資料3 地域における好循環の拡大に向けて(有識者議員提出

資料3
地域における好循環の拡大に向けて
平成27年4月16日
伊藤 元重
榊原 定征
高橋
進
新浪 剛史
1.地域でも起動し始めている経済の好循環
○ アベノミクスの効果により、地方においても景況感は昨年11月以降、大きく改善。
○ 大胆な金融政策が実施される中、すべての地域で資金繰りが好転し、経常利益も増加。地方法人二
税も全都道府県で大きく増加しており、企業部門を中心に、地方においても概ね経済の好循環が起動
し始めている。
図表1 景気ウォッチャー調査(現状)
65
資金繰り判断DI改善幅
(DI)
80
10
中国
60
近畿
50
6
50
全国
北海道
45
30
東北
中国
九州
2014年度4-2月 前年同期比
10
2
0
0
0
2
4
6
8
10
△ 10
貸出金伸び率(%)
(備考) 1.日本銀行「金融経済統計」、「企業短期経済観測調
査」、日本銀行各支店「企業短期経済観測調査」により
作成。地域別資金繰り判断DIの作成されていない関東
地域を除く。
2.資金繰り判断DI改善幅は、2014年12月調査における
2012年12月調査からの改善幅。
3.貸出金伸び率は、2014年12月残高の2012年12月比で
の伸び率。
2013年度 前年同期比
山梨県
岐阜県
茨城県
宮城県
山形県
愛媛県
福井県
埼玉県
香川県
長崎県
奈良県
岩手県
大分県
鹿児島県
新潟県
青森県
熊本県
大阪府
千葉県
兵庫県
神奈川県
和歌山県
宮崎県
岡山県
山口県
広島県
沖縄県
福岡県
鳥取県
石川県
富山県
北海道
徳島県
福島県
京都府
滋賀県
東京都
全国計
長野県
三重県
島根県
佐賀県
栃木県
秋田県
静岡県
高知県
群馬県
愛知県
11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 (月)
2012 13
14
15 (年)
(備考) 内閣府「景気ウォッチャー調査」により作成。
2012年度 法人二税収入額 3.2兆円
2013年度 法人二税収入額 3.5兆円
2014年度4-2月 対前年同期比 14.1%増
20
四国
北海道
北関東
四国
2012年度~14年度(4-2月)
までの増加率
40
東北
東海
4
40
30
60
九州・沖縄
55
全都道府県合計の計数
70
北陸
8
35
図表3 地方税収の状況(法人二税)
(2013年度、2014年度(4-2月)前年同期比)
図表2 貸出金の伸びと資金繰り判断DI
(2014年12月と2012年12月の比較)
(備考) 2012年度~14年度(4-2月)までの増加率は、2013年度前年同期比と、
2014年度4-2月前年同期比を乗じたもの。2014年度4-2月前年同期比
は、2014年度2月時点の収入額と13年度2月時点の収入額の比較。
2
2.雇用の増加、賃金上昇の地域への波及
○ 地方においても労働市場は着実に改善。とりわけこの2年間で、女性、高齢者の労働参加率が大きく
上昇。最低賃金も2年連続で大幅に引き上げられ、賃金の底上げに寄与。
○ ただし、就業者数と賃金の伸びは都道府県のうち都市圏以外の地方部で緩やかとなっており、消費
の回復の遅れの要因。今後、ベースアップなど賃上げの動きが、地方経済・地域の中小企業へと波及
していくことが重要。
図表4 女性と高齢者の労働参加率
(2014年と2012年の比較)
図表5 最低賃金の上昇額
(2014年度と2012年度の比較)
図表6 就業者数と賃金の伸び
(2014年度最低賃金-2012年度最低賃金、円)
高齢者の労働参加率(%)
(前年比、%)
45
25
3.0
引上げ額の目安
40
南関東
20
東海
北関東・甲信越
全国
中国
東北
九州・沖縄
四国
近畿
2.0
1.0
35
北陸
0.0
△ 2.0
北海道
2014年
2012年
25
65
70
75
女性の労働参加率(%)
A
(備考)1.厚生労働省「労働力調査」により作成。
2.高齢者は65歳以上、女性は15-64歳。
B
C
全国
60
△ 3.0
沖縄
鹿児島
宮崎
大分
熊本
長崎
鳥取
佐賀
高知
徳島
福島
秋田
岩手
青森
愛媛
山形
島根
山口
和歌山
奈良
岐阜
石川
群馬
宮城
福岡
山梨
福井
新潟
香川
岡山
北海道
兵庫
長野
富山
栃木
三重
京都
滋賀
静岡
茨城
広島
埼玉
大阪
神奈川
東京
愛知
千葉
20
10
0.9
1.3
0.6 0.6
2.1
1.9 1.4
1.2
1.1
0.0
1.2
0.7 0.8
0.0
0.5 0.7
△ 1.0
30
15
2.3
1.7
1.0
▲ 0.9
0.1 0.1 0.2
▲ 0.1
一人当たり賃金(現金給与総額)
就業者数
上下上下
上下上下
上下上下
2013
2013
2013 2014
2014
東京
2014
9道府県
10都道府県以外
D
(備考)1.厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」により作成。
2.厚生労働省中央最低賃金審議会では、都道府県の経済実態に
応じ、全都道府県をABCDの4グループに分けて、引上げ額の目
安を提示。
(備考)1.総務省「労働力調査」、各都道府県「毎月勤労
統計調査」により作成。
2.9道府県は、北海道、宮城県、神奈川県、愛知
県、京都府、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県。
3
3.地域の自助努力による好循環の拡大
○ 開業率は大都市圏だけでなく、多くの地域で高まるなど、地場産業の新陳代謝や活性化は進展しつ
つある。
○ その動きを加速するカギはまちと地場産業の活性化であり、官民が連携し、ハード整備と産業育成
までを一連の流れと捉えて対応する必要。再生プロセスを円滑に推進するため、支援制度の活用など
を効率的に行うためのワンストップ窓口などの仕組みが重要。
まちと地場産業の再生プロセス(成功事例の典型)
図表7 開業率・廃業率
(2014年と2012年の比較)
5.0
①
②
③
廃業率(%)
北海道
2014年
2012年
4.5
④
⑤
まちの中核となる比較的狭いエリアで再開発について合意形成
美しい町並み、快適な公共空間を生み出すデザインコードの作成
民間による初期投資(土地等現物出資を含む)と、公的な関与・支
援の組合せ
地域固有の創造的サービス産業(商店街)を育成するマネジメント
事業収益を税収増という形で公共へ還元
図表8 認定された中心市街地活性化基本計画数の推移
4.0
中国
東北
(被災3県除く) 四国
近畿
九州・沖縄
中部
全国
(計画数)
50
43
(累計)
125市177計画
40
関東
30
3.5
24
25
21
20
3.0
3.0
3.5
4.0
4.5
5.0
5.5
開業率(%)
(備考)1.厚生労働省「雇用保険事業月報」により作成。
2.開業率については、雇用保険の「新規適用事業所数」の年間合計値を「月末
適用事業所数」の月平均値で除して算出。廃業率については、雇用保険の「廃
止事業所数」の年間合計値を、「月末適用事業所数」の月平均値で除して算出。
17
14
15
13
11
10
18
5
0
2007 08
09
10
11
12
13
(年)
(備考)1.内閣府地方創生推進室資料により作成。
2.中心市街地活性化基本計画は、協議会(まちづくり会社、商工会議所、市町村、民間
事業者、地域住民等が構成員)の意見を聞きつつ、市町村が作成。内閣総理大臣が
認定した計画については、都市再生整備計画事業の交付率拡充(40%→45%)等によ
り、国が重点的に支援。
3.2015年は3月27日時点での計画数。
4