文部科学省 平成24年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業 20世紀日本における知識人と教養 ―丸山眞男文庫デジタルアーカイブの構築と活用― 第4回 公開研究会 講師: 宮村 治雄氏 (成蹊大学アジア太平洋研究センター客員研究員) 日時:2016 年 2 月 19 日(金) 15:30~17:00 会場:東京女子大学 24202 教室 第2部 丸山眞男文庫の現在 バーチャル書庫と草稿類デジタルアーカイブの紹介 ※講演会終了後の 30 分程度を予定しております。 申 込 不 要・入 場 無 料 問合せ先:東京女子大学 丸山眞男記念比較思想研究センター 〒167-8585 東京都杉並区善福寺 2-6-1 Tel: 03-5382-6817 Fax: 03-5382-6120 E-mail: [email protected] HP: http://www.twcu.ac.jp/facilities/maruyama 講演の概要 『三酔人経綸問答』は、中江兆民の「主著」とされ、論じられることも多い。しか し、そのテクストが成り立つ主体的な文脈に沿って解読されることは、必ずしも十分 に果たされてきているとはいえないように思われる。 兆 民 は 、こ の 作 品 に 先 だ っ て 、彼 の「 経 綸 」の 基 礎 を 形 造 る ル ソ ー の『 社 会 契 約 論 』 や『学問芸術論』の翻訳だけでなく、フランス革命史の叙述や、ルソー批判の紹介な ど を も 試 み て い た し 、彼 が「 理 学 」と 呼 ぶ <philosophie>に 関 連 す る 翻 訳 や 著 作 を 行 っ ていた。それらの著訳書、および彼が主宰した仏学塾での塾生たちと共同して刊行し た『政理叢談』雑誌その他の著訳書は、同時代日本での彼の特異な知的視野と位置と を示している。 兆民の「主著」は、そうしたサブテクスト群の広がりと奥行きの中に置き直される とき、どのような姿を開示するのか。できるだけ、新たな諸側面に即して素描してみ たい。 講師プロフィール 成 蹊 大 学 ア ジ ア 太 平 洋 研 究 セ ン タ ー 客 員 研 究 員 。 著 書 に 、『 戦 後 精 神 の 政 治 学 ―― 丸 山 眞 男・藤 田 省 三・萩 原 延 壽 』 ( 岩 波 書 店 、 2 0 0 9 年 )、 『 新 訂 日 本 政 治 思 想 史 ――「 自 由 」 の 観 念 を 軸 に し て 』( 放 送 大 学 教 育 振 興 会 、 2 0 0 5 年 )、『 開 国 経 験 の 思 想 史 ―― 兆 民 と 時 代精神』 ( 東 京 大 学 出 版 会 、 1 9 9 6 年 )、 『 理 学 者 兆 民 ――あ る 開 国 経 験 の 思 想 史 』 (みすず 書 房 、 1989 年 ) な ど 。 第2部 丸山眞男文庫の現在 東 京 女 子 大 学 は 、 2012 年 度 よ り 、 丸 山 眞 男 文 庫 の 資 料 に も と づ い た 研 究 プ ロ ジ ェ ク ト 「 20 世紀日本における知識人と教養―丸山眞男文庫デジタルアーカイブの構築と活用―」を開始 し ま し た ( 文 部 科 学 省 平 成 24 年 度 「 私 立 大 学 戦 略 的 研 究 基 盤 形 成 支 援 事 業 」 採 択 プ ロ ジ ェ ク ト )。 こ の プ ロ ジ ェ ク ト は 5 年 間 に わ た っ て 2 つ の テ ー マ を 軸 と し て 研 究 を 進 め て い ま す 。 この第 2 部では、テーマの 1 つ「丸山眞男文庫所蔵資料の調査研究とデジタルアーカイブ 構 築 」の 成 果 に あ た る 、バ ー チ ャ ル 書 庫( 2015 年 3 月 公 開 )と 草 稿 類 デ ジ タ ル ア ー カ イ ブ( 同 年 6 月 公 開 ) に つ い て 当 文 庫 ス タ ッ フ が ご 紹 介 い た し ま す ( HP: http://www.twcu.ac.jp/ facilities/maruyama/project/)。 東京女子大学へのアクセス JR西荻窪駅北口より徒歩約 12 分。 バスの場合は西荻窪駅北口より吉祥寺駅行 きバス/JR・京王井の頭線吉祥寺駅より西 荻窪駅行バスで「東京女子大前」下車。 丸山眞男文庫とは 日本政治思想史の研究を中心に、政治思想家として世界に向けて発信し続けた丸山眞男は、戦 後の日本を代表する知識人でありましたが、その思索の跡を伝える約 2 万冊の蔵書と約 3 万頁の 草 稿 類 が 1998 年 に 東 京 女 子 大 学 に 寄 贈 さ れ ま し た 。東 京 女 子 大 学 は 、日 本 に お け る 丸 山 眞 男 研 究 の拠点となり、貴重な資料がひろく活用されることを願って丸山眞男文庫を設立し、調査と整理 を進めるとともに講演会、公開研究会、公開授業等を開催しています。
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