衡
を図るため、輸出型企業に対する積極的な誘致活動を展開します。
オ 起業の促進
起業の促進については、地場企業の育成、農商工連携、港湾の活用を推進し、併せ
て企業の立地に対する支援策を講じます。
カ 商業の振興
商店街の活性化及び魅力ある店舗づくりを進めるために、商工会が実施する商工業
振興対策事業、小規模事業経営改善普及事業、消費流入促進事業等商店街活性化対策
事業、農商工連携事業等についても引き続き支援します。
各地区の商店については、商工会と連携して指導・支援体制の強化を図り、各店舗
ごとのニーズに合った経営の安定・強化に努めます。
キ 観光の振興
フェリーさんふらわあ新船の運用開始により関西の商圏まで含めた交流人口の増加
が見込まれることから、その効果を最大限に生かし、市外からの誘客を図ります。
本市の美しい自然や多くの恵まれた歴史資源を活用した観光地づくりと、歴史等を
散策する「まちあるき」観光の拠点を設置し、観光客の利便性を図ることやダグリ岬
海水浴場を中心としたダグリ岬公園周辺の整備を実施し、豊富な海洋性動植物やマリ
ンスポーツを通しての体験型観光の拠点として活用します。
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観光・物産における総合的な案内及び情報発信や観光客を迎える施設にふさわしい
「おもてなしの玄関口」として、JR志布志駅をまちの顔になるような新しい駅とし
て整備することとしており、この施設を中心として総合観光案内所の更なる充実を図
るとともに、それを起点とした「まちあるき」をすすめ、市内の各所に設置したまち
かど案内所を活用し、市民ぐるみで観光客をもてなす気風を高め、「おもてなし」日
本一のまちづくりを進めます。また、観光特産品協会と連携し観光パンフレットやイ
ンターネットによる情報提供の充実を図ります。
今後は、大隅地域における観光ルートの開発に加え、日南海岸及び薩摩半島など他
地域との連携による広域的な観光ルートの確立に取り組み、南九州の玄関口としての
観光拠点づくりに努めます。
また、豊かな自然と食を生かした取組として、うまいものグルメ通りを開設し、志
布志の名物づくりに努めます。
やっちく松山藩秋の陣まつりやお釈迦まつり、ふるさとまつり、スポーツイベント
等の県内外から人が訪れるための独自のイベントの定着を図るとともに、ボルベリア
ダグリ、蓬の郷民宿村など、観光客はもとより地域住民も魅力を感じることができる
施設づくりに努め、観光入込客 120 万人の達成を目指します。
ク 港湾の振興
内貿貨物については、志布志・大阪航路及び東京・志布志・沖縄航路の利便性及び
モーダルシフトによる環境負荷軽減を PR します。
また、外貿バルク貨物については、その根幹である畜産業の振興と合わせて、その
利用促進に努め、コンテナ貨物については、平成 22 年度から創設した補助制度を活用
し、その利用促進に努めます。
そのために、県と合同で行う志布志港ポートセミナーの開催や、荷主、船会社等へ
の訪問活動を積極的に行います。
志布志港のさらなる利便性の向上のため、新若浜地区多目的国際ターミナル第2期
工事の早期着工に向け、関係機関・団体と連携を図り、その利用促進に努めるととも
に、外貿コンテナ定期航路の拡充に努めます。
また、『国際バルク戦略港湾(穀物)』の早期実現に向け、関係機関・団体と連携
を図り、その整備促進に努めます。
さらに、物流の効率化を図る上で必要不可欠な高規格幹線道路及び地域高規格道路
の整備促進に取り組みます。
25
(3)計 画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
事業主体
1 産業の振興 ⑴ 基盤整備
農業
県営ため池整備事業(菖蒲田地区) L=75m
県
県営基盤整備事業(経営体育成型)野井倉南部地区
区画整理170ha
県
県営基盤整備事業(経営体育成型)上門地区負担金
区画整理32.4ha 用水路1,270m
県
土地改良施設新規採択計画策定事業 区画整理(蓬原中野地
区)
県
県営中山間地域総合整備事業(志布志地区)負担金
暗渠排水3.6ha 用排水路L=10,100m 区画整理47.8ha
県
県営農地保全整備事業(農地侵食防止事業) (泰野地区)
L=10,000m
県
農用水資源開発調査事業 志布志地区
県
県営通作条件整備(有明地区)
高欄工L=367m 改良舗装L=2,000m
県
県営事業計画書作成事業
経営体育成基盤整備事業(野井倉南部地区) A=100.0ha
市
大隅中央区域農用地総合整備事業償還金
市
団体営中山間地域総合整備事業 (有明地区)
用排水路L=1,250m 区画整理10.9ha
市
農山漁村活性化プロジェクト 肆部合地区
市
区画整理17.7ha
県営通作条件整備(有明地区)点検診断
県
多面的機能支払交付金 (伊﨑田鍋ふるさとを守る会)
A= 56.7ha
市
多面的機能支払交付金(宮塩環境保全会)
A= 17.4ha
市
多面的機能支払交付金(潤ヶ野地区環境保全協議会)
A=139.2ha
市
多面的機能支払交付金(大野原環境保全協議会)
A= 107.9ha
市
多面的機能支払交付金(水土里サークルてのもんそ会)
A= 46.4ha
市
多面的機能支払交付金(八野地区環境保全協議会)
A= 92.0ha
市
多面的機能支払交付金(野井倉下段地区環境保全協議会)
A= 53.0ha
市
26
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
事業主体
多面的機能支払交付金(野井倉南部保全協議会)
A=158.4ha
市
多面的機能支払交付金(立本環境保全協議会)
A= 86.2ha
市
多面的機能支払交付金(梅崎環境保全会)
A= 9.0ha
市
多面的機能支払交付金(竹ヶ山地区環境保全会)
A= 3.5ha
市
多面的機能支払交付金(東谷環境保存会)
A= 5.7ha
市
多面的機能支払交付金(牧野保全組合)
A= 16.2ha
市
多面的機能支払交付金(安楽地区水土里保全協議会)
A= 51.6ha
市
多面的機能支払交付金(早稲田地区環境保全協議会)
A= 18.7ha
市
多面的機能支払交付金(八反田地区環境保全協議会)
A= 5.0ha
市
多面的機能支払交付金(宮下地区環境保全協議会)
A= 15.0ha
市
多面的機能支払交付金(中須・荷返地区)
A= 62.0ha
市
多面的機能支払交付金(香野田地区)
A= 20.0ha
市
多面的機能支払交付金(曽於市負担金)
(ミドリネット上荒活動協議会A=7.6ha分)
市
農業・農村活性化推進施設等整備事業(かんがい排水)
原田西下地区L=120m W=0.6m
市
農業・農村活性化推進施設等整備事業(区画整理)
尾野見和田地区 A=1.1ha
市
農業基盤整備促進整備事業(パイプライン)
桃木地区L=1,200m φ75~250mm
市
農業基盤整備促進整備事業(暗渠排水) 松山地区
A=1.6ha
市
市単独土地改良事業(県営事業附帯工) 中山間志布志地区
市
市単独土地改良事業農(団体営事業附帯工) 中山間有明地
区
市
活動火山周辺地域防災営農対策事業
(摘採機能付除去機)
アグリコミュニティ事業
27
農業団体
市
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
活動火山周辺地域防災営農対策事業 (被覆施設)
農業団体
活動火山周辺地域防災営農対策事業 (野菜洗浄機)
農業団体
環境にやさしい農業推進事業
(環境保全型農業直接支払交付金)
市
環境負荷低減・先進的技術導入支援事業
市
基幹水利施設管理事業負担金 曽於東部
市
基幹水利施設管理事業負担金 曽於南部
市
経営体育成促進事業(土地利用調整推進事業)
(曽於南部・第三曽於南部)
市
県営畑地帯総合整備事業償還金
⑵ 漁港施設
土地改良区
県営畑地帯総合整備事業負担金
(曽於南部・第三曽於南部・第四曽於南部地区)
県
土地改良区運営費補助事業 曽於東部
市
土地改良区運営費補助事業 曽於南部
市
よみがえる農地復元対策事業
林業
事業主体
事業者
活動火山周辺地域防災林業対策事業
降灰洗浄散水施設 5台
生産組合
かごしまの特用林産物総合対策事業
ハンマーナイフモア10台
生産組合
森のめぐみの産地づくり事業 結束機5台
生産組合
森林整備地域活動支援交付金事業 7,350ha
森林組合
森林病害虫等防除事業 樹幹注入 270本
市
森林病害虫等防除事業 松くい虫特別防除 地上作業 150ha
市
森林病害虫等防除事業 松くい虫防除 地上散布 36ha
市
森林病害虫等防除事業 松くい虫防除 伐倒駆除 300㎥
市
漁港漁場施設整備事業
市
28
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
事業主体
⑶ 経営近代化施設
農業
水産業
農業公社事業負担金
公社
農業生産対策事業
農業団体
農業・農村活性化推進施設等整備事業
農業団体
茶産地パワ-アップ条件整備事業
農業団体
茶生産基盤強化対策事業
農業団体
家畜指導センター改修工事
市
畜産施設整備支援事業
市
活動火山周辺地域防災営農対策事業
生産組合
資源リサイクル畜産環境整備事業
県地域
振興公社
畜産基盤再編総合整備事業
県地域
振興公社
志布志漁協施設整備補助事業
市
志布志市特産品活用学校給食補助事業
市
企業誘致関連事業
市
企業立地補助事業
市
志布志市工業団地開発事業
市
緊急商工業資金利子補給金交付事業
市
商工業振興対策事業
市
小規模事業経営改善普及事業
市
⑷ 地場産業の振興
加工施設
⑸ 企業誘致
⑺ 商業
その他
29
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
⑻ 観光又はレクリ
エーション
⑽ その他
事 業 内 容
事業主体
グルメ普及推進事業
市
消費流入促進事業
市
店舗リフォーム助成事業
市
志布志まちづくり公社振興対策事業
市
販路拡大支援事業
市
志布志港新若浜地区国際コンテナターミナル利用促進事業補
助事業
市
ダグリ岬公園周辺整備事業
市
JR志布志駅舎整備事業
市
スポーツ合宿誘致事業
市
スポーツ団体等誘致奨励金事業
市
志布志の魅力大キャンペーン事業
市
観光物産振興事業
市
総合観光案内事業
市
志布志港港湾改修事業負担金(重要港湾改修事業)
県
農業振興資金等利子補給事業
市
農業制度資金利子助成事業
市
新規就農総合支援事業
市
農地集積協力金事業
市
機構集積協力金事業
市
農林水産物販路開拓促進事業
市
新規就農支援事業
市
30
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
ツーリズム推進事業
事業主体
市
あおぞら農協予冷貯蔵庫整備事業
農業団体
農業公社研修ハウス整備事業
農業団体
野菜価格安定対策事業
茶業振興事業 出品茶事業
茶機能実証事業
協議会
茶研究会
協議会
茶輸出支援対策事業
農業団体
茶業経営安定緊急対策事業
市
農業制度資金利子助成事業(畜産関係制度資金)
市
高齢者等畜産奨励金事業
市
肥育経営支援対策事業
市
畜産振興協議会事業
市
肉用繁殖雌牛導入事業貸付金
乳用牛導入事業貸付金
農協
酪農組合
高品質生産対策事業
市
志の牛肉ブランド促進事業
市
畜産共進会等謝礼事業
市
全共出品強化対策事業
市
家畜損耗防止対策事業
市
畜産クラスター事業
岩戸堰ゲート不具合調査業務委託
31
協議会
市
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
事業主体
森林環境整備事業(森林づくり推進員活動事業)
市
市単独未来につなぐふるさとの森事業
市
有害鳥獣捕獲事業
市
岩牡蠣養殖支援事業
市
はも販売促進事業補助事業
市
市単独放流事業
市
放流(水産資源復活補助)事業
市
32
備考
3
交通通信体系の整備、情報化及び地域間交流の促進
(1) 現況と問題点
ア 道路
(ア) 国道
本市の国道は、海岸沿いの東西に市街地を横断する国道 220 号があり、本県か
ら宮崎県串間市及び日南市を結ぶ路線として、西部を走る国道 269 号は、鹿屋市
と宮崎県都城市を結ぶ重要路線として、大隅地域における重要な幹線道路となっ
ています。国道 220 号の通過交通は、志布志港の貨物取扱量の増加に伴い、交通
量の増加や車両の大型化が顕著となっています。志布志港入口交差点においては、
一日交通量が1万5千台を超え、朝夕の通勤時間帯においては一丁田交差点から
香月交差点付近までの渋滞がみられます。
市街地内の歩道の幅員及び構造は、バリアフリー化されておらず、生活弱者の
安全の確保が課題となっています。
(イ) 県道
県道は、本市が目指す南九州における物流拠点都市の形成において、志布志港
と背後地の市町を結ぶ基幹道路となっています。広域的なネットワーク網の整備
による各種地域振興対策の推進に資するとともに、市街地、基幹集落及び拠点地
区を接続する域内幹線道路であり、地域の生活環境の向上を図る上で欠くことの
できない重要な役割を果たしています。
本市には、主要地方道4路線(日南志布志線、志布志福山線、南之郷志布志線、
垂水大崎線)と一般県道があり、表3-1に示すように総延長 136.4kmに対し、
改良済延長 90.0km(改良率 66.0%)、舗装済延長 136.4km(舗装率 100.0%)
となっています。
県道の整備については全線改良が望まれますが、未改良区間を全線整備すると
莫大な事業費と時間がかかるため、年次的に必要箇所を優先し対応しています。
(ウ) 市道
市道は、地域に密着した社会資本であり、生活基盤の源となっています。本市
の道路網の特徴は、海岸沿いに国道 220 号が横断し、西部を国道 269 号が走り、
志布志港を起点として放射状に県道が延びており、その中で市道は相互を連結及
び補完する重要な役割を担っています。
市道は、表3-2に示すとおり、1級市道 34 路線、2級市道 40 路線、その他
市道 863 路線の計 937 路線があり、昭和 46 年以降過疎地域自立促進計画及び広域
市町村圏計画等に基づいて整備されています。
しかし、整備状況は表3-1に示すとおり、道路総延長 770.9km に対し、改良
済延長 671.6km(改良率 87.1%)、舗装済延長 692.6km(舗装率 89.8%)と
33
なっています。
表3-1
志布志市の道路の状況
区
道
路
の
状
分
道路敷面積(A)
m²
平成 26 年4月1日現在
合 計
県
道
市
道
333,769
2,336,241
5,784,389
845,094
16,067
136,437
692,590
78,316
0
0
78,316
923,410
16,067
136,437
770,906
777,687
16,067
89,999
671,621
9.16
20.77
17.12
7.50
91.5
100.0
100.0
89.8
84.2
100.0
66.0
87.1
延 未舗装道 m
長 計
(C) m
うち改良道(D)m
道 路 を 平均幅員(A)/(C)m
構 成 す 舗装率(B)/(C)%
る数値 改良率(D)/(C)%
表3-2
道
8,454,399
舗装道(B)m
況
国
主要幹線道
級
別
路
線
数
実延長(m)
1
級
34
88,035
2
級
40
96,920
そ
の 他
863
585,952
計
937
770,907
(エ) 農道
一定の区域を定めたほ場地区内では、中山間地域総合整備事業や農山漁村活性
化プロジェクト支援交付金により、大型機械に対応した新たな農道の整備が進め
られています。また、農業基盤整備促進事業や市単独土地改良事業等により維持
管理の軽減、農産物の荷傷み防止による舗装化や、広域的な事業の一つである畑
地帯総合整備事業では、パイプライン埋設後に舗装化される農道もあるなど、利
便性の高い農道整備が進められています。
しかし、一部の農免農道及びほ場整備地区関連農道を除き未整備地区も多く、
農畜産物の輸送効率及び生産力を低下させ、農業の生産性向上の阻害要因となっ
ています。
(オ) 林道
本市は、北部から東部にかけて、宮田山、霧岳、御在所岳、笠祇岳、陣岳など
の国有林が拡がる森林地帯をなし、林野率は約 54.4%と非常に高くなっています。
森林面積が 15,782ha あるにもかかわらず、林道開設、改良舗装等の整備がさ
れている林道は、普通林道 26 路線、総延長 62.1km となっています。一部の林道
では整備が遅れており、原木等の搬出等が困難であるため奥地の林地開発と森林
34
資源の活用が図られない要因となっています。
(カ) 都城志布志道路
鹿児島県側約 22km、宮崎県側約 22km の計画延長のうち、末吉 IC~有明北 IC 間
の 8.3km、平塚 IC~梅北 IC 間の 5.0 km が暫定開通しています。南横市 IC(仮称)
~平塚 IC 間は平成 30 年度、梅北 IC~金御岳 IC 間及び有明北 IC~有明東 IC 間は
平成 29 年度の暫定開通を目標に整備されています。また、都城 IC~南横市 IC(仮
称)間及び金御岳 IC~末吉 IC 間、有明東 IC~国道 220 号間は、整備区間に指定
され,全線着手となっています。
(キ) 東九州自動車道
志布志 IC(仮称)~末吉財部 IC 間約 48km は、平成 15 年 12 月に新直轄方式で
の整備が位置付けられ、平成 22 年3月に曽於弥五郎 IC~末吉財部 IC 間が、平成
26 年 12 月に鹿屋串良 JCT~曽於弥五郎 IC 間が供用開始しています。志布志 IC
(仮
称)~鹿屋串良 JCT 間は、用地取得、埋蔵文化財調査及び工事が進められていま
すが、いまだに完成時期の目途は立っていません。また、志布志 IC(仮称)~日
南 IC(仮称)間約 40km は、新規事業化の手続きが進んでいる状況です。
イ 地域情報化の推進
防災行政無線同報系の整備については、平成 25 年度から平成 27 年度にかけて、デ
ジタル化を行い、情報伝達体制の整備が図られたところです。しかしながら、これま
で一部に整備していた戸別受信機については、アナログ式であることからデジタル式
への移行により、電波を受信できなくなることが考えられることから、特に津波災害
の発生の恐れがある沿岸部の事業所や要配慮者関連施設である医療・福祉施設への整
備が必要となっています。
また、地域情報通信基盤整備推進事業にて整備された光ファイバーケーブル網「し
ぶし志ネット」により、ケーブルテレビや高速インターネット、行政告知放送等のサ
ービスが開始されており、市ホームページ、行政告知放送端末、SBS元気告知板、
議会中継、データ放送等、様々な媒体を活用して市民への分かりやすい情報提供に努
めています。
市民の利便性向上に資する利活用システムの検討を進める中で、スマートフォンや
タブレット等の高機能型携帯端末の急速な普及に伴い、高速無線LANの設置が求め
られている傾向にあります。本市では平成 25~26 年度にかけて市内 15 か所の公共施
設にフリースポットを設置しており、引き続き整備を検討していく必要があります。
携帯電話の不感地帯については、市内に一部残っていますが、通信事業者の参画が得
られない状況で、災害時、緊急時の連絡に支障をきたす恐れがあり、引き続き解消に
向けての対策が求められています。
ウ 交通
(ア) バス
35
平成 18 年 11 月8日民間バス路線の一部撤退により、本市に乗り入れのあるう
ち 32 系統が廃止となりました。このうち 17 系統については、廃止路線代替バス
を運行し対応していますが、利用者の低迷による赤字路線への負担が恒常化して
います。また、残りの 15 系統については路線代替を行わず廃止となり、市東部に
ついてはバス路線のない公共交通空白地帯となっています。
(イ) JR 日南線
JR 日南線は、宮崎県と本市を結ぶ重要な公共交通機関として沿線住民にとって
必要不可欠な生活路線となっています。
平成 21 年 10 月 10 日からは宮崎県日南市の地元素材である飫肥杉を使用した観
光特急列車「海幸山幸」が運行しています。しかし、運行区間は宮崎駅から南郷
駅までで、定期便として志布志駅まで運行していないため、イベント等臨時運行
による活用を行っています。
現在、沿線の4市(宮崎市、日南市、串間市、志布志市)で構成する JR 日南線
利用促進連絡協議会において各種イベントを開催するなど利用促進に努めていま
すが、特に串間市及び志布志市の駅において乗降客は年々減少し利用促進啓発へ
の更なる取組が必要になっています。
(ウ) 志布志・大阪航路
志布志~大阪間を運航するさんふらわあにおいては、原油価格の高騰などから
平成 18 年 10 月に当該航路から撤退する問題が急浮上し、さんふらわあ志布志航
路存続協議会を発足させ、市民一体となった航路存続に向けた努力の結果、移転
問題を白紙に戻すことができました。しかしながら、新船建造費用の航路収支へ
の影響、格安航空路線(LCC)の運航による利用者の減少や原油価格の変動が
懸念され、今後も予断を許さない状況にあります。
エ 地域間交流
本市の持つ地域の優れた自然及び資源を生かしながら、農業体験、農家民泊体
験及び修学旅行の受入れを推進するため、“志”ツーリズム協議会を設置してい
ます。
山形県酒田市との相互交流事業では、夏に酒田市の子どもたちを志布志市で受
入れ、冬は志布志市の子どもたちを酒田市へ派遣し、ともに互いの郷土について
学びます。特に北国での体験活動やホームステイをとおして、南国志布志との生
活習慣や文化の違いを肌で感じ、郷土の良さを再認識することで、心豊かでたく
ましい青少年の健全育成につながっています。
また、環境問題について学習し、活動する子どもを育成するため、環境学習少
年団を結成し、活動しています。地球規模の環境を学ぶため、滋賀県琵琶湖など
で研修を行っています。
36
(2) その対策
ア 道路
志布志市の活性化には、南九州の物流拠点港湾志布志港を支援する陸・海一体的な
高速交通体系の早期実現が不可欠です。また、これらを補完する国、県、市道の幹線
道路網の整備、沿線では安心・安全な環境の整備などが望まれています。
国、県が進める選択と重点投資、市の独自のローカルルールなど、新たな視点から
道路整備を進め活性化を図ります。
(ア) 国道
国道 220 号志布志港入口交差点の交通誘導と大崎・鹿屋方面からの臨港地区へ
の新なバイパスの検討など、渋滞緩和策の検討に関係機関と取り組みます。
また、市街地における交通安全対策として、歩道の拡幅、段差の解消(バリア
フリー化)を推進し、自転車・歩行者の安心・安全で快適な沿道整備をさらに進
めます。
(イ) 県道
県道整備については、現在進めている志布志有明線(野神工区)、宮ヶ原大崎
線(山重工区)、日南志布志線(出水工区)の整備完了を目指しながら、高規格
幹線道路の志布志 IC(仮称)へのアクセスとなる志布志福山線の整備促進、地域か
ら強い要望のある柿ノ木志布志線(2期工区)、東原大崎線、その他未整備路線
区間についても、年次的に必要箇所を優先し対応しています。
(ウ) 市道
国、県道を補完する幹線市道については、地域の活性化・産業振興に資する真
に必要な道路を選択して、集中投資します。その他の道路については、一定の基
準、ローカルルールに基づきコストの縮減を図り、短期間で効果が見られるよう
な、道路の規格・構造として地域の実情に合った道路整備、また、新設改良から
維持補修へ転換し、適正な舗装打換や橋りょう補修による施設の長寿命化に努め
ます。
生活関連道路、集落内道路の整備については、地域住民主導による「共生・協
働・自立」のまちづくりを尊重して、引き続き支援整備します。
(エ) 農道
ほ場内農道は、ほ場の区画や、既存道路及び用排水路の位置、農業機械の使用
状況等を考慮したほ場内幹線道路を選定し車両離合など有効な幅員を確保する
とともに、安全かつ効率的、経済的な配置となるよう整備します。
また、ほ場団地間の連絡幹線農道では、ほ場内道路や農業集落道路との有機的
な連絡が必要であり農業施設の効率的な利用が図られるよう、県道や市道等のネ
ットワークを活用した安全かつ円滑な交通の整備を推進します。
37
(オ) 林道
山林に囲まれた山村地域においては、住民の生活に重要な役割を果たす林道や
各種の生活基盤の整備を図るとともに、手入れが必要な森林へのアクセスや、機
械化等による効率的な森林施業が実施できるよう、林道の改良舗装などの整備に
努めます。
(カ) 都城志布志道路
本道路は、南海トラフ地震による津波や異常気象による豪雨災害時に、防災対
策上重要な防災の道であり、大隅地域、都城地域、宮崎南部地域の畜産地帯に志
布志港で生産された配合飼料を早く、安く運搬できる産業、経済の道として、ま
た、都城市郡医師会病院の開院によって、救急医療体制が充実する医療の道とし
て、早期完成が急がれています。都城志布志道路建設促進協議会などと連携して、
引き続き早期完成に向け、国、県及び関係機関に対し要望します。
(キ) 東九州自動車道
本自動車道は、志布志港や鹿児島空港、鹿児島中央駅等の交通拠点と大隅半島
の食料供給基地や観光地等を有機的に結び、東九州の産業、経済、文化の活性化
に重要な役割を果たすとともに、南海トラフ地震の津波に対する防災機能を有し
ているため、早期完成が急がれます。東九州自動車道(志布志~鹿屋串良~末吉
財部間)建設促進協力会、東九州自動車道鹿児島・宮崎建設促進期成会などと連
携して、引き続き早期完成に向け、国や関係機関に対し要望します。
イ 地域情報化の推進
地域間の情報格差を解消し、全ての市民が情報化社会の恩恵を受け、安心・安全な
生活を送ることができるよう導入された地域情報通信基盤整備推進交付金事業により、
高度情報化社会に対応した情報通信基盤の整備、行政告知端末機の全戸設置、超高速
インターネット接続環境の提供、ケーブルテレビの導入及び携帯電話エリア不感地帯
の一部解消を図ってきました。
整備された光ファイバーケーブル網「しぶし志ネット」により、ケーブルテレビや
高速インターネット、行政告知放送等のサービスが提供され、光ファイバー回線を利
用した行政告知端末機を全戸に整備することで防災行政無線と連動し、屋外及び戸別
に防災情報を伝達することが可能となっています。また、防災行政無線のデジタル化
については、施設の老朽化に合わせて年次的に整備します。光ファイバーケーブル網
の整備により、通信事業者の参画を得られる可能性も高くなり、一部の携帯電話不感
地帯の解消につながります。さらに、電子自治体の推進や高度情報化社会における ICT
を活用した様々な市民の利活用も促進され、利便性向上を図ることが可能となります。
ウ 交通
(ア) バス
市民の福祉増進、生活の維持に重要な役割を果たしている地方バス路線の維
38
持・確保のため、近隣自治体と連携した広域的な取組を継続し、地域住民へのバ
スの利用促進を図り、バス路線の維持存続に努めます。
また、移動制約者の生活交通手段の確保を図るため、中山間地域に居住する高
齢者や障がい者の交通手段である福祉タクシーとの連携や志布志駅の改修に伴う
バス停の集約化など、利便性の向上を目的とした公共交通ネットワークの構築の
検討を始めます。
(イ) JR 日南線
JR 日南線は、沿線住民にとって必要不可欠な生活路線であり、今後も JR 日南
線利用促進連絡協議会において、JR 九州と協力しながら、沿線ガイドの作成やキ
ャラクターを活用した広報を展開し、地域の実態に即したモビリティ・マネジメ
ントによる交流乗車人員の増加への取組など利用促進に努めます。また、観光特
急列車「海幸山幸」を使ったイベント等を実施しながら、観光路線としての活用
と沿線地域のPRについても要望していきます。
(ウ) 志布志・大阪航路
志布志・大阪航路(さんふらわあ)は、南九州地域と関西地域を結ぶ重要な航
路であり、関西方面からの農山村ツーリズムやスポーツ合宿の誘致など、観光基
盤としても重要な役割を担っています。
さんふらわあの利用促進に対する支援を行いながら、志布志・大阪航路の維持
に努めます。
エ 地域間交流
山形県酒田市との相互交流事業については、海での活動体験やスキー体験等を取り
入れ、事業の充実を図ります。
本市の数多くの景勝地、豊富な史跡・文化財及び伝統芸能などの文化的財産や地域
の特色を生かしたイベントや特産品などの魅力あふれた地域資源を活用し、広域的な
観光ルートの確立や体験型観光の推進に努め、やっちくふるさと村や農業歴史資料館
体験館などを拠点に、都市と農村の交流を推進します。
39
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
2 交通通信体
⑴ 市町村道
系の整備と情
報化及び地域
道路
間交流の促進
事 業 内 容
事業主体
グリーンロード志布志線
舗装打換 L=2,000m W=7.0m
市
町原・清水地区
道路新設改良 L=2,000m W=5.0~7.5m
市
一丁田宇都鼻線(肆部合工区)
改良(歩道設置) L=1,700m W=9.75m
市
一丁田宇都鼻線(蓬原工区)
舗装打換 L=2,700m W=7.0m
市
安楽線(稚児松工区)
改良 L=500m W=12.0m
市
安楽線(下宮内工区)
歩道設置・舗装打換 L=800m W=2.5m
市
水ヶ迫線(香月工区)
改良 L=340m W=9.75m
市
樽野大越線
側溝改修 舗装打換・メンテフリー L=2,000m W=6.0m
市
森山出水線
側溝改修 舗装打換 L=1,000m W=6.0m
市
香月線(安楽工区)
改良 L=1,000m W=12.0m
市
吉村押切線(肆部合工区)
舗装打換 L=1,200m W=7.0m
市
吉村山ノ口1号線(菅牟田工区)
改良 L=700m W=9.75m
市
立本草野1号線
局部改良 L=1,000m W=5.0m
市
飯野松山線
舗装打換 L=1,200m W=7.5m
市
町原弓場ケ尾線(北大原工区)
歩道設置・舗装打換 L=780m W=11.0m
市
町原弓場ケ尾線(町原工区)
舗装打換 L=2,000m W=11.0m
市
西弓場ヶ尾線
舗装打換 L=1,200m W= 6.0m
市
横尾下横峯線 改良 L=700m W=4.0~6.0m
(局部改良・橋梁拡幅 側溝蓋版設置 舗装打換)
市
本村宮塩線
改良(局部) L=100m W=6.5m
市
重田岩屋線
改良 L=800m W=7.0m
市
40
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
事業主体
飯野宮塩線
改良(局部) L=400m W=5.0~7.0m
市
鍋字尾1号線
舗装打換 L=2,450m W=6.5m
市
新橋宮田上線
舗装打換 L=1,000m W=7.5m
市
川路山添線(川路工区)
改良(局部) L=790m W=5.0m
市
町後小迫線
舗装打換 L= 620m W=5.0m
市
心光寺公民館線
改良 L=320m W=6.5m
市
稲ヶ迫大野線
舗装打換 L=2,800m W=6.0m
市
大野原論田線
舗装打換 L=1,360m W=5.0m
市
上園大谷線
舗装打換 L= 1,600m W=5.0m
市
上松段馬場線
改良(歩道整備)L= 300m W=2.5m
市
宮ノ上3号線
改良 L=280m W=6.5m
市
船迫大渡3号線(大原工区)
改良 L=400m W=5.0m
市
宝満小渕線
歩道設置 L=250m W= 3.0m
市
香月若浜線
改良(交差点)・ 舗装打換 L=400m W=9.75m
市
若浜地区市道6路線
舗装打換 L=1,700m W=8.0m
市
宇都鼻鍋線
歩道設置 L=700m W=2.5m
市
稲荷下鍋線
舗装打換 L=1,500m W=5.0m
市
飯山通山1号線(飯山工区)
改良 L=900m W=7.5m
市
飯山通山1号線(通山工区)
改良 L=1,000m W=9.75m
市
田尾普現堂線
改良 L=1,500m W=6.5m
市
大堀中須線
舗装打換 L=2,600m W=6.5m
市
41
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
橋りょう
⑵ 農道
事 業 内 容
事業主体
縄瀬停車場線
改良(局部) L=600m W=5.0~7.0m
市
中村坂線
改良 (法面防災) L=300m W=5.0m
市
沢津ヶ峯頭方限線
改良 L=150m W=6.0m
市
3・4・6昭和通線
改良 (都市計画道路) L=300m W=16.0m
市
橋梁長寿命化修繕計画 橋梁補強・補修・架替事業
市
農業基盤整備促進整備事業(道路改良)二反子地区
L=614m W=3.5m
市
農業基盤整備促進整備事業(舗装)西馬場地区
L=1,710m W=3.5m
市
農業基盤整備促進整備事業(舗装)稲荷下地区
L=900m W=3.5m
市
農業基盤整備促進整備事業(舗装)片野地区
L=780m W=3.0m
市
農業基盤整備促進整備事業(舗装) 大野原地区
L=840m W=3.5m
市
農業基盤整備促進整備事業(舗装) 狩川①地区
L=2,000m W=3.5m
市
農業基盤整備促進整備事業(舗装) 狩川②地区
L=480m W=3.5m
市
農業基盤整備促進整備事業(舗装) 上豊原地区
L=430m W=3.5m
市
農業基盤整備促進整備事業(舗装) 川路地区
L=500m W=3.5m
市
農業基盤整備促進整備事業(舗装) 下段地区
L=2,290m W=3.5m
市
農業基盤整備促進整備事業(舗装) 尾野見和田地区
L=370m W=3.5m
市
JR日南線跨線橋改修事業(一定要件外農道339号)
レール型鋼製橋L=16.2m W=1.8m
市
市単独土地改良事業 井久保地区
L=860m W=4.0m
市
市単独土地改良事業 砂田地区
L=200m W=4.0m
市
市単独土地改良事業 上宮内地区
L=480m W=4.0m
市
市単独土地改良事業 川添地区
L=1,000m W=6.5m
市
42
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
事業主体
市単独土地改良事業 樽野地区
L=250m W=4.0m
市
市単独土地改良事業 山重芝用地区
L=380m W=4.0m
市
林道舗装事業(道整備交付金)八野線
L=1,600m W=4.0m
市
林道開設事業(道整備交付金)御在所岳線
L=9,200m W=4.0m
市
県単林道事業 境屋・柳井谷線
法面改良 L=20m
市
県単林道事業 鎌石・柳井谷線
法面改良 L=30m
市
林道舗装事業(道整備交付金)陣岳線
L=800m W=4.0m
市
林道舗装改良事業 境屋柳井谷線
L=1,120m W=4.0m
市
林道舗装事業 道重線
L=400m W=3.6m
市
林道舗装事業 柳井谷線
L=400m W=3.6m
市
林道(作業路)局部改良事業 中川内線
市
通信用鉄塔施設
携帯電話等エリア整備事業
市
防災行政用無線施
設
防災行政無線同報系戸別受信機整備事業
市
その他
地域情報通信設備活用事業
市
告知放送端末設置事業
市
地域情報通信基盤施設保守管理事業
市
データ放送業務委託料
市
行政放送番組制作・放送業務委託料
市
告知放送端末維持管理事業
市
公共ネットワーク維持管理事業
市
⑶ 林道
⑹ 電気通信施設等情
報化のための施設
43
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
⑾ 過疎地域自立促進
特別事業
⑿ その他
事 業 内 容
事業主体
市ホームページ管理事業
市
地方公共交通特別対策事業
維持・存続が必要と認められた廃止路線代替バスの運行赤
字部分を補助し、地域住民の生活に必要な交通手段の確保を
図る。
市
交通安全施設設置事業 カーブミラー、ガードレール
市
志布志市基幹業務システム保守管理事業
市
さんふらわあ志布志航路利用促進協議会補助事業
市
鹿児島県志布志・大阪航路利用促進協議会負担金
県
岳野山市有林展望施設等改修事業
市
市有林伐採事業(通行支障対策)
市
地方特定道路整備事業負担金
県
44
備考
4
生活環境の整備
(1) 現況と問題点
ア 住宅
本市における公営住宅は、平成 27 年4月1日現在において、県営住宅 405 戸、市営
住宅 595 戸(市単独住宅含む。)を保有しており、県と市がそれぞれ建設運営管理を
行っています。
市営住宅のうち、木造住宅の多くは、高度成長期に建設された耐用年数を大幅に超
過した老朽化の著しい狭小住宅が多く、建替え等の整備が急務となっています。
また、耐火住宅においても外観及び内装の傷みが激しく、リフォーム等の改修が必
要となっており、改築、更新など継続的で安定的な施設整備が必要です。
一方、旧有明町においては民間活力を導入した地域活性化住宅も4地区で 42 戸が建
設運営され、若者の定住化にも努めています。
このような状況を踏まえ、地域の実情に応じたストック活用の理念と目標の設定を
行ったところであり、本市における既存公営住宅の利活用を、建替え等を含む適切な
手法のもと、計画的かつ効率的な整備を図ります。
イ 上水道等の施設
本市の水道事業には、1つの上水道事業と6つの簡易水道事業があります。
平成 26 年度における給水人口は 33,010 人で、市内のほぼ全域並びに曽於市及び大
崎町の一部に給水されています。
平成 26 年度における水道の1日最大給水量は 17,464m³ですが、年々人口減少と節
水対策に伴い、水需要の低迷が予想され、給水収益の減少など財政面への影響が懸念
されます。
水道の施設については、既存老朽施設や老朽管路の更新や低水圧地区の解消等が必
要です。近年、水道水源の水質問題が取り上げられており、環境保全の視点に立った
水源保全対策も求められています。
ウ 下水道施設等
(ア) 農業集落排水施設
本市は、野井倉、通山、蓬原及び松山の市内4地区に農業集落排水事業を導入
し、し尿及び生活雑排水を野井倉地区浄化センターなど4施設で処理しており、
計画面積は469.6haで約2,503t/日の処理能力があります。
しかし、当初の計画より加入率が低いことから、処理施設の稼働率の向上及び
施設の健全な運営を図るため、加入促進を図る必要があります。
(イ) 公共下水道事業
本市の公共下水道は、生活水準の向上により公共用水域の汚濁や生活環境の悪化
が見られたことから、都市環境の改善、都市の健全な発展、公衆衛生の向上及び公
共用水域の保全に資するため、平成 10 年に港湾地区を除く用途地域に周辺集落を
45
含めた地域約 480ha を計画決定し、同年に志布志駅周辺の市街地及び浄化センター
に隣接する市街地約 63ha について事業認可を取得しました。
しかし、平成 10 年度と平成 11 年度の2ヵ年において調査委託業務等の事業を実
施したものの、厳しい財政事情により、国及び県と協議し、平成 12 年度から休止
状態となっています。
(ウ) 生活排水の処理
農業集落排水施設に接続している建物や合併浄化槽を設置している建物につ
いては、し尿及び生活雑排水が適正に処理されていますが、汲取便槽及び単独浄
化槽を設置している建物は、し尿のみの処理であり、河川や志布志湾の水質汚濁
の原因である生活雑排水が処理されないまま水路等に放流されています。
今後、農業集落排水施設への加入促進や汲取便槽及び単独浄化槽から合併浄化
槽への転換等を促進し、水環境の保全を図る必要があります。
また、本市の都市下水路は、稚児松都市下水路など5路線があり、約 4.9km が
整備され、受益面積は 374ha となっています。
エ 新エネルギー
平成 19 年2月に地域新エネルギービジョンを策定し、新エネルギー導入のための指
針ができました。これまでに、住宅用太陽光発電導入支援事業の実施やしおかぜ公園
へのソーラーパネルやハイブリッド型の照明灯の設置、民間事業者によるメガソーラ
ー発電所の設置の際には、円滑な事業活動と地域貢献の推進への相互協力を目的とし
た立地協定を締結するなど、低炭素社会の実現に向けた積極的な取組を行いました。
しかしながら、公共施設への大規模な太陽光発電設備等の設置については、費用対効
果の面からなかなか進まない状況にあります。
オ 廃棄物処理施設
(ア) し尿処理施設
し尿及び浄化槽汚泥の収集及び運搬は、許可業者が実施しており、本市と大崎
町で構成する曽於南部厚生事務組合と、本市、曽於市及び鹿屋市で構成する曽於
北部衛生処理組合のし尿処理施設で脱水汚泥を乾燥焼却した後、その残渣を本市
及び曽於市の一般廃棄物管理型最終処分場で埋め立て処分しています。
(イ) ごみ処理施設
家庭及び事業所から排出される一般ごみは、本市及び大崎町で構成する曽於南
部厚生事務組合の一般廃棄物管理型最終処分場(清掃センター)で埋立て処理さ
れています。
住民との共生協働によるごみ分別排出により、埋立てごみの減量化、施設の延
命化が図られていますが、資源ごみの混入等も見られます。
施設の利用開始から 20 年以上が経過していること、施設の安全管理、機能の
維持、向上の観点から必要に応じた整備、改修等が求められています。
カ リサイクル・ごみ分別
(ア) 徹底したごみの分別・再資源化
平成 11 年度から資源ごみとして分別収集を始め、現在では、空き缶、ガラス
瓶、ペットボトル、プラスチック類、紙類、雑金属、古着・布類、生ごみ、廃食
46
油、小型家電など 27 品目の分別収集を行っています。
家庭や飲食業、スーパー、宿泊施設などの事業所から収集した生ごみについて
は、刈草や剪定枝などと混ぜ合わせ堆肥化を実施しており、土の機能回復や改良
に効果があると評価されています。また、ひまわり畑への施肥を推進し、生ごみ
の循環を推進する「サンサンひまわりプラン」などを実施しています。
ごみの分別収集は定着してきていますが、不法投棄も見られることから、その
対策と合わせ、住民、事業者等に対する更なる分別意識の啓発に努める必要があ
ります
また、粗大ごみについては、平成 19 年7月から戸別回収を行い、再利用や再
資源化を実施しています。
(イ) 各主体による環境に対する取組の充実
個人や衛生自治会、企業、各種団体等の協力のもと、市内全域で清掃活動を行
い、住民一体となった環境美化に取り組んでいます。
また、環境への負荷の少ない持続可能な社会の構築や循環型社会実現のため、
地球温暖化防止に資する緑のカーテン普及事業や環境学習会を実施しています。
キ 公園
公園は、城山総合公園や志布志運動公園、都市公園、開田の里公園等があり、住民
の憩いの場やレクリエーションの場として利用されています。
平成 20 年度から新若浜緑地に整備されているしおかぜ公園は、サッカーコートが3
面とれる多目的広場で、夜間外灯も整備され、スポーツイベント及び健康づくりの拠
点としてその活用が期待されています。また、同施設にはひまわり園や太陽光を利用
した外灯等も整備され、環境学習の場としても利用できます。
ク 消防・防災
(ア) 消防・防災体制の強化
昭和 52 年度曽於郡内8町により大隅曽於地区消防組合が設立され、これまで常
備消防として活動を行い、平成 25 年度には曽於消防署と志布志消防署を新設し、
平成 26 年度には本部庁舎・通信司令施設の新設、消防救急無線のデジタル化を行
う等、消防・防災・救急体制の強化、充実が図られています。
また、市内においては、非常備消防として、14 の消防分団が災害発生時に出動
し、消火作業や救助、避難誘導などの活動を行っており、近年では大規模災害時
の対応、住民の避難支援、水防、救助、住民に対する平常時における防災の啓発
等、消防団が担う役割が幅広くなっており、それらに対応する体制整備が必要と
なっています。
しかしながら、団員確保や高年齢化が問題となっており、今後、分団活動の維
持が困難になることも考えられ、地域防災力の低下が懸念されることから、消防
団の再編や自主防災組織の設置・育成等を進める必要があります。
また、消防車両を含め、無線機等の情報伝達手段や器具や資材などは耐用年数
を経過したものがあり、年次的に整備を進める必要があります。また、現在消火
47
栓 590 箇所と防火水槽 538 基が設置されていますが、老朽化により漏水する防火
水槽もあるため、これらと併せて、今後も計画的に設置する必要があります。
さらに、地震や津波、台風等の自然災害を想定した防災対策の整備が急務とな
っています。
(イ) 自主防災組織
自主防災組織は、災害発生時に消防が現地に到着するまでの初期活動において、
迅速な避難や避難行動要支援者の救助活動など重要な役割を果たしています。
しかし、高齢化による担い手の減少や地域交流の希薄化などにより、自主防災
組織の結成が進まず活動の低下が懸念されています。
(ウ) 防災行政無線
防災行政無線については、市内各地区に屋外拡声子局を設置し、戸別には行政
告知端末を整備するなど、緊急時の情報伝達体制の整備を行っています。
また、今後は、メール配信やSNSなど情報伝達手段の多様化、多重化の検討
も必要となります。
ケ 火葬場
火葬場は、昭和 54 年から本市及び大崎町で構成する曽於南部厚生事務組合で運営
され、バーナー式火葬炉3基で運転されていますが、建設後 36 年が経過し、老朽化
及び旧式施設であるため修繕が発生しています。また、修繕に伴う運転制限も懸念さ
れています。
なお、松山地区については、合併以前からの経緯を踏まえ、曽於市斎苑を利用して
います。
(2) その対策
ア 住宅
住まいにおける住環境の整備については、総合的な既存住宅の利活用の目的で公営
住宅等長寿命化計画を策定しており、その目的に応じた建替え・改善・維持保全・用
途廃止等の具体的手法のもと、また高齢世帯に対応したバリアフリー化や単身者及び
多子世帯等のニーズに対応し得る住宅の整備、安全で安心して生活できる住宅と生活
環境の整備を図り、地域の活力と定住化の促進に努めるため、必要性及び優先度の高
い住宅において、整備を進めます。
イ 上水道等の施設
上水道事業と全ての簡易水道事業のソフト及びハード統合を行い、水源等の有効利
用を図り、「安心でおいしい水」の安定供給と維持管理費の節減を目指します。
また、老朽化した水道施設については、耐震化も含め随時更新を進め、適切な点検・
保守により施設の長寿命化を図り、有収率向上を図ります。
さらに、長期的な視点に立ち水道事業におけるアセットマネジメント(資産管理)
を実施し、施設老朽化進行状況の把握及び財政的検討を行い、事業費の平準化を図り
48
持続可能な水道事業運営を目指します。
ウ 下水道施設等
(ア) 農業集落排水施設
農業集落理施設は、現在の4施設の安定した運営と維持管理に努め、受益者の
理解を得ながら加入促進を図り、公共水域の水質保全に努めます。
(イ) 公共下水道事業
公共下水道事業は、現在、広範囲な整備計画となっていますが、今後は、区域
を限定した事業の在り方や地域に応じた各種生活排水処理方法を検討し、実現可
能なものから着手するとともに、適正な財源を確保しながら、総合的かつ計画的
な整備を進めていく必要があります。
(ウ) 生活排水の処理
今後も公共用水域の水質分析を行うとともに、生活雑排水や家畜排せつ物処理
による水質汚染防止対策に努め、自然環境を重視した森林の適正管理及び自然と
ふれあう場の創出や、自然環境に親しめる空間づくりや環境教育を通して、河川
や海岸の水辺環境の保全に取り組みます。
また、合併処理浄化槽の設置補助等を行うとともに、単独処理浄化槽及び汲み
取り式トイレを設置している家屋については、生活雑排水の処理を進めるため、
個々の状況を勘案しながら合併処理浄化槽への転換や、農業集落排水処理施設へ
の加入を促進します。
エ 新エネルギー
太陽光発電やバイオマス発電など、地域の特性を生かした再生可能エネルギーの導
入について、引き続き推進するとともに、エネルギーへの関心や理解を深めるための
親子学習教室の開催など、普及啓発活動に努めます。
オ 廃棄物処理施設
(ア) し尿処理施設
曽於南部厚生事務組合の衛生センターは、築後 33 年を経過し老朽化が著しい
ことから、年次的に施設の改修を実施するとともに、曽於北部衛生処理組合で処
理を行っている松山地域のし尿処理についての検討を行います。
(イ) ごみ処理施設
今後も資源化できないごみは、埋立て処理を行います。資源の有効利用と清掃
センターの延命化を図るため、事業者や住民を対象とした環境学習の開催や、ご
みの排出抑制や資源化等に関する意識の普及啓発を行うとともに、粗大ごみの資
源化を図り、分別収集に取り組みます。
不法投棄対策については、衛生自治会との連携を図りながら引き続き市内の環
境パトロールを強化するとともに、監視カメラを設置し、その抑制に努めます。
カ リサイクル・ごみ分別
(ア) 徹底したごみの分別・再資源化
生ごみについては、引き続き資源として堆肥化を行い、農地に還元する地域循
環システムづくりに取り組みます。粗大ごみとして排出されている金属類などの
資源物は可能な限り回収し、積極的にリサイクル体制の確立を図ります。
49
環境問題を解決していくためには、今までの消費型のライフスタイルを見直し、
一般廃棄物の排出抑制や減量化、資源化に重点を置いた「4R」の推進に積極的
に取り組み、環境保全に努めていく必要があります。
・リフューズ(Refuse) / 断る。ごみになる物を買わない。
・リデュ-ス(Reduce) / 減らす。資源の無駄遣いを減らす。
・リユ-ス (Reuse)
/ 再利用。繰り返し使う。
・リサイクル(Recycle)/ 再資源化。不要品を再生利用する。
今後、これらのことを実現するため、行政、事業者及び住民がそれぞれの立場
で果たすべき責務と役割を理解し、多様化する環境問題への対応に行政への住民
参加で環境保全に配慮した資源循環型社会の構築に取り組みます。
また、高齢等によりごみステーションまでごみを搬出できない方には、運搬の
補助を行い安心してごみ出しができる環境づくりに努めます。
(イ) 各主体による環境に対する取組の充実
今後も、衛生自治会と一体となって、市内全域での清掃活動や環境学習会等を
開催し、環境保全や環境美化活動に関する住民意識の啓発及び向上を図ります。
そのため、市民・事業者・各種団体など、各主体の「環境に対する取組」で、環
境保全や資源循環型社会の形成を目指します。
キ 公園
城山総合公園、志布志運動公園、開田の里公園、蓬の郷親水公園及び新たに整備さ
れたしおかぜ公園等は、今後も住民の方々のスポーツイベント、レクリエーション及
び健康づくりの場として、また、港湾等に整備されている緑地については、都市景観
や防災上の観点からも利活用できるよう管理に努めます。
ク 消防・防災
(ア) 消防・防災体制の強化
各種災害等に迅速に対応できる体制の整備と、消防車両、器具、資材及び施設
等の充実を図り、災害に強いまちづくりの実現に努めるとともに、地域防災力の
低下を招かないよう団員の確保及び災害対応力の高い消防団組織を構築するため、
各種訓練等により消防団員の資質向上に努め、住民が安心して暮らせる防災対策
を推進します。
さらに、各種災害を想定したハザードマップを整備するとともに、インターネ
ットを利用した県の「河川情報システム」などを活用し、災害情報の伝達や警戒
避難体制の整備を図ります。
広域応援体制として、大隅曽於地区消防組合では、大隅肝属地区消防組合や垂
水市や霧島市及び宮崎県都城市と消防応援協定書を結び、相互の消防力を活用し
て、災害による被害を最小限に防止していきます。
地震や津波、台風等の自然災害から、公共施設や住民の生命、財産を守るため、
津波対策整備事業や急傾斜地崩壊対策事業、砂防事業を計画的に導入し、危険地
区の防災対策を図ります。
50
(イ) 自主防災組織
災害の未然防止や災害発生時の迅速な避難、災害時要援護者の救助活動などの
初期活動により被害を最小限に抑えるため、住民による自主防災組織の結成を促
進します。
そのため、自主防災組織を主体として、訓練や研修会等の開催時の経費や資機
材を整備する際の経費などに助成を行う自主防災組織活動支援事業に取り組みま
す。
また、自治会活動の低下による自主防災組織活動が困難となった場合は複数の
自治会で自主防災組織を構成する等、災害時に活動できる体制の整備を図ります。
(ウ) 防災行政無線
地域情報通信基盤整備推進事業で整備された行政告知端末と連動して、迅速か
つ正確な情報伝達に努めます。
また、緊急地震速報、津波警報等、対処に時間的余裕のない事態に緊急情報を
伝達するために、全国瞬時警報システム(J-ALERT)やコミュニティFM放送によ
る地域密着型の緊急情報システムの活用、メール配信などより多方面からの情報
伝達を行います。
ケ 火葬場
増加傾向にあった棺の大型化に対応するための火葬炉の改修は行ってきましたが、
開園以来 36 年が経過したことによる施設の老朽化が著しいため、引き続き管理の徹
底による維持管理に努めます。
51
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
事業主体
3 生活環境の ⑴ 水道施設
整備
上水道
水源地施設整備事業
市
配水池施設整備事業
市
志布志地区老朽管更新事業
市
簡易水道事業統合整備事業
市
有明地区老朽管更新事業
市
松山地区老朽管更新事業
市
生活基盤近代化事業(野神原・西部地区)
HPPE φ200 L=2,050m
市
公共下水道
公共用水域保全事業
市
その他
浄化槽整備事業
市
簡易水道
⑵ 下水道処理施設
⑶ 廃棄物処理施設
ごみ処理施設
⑷ 火葬場
曽於南部厚生事務組合負担金(衛生センター)
事務組合
曽於南部厚生事務組合負担金(清掃センター)
事務組合
曽於北部衛生処理組合負担金
事務組合
曽於市斎苑負担金(火葬場)
曽於市
曽於南部厚生事務組合負担金(火葬場)
⑸ 消防施設
事務組合
消火栓設置事業
市
消防団詰所整備事業
市
消防団車両整備事業
市
消防防災施設整備事業(耐震性貯水槽)
市
52
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
大隅曽於地区消防組合事業負担金
⑹ 公営住宅
⑺ 過疎地域自立促進
特別事業
⑻ その他
事業主体
消防組合
防災行政無線(移動系)更新事業用
市
消防団備品整備事業
市
公営住宅解体撤去事業
市
公営住宅ストック総合改善事業
市
公営住宅長寿命化計画事業
市
公営住宅整備事業 (ストック活用事業)
市
自主防災組織活動支援事業補助金
自主防災組織が行う、避難訓練や防災講習会等の防災活動
の取組に対して、助成金を交付することにより、組織の育
成・充実・強化が図られ、被害を最小限にとどめることがで
きる。
市
ごみ収集運搬及び処理業務
市内の各ごみステーションに排出された、一般ごみ・資源
ごみの収集運搬及び適正処理を行うことで、市民の健康で、
衛生的な生活環境を確保することができる。
市
環境パトロール・ごみ出し困難者対策事業
環境パトロール、ポイ捨てごみの収集・分別処理作業、ま
た、高齢者及び身体に障がいがあり、家庭のごみの搬出に支
障を来たしている方に対し、ごみステーションまでのごみの
搬出を補助することで環境美化を図る。
市
防犯灯設置補助・維持管理助成事業
市
津波対策整備事業
市
災害備蓄品整備事業
市
庁舎室内照明省電力化
市
有害ごみ処分委託料
市
再商品化負担金
市
衛生自治会助成事業
県営県単治山事業 事業負担金
53
衛生自治会
市
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
事業主体
県費単独治山事業
市
地方改善施設整備事業 下水排水路・地区道路等 市内全域
市
急傾斜地崩壊対策事業 (公共)地元負担金
県
通常砂防流末整備事業
市
県単急傾斜地 崩壊対策事業 (市内危険箇所)
市
県単砂防事業 地元負担金
県
高尾1号線 改良 (法面防災) L=80m
市
市道維持補修事業 (側溝改修・舗装補修)
市
市内全域道路照明設置
市
集落道等整備 舗装・排水路等の整備 (要綱:受益3戸以
上)
市
西谷地区排水路整備 (新設L=2,000m)
市
普通河川 河川改修事業
市
公共土木施設点検・管理事業
市
通山地区流末排水工事
市
町原地区流末側溝改修
市
危険廃屋解体撤去 補助金交付事業
市
都市下水路 維持補修環境整備
市
都市計画区域変更・都市計画マスタープラン作成
市
特殊地下壕対策事業 (壕埋戻し:補助)
市
住宅リフォーム助成事業
市
市営(公営含む)住宅 維持補修事業
市
54
備考
5
高齢者等の保健並びに福祉の向上及び増進
(1) 現況と問題点
ア 高齢者福祉
(ア) 効果的なサービスの提供
我が国では、平成 27 年4月現在、高齢者人口が 3,349 万人を超え、高齢化率は
26.3%となっており、超高齢社会を迎えています。本市においても平成 27 年3月
末現在の高齢者人口は 10,421 人、高齢化率は 31.8%となっており、全国平均と
比較しても高い水準にあり、今後さらに高齢化が進むものと思われます。
高齢化に伴い、寝たきりや認知症、ひとり暮らしなど介護や支援が必要な高齢
者が増加する一方、核家族化により家族介護機能が低下し、福祉の充実はますま
す重要になっています。
これらの状況を踏まえ、本市においても、新たな課題に対応する総合的な施策
の展開のため高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画を策定し、地域密着型サ
ービスや高齢者福祉サービスの充実を図る必要があります。
(イ) 介護保険制度
人口の高齢化に伴い、介護や支援を必要とする高齢者が増加するとともに、そ
の程度も重度化、長期化する傾向にあります。また、核家族化あるいは若年層の
都市部への流出等による、ひとり暮らし高齢者及び高齢者のみの世帯が増加し、
家庭での介護力は極端に弱まってきており、介護保険制度の充実がますます重要
になっています。
介護保険制度の導入により、高齢者保健福祉サービスの提供の仕組みが措置制
度から契約制度へ移行され、利用者は要介護認定の範囲内で自分に合った介護サ
ービスを自由に選択できるようになりました。これに伴い、高齢者の自己選択権
と自己決定権を保障するため、介護サービスに関する情報の提供や福祉サービス
の確保が重要になっています。さらに、利用者一人一人にサービスが適切に提供
できるよう多職種の連携等強化を図り、適切な介護サービスを確保し、持続可能
な介護保険制度を目指します。
(ウ) 住み慣れた地域での生活
高齢期を過ごす人たちが、元気で自立しているときも、支援や介護が必要とな
ってからも、その人の持てる力を生かしながら、安心して生活できる環境づくり
を進めることが重要となっています。また、認知症になっても住み慣れた地域で
安心して暮らしていくためには、高齢者本人を始め家族や地域の人たちが、認知
症への理解を深めるとともに、地域における支援体制の構築が必要となります。
高齢者実態調査によると、認知症に関する相談窓口について「知らない」とする
方の割合が高いため、認知症の相談窓口を周知するとともに、正しい知識や理解
を高めていく必要があります。
(エ) 生きがいづくりの推進
地域社会においては、核家族化の進行や共働き世帯の増加などにより、日常生
55
活に関連した臨時的、短期的な仕事が増加しつつあります。
志布志市シルバー人材センターは、高齢者の就業機会の増大と福祉の増進を図
るとともに、家庭、地域、企業などのあらゆる社会分野において、高齢者がこれ
まで培った豊かな経験や知識、技能を発揮し、社会活動に参加できる「生きがい
づくり」や「仲間づくり」の場として多くの高齢者に活用されています。
また、体力や能力などの面から常用雇用にとらわれることなく、何らかの就業
を通じて自分の能力を活用し、それによって追加的な収入を得るとともに、自ら
の生きがいの充実や社会参加を希望する高齢者が増加しています。
老人クラブについては、加入率が低下する傾向にあり、活動内容の周知を図り
ながら加入を促進し、社会参加を推進するための支援を行っています。
イ 児童福祉
(ア) 子育て支援
本市の人口千人あたりの出生率は、平成 20 年の 9.0 から、平成 24 年では 9.3
と増加し、国や県と比較しても高い水準が続いています。また、1 人の女性が生
涯に生む子どもの数を示す合計特殊出生率もほぼ変化はみられませんが、国や県
と比較すると高い水準となっています。
しかし、人口を維持するために必要とされる 2.08 を下回っており、少子化傾向
が続いています。
核家族化や少子化により、子育て中の親や子ども同士が地域でのふれあいや交
流を持つ機会が減少し、子どもの健全な成長や子育ての悩み、不安の解消が図ら
れにくい状況が生じています。子どもを地域全体で育てる観点から学校、家庭、
地域が連携し、公民館や PTA、子ども会などが中心になり、伝統芸能、公民館運
動会、3世代交流事業などの行事が行われています。
平成 27 年 4 月に国の子ども・子育て支援新制度が本格施行となり、子育てに関
する情報発信が重要となっていますが、志布志市子育て支援センター「はぐくみ
ランド」においては、子育てに関する相談や助言、情報の提供、子育てサークル
の育成及び支援などを行っています。また、家庭で子育てを行っている未就園児
の保護者に対し、子育てを楽しむことや保護者相互の情報交換を図るための支援
を行うとともに、親子のふれあいの場を提供しています。
また、子育て支援センターでは、児童虐待についても要保護児童対策地域協議
会を中心に、専門の相談員や関係機関と連携を図り、虐待の防止に努めています。
(イ) 保育サービス
現在、社会福祉法人が運営する 16 箇所の保育所及び学校法人が運営する幼保連
携型認定こども園2個所で保育が実施されており、心配されている待機児童は見
られず、保育所の数は、ほぼ充足していると思われます。
子どもの実態や親の就労形態の多様化などによる様々な保育ニーズに対応する
ため、通常保育や乳児保育、障がい児保育などの特別保育事業を行っていますが、
56
さらに保育サービスの充実を図る必要があります。
親の就労環境の変化や女性の社会進出などに伴い、さらに保育ニーズの多様化
が予測されることから、国が行う子育て支援策の動向を見極めながら、市の独自
事業と併せて、保護者の要望に応えていく必要があります。
また、休日保育や延長保育、夜間保育、保護者の出産や病気などで家庭での保
育が困難になった場合に、園児を一時的に預かる一時預かりについても保護者の
要望が高まってきており、柔軟な対応が望まれています。
障がい児保育については、今後も障がいがある児童と健常児が一緒に保育を受
けられる体制を充実させていく必要があります。
(ウ) 病児・病後児保育事業
保護者の子育てと就労の両立を支援することを目的として、病気回復期にある
乳幼児を一時的に預かる病児保育を医療法人に委託しています。
また、病気の回復期にある乳幼児だけでなく、病気中の乳幼児や小学校低学年
の児童の受け入れについても、小児科医の協力を得て病児保育として実施してい
ます。
(エ) 放課後児童クラブ(学童保育)
保護者が就労などにより、昼間家庭にいない小学校低学年の児童を対象に授業
終了後に遊びと生活の場を提供し、児童の健全育成を図るため放課後児童クラブ
を実施してきました。
利用児童数や地域の実情に応じ、指導員の育成や指導内容の改善を図るととも
に、学校、保護者との連携を密にし、運営の充実を図る必要があります。
また、子ども・子育て支援新制度の本格施行に伴い対象学年を現行の小学校3
年生までから6年生まで引き上げられたことに伴う、利用児童数の増加に対応す
るため、空き教室の確保や専用施設の整備を実施していく必要があります。
(オ) 男女共同参画による子育ての促進
「男は仕事、女は家庭」といった固定的性別役割分担意識はいまだ根強く残っ
ており、女性の社会参加が進んでも女性に育児の負担が大きく偏っています。少
子高齢化、核家族化等が進展する中で、地域の持続可能な発展のためにも、男女
が安心して子どもを産み育て、家族としての責任を果たすことができる社会を形
成していくことは重要です。
このため、仕事と子育ての両立に関する意識啓発を進めるとともに、固定的性
別役割分担意識の解消や仕事と子育てが両立できる職場づくりを進めることが必
要です。特にこれまで家庭への参画の少なかった男性が、家庭生活に積極的に参
画することができるよう、男女双方の働き方や暮らし方を見直す「ワーク・ライ
フ・バランス(仕事と生活の調和)」を推進し、仕事とそれ以外の活動との両立
ができるような働き方を実現することが求められます。
57
(カ) 児童虐待の防止
子どもへの虐待は、子どもの健やかな発育や発達を阻害し、心身に深刻な影響
を及ぼすものであり、社会全体で取り組まなければならない大きな問題となって
います。
児童虐待の背景は多岐にわたり、虐待の多くは家庭内の言わば密室で行われ、
外部からは気づかれにくいため発見や対応が遅れるという問題があります。
虐待を受けている子どもの保護や親への指導は、本市、児童相談所を中心に行
われています。
ウ 障がい福祉
本市における何らかの障がいがある人の数は、ここ数年、知的障害者療育手帳及び
精神障害者保健福祉手帳の所持者はほぼ横ばいであるのに対し、身体障害者手帳所持
者は減少の傾向にあります。
本市には、身体障がい者連絡協議会、手をつなぐ育成会の2つの支援団体があり、
それぞれ独自の活動を行いながら障がい者の社会参加に大きな役割を果たしています。
また、「にこにこハウス」において、障がい児や心身の発達に偏りの見られる子ど
もを通所させて日常生活における基本的な動作の指導、知識や技能の付与または集団
生活への適応訓練等を目的とする児童発達支援を展開していたが、平成 27 年度からは
学校の授業終了後や学校休業日に通う療育機能、居場所機能を備えた放課後デイサー
ビスも実施しています。
平成 24 年6月には地域社会における共生の実現に向けて障がい福祉サービスによ
る支援に加えて、地域生活支援事業その他の必要な支援を総合的に行うことを目的と
した障害者総合支援法が成立し、平成 26 年4月には本格施行されたところです。
また、乳幼児期や学童期にはある程度療育や教育が準備され、卒業後は就業支援体
制が、年々整ってきており、就業支援体制の充実が図られてきています。障がい者の
自立支援は、地域で生活でき、意欲と能力に応じて働ける場所が確保され、就労に結
びつくことが最終の目標です。
エ 保健予防対策
(ア) 疾病の予防・早期発見
成人の保健医療における最も大きな課題は、がんや心臓病、脳血管疾患、糖尿
病などの生活習慣病の予防及び重症化予防です。特に近年、糖尿病に起因する人
工透析や慢性腎臓病の増加がみられます。生活習慣病は、単に加齢により発症す
るのではなく、食事や運動、休養、喫煙、飲酒といった生活習慣がその発症や進
行に深く関わるので、健康的な生活習慣を確立することにより発症や進行を防ぐ
ことができます。
また、高血圧や血糖値異常などを早期発見し、適切に管理するため、各種健康
診断や健康指導を実施しており、受診率は増加傾向ですが、受診者の固定化が見
られます。
58
(イ) 健康づくり
健康づくりは、一人一人の自覚と実践を基本として、バランスのとれた食生活、
日常的な運動習慣、十分な休養といった健康的な生活習慣の確立が重要です。そ
のためには、生活習慣が身に付く乳幼児期からの健康教育や、家庭、学校、地域、
職場などにおいて保健対策や健康づくりを継続していくとともに、個人を取り巻
く社会環境や自然環境を良好なものにしていくことが大切です。
本市では、平成 26 年度に策定した第2次健康増進計画「健康しぶし 21」に基
づいた事業を展開するとともに、健康づくり推進員による地域活動を通した健康
づくりを実施していく必要があります。
多忙や自覚症状がないなどの理由で自分の健康を意識しない人々にも、自身の
生活と健康を振り返り、健康的な生活習慣を確立していく動機付けが必要です。
(ウ) 介護予防
高齢者が寝たきりや認知症などの要介護状態に陥ったり、状態が更に悪化する
ことをできる限り予防するとともに、自立した生活を確保するために必要な支援
を行う事が重要です。また、疾病の予防から早期発見、早期治療、生活指導、転
倒の予防、リハビリテーションに至る一貫した介護予防対策を推進する必要があ
ります。
寝たきりとなる原因のうち最も多いのは脳卒中で、次に骨折が続いており、こ
の2つで半数を占めています。
介護予防対策は、寝たきり予防意識の普及啓発とともに、脳卒中などの疾病の
予防に加えて、転倒、閉じこもり、生活機能の低下、運動機能の低下などにも着
目した福祉サービスが必要です。
(エ) 食育事業
現在、朝食の欠食等による食の乱れや思春期やせにみられるように、子どもた
ちに心と身体の健康問題が生じています。
子どもの健全育成を図るためには、乳児期から思春期までの発達段階に応じた
「食」に関する学習や、食習慣や食行動が身に付くような 学習環境を整備する
必要があります。
また、成人期や高齢期においては、生活習慣病の予防や改善、食の自立、寝た
きり予防などのための、食生活についての意識の高揚が必要です。
オ 母子保健の推進
妊娠各期から乳幼児の各節目まで健康診断や健康教育を実施し、出産から育児のラ
イフサイクルの中で、不安や悩みを抱え、孤立しがちな母親への支援を目的として各
種事業を行っています。
また、市内の医師及び歯科医師に年間を通じて協力を依頼し、事業を推進するとと
もに、在宅の助産師や保健師、看護師、歯科衛生士、栄養士なども掘り起こし、人材
の活用に努めています。
さらに、住民組織の母子保健推進員や食生活改善推進員と協力して、地域活動を行
っています。母子保健推進員は各地区を受け持ち、母子保健事業の受診勧奨や支援の
必要な人の早期発見に努め、行政とのパイプ役として活動し、食生活改善推進員は地
域住民の食生活改善に対する正しい考え方と知識の普及に努めています。
59
(ア) 妊娠・出産期における母子保健
妊産婦に対し、妊娠、出産、育児に関する基本的な知識の普及を図り、母子健
康手帳交付と妊婦相談、両親学級、妊婦健康診査を行っています。
母子健康手帳交付時や妊婦相談、両親学級時に妊婦と面接し、妊娠や出産に関
する不安や悩みの相談及び母子健康事業の紹介などを行っていますが、仕事を持
つ妊産婦が多いため、参加者は年々減少しています。また、夫婦で出産の喜びを
分かち合う観点から、夫婦での参加を促す必要があります。
(イ) 乳幼児に対する母子保健事業
生後8週間までの新生児・乳児については、全員訪問指導を行い、子育てに関
する知識や技術、情報を提供し、育児の不安や悩みの解消を図っています。
出生後の3~4か月児、1歳6か月児、3歳児については、それぞれ毎月1回
健康診断を実施し、心身の発達面での異常の早期発見、早期治療、早期療育に努
めるとともに、育児支援や健康増進に関する不安や悩みの相談を行っています。
しかし、子どもの年齢が高くなるほど受診率が低くなっており、未受診者の現状
を把握し、状況によっては、支援する必要があります。また、健康診断により、
虐待等を早期発見した場合は、関係機関につないでいます。
(ウ) 子育て相談
育児不安や子育ての悩みがある親を対象に、毎月育児相談を実施しています。
ほかの子どもと遊ばせたり、親同士での語り合いや相談をすることで育児不安の
解消を図っています。
「ぷれい教室」を設け、言葉が遅い、ほかの子と遊べないなどの発達につまず
きのある子どもを対象に遊びの場を提供しています。
また、親子のふれあいをつくる「親子遊び教室」も実施しています。
(エ) 思春期の保健対策の強化と健康教育の推進
思春期は身体的、精神的発達の最もめざましい時期であり、心身に様々な変化
が生じます。また、社会的環境要因に左右されることも多く、思春期の健康課題
が生涯にわたることも考えられ、非常に重要な時期です。
近年、思春期における性行動の活発化や低年齢化による人工妊娠中絶や性感染
症の増加、薬物乱用、喫煙、飲酒等の傾向が見られ、これらの問題行動が思春期
の男女の健康をむしばんでいるので、保健対策及び健康教育の場を充実させる必
要があります。
(オ) こころの健康づくり
近年の自殺者数は、平成 22 年 13 人、平成 23 年8人、平成 24 年8人、平成 25
年9人と若干減少傾向でありますが、平成 20 年から平成 24 年の標準化死亡比は、
男性 155.6、女性 151.1 と県や全国平均より高い状況にあるので、こころの健康教
育を受ける機会や相談の場の充実に努めます。
(2) その対策
ア 高齢者福祉
(ア) 効果的なサービスの提供
60
本市においては、高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画を策定し、従来の
高齢者福祉関係事業の評価・検証を行い、新たな課題に対応するための総合的な
施策展開のため、地域包括支援センターを核として、地域密着型サービスの創設
等、高齢者福祉サービスの充実を図ります。
また、寝たきりや認知症の状態にある高齢者を在宅で介護している介護者に対
し、介護手当の支給や介護用品等の支給に加え、家族介護者交流会等の精神的な
負担の軽減を図る事業を実施するなど、介護者が介護疲れにならないよう利用者
のニーズに合った制度運営に努めます。
認知症高齢者の徘徊については、地域で見守りできるよう、福祉ネットワーク
を充実させ、住民、事業者、地域社会及び行政がともに連携、協力して、それぞ
れの役割が十分発揮されるようパートナーシップの確立に努めます。
さらに、広報紙やホームページを利用した福祉サービスに関する情報提供に努
めるとともに、行政窓口を充実させ高齢者の相談体制の整備を図ります。
(イ) 介護保険制度
地域の高齢者の心身の健康保持、保健・福祉・医療の向上、生活の安定のため
に必要な援助・支援を包括的に行う中核機関として、地域包括支援センターを設
置しました。
利用者への適正なサービス提供体制を確保するため、介護や支援を必要とする
高齢者の実態を把握し、個人に合った福祉サービスの確保に努めるとともに、在
宅医療・介護の連携強化、地域ケア会議、認知症施策の推進等を主体的に行いな
がら、高齢者を地域で支える仕組みづくりを行います。また、医療的ケアが必要
な方への介護の質向上を図るため、介護支援専門員や介護職員等に対する基礎的
な医療知識に関する研修を充実し、連携のための人材育成を推進します。
(ウ) 住み慣れた地域での生活
高齢者が地域の中で尊厳をもって生活することができるよう配食支援事業や緊
急通報装置設置事業を実施するととともに、ふれあいいきいきサロン等による地
域での見守り活動の充実を図ります。認知症の方やその家族等に対する支援はも
とより、初期段階での発見、進行予防への取組を地域で支援する体制構築を図り
ます。また、地域で暮らしている人々が、安心して自立した生活を営むことがで
きるよう、各関係機関と連携を図り、生活支援サービスなどの地域資源の開発や
生活環境の整備を進めます。
さらに、地域包括支援センターの活用を推進し、地域ケアネットワークの整備
を図ります。
(エ) 生きがいづくりの推進
高齢者の社会参加の機会を拡充するため、シルバー人材センター事業の充実や
老人クラブの育成に努めます。
また、高齢者が長年培ってきた知識や技能を生かし、地域社会の担い手として
積極的に社会参加できる様々な事業や地域単位でのサロン活動を充実し、高齢者
の生きがいの向上を目指す活動の整備や促進に努めます。
61
イ 児童福祉
(ア) 子育て支援
「次世代育成支援対策推進法」の後期 5 ヶ年の経過及び「子ども・子育て支援
法」に基づく支援事業計画の策定が義務付けられたことから、平成 27 年度から5
年間の「子ども・子育て支援事業計画」を策定しました。
今後は、この計画に定めた子ども・子育て支援給付にかかる教育・保育及び地
域子ども・子育て支援事業の量の見込み、提供体制の確保などを定めることによ
り、市民の協力や事業者の参画を得ながら、子ども・子育て支援の充実を目指し
ます。
子育て支援センターについては、子育てをしている親などが子育てや育児不安
などについて気軽に相談することができ、適切な援助が受けられるよう引き続い
て、指導員を配置し、相談指導や育児サークルへの支援等を行い、地域の子育て
支援の拠点となる機能の充実を図ります。
また、子育て家庭に対して、きめ細かな子育て支援サービスを効果的かつ効率
的に提供するとともに、地域住民と関係機関とのネットワーク作りを推進し、子
育てに関する意識啓発を図ります。
さらに、幼児の発育、精神及び運動の発達等の障がいや異常、その他の疾病の
早期発見に努め、適切な指導を行うことにより育児不安や親子関係等の状況を把
握し、育児支援に努めます。
子どもに係る医療費については、現在、支援の範囲を高校生の世代まで拡充し
ており、今後も継続していきます。また、多子世帯の経済的負担に対する支援策
として保育料の第3子以降の無料化について拡充を検討します。
子育てと仕事の両立については、延長保育などの保育サービスの拡充や放課後
児童健全育成事業の充実を図るとともに、関係機関と協力しながら、雇用や就業
環境の整備が図られるよう啓発に努めます。
(イ) 保育サービス
保護者の多様化する保育ニーズに対応するため、延長保育や休日保育等の特別
保育事業について引き続き推進を図ります。
また、保護者の急病や育児疲れの解消、出産、介護、冠婚葬祭などにより一時
的に家庭内での保育が困難になった場合に、保育所が自主的に取り組む一時預か
りの実施を推進するとともに、鹿屋市の児童擁護施設を利用した 24 時間体制で子
どもを預けられるショートステイ事業の実施を推進します。
さらに、障がい児の入所希望に合わせて、障がいの程度や障がい児の人数に応
じた受け入れ体制の整備や心身に障がいのある未就学児の保育を促進し、健常児
とともに統合保育することで、その子に合った社会性の発達を支援します。
今後も適切なサービスが受けられるようサービス内容や利用方法について広報
62
紙やホームページなどを通して情報提供に努めます。
(ウ) 病児・病後児保育事業
園児等が病気をした場合、自宅での保育を余議なくされることから、保護者の
負担の軽減を図るため一時預かり事業を引き続き実施します。
また、引き続き市内の小児科医の協力を得ながら病児保育の事業内容等を充実
し、受け入れ体制の整備を図ります。
(エ) 放課後児童クラブ(学童保育)
放課後に子どもの遊びや生活の場を与え、保護者が安心して就労できるよう、
職員の資質向上や施設面の整備、安全面の配慮に努めます。また、学校や地域と
連携し、円滑な運営が行われるよう努めるとともに、今後も、保護者のニーズ等
を聞きながら、事業内容の検討を進めます。
(オ) 男女共同参画による子育ての促進
男女が仕事と育児等家庭生活のバランスを図り、安心して子育てができる環境
整備を図るために、住民や事業所を対象にセミナー等を開催し、男性も含めた働
き方の見直しや固定的な性別役割分担意識の見直しを進めるための意識啓発、育
児休業制度等の両立支援制度の定着に向けた啓発等を行います。
また、時間外労働の短縮や有給休暇取得率の向上等、子育てを行う労働者が働
きやすい環境整備に取り組み、男性が積極的に育児参加できる働き方を普及促進
します。
(カ) 児童虐待の防止
児童虐待の有無の調査や児童の一時保護の判断等は、市においても行うことか
ら、児童虐待を防止し、すべての児童の健全な成長を促していくために、医療、
福祉、保健、教育、警察などの各関係機関や地域社会との連携や協力のもと、発
生予防、早期発見、早期対応に努めます。
ウ 障がい福祉
(ア) 障がいのある人が安心して暮らせるまちづくり
生涯にわたるケアマネジメントによる個人に合った一貫したきめ細かなサービ
ス支援体制の整備を図り、地域で自立した生活をおくることができるよう障がい
者就労支援体制の充実に努めながら、障がい者施設や小規模作業所の支援や企業
の障がい者雇用の促進を図るとともに、民間の支援や企業の障がい者雇用の促進、
学校の空き教室や民間の空き住宅などの地域の社会資源を活用し地域に根ざした
サービスの提供に努めます。
さらに、志布志市障害福祉計画、高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画と連
動しながら地域福祉の充実に努め、障がい者が安心して暮らせるまちづくりを目
指します。
(イ) 障がいのある子どもと家庭への支援
63
障がい児の健全な発達を支援し、地域で安心して生活できるよう保健、医療、
福祉、教育などの関係機関と連携し、保護者に対する各種相談制度の普及及び啓
発に努めるとともに、障がいの早期発見、早期治療、療育等の支援体制を整備し
ます。
保育所や放課後児童健全育成事業においても、障がい児の受け入れを促進する
とともに、障がい児通所支援の利用者負担無料化を実施します。
(ウ) 在宅福祉サービスの充実
障がい者福祉に関する制度は、施設入所から在宅福祉へ大きく移行しつつあり
ます。障がい者福祉制度に関する情報提供や広報活動を推進し、日常生活用具給
付事業や補装具給付(修理)事業などの利用を促進するとともに、訪問介護事業
や短期入所事業、日中一時支援などの充実を図り、在宅における生活の利便性や
福祉の向上に努めます。
また、一般企業への雇用促進や障がい者施設開設の支援など、就労の機会の確
保に努めるとともに、障がい者自身の自立への自覚や就労の意欲、各種技能の習
得などの自主努力の啓発を図り、障がい者の経済的自立や就労による社会参加を
促進します。
エ 保健予防対策
(ア) 疾病の予防・早期発見
生活習慣病は、本人の自覚症状のないまま進行していることがあるため、早期
発見及び早期対策の意識の高揚を図り、健康診断の受診率の向上に努めます。ま
た、健康診断の結果を踏まえた健康保健指導により、食事や運動、休養、喫煙、
飲酒などの生活習慣の改善を図り、疾病の発症及び重症化の予防に努めます。
特に、肥満でありながら糖尿病、高血圧、高脂血症等の生活習慣病を併せ持つ
複数の危険因子を抱えている状態「メタボリック・シンドローム」にならないよ
う、若年期からの健康保健指導の徹底に努めるとともに、CKD(慢性腎臓病)の
重症化予防を図り、新規人工透析者の減少に努めます。
また、今後は、医療機関相互の連携を進め、平成 26 年度に策定した第2次健
康増進計画「健康しぶし 21」に基づいて、健康に関する相談や教育、検査などの
総合的な保健サービスを展開します。
(イ) 健康づくり
自らの健康状態や生活習慣を振り返り健康的な生活習慣を確立できるよう、各
種健康づくり事業を通して自己管理意識の高揚を図ります。
また、乳幼児から高齢者までライフステージに応じた健康づくりができるよう、
保健、医療、福祉が連携した、体系的な保健サービスの充実を図ります。
また、地区ごとに健康づくり推進員を養成し、健康づくりの機運を醸成すると
ともに、市民の健康づくり動機付けの一つとして、ポイント付与による健康マイ
レージの普及に努めます。
(ウ) 介護予防
疾病の予防から早期発見、早期治療、生活指導、転倒の予防、リハビリテーシ
64
ョンに至る一貫した介護予防対策を推進し、健康・介護予防教室「らくらく体操
教室」等を全市で取り組むことで、元気な高齢者が生きがいを持ち活躍できる生
涯現役運動を展開します。
また、閉じこもりがちな高齢者の社会参加を促進し、寝たきりを予防するため
の保健や福祉などの地域活動の推進を図り、高齢者が地域の行事に積極的に参加
することにより、仲間との交流を通していきいきと暮らしていける環境づくりに
努めます。
(エ) 食育事業
子どもたちが食事を通して、健康的な食生活や望ましい食習慣、食生活におけ
る自己管理能力などを学べるような食体験の取組を推進します。
また、妊娠前からの適切な食生活についての情報提供や妊産婦を対象とした食
に関する学習、各種健康診断や乳児健診・育児学級での離乳食指導や食育指導、
幼児を対象とした「つくる・食べる・人との交流」の体験活動を通して、乳幼児
期から健康的な食生活が作られ、家族や地域社会とのより良い関係を保ち心豊か
な人間に育つよう、ふれあい食体験事業などを開催します。
また、成人期から高齢期においては、食に関する学習や実習を通して健康への
意識の向上や寝たきり予防を図ります。
オ 母子保健の推進
母子保健を推進していくため、医師及び歯科医師を始め、母子保健推進員などの在
宅の有資格者や人材を活用し、その資質向上と地域ネットワークづくりに努めます。
さらに、母と子どもの健康の保持と増進のため、関係機関と連携し、妊娠から出産、
育児まで一貫した保健指導や医療体制の充実を図り、サービスを受けやすい体制づく
りに努めます。
(ア) 妊娠・出産期における母子保健
妊娠、出産、育児を通して心身の健康に関する保健指導の充実と、受診の必要
性や重要性について周知を図ります。また、仕事を持つ妊産婦が参加しやすい体
制を作ります。
妊婦健康診査については、受診券(14 回分)を交付し、健康診断に係る負担の
軽減を図るとともに、保健師や助産師、母子保健推進員が、妊産婦や新生児がい
る家庭からの求めに応じて実施する訪問による相談指導の充実や、携帯電話等に
妊娠週数や月齢に応じた育児情報及び母親のメンタルヘルスに関する情報を配
信する「子育て支援メールマガジン」を導入し、育児不安、産後うつ、乳幼児虐
待などの予防及び解消を図ります。
(イ) 乳幼児に対する母子保健事業
出産から小学校入学までの発育及び発達の節目に健康診断を実施し、乳幼児の
発育や、精神及び運動の発達の遅れ、虐待、病気や異常の早期発見及び早期治療
に努め適切な指導を行います。
また、フッ素塗布や歯磨き指導による乳幼児の歯科健康の充実を図ります。
(ウ) 子育て相談
出産後、健康や精神面で不安定になりがちな母親の子育てなどについて、必要
に応じて母子相談を実施します。
65
各種健康診断や相談などで、発育や発達の気になる親子に対し積極的な働き掛
けを行い、必要な子どもが早期に療育を受けられるよう関係機関との連携を図り
ます。
健康診断や相談などで、精神面や運動面の発達状況において観察が必要と判断
されるケースや、保護者から要望があったケースについては、専門の相談員によ
る発達相談を実施し、発達段階に応じたアドバイスや関係機関への紹介など、適
切な支援を行います。
(エ) 思春期の保健対策の強化と健康教育の推進
10 代の人工妊娠中絶や性感染症罹患率の増大、薬物乱用、喫煙、飲酒などの問
題に対応するために、自分自身を大事にする自己決定能力の育成や、性や性感染
症予防に関する正しい知識の周知及び生命の尊厳の認識を高めるための学習機
会の提供を行う「ふれ愛セミナー」を開催するとともに、医療機関や保健所、学
校、教育委員会等と連携し、本人や家族との相談体制を整備し、思春期の健康教
育の推進を図ります。
(オ) こころの健康づくり
市民が自殺について、「気づき、つなぎ、見守る」ことのできる環境づくりを
行うための相談会や講演会を行うとともに、保健所や社会福祉協議会等の関係機
関との連携を強化し、自殺の予防・対策のネットワークづくりに努めます。また、
スマートフォン等から自分でストレスチェックを行うことができる「こころの体
温計」の周知に努めます。
66
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
4 高齢者等の
⑴ 高齢者福祉施設
保健及び福祉
の向上及び増
高齢者生活福祉セ
進
ンター
老人ホーム
事 業 内 容
生活支援ハウス運営事業委託料
曽於南部厚生事務組合負担金(老人ホーム)
事業主体
市
事務組合
⑶ 児童福祉施設
保育所
保育施設整備事業
児童館
放課後児童クラブ施設整備事業
⑼ その他
事業者
市
延長保育事業
事業者
病児保育事業
事業者
地域子育て拠点事業
放課後児童健全育成事業
市
事業者
ファミリーサポートセンター事業
市
出産祝金支給事業
市
子ども・子育て支援事業計画策定事業
市
高齢者活用・現役世代雇用サポート事業
(シルバー人材センター運営補助事業)
市
空き家対策活用事業
(シルバー人材センター運営補助事業)
市
ふれあいサロン活用事業
市
老人クラブ連合会運営事業
市
単位老人クラブ運営事業
市
高年齢者労働能力活用事業
(シルバー人材センター運営補助事業)
市
敬老祝金支給事業
市
福祉タクシー運行事業
市
地域福祉計画策定事業
市
67
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
事業主体
障害者計画・障害福祉計画策定事業
市
児童発達支援利用者負担額助成事業
市
自立支援医療事業
市
自立支援給付費支給事業
市
障害児通所支援給付事業
市
重度心身障害者医療費助成事業
市
地域生活支援事業
市
特別障害者手当等給付事業
市
補装具給付事業
市
障がい者就労相談支援事業
市
障がい者優先調達推進事業
市
障がい者生活支援事業
市
保育所等訪問支援事業
市
健康づくり事業 健(検)診、教育、相談、訪問等
市
元気はつらつ志民健康づくり事業
市
母子保健事業 健診、相談、教室、訪問等
市
予防事業 予防接種、結核健康審査
市
予防接種健康被害給付事業
市
高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画策定事業
市
曽於地区介護保険組合負担金
地域支援事業
事務組合
市
68
備考
6
医療の確保
(1) 現況と問題点
ア 医療の充実
本市の医療機関は、病院3施設、診療所 24 施設、歯科医院 13 施設がありますが、
産科医の不在や特定の診療科目の偏在がみられるところであり、医師の高齢化や後継
者問題などもあり、将来の医師不足が大きな問題となっています。
休日の医療については、曽於医師会及び都城市北諸県郡医師会に委託し、各医療機
関による在宅当番医制により、入院を要しない比較的軽症な救急患者のための医療を
確保しています。
夜間救急センターは、曽於医師会立病院、大隅広域夜間急病センター及び都城夜間
急病センターで、小児科を含む夜間一次救急医療(一般の外来患者の診療)を担って
います。
救急情報センターは、医師会情報ネットワークを利用して、曽於地区内外の医療機
関の協力体制に関する情報を収集し、大隅曽於地区消防組合司令室に情報提供を行い、
地域住民や地域医療機関からの問合せに対応するとともに、救急医療体制を円滑に機
能させています。また、ドクターヘリの運航により、へき地における救急医療体制が
強化されました。
入院、手術が必要な重症救急患者に対応する二次救急医療(主に救急による搬送患
者の受入れ)については、曽於医師会を中心とした共同利用型病院運営事業により、
在宅当番医や夜間救急センターなどの初期救急医療施設及び救急患者の搬送機関が
連携し、夜間、休日及び年末年始における医療を確保しています。
(2) その対策
ア 医療の充実
医療体制については、市内の各医療機関及び曽於医師会と連携し、不足する診療科
目の充実に努めるとともに、都城市及び鹿屋市と締結した定住自立圏形成協定により、
医療不足により閉鎖される診療科目の確保を図ります。また、医師不足に対しては、
平成 26 年7月に設立しました大隅4市5町保健医療推進協議会において、産科医療
の維持及び確保に広域で取り組んでいきます。
夜間及び休日の医療の確保については、夜間救急センターによる一次救急医療の充
実を促進するとともに、在宅当番医制による当番医や診療科目の充実に努めます。
二次救急医療は、事故発生や発病から病院へ搬送されるまでの処置や時間でその生
死を決定する場合があります。曽於医師会を中心とした共同利用型病院運営事業によ
る在宅当番医や夜間救急センターなどの初期救急医療施設の一層の確保はもとより、
大隅曽於地区消防組合及び都城市北諸県郡医師会と連携し、救急医療体制を強化しま
す。
69
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
5 医療の確保 ⑶ 過疎地域自立促進
特別事業
事 業 内 容
事業主体
共同利用型病院運営事業 曽於郡医師会立病院
曽於市、旧輝北町、志布志市、大崎町で休日・夜間の利用
者、人口割により共同利用型病院運営負担金を負担すること
で医療の確保がなされ、市民の安心安全が図られる。
郡医師会
在宅当番・救急医療情報提供実施事業
日曜・祝日等の急な診療に対応する為、当番医療の情報提
供を行うことで医療の確保につながり、市民の安心安全が図
られる。
郡医師会
曽於郡医師会夜間急病センター事業
社団法人曽於郡医師会が実施する夜間急病センター運営事
業費の前年度赤字額を大崎町、曽於市、志布志市で人口割に
より負担することで医療の確保につながり、市民の安心安全
が図られる。
郡医師会
大隅広域夜間急病センター事業
大隅定住自立圏構成市町村3市5町で、休日・夜間の利用
者に応じ大隅広域夜間急病センター負担金を負担することで
医療の確保につながり、市民の安心安全が図られる。
鹿屋市
都城救急医療センター事業
都城市、三股町、曽於市、志布志市で休日・夜間の利用者
に応じ都城救急医療センター負担金を負担することで医療の
確保につながり、市民の安心安全が図られる。
都城市
都城市休日急患診療事業
日曜・祝日等の急な診療に対応する為、当番医療の情報提
供を行うことで、医療の確保につながり、市民の安心安全が
図られる。
都城市
70
備考
7
教育の振興
(1) 現況と問題点
ア 学校教育
本市の平成 27 年5月1日現在の学校及び児童・生徒数の状況は、表4に示すとおり、
小学校 16 校、114 級、児童数 1,719 人、中学校5校、35 学級、生徒数 861 人であり、
年々減少傾向にあります。
中でも農村部にある小・中学校においては児童生徒数の減少が著しく、平成 23 年4
月には八野小学校が閉校、平成 20 年4月から休校中の四浦小学校が平成 27 年4月を
もって閉校となりました。また、平成 23 年 12 月に策定した市学校再編基本計画に基
づき、志布志地区の田之浦中学校及び出水中学校を平成 26 年4月に志布志中学校へ編
入統合しました。
一学校当たりの学級数は、国において 12 学級以上 18 学級以下を基準とする旨の規
定がありますが、本市の公立小・中学校 21 校中(小学校 16 校・中学校5校)、この
基準を満たしているのは、小学校2校、中学校1校であり、小規模の学校が多いのが
現状です。
小規模の学校では、児童生徒一人一人に目が行き届くなどの利点があるものの、集
団生活の中で切磋琢磨する機会が少ないことや、教職員配置等教育環境の整備が不十
分な点もあるとの指摘がなされています。
一方では、過疎化・少子高齢化が進行する本市にあっては、運動会等の学校行事に
地域住民が参加したり、学校職員が地域での活動に積極的に参加したりするなど、学
校が地域のコミュニティ活動に一定の役割を果たしている面も見られることから、今
後は、へき地・小規模校教育の振興をどのように図っていくかが大きな課題です。
71
表4
小・中学校児童生徒・学級数及び学校施設の状況
学校名
児童生徒数
平成 17 年
平成 27 年5月1日現在
平成 27 年学級数
平成 27 年 普通編成
体育館
復式その他
プール
松山小
107
87
6
特支
1
1
1
泰野小
91
56
6
特支
1
1
1
尾野見小
61
69
6
1
1
志布志小
415
366
12
特支
2
1
1
香月小
370
342
13
特支
2
1
1
41
9
3
1
1
191
126
6
特支
2
1
1
田之浦小
33
7
1
複式
2
1
森山小
21
12
複式
3
1
1
四浦小
6
-
-
1
1
八野小
12
-
-
1
1
潤ヶ野小
安楽小
伊﨑田小
105
79
6
特支
1
1
1
蓬原小
76
70
6
特支
1
1
1
野神小
110
111
6
特支
1
1
1
有明小
116
118
6
特支
1
1
1
通山小
167
164
7
特支
1
1
1
原田小
62
57
6
1
1
山重小
60
46
4
複式 1 特支 1
1
1
2044
1719
94
20
18
17
小学校計
(複式 6 特支 14)
松山中
177
112
4
特支
1
1
1
志布志中
555
439
12
特支
2
1
1
田之浦中
37
-
-
1
1
出水中
41
-
-
1
1
有明中
134
131
6
1
1
宇都中
187
134
5
特支
1
1
1
伊﨑田中
71
45
3
特支
1
1
1
中学校計
1202
861
30
5
7
7
全国的に学力の低下が懸念される中で、学校では、新学習指導要領の実施による基
礎学力定着の各種取り組みや、総合的な学習の時間における体験的活動の導入により、
「自ら学び、自ら考える」力を培うなど、子どもたちの「生きる力」を育成するため
72
の活動を行っており、全教育活動での「心の教育」を推進しています。
高度情報化の進展に伴い情報活用能力を身に付けるため情報基盤の整備やICT機
器を活用した授業の推進が必要です。
小規模校における複式学級や変則複式学級においては、指導方法の改善として市単
独による指導補助教員を配置し、個に応じた指導を進め、児童・生徒の基礎学力の定
着を目指しています。
児童・生徒数の減少に伴い、学校の小規模化が進み、集団活動や社会性の育成が困
難になりつつあり、これらの課題への対応が必要となっています。
イ 心の教育の推進・安全管理・防犯対策
いじめ問題や不登校の児童・生徒の対策に積極的に取り組み、改善を図るとともに、
子どもたちに安全で豊かな学校環境を提供するために、安全管理体制の整備を適切に
行っていくことが大切です。
これらの問題に対処するため、スクールカウンセラー、教育相談員、教育支援セン
ター指導員及び訪問相談員などによる児童・生徒並びに保護者への支援を行っていま
す。
また、児童・生徒が安全な環境の中で、安心して教育を受けることができるよう、
家庭や地域及び関係機関、団体等と連携しながら、安全管理に取り組んでいます。
子どもを犯罪等の被害から守るため、通学路等への防犯灯の整備や緊急避難所とな
る子ども 110 番の家の設置、また、児童・生徒へ防犯ブザーを配布するなどの防犯対
策に努めています。
ウ 施設整備
(ア) 学校施設
学校施設については、児童・生徒等の安全を確保するとともに地域住民の応急
避難場所としての役割も果たすことから、その耐震化の推進が大きな課題となっ
ておりましたが、年次的、計画的な整備により、平成 27 年度末までに、市内小中
学校全ての対象施設の耐震補強工事を完了し、耐震化率については 100%を達成
したところです。
今後は引き続き、老朽化の著しい大規模改修等の整備が必要な学校施設や、老
朽化し改築等の必要な教職員住宅について、年次的、計画的な整備を行っていく
必要があります。
(イ) 社会教育施設
社会教育施設は、集会及び研修等の場として、やっちくふれあいセンターやコ
ミュニティセンター志布志市文化会館、各地区公民館、青少年館等が設置されて
おり、有効に利用されています。しかし、老朽化が著しく、改修等や備品購入の
必要な施設もあるので、計画的な対策を図っていく必要があります。
73
(ウ) 社会体育施設
社会体育施設は、陸上競技場、体育館、武道館、野球場、テニスコート、室内
プール及び弓道場などが整備され、各施設において、各種スポーツ大会やイベン
トの開催をはじめ、スポーツ合宿等の交流施設として利用されています。
また、芝生面を利用したグラウンドゴルフやウォーキング、ジョギング等の健
康づくりの場として活用されています。
しかし、各施設も老朽化してきており、年次的・計画的な改修が必要であり、
体育施設の有効利用を図りながら施設の整備を進めていく必要があります。
エ 生涯学習
住民一人一人が生きがいのある豊かな人生を送るために、「いつでも、だれでも、
どこでも」学べる生涯学習の推進を図るとともに、自らの主体的な学習活動を通じて
学んだことを社会に還元する生涯学習のまちづくりを目的に、各種生涯学習講座や生
涯学習フェスティバルを開催し、土曜日は、サタデー広場やキッズDAY等を開設し
ています。
また、住民のニーズを反映できる生涯学習施策を展開するために、生涯学習まちづ
くり出前講座を開設しています。
さらに、生涯学習まちづくりの手法を学習するために、地域で自ら活動しつつ周囲
の人々に地域活動への参加を促す「しぶしIKIIKI夢発見塾」を実施しています。
オ 図書館の充実
本市の図書館運営については、10 万冊を超える書籍の充実を図り、住民が求めてい
る資料や情報を提供するレファレンスサービスに努めています。
また、隣接する志ふれあい交流館では、毎月のお話し会や図書館まつり、クリスマ
ス読書会、緑陰読書会などの季節に応じた取組、更には、学校や幼稚園や保育所等へ
出向いての読み聞かせ等を実施しています。
このほか、子育て支援事業の一環として、家庭で読み聞かせをする機会をつくるブ
ックスタート事業やセカンドブック事業、小中学生を対象に図書館の仕組みや役割を
学ぶ一日図書館司書体験などを行っています。
カ 生涯スポーツの推進
現在、競技としてのスポーツばかりではなく、ゆとりある余暇活動や健康づくり、
生きがいづくりとしてスポーツへの関心が高まっています。
このような中、これまで活用してきた運動公園やふれあい広場に加え、しおかぜ公
園が整備され、スポーツや健康づくりのために利用されることはもとより、住民がふ
れあえる場として活用できるようになりました。
また、生涯スポーツの推進のため、陸上教室や水泳教室、カヌー教室などのスポー
ツ教室を行っています。さらに、スポーツ推進委員と行政が一体となり、ニュースポ
ーツの普及・広報を行うとともに、「志あふれる生涯スポーツのまち」を推進し、体
力づくりや技術向上等を通してスポーツの振興を図っています。
さらに、体育協会、スポーツ少年団などのスポーツ団体を支援するとともに、各種
大会を開催し市民の健康づくり・生きがいづくりに寄与しています。
74
キ 家庭・地域教育
近年、都市化や核家族化、少子化等により地域における地縁的なつながりが希薄に
なりつつある中で、家庭における教育力の低下が懸念されています。
家庭教育は、全ての教育の出発点であり、基本的な倫理観や社会的なマナーなどを
育成する上で重要な役割を果たすものですが、しつけなどの子育てに悩みを持つ親も
多くなっています。
本市では、図書館でブックスタートや読み聞かせなどの情操教育や親子のふれあい
を重視した事業を実施しているほか、志布志子育て支援センターでは子育てに関する
相談や助言、情報の提供、子育てサークルの育成支援などを行っています。
また、保育所や幼稚園、小・中学校では、家庭教育学級を開設し、公民館において
も伝統行事をとおした異世代間交流事業や、第3土曜日を中心に土曜体験広場などの
体験活動に取り組み、地域が中心となって家庭、学校を支える教育活動を行っていま
す。
子どもを地域で育てるために、PTAや長寿会、公民館、生涯学習センター、図書
館が連携をとり、親と子どもを対象にした講座等を実施していますが、地域の実情に
より定期的、継続的な活動が困難であるとの課題もあり、地域の受け皿としての活性
化が求められています。
ク 幼児・児童教育
少子高齢化社会の中で、地域社会が一体となって子どもを育てていくまちづくりを
進めるために、家庭教育力の強化や地域とのふれあい活動、子育て支援体制の充実等
を推進しています。
子どもは、異年齢集団の中で活動することによって集団の一員としての自覚を深め、
自己中心的傾向から脱却し、思いやりを持つ豊かな人間性や社会性を身に付けていき
ます。
しかし、近年の高度情報化、少子高齢化、核家族化などの社会環境の変化に伴い、
子どもが家庭や地域において多様な人間関係を持つ機会が著しく減少したこと等に
よって、コミュニケーション能力の低下が生じ、いじめや不登校などの問題行動の一
因ともなっています。
ケ 青少年育成
日本文化を再認識することや国際感覚を養うことを目的に、海外への研修派遣事業
を行っています。また、県外交流事業の実施やジュニアリーダー等の研修を行い学校
の枠を超えた交流活動を行っています。
これらの異年齢集団での交流や体験を通じ、自己の確立と自立心を養うことで、地
域や学校でリーダーとして活躍していく人材の育成を図っています。
(2) その対策
ア 学校教育
学校教育においては、知・徳・体の調和のとれた児童・生徒の育成を目指し、学力
の向上、心の教育の充実及び健康の増進や体力の向上など、学校教育の充実に努めま
す。
75
また、個性を生かす教育を充実させ、特色ある教育・学校づくりを進めるため、自
然環境を生かした体験活動や読書活動等を積極的に進めるとともに学習指導法の改善
に努めます。
さらに、総合的な学習の時間を充実させることで、自ら学び、自ら考える力の育成
を図ります。さらに、社会に貢献することの大切さやボランティアの意識を高めるた
めに、地域や学校行事、総合的な学習の時間において、校区内清掃や老人ホームとの
交流などを実施し、子どもたちの健全な育成を図ります。
児童・生徒の個性や能力を発見し、これを表彰することによって、心身共に健全な
児童・生徒を地域ぐるみで育てることを目的として、「子ほめ条例」を実施します。
また、学校におけるICT環境の整備を図るためデジタルテレビ・電子黒板・パソ
コン・校内LANを更新するとともに、タブレットの導入を年次的に進めます。
小・中学校における確かな学力の定着を図るため、平成 26 年度から児童生徒の確か
な学力の定着に向けた検討委員会を設置しました。児童生徒の学力及び家庭学習の実
態を把握し、知・徳・体のバランスの取れた児童生徒の育成を図るための方策等を検
討し、学力の向上に取り組みます。
イ 心の教育の推進・安全管理・防犯対策
不登校やいじめ等の未然防止、生徒の問題行動や学校への不適応などの生徒指導上
の諸問題、進路問題や家庭内問題などの相談に対処するため、教育相談員やスクール
カウンセラーを配置し、生徒へのカウンセリング、教職員及び保護者に対する助言指
導を実施します。
また、志布志子育て支援センターにおいて、電話や来訪による相談を引き続き実施
するとともに、スクールカウンセラーやふれあい教室との連携を強化し、不登校児童・
生徒の心のケアや体験活動、学習指導を行い、学校復帰・社会的自立ができるよう支
援します。
学校環境の整備及び安全管理については、学校環境の実態把握と適切な整備を行う
とともに、不審者対策の避難訓練などを行い、学校における安全管理体制の強化を図
ります。また、校外生活指導連絡会においても、学校外での子どもを取り巻く環境の
安全管理に努めます。
また、子どもを犯罪等の被害から守るため、各関係機関と連携しながら防犯灯の整
備やパトロールの実施、子ども 110 番の家の設置、防犯ブザーの配布や地域住民等の
学校安全ボランティアであるスクールガードの養成に努め、安全な地域づくりを推進
します。
ウ 施設整備
学校施設は、著しい老朽化に対応するために、施設の全般的な事故防止の観点から
も、緊急度の高い建物について大規模改修や改築などの整備を行います。併せて、小・
中学校トイレの洋式化や普通教室、職員室等への空調機設置、屋外運動場の排水対策
76
等も年次的に整備する必要があります。
社会教育施設や社会体育施設については、その有効利用を図るとともに、老朽化の
著しい施設については、緊急度や必要性に応じ、改修を行います。
コミュニティセンター志布志市文化会館については、築 39 年を経過しているため、
計画的にリニューアル工事を行い、機能の再生を図るとともに、高齢者や身障者等に
も優しい施設に改修し利用促進を図ります。
エ 生涯学習
多様化、高度化する住民の学習要求に対応する学習機会を提供するため、「志布志
創年市民大学」を開学し、生涯学習の活性化を図りながら、主体的な学習の場を提供
します。
全国の生涯学習まちづくりの機関とのネットワーク化を進めるとともに、全国の生
涯学習や地域学の第一人者を講師に迎え、まちづくりの実践や研究をとおした人材づ
くりに努めます。
オ 図書館の充実
書籍やレファレンスサービスの一層の充実に努め、住民が気軽に利用できる施設を
目指します。また、生涯学習時代に対応した市民が主役の図書館づくりや情報発進の
拠点施設づくりが求められており、情報ネットワーク化を推進するために、システム
の更新や図書貸出業務等の効率的な運用、図書資料の整備を行います。
また、本好きな子どもを育てる環境づくりとして、学校等でのお話し会や団体貸出、
移動図書館車の運行など学校図書館との連携を図ります。
さらに志ふれあい交流館の開館により、図書館ボランティアや生涯学習センターと
連携し、子どもから高齢者、障がい者が引きこもりにならないように楽しく集える交
流の場を提供するとともに、本の紹介や「宅配サービス」の活用の周知に努めます。
カ 生涯スポーツの推進
子どもから高齢者に至るまで、スポーツを通した体力や競技力の向上と健康増進を
図ることはもちろん、相互のふれあいや交流を深めるため、誰もが気軽に参加できる
生涯スポーツの推進に努めます。また、市民が多様なスポーツ活動に取り組めるよう、
指導者の養成や団体の育成にも努めます。明るく健康で充実した生活を送ることがで
きるよう、身近で気軽に参加できるスポーツ・レクリエーション活動の拠点作りを目
指し、コミュニティスポーツクラブの支援を図ります。
キ 家庭・地域教育
子どもに基本的倫理観や社会的マナーを教えるべき親の自覚と認識が希薄になり
つつある現在、親自身が礼儀やあいさつなどの基本的習慣を学ぶ機会を得なければな
らない状況にあるため、「子どもを教育するのは家庭が基本である」を前提に、各種
講座を開催し、親としての自覚を促し、子育ての知識や基本的習慣の習得を図ります。
また、子どもが自分で課題を見つけ、自ら学び、主体的に判断・行動し、よりよく
問題を解決する力、思いやりや感動する心を持つ豊かな人間性、たくましく生きるた
めの「生きる力」を、学校、家庭及び地域社会が連携して育んでいくために、豊かな
自然環境を活用した自然体験活動や社会体験活動、世代間交流などを通した体験学習
活動を推進し、地域の遊びや行事を伝承しながら地域の教育力を向上させていきます。
77
中学生の希望者を対象とした「志学教室(土曜学習教室)」を実施して,家庭に対
する学習支援も行っていきます。
ク 幼児・児童教育
家庭における幼児・児童教育の推進を生涯学習の一環としてとらえ、生活習慣の中
で発達段階に応じた諸施策を年次的に展開し、子育てを支援していく体制と環境づく
りに取り組みます。
児童・生徒が異年齢集団の中でともにふれあい、互いを理解し合いながらきずなを
強め、人を思いやる心を持つ豊かな人間性や社会性を培うために、体験的活動を推進
します。また、地域との連携を図りながら、異年齢集団での活動や地域間及び世代間
交流活動等を推進します。幼稚園・保育所と小学校が円滑に接続できることを目的に
情報交換を行う幼保小連携協議会を実施します。
ケ 青少年育成
青少年の交流やボランティアなど、様々な体験や活動の場と機会を提供し、地域の
教育力の向上を目指し、郷土に誇りと愛着を持った心豊かでたくましい青少年の育成
を図ります。
また、海外への研修派遣事業や県外交流事業を継続して実施し、地域や学校でリー
ダーとして活躍していく人材の育成を図ります。
78
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
事業主体
6 教育の振興 ⑴ 学校教育関連施設
校舎
屋内運動場
小学校施設老朽化改修事業 泰野小学校校舎
市
小学校施設老朽化改修事業 志布志小学校校舎
市
小学校施設老朽化改修事業 香月小学校校舎
市
小学校施設老朽化改修事業 潤ケ野小学校校舎
市
小学校施設老朽化改修事業 安楽小学校校舎
市
小学校施設老朽化改修事業 田之浦小学校校舎
市
小学校施設老朽化改修事業 森山小学校校舎
市
小学校施設老朽化改修事業 蓬原小学校校舎
市
小学校施設老朽化改修事業 通山小学校校舎
市
小学校施設老朽化改修事業 原田小学校校舎
市
中学校施設老朽化改修事業 松山中学校校舎(上特別教室
棟)
市
中学校施設老朽化改修事業 松山中学校校舎(下特別教室
棟)
市
中学校施設老朽化改修事業 志布志中学校校舎
市
中学校施設老朽化改修事業 伊﨑田中学校校舎
市
小学校施設老朽化改修事業 松山小学校屋内運動場
市
小学校施設老朽化改修事業 泰野小学校屋内運動場
市
小学校施設老朽化改修事業 尾野見小学校屋内運動場
市
小学校施設老朽化改修事業 伊﨑田小学校屋内運動場
市
小学校施設老朽化改修事業 山重小学校屋内運動場
市
中学校施設老朽化改修事業 宇都中学校屋内運動場
市
79
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
屋外運動場
事 業 内 容
事業主体
小学校老朽化遊具改修事業
市
小学校屋外運動場改修事業(表土及び排水整備等)
市
中学校屋外運動場改修事業(表土及び排水整備等)
市
水泳プール
小・中学校プール改修事業(漏水改修・ろ過機取替え外)
市
教職員住宅
教職員住宅改築事業
市
給食施設
給食配送車購入事業
市
その他
学校用コンピュータ環境整備事業
市
小・中学校トイレ洋式化改修事業
市
小学校施設維持管理事業(老朽施設等改修工事)
市
中学校施設維持管理事業(老朽施設等改修工事)
市
公民館等改修事業
市
公民館備品購入事業
市
志布志運動公園備品購入事業
市
志布志運動公園武道館屋根改修工事
市
志布志運動公園体育館屋根、外壁改修工事
市
志布志運動公園陸上競技場スタンドベンチ改修工事
市
志布志運動公園陸上競技場グラウンド改修工事
市
グラウンドゴルフ場整備工事
市
しおかぜ公園改修工事
市
しおかぜ公園掲揚台設置工事
市
⑶ 集会施設や体育施
設等
公民館
体育施設
80
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
⑸ その他
事 業 内 容
事業主体
人工芝サッカー場新設工事
市
城山総合公園体育館屋根、外壁改修工事
市
有明総合体育館屋根、外壁改修工事
市
有明野球場改修工事
市
小規模校入学特別認可制度通学事業
市
志布志中学校通学バス運行事業
市
学力向上推進事業
市
地域ぐるみ学校安全体制推進事業
市
道徳教育総合教育支援事業
市
土曜学習教室事業
市
スクールカウンセラー配置事業
市
スクールソーシャルワーカー活用事業
市
教育相談員派遣事業
市
自立支援事業
市
青少年研修事業
実行委員会
キラリ輝く「しぶしっ子」育成事業(土曜体験広場)
市
生涯学習推進事業
市
創年と子どものまち宣言事業
市
さんふらわあ交流全国グラウンド・ゴルフ大会実行委員会補
助事業
実行委員会
しぶしポートマラソン大会実行委員会補助事業
実行委員会
志布志ジョガー駅伝競走大会補助事業
実行委員会
81
備考
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
事業主体
体育協会補助事業
協議会
スポーツ少年団補助事業
協議会
サッカーフェスティバル実行委員会補助事業
実行委員会
伊﨑田相撲実行委員会補助事業
実行委員会
志布志大相撲後援会補助事業
協議会
B&G志布志海洋クラブ補助金
協議会
各種スポーツ全国大会出場補助金
協議会
第75回国民体育大会実行委員会補助事業
実行委員会
図書館管理システムレベルアップ事業
市
図書購入事業
市
志ふれあい交流館事業
市
82
備考
8
地域文化の振興等
(1) 現況と問題点
ア 文化活動の推進
本市の文化活動は、文化協会が中心となり、自主的な活動が展開されています。な
かでも「秋の芸術祭」は、子どもから大人まで幅広い参加のもと、住民主体の文化活
動の発表の場となっており、年々高い評価を得ています。
文化に対する投資は、公共事業への投資とは異なり、長期間にわたる継続的な投資
によってその効果が上がります。物質的な豊かさよりも心のゆとりや豊かさを求め、
生活の質を高めようとする人々の文化芸術への志向は、社会が成熟するにつれて一層
高まっています。
鑑賞型自主文化事業として、劇団四季のファミリーミュージカル公演や各種コンサ
ート公演、小・中学校を対象に青少年芸術鑑賞事業等を行っています。
また、創造型自主文化事業として、文化会館ロビーを住民ギャラリーとして開放し、
住民に発表と鑑賞の機会を提供しています。
イ 歴史的遺産の保護活用
文化財保護基盤の整備及び充実として、発掘調査に伴う埋蔵文化財出土遺物につい
ては、埋蔵文化財センターを活用し、適切な維持管理に努めています。
しかしながら、民俗資料の収集保管については、保管施設の老朽化をはじめ、収蔵
面積が不足している状況にあり、適切な維持管理が求められています。
文化財の継承及び発展については、保存と整備活用の両面が考えられます。
保存については、国の指定・登録文化財の公有化が課題となっているとともに、市
指定文化財の指定件数の拡充が求められています。
整備活用については、国指定史跡志布志城跡の史跡公園としての整備活用に向け、
補助事業による公有化及び発掘調査も終了し、今後、補助事業を活用しながら年次的
な整備を推進します。また、国指定名勝志布志麓庭園についても、保存管理計画を基
に、整備・活用に向けた基本計画と整備計画の策定を推進します。
文化財保護思想の普及については、文化財愛護会や他団体との連携を促進すること
が重要です。
(2) その対策
ア 文化活動の推進
文化芸術は、ゆとりや潤いなど精神的な豊かさをもたらし、市の魅力と活力を生み
出します。自主文化事業の充実に努め、芸術性の高い文化的刺激により地域文化の向
上と市のイメージアップを図り、文化のまちづくりを推進します。
また、民間との協賛事業等にも積極的に取り組みます。
イ 歴史的遺産の保護活用
本市の貴重な国、県及び市指定の歴史的遺産や天然記念物の広域的かつ一体的な整
備を推進するとともに、無形民俗文化財の保存活用が地域の活性化へつながることか
ら、市民がふるさとの伝統的な文化に広く親しむ機会として民俗芸能大会を開催しま
83
す。また、学習や憩いの広場となるよう、文化財を活用した計画的なまちづくりを積
極的に進めます。
また、文化財愛護思想の普及を図るため、文化財愛護会の育成指導と活動助成を行
い、指定外の地域の身近な歴史的文化遺産についても保護管理の充実と活用促進に努
めます。
志布志市街地東部地区については、豊富な史跡及び文化財の保存活用に努め、地区
の活性化と歴史的景観を生かした調和あるまちづくりを推進し、歴史の香り高いまち
づくりの形成に取り組みます。
中世山城志布志城跡については、志布志城跡(内城跡)史跡公園保存整備事業とし
て、補助事業を活用しながら年次的な整備を進めます。
また、志布志麓庭園については、保存活用に向け補助事業による公有化に取り組む
とともに、保存管理計画を基に、整備・活用に向けた基本計画と整備計画の策定を進
めます。
埋蔵文化財センターでは、遺跡から出土した遺物や記録を整理し、その成果を市民
や研究者の方々に報告・公開するとともに、郷土の歴史・文化遺産に対する市民の理
解と認識を深めるための企画展等を開催します。
84
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
事 業 内 容
事業主体
7 地域文化の ⑴ 地域文化振興施設
等
振興等
地域文化振興施設
⑶ その他
文化会館等改修事業
青少年音楽祭事業補助事業
自主文化事業
市
実行委員会
市
文化協会補助事業
協議会
市誌編さん事業
市
文化財保存活用事業
市
民俗資料収蔵庫整備事業
市
民俗芸能等保存会支援事業
市
史跡等買上げ事業 志布志城跡
市
史跡等買上げ事業 志布志麓庭園
市
志布志麓庭園保存整備事業
市
商家資料館保存整備事業
市
宝満寺跡史跡公園整備事業
市
志布志麓親水公園整備事業
市
史跡復元整備事業 御仮屋門
市
志布志城跡保存整備事業
市
85
備考
9
集落の整備
(1) 現況と問題点
本市は、南部海岸沿いにまとまった市街地を形成し、背後の台地から北部にかけた各
地区に大小の自治会が散在しています。
自治会数は、表5に示すように 388 に細分され、最も大きい自治会の規模は約 270 世
帯となっています。また、100 世帯以上の自治会は 10、一方、9世帯以下の規模の小さ
い自治会は 58 となっています。世帯数の平均は、1自治会当たり 30 世帯程度の構成に
なっています。このように、各自治会における世帯数は不均一で、集落の再編成等を検
討する必要があります。
従来、農村地区においては地縁的、血縁的結合が強く、特に、農作業、用水路管理、
道路の維持・補修、集落有林の共同作業など、広く地域住民の連帯のもとに伝統的な自
治機能が維持されてきました。しかし、昭和 40 年代から人口の流出に伴う兼業農家や非
農家の増加、少子高齢化が進行し、自治機能が弱まり、加えて都市化意識の波及により
旧来の共同意識が低下するなど、農村社会は大きな問題を抱えています。
また、市街地においても、自治会未加入者の増加や地域ごとに線引きできない点在的
自治会や自治会混入が見受けられます。
86
表5
校区ごとの自治会の規模
地
松
山
区
志
明
合
落
規
9戸以下
10~29 戸
30~49 戸
模
50~99 戸
100 戸以上
橋
35
4
25
4
泰
野
27
6
18
3
尾 野 見
20
6
8
4
2
東
区
29
3
15
5
3
帖 五 区
15
1
8
3
3
5
3
志布志区
27
4
19
3
1
香
月
37
4
16
9
5
3
安
楽
16
4
1
9
2
森
山
8
1
4
3
田 之 浦
12
1
10
1
浦
2
1
1
潤 ヶ 野
12
1
6
5
3
1
四
八
有
集
新
志 夏井陣岳区
布
集落数
平成 27 年9月1日
2
1
1
野
4
伊 﨑 田
29
3
18
7
1
有
明
26
7
11
7
1
通
山
13
1
6
2
3
蓬
原
22
1
15
5
1
原
田
15
3
9
2
1
野
神
15
1
5
6
3
山
重
19
7
9
2
1
388
58
210
74
36
計
3
1
10
(2) その対策
校区公民館を核として、各地域に伝わる祭りや伝統行事の復活・継承などにより市街
地周辺と農村部の交流を図り、地域の連帯感や相互扶助の精神を高めるとともに、自治
会未加入者の自治会への加入を促し、自治会の活性化を促進します。そして地域の様々
な課題解決のため、行政と自治会のパイプ役として各自治会に市職員を配置します。
また、自治会構成規模の適正化を図るため自治会の再編成を推進しながら、自治会環
境の整備を進め、従来の行政依存型から住民主体型の地域づくりを推進します。
さらに、自治会のコミュニティ活動を促進するため、自治会運営助成事業や自治会提
案型活性化助成事業により自治会活動の支援をします。
87
住環境の整備については、定住促進住宅用地の分譲や空き家バンクの活用、移住定住
促進事業補助金による市外移住者への受入れ態勢のさらなる充実を図り、学校統廃合に
伴う廃校舎についても、多世代交流やUIJターン者の交流の場としての利活用の検討
を行います。
また、都市部に住む若者を「地域おこし協力隊」として積極的に採用し、個々の能力
を生かしながら、特産品の開発や地域資源の発掘などの地域協力活動に取り組み、地域
の活性化を推進します。
88
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
事業名(施設名)
8 集落の整備
⑴ 過疎地域集落再編
整備
定住促進住宅用地整備事業
市
⑵ 過疎地域自立促進
特別事業
移住定住促進事業
中山間地域の活性化と均衡ある発展を目的に、市外からの
移住者に対して住宅の新築、購入経費の一部を助成すること
で、定住促進を図る。
市
地域おこし協力隊事業
都市部に住む若者を地域おこし協力隊員として委嘱し、地
域ブランド及び地場産品の開発・PR等の地域おこし活動、
農林水産業への従事、生活支援等の地域協力活動を行うこと
で、地域への定住及び地域の活性化を図る。
市
空き家バンク推進事業
空き家の改修及び修繕に要する費用の一部を助成すること
で、市内に所在する空き家を有効活用し、定住人口の増加を
図る。
市
出会いサポート事業
若者の定住化に向けて、男女の出会いの場をサポートする
ことにより、結婚及び定住へと結びつけ地域の活性化を図
る。
市
自治会統合推進事業
隣接自治会等と統合を行った自治会に対し、補助金を交付
することで、自治会の維持及び活性化を図る。
市
自治会加入促進事業
共生・協働のまちづくり及び地域コミュニティの再生を促
し、自治会の活動の活性化を図るため、未加入世帯の自治会
加入を促進する。
市
自治会運営助成事業
地域住民の連帯によるコミュニティ意識の高揚及び自主的
で健全な自治会活動を促進する。
市
自治会提案型活性化助成事業
自治会が行う地域づくり活動に対し助成金を交付すること
で、共生協働のまちづくり及び地域活性化を図る。
市
自治会集会施設等整備事業
市
⑶ その他
事 業 内 容
89
事業主体
備考
10
その他地域の自立促進に関し必要な事項
(1) 現況と問題点
ア 志布志ブランド確立の推進
志布志ブランド確立の推進については、志布志で生産される農・畜・林・水産物が
「安心・安全・健康・うまい・本物・環境・循環」をキーワードとして銘柄が確立さ
れるよう、行政と市民が一体となり様々な日本一づくりに取り組み、これらの取組を
通じて志布志ブランドの認知度が高まるよう情報発信に努めていますが、このブラン
ド確立については、全国各地で物が豊かであふれている状況の中、一朝一夕には出来
ない現状です。
イ 男女共同参画社会の形成
(ア) 個人としての尊厳が尊重される人権の確立
私たちの社会には、社会的に形成された性別(ジェンダー)に基づく意識や価
値観が根強く存在しており、これらは、性別に起因する偏見や差別を助長し、一
人一人の生き方の選択の自由を阻む要因になっています。
近年、社会問題として表面化してきたドメスティック・バイオレンス(DV:
配偶者等からの暴力)やセクシャル・ハラスメント(性的いやがらせ)をはじめ、
女性に対する暴力はこうした意識と深く関連しており、女性の基本的人権を侵害
するものです。
また、女性は、妊娠や出産をする可能性があることなどにより、ライフサイク
ルを通じて男性と異なる健康上の問題に直面するものの、その問題への配慮や女
性が心身及びその健康について、主体的に行動し、健康を享受する権利が人権で
あるという社会的認識が十分ではない現状があります。
これらの問題を解決するためには、すべての人の個人としての尊厳が尊重され
る人権の確立に向けた取り組みを進めていく必要があります。
(イ) 多様化する生活課題への対応
近年、少子高齢化の進展や核家族の増加等、家族や地域の在り方が多様化して
いる中で、家族を構成する男女がともに家族としての責任を担い、また社会がこ
れを支援し、地域全体で子育てや高齢者等の介護に取り組むことが求められてい
ます。
また、子育ての孤立化による不安やストレスが深刻化すると、児童虐待等の問
題が生じるおそれもあり、その防止のためにも、子育ての負担感を緩和・除去し、
安心して子育てができるような様々な環境整備を進めることが重要です。
一方、高齢者介護の負担が未だ女性に偏っていることや男性に比べて女性の高
齢化が進展しており、介護者に占める女性の割合が男性に比べて圧倒的に多いこ
となどにより、介護に係る様々な問題は、男性より女性を当事者として起こって
90
いる場合が多い現状があります。そのため、要介護者を社会全体で支え、高齢者
が安心して暮らせる仕組みづくりを行う必要があります。
(ウ) 個性と能力が発揮できる就業環境の整備
平成 19 年からの男女雇用機会均等法の改正により、性差別禁止の範囲が拡大さ
れ、男女間格差の解消に向けた法整備がなされる一方で、依然として性別による
職種や職域の偏り、昇進の格差等が存在し、働く場でのセクシュアル・ハラスメ
ントも問題となっています。
雇用状況が悪化する中で、多くの女性がパートタイム労働等非正規雇用という
形態で働いている現状がありますが、これらはライフスタイルに応じての働き方
を調整しやすい反面、労働条件が多様であること等からその実態把握が困難で、
不安定な労働条件に置かれることもあり、雇用管理の改善に向けた取り組みが求
められています。
また、家庭的責任の多くを女性が担っている現在、家庭生活と職業生活の両立
を図ることは困難な状況にあり、女性の社会進出を阻む大きな要因となっていま
す。その一方で、男性においては、職場優先の生活が求められるなど、固定的な
性別役割分担意識等が影響して、家庭生活に積極的に参加できない状況がありま
す。
(エ) 人権と生活環境の視点を踏まえた地域経済・地域産業の振興
家族経営を主体とするその性質上、地域に未だ根深く残る男尊女卑の考え方や
固定的な性別役割分担意識等を背景に形成され、支持されてきた慣習やしきたり
が、地域生活者一人一人の幸せな暮らしの阻害につながってきたことに理解を深
める必要があります。地域の発展に欠かせない農林水産業及び商工自営業の振興
に当たっては、経済・産業の振興という視点に留まることなく、人権尊重を基盤
にして各種取組が推進されることが重要な課題です。
農林水産業や商工自営業に従事する女性の多くは、仕事と家庭生活との明確な
区分が難しい中で、無報酬労働という現状があり、健康面や年金の問題などライ
フステージにおける様々な不安を抱えています。
また、農林水産業及び商工業に関わる各種団体や審議会等における女性の登用
は極めて少ない状況にあります。農林水産業や商工自営業を取り巻く社会環境が
急速に変化を遂げる中で、その振興を図るためには、これまで重要な担い手であ
りながら、政策及び方針決定過程や経営の場に参画する機会が確保されてこなか
った女性の参画の拡大が重要な課題です。
(オ) 共生・協働による地域づくり
地域課題が多様化及び高度化する中で、その課題を解決し、魅力ある安心した
暮らしを実現するために、地方分権が進展しています。
このような中、地域生活者の実感に根ざした地域づくりを進めるために、住民
91
と行政の共生・協働による地域づくりシステムの確立が求められています。
しかし、あらゆる分野への政策及び方針決定過程への女性の参画状況は未だ十
分とは言えない状況であり、地域に男女が共に参画できる条件整備を進め、様々
な立場や考えを持つ当事者や地域生活者の意見を反映していくことが極めて重要
です。
ウ 住民参画のまちづくり
各校区公民館を単位とするふるさとづくり委員会では、地域の課題解決のための取
組や地域活性化のための活動をそれぞれの地域ビジョンに基づき展開しています。今
後も地域住民が主体となって地域の抱える問題を解決していく仕組みづくりを行い、
あわせてそれぞれの地域が自立できるよう人材を育成する必要があります。
また、地域社会を構成する団体が共に協力し、支え合う共生・協働・自立の社会づ
くりを推進するため、モデル的な事業に対し支援を行っています。今後はその活動が
広がっていく仕組みづくりの検討が必要です。
エ イベント
鹿児島三大祭りの一つとして知られるお釈迦まつりや、やっちく松山藩秋の陣まつ
り、ふるさとまつり、志布志みなとまつり、イルミネーション、みなとサッカーフェ
スティバルをはじめとするスポーツイベントなどを実施しています。本市の特色を生
かした個性的で魅力あるイベントの育成が必要です。
(2) その対策
ア 志布志ブランド確立の推進
ごみの資源化率日本一、健康づくり日本一、学力向上日本一、子育て支援日本一、
日本一早い志布志の夏そば、あいさつ日本一の市役所など、環境、健康、教育、子育
て、グルメなどのほか、南九州物流拠点の志布志港やピーマン栽培によるIターン者
の新規就農者の増加、さらには市内全域高速インターネットの環境など、志布志の強
みである多様な地域資源を生かし、様々な日本一づくりに取り組み、志布志ブランド
確立に努めます。そしてホームページや情報発信プラットホーム「シシガーデン」等
を活用した情報発信の充実・強化を図り、志布志の認知度向上に努め、市民の所得向
上、観光客の増加等、地域のイメージアップにつなげていきます。
イ 男女共同参画社会の形成
男女共同参画社会の形成に向けては、あらゆる分野において男女共同参画の視点に
立った関連施策を立案・実施することが必要です。その施策を総合的かつ計画的に推
進するため、庁内外における推進体制を整備・充実し、平成 24 年度に策定した「第2
次志布志市男女(ひと)がともに輝くまちづくりプラン・志布志市DV対策基本プラ
ン」の見直しを行い、さらに充実した施策の取組を進めます。
(ア) 個人としての尊厳が尊重される人権の確立
92
一人一人が男女共同参画への理解を深めるために、学校、家庭及び地域などで、
あらゆる機会を通じて、人権尊重を基盤とし、性別にかかわりなく個性を伸ばし
自立を育む教育及び学習を推進します。
女性に対するあらゆる形態の暴力の根絶のために、暴力の防止及び被害者の救
済に向けた様々な環境の整備に取り組むとともに、女性の人権についての理解を
深めるための広報及び啓発に努めます。
また、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)に関
する意欲の浸透を図りながら、人権尊重の視点に立った健康及び保健施策を展開
します。
(イ) 多様化する生活課題への対応
多様な需要に対応した保育サービスの整備、子育ての孤立化や不安の解消を図
るための相談・支援体制の確立等すべての子育て家庭に対する支援策の充実を図
ります。また、子どもの養育等の面で不安を抱えているひとり親家庭等に対して
は、経済的・社会的自立を促進するための施策の充実を図ります。
一方、介護者も要介護者も、住み慣れた地域で個人としての尊厳が尊重され、
安心した暮らしを送ることができるよう、介護負担が女性のみに偏ることなく地
域社会全体で高齢者介護に取り組むための支援体制の構築に努めます。高齢期に
自立した生活を送るためにも、若年期からの人生 80 年を見据えたライフデザイン
の推奨や高齢者の社会参画の促進に取り組みます。
(ウ) 個性と能力が発揮できる就業環境の整備
雇用等の分野において、誰もが性別にかかわりなくその個性と能力を発揮する
ことができるよう、男女雇用機会均等法の履行確保に向けての周知及び徹底の強
化を図ります。そして、制度上の男女均等待遇の確保を目指すとともに、事実上
生じている男女間の格差を解消するための積極的改善措置(ポジティブ・アクシ
ョン)の推進が図られるよう、情報提供などの支援を展開します。また、職場に
おけるセクシュアル・ハラスメントは、女性の就業環境を悪化させ、能力の発揮
を阻害するものであることから、男女雇用機会均等法に基づいた雇用管理上の配
慮についての周知及び徹底を図ります。
また、非正規雇用者の働きやすい環境づくりに努めるとともに、在宅勤務やテ
レワーク、SOHO(コンピュータネットワークを活用して自宅や小さな事務所
で事業を起こすこと。)等、新しい就業形態への対応や女性の起業に対する支援
を推進し、労働者一人一人が仕事と家庭の調和のとれた職業生活を送ることがで
きるよう就業環境の整備を進めます。
(エ) 人権と生活環境の視点を踏まえた地域経済・地域産業の振興
農林水産業や商工自営業に従事する女性が、その労働を適正に評価され、労働
に見合った報酬を得ることができるよう、意識改革に向けた広報及び啓発を進め
93
ます。家族経営協定の普及及び締結に向けた取り組みの強化など、誰もが快適に
働くことのできる労働条件の確保や就業環境の整備に努めます。
また、地域資源を地域経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)として積極的に再
評価し、有効活用を図るためにも、経営、政策及び方針決定過程に参画できる女
性人材の育成に努め、女性が主体的にあらゆる活動に参画することができる環境
の整備を推進します。
(オ) 共生・協働による地域づくり
住民と行政の共生・協働システムを構築するため、登用や役員選出に関する慣
行の見直しに取り組むとともに、情報公開に努め、住民が行政に参画するための
環境の整備を推進します。
また、行財政基盤が脆弱化する中で、地方分権の進展に対応するためには、地
域生活者間で協力し、生活課題の解決に取り組む地域コミュニティを創造する必
要があります。公助、共助(互助)、自助による共生・協働のまちづくりを推進
していくことが求められている中、性別にかかわらず、誰もが生活者の視点をも
って積極的に地域社会における課題を考え、解決できるよう人材の育成に努めま
す。
ウ 住民参画のまちづくり
地域の特性や独創性を生かした、地域住民による自主的、主体的な地域づくりを進
めるため、NPO法人、ふるさとづくり委員会、ボランティア団体等へ引き続き支援
します。また、研修会やNPO等連絡協議会等の実施により、情報交換のための交流
を図ります。
エ イベント
共生・協働・自立の精神を基本に、まちおこし意識の醸成や人材の輩出、特産品の
開発を推進するとともに、地域の連帯意識の高揚と活性化に努めます。
また、音楽イベント等による志布志の若者文化を市内外へ発信し、これとあわせた
グルメイベントの開催など、商店街活性化への波及効果も狙いながら、若者の市外転
出の抑制と都会からのUIJターン者を呼び込むための取組を進めます。
94
(3)計
画(平成 28 年度~平成 32 年度)
自立促進施策
区分
9 その他地域
の自立促進に
関し必要な事
項
事業名(施設名)
事 業 内 容
事業主体
ブランド推進事業
市
情報発信事業
市
ふるさとづくり委員会事業
市
共生・協働・自立推進事業
市
男女共同参画推進事業
市
新築家屋調査業務委託
市
土地評価策定業務委託
市
雑種地(宅地批准)評価業務委託
市
イルミネーション事業補助事業
実行委員会
お釈迦まつり事業補助事業
実行委員会
ふるさとまつり事業補助事業
実行委員会
みなとまつり事業補助事業
実行委員会
シシフェスティバル開催事業
市
やっちく若者会運営補助事業
実行委員会
秋の陣まつり実行委員会補助事業
実行委員会
95
備考
11
過疎地域自立促進特別事業分
事業計画(平成28年度~平成32年度)
自立促進施策
区分
事業名
(施設名)
事 業 内 容
事業
主体
2 交通通信体系の整
備と情報化及び地域
間交流の促進
⑾ 過疎地域自立促進特別事業
地方公共交通特別対策事業
市
3 生活環境の整備
⑺ 過疎地域自立促進特別事業
自主防災組織活動支援事業補助金
市
3 生活環境の整備
⑺ 過疎地域自立促進特別事業
ごみ収集運搬及び処理業務
市
3 生活環境の整備
⑺ 過疎地域自立促進特別事業
環境パトロール・ごみ出し困難者対策事業
市
5 医療の確保
⑶ 過疎地域自立促進特別事業
共同利用型病院運営事業 曽於郡医師会立病院
郡医師会
5 医療の確保
⑶ 過疎地域自立促進特別事業
在宅当番・救急医療情報提供実施事業
郡医師会
5 医療の確保
⑶ 過疎地域自立促進特別事業
曽於郡医師会夜間急病センター事業
郡医師会
5 医療の確保
⑶ 過疎地域自立促進特別事業
大隅広域夜間急病センター事業
鹿屋市
5 医療の確保
⑶ 過疎地域自立促進特別事業
都城救急医療センター事業
都城市
5 医療の確保
⑶ 過疎地域自立促進特別事業
都城市休日急患診療事業
都城市
8 集落の整備
⑵ 過疎地域自立促進特別事業
移住定住促進事業
市
8 集落の整備
⑵ 過疎地域自立促進特別事業
地域おこし協力隊事業
市
8 集落の整備
⑵ 過疎地域自立促進特別事業
空き家バンク推進事業
市
8 集落の整備
⑵ 過疎地域自立促進特別事業
出会いサポート事業
市
8 集落の整備
⑵ 過疎地域自立促進特別事業
自治会統合推進事業
市
8 集落の整備
⑵ 過疎地域自立促進特別事業
自治会加入促進事業
市
8 集落の整備
⑵ 過疎地域自立促進特別事業
自治会運営助成事業
市
8 集落の整備
⑵ 過疎地域自立促進特別事業
自治会提案型活性化助成事業
市
96
備考