第87 横浜港埠頭株式会社 不 当 事 項 工 第 3 章 事 (450)荷役機械の走行用レール等を設置する工事の施行に当たり、レールの敷設工費の積算 第 87 を誤ったため、契約額が割高となっていたもの 科 目 構築物、附属設備 (電気施設) 、資産除却損 横浜港埠頭株式会社 部 局 等 工 事 名 工 事 の 概 要 (本牧) HD ― 4 号 220M 区間レール等設置工事 本牧 D ― 4 号岸壁の耐震化工事に伴い、荷役機械の走行用レールの設 置等を行うもの 契 約 額 209,006,853 円 (平成 25 年度) 請 負 人 東亜・五洋特定建設工事共同企業体 契 約 平成 25 年 6 月 随意契約 支 払 平成 25 年 6 月、11 月 割高となってい た契約額 1 1110 万円 (平成 25 年度) 工事の概要 横浜港埠頭株式会社 (以下 「会社」 という。 ) は、平成 25 年度に、 (本牧) HD ― 4 号 220M 区 間レール等設置工事契約を随意契約により、東亜・五洋特定建設工事共同企業体と契約額 209,006,853 円で締結して施行している。 本件工事は、埠頭群荷さばき施設等整備事業の一環として、横浜港において、本牧埠頭の 本牧 D ― 4 号岸壁の耐震化工事に伴い、レール敷設工、側溝設置工等を実施するものであ る。このうち、レール敷設工については、荷役機械の走行用レール (延長計 451ⅿ) 等を設置 するもので、レールを岸壁のコンクリート舗装に固定するベースプレートを含めたレール敷 設工の延長は計 456ⅿとなっている。 会社は、本件工事の予定価格の積算に当たって、レール敷設工に係る労務費等については 業者から見積書を徴し、また、レールを敷設する場合に必要となる機械経費については横浜 市制定の積算基準を準用するなどして、レール敷設工に係る費用 (以下 「敷設工費」 という。 ) を算出した上で、敷設工費をレール敷設工の延長で除して敷設工費の 1 ⅿ当たりの単価 (以 下 「単価」 という。 ) を算出することとしていた。そして、これにレールの延長計 451ⅿを乗じ て、敷設工費の積算額を 18,100,885 円としていた。 2 第 2 節 検査の結果 本院は、経済性等の観点から、予定価格の積算が適切に行われているかなどに着眼して、 本件工事を対象として、会社において、契約書、設計書等の書類を確認するなどして会計実 地検査を行った。 検査したところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。 ― 819 ― 横 浜 港 埠 頭 株 式 会 社 すなわち、会社は、敷設工費 6,582,300 円をレール敷設工の延長計 456ⅿで除して単価を 14,434 円と算出すべきところ、誤って、本件工事とは別のレール等設置工事の積算で計上さ 第 3 章 第 2 節 第 87 横 浜 港 埠 頭 株 式 会 社 れたレール敷設工の延長 164ⅿで除して単価を 40,135 円と算出していた。 したがって、上記の適正な単価 14,434 円を用いて修正計算すると、レール敷設工の延長 に係る積算過小を考慮しても、敷設工費は 6,581,904 円となり、これにより適正な工事費の 総額を算定すると 197,809,500 円となることから、本件契約額 209,006,853 円はこれに比べ て約 1110 万円割高となっていて不当と認められる。 このような事態が生じていたのは、会社において、本件工事の予定価格の積算に対する審 査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。 ― 820 ―
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