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【機密性2情報】
「地域の経済2015」要旨
∼経済好循環の地域経済への波及とばらつく景況感∼
○2015年の地域経済をみると、アベノミクスの経済政策の下、経済の好循環は地方へと波及しつつある。しかしながら、
2015年後半には中国をはじめとする新興国経済の減速等もあり、生産が弱含んだ地域も多く、所得面での下押し
圧力となった。
○消費動向をみると、消費税率引上げによる落ち込みからの消費の回復は、大都市部で先行したものの、地方での
持ち直しの動きにはばらつきがみられた。
○消費の回復にみられる地域差には、資産効果や訪日外客による観光需要のばらつき等も影響している。
百貨店・スーパー販売額(消費税込、全店)
日銀短観 業況判断DI(2012年12月−2015年12月)
(DI)
(DI)
20
20
13.0
13.0
11.0 10
9.0
8.0
東海
北陸
全国
△5
△ 10
△ 10
△ 15
2014
2015
四国
九州・沖縄
1.61.2
2.22.4
2012
1-3月
10-12月
7-9月
4-6月
2013
2014
△ 2.0
地域別株式保有と消費(2012年10−12月期−2015年7−9月期)
全
(年)
△ 3.2
10−12月期
2015年1−3月期
△ 6.0
0.9
0.8
国
東 京 都
△ 4.2
△ 5.0
愛 知 県
大 阪 府
3都府県以外
シティホテルの客室稼働率
(%)
100
2015年客室稼働率
y = 7.4986ln(x) + 48.184
R² = 0.5082
1.3
(備考)経済産業省「商業動態統計」により作成。
(消費支出額3か月分、万円)
110
100
2.2
1.81.4
1.6
△ 2.6
(期)
2015
(備考)日本銀行「日銀短観」により作成。
4.3
3.3
2.32.1
1.7
1.3
△ 3.9
1-3月
(年)
4.8
0.0
△ 20
(期)
6.9
4.6
△ 4.0
10-12月
10-12月
7-9月
4-6月
1-3月
10-12月
7-9月
4-6月
1-3月
10-12月
7-9月
4-6月
10-12月
1-3月
2013
中国
全国
△ 15
2012
近畿
7-9月
関東
4-6月
東北
7−9月期
6.7
3.6
2.8
2.0
1-3月
北海道
4−6月期
5.3
6.0
0
3.0
△5
9.0
4.0
10-12月
0
2014年7−9月期 10−12月期 8.1
8.0
9.0
8.0
5
7-9月
5
4-6月
10
10.0
14.0
15
10-12月
15
△ 20
(前年同期比、%)
90
全国79.9%(2015年)
2012年客室稼働率
2012年客室稼働率
80
90
2015年客室稼働率
80
70
70
60
60
50
北海道
東北
関東
東海
北陸
近畿
中国
四国
九州
沖縄
50
40
0
50
100
150
200
250
福井県
青森県
佐賀県
栃木県
徳島県
宮崎県
鹿児島 県
大分県
秋田県
岩手県
山口県
新潟県
香川県
岡山県
山梨県
茨城県
島根県
愛媛県
山形県
(備考)1.観光庁「宿泊旅行統計調査」により作成。
2.2015年は速報値。
三重県
高知県
宮城県
滋賀県
長野県
和歌山 県
富山県
熊本県
群馬県
福島県
岐阜県
鳥取県
長 崎県
北海道
静岡県
奈良県
広島県
石川県
埼玉県
兵庫県
沖縄県
福岡県
神奈 川 県
東京都
千葉県
- 1 -
愛知県
(備考)1.総務省「家計調査」により作成。
2.二人以上の世帯。
3.2014年4-6月以降の消費については、消費税増税の影響の除去のため、金額に105/108を乗じている。
大阪府
40
京都府
300
350
(株式保有額、万円)
0
○企業動向については、多くの地域で生産は弱含みまたはおおむね横ばい。地域によっては、中国経済の減速の影響
【機密性2情報】
が輸出を通じて生産に大きく波及する構造となっている。
○設備投資は、企業収益の増加を背景として、多くの地域で増加の見込み。
鉱工業生産指数
(2012年 10-12月=100)
法人企業統計調査 年度ごとの地域別経常利益
(2012年 10-12月=100)
120
120
115
115
112.8
110
110
103.7
105
近畿
中国
九州
全国
四国
100.4
東北
2012
2013
96.4
6
20
5
105
17.8
4
2015
9,000
3
101.5
100.1 10
100
4.8
4.4
4.6
4.1
104.2 15
2.9
2.8
5
12年度
14年度
8,000
7,000
4,977
4,000
2,000
1,000
2013
2014
10−12
7−9
4−6
1−3
10−12
7−9
4−6
1−3
10−12
7−9
4−6
1−3
10−12
2012
0
0
1,825
509
284
△ 223
△ 1,000
東海
関東
3,220
2,883 2,870
2,740
2,325 2,085
2,159
1,789
1,428
1,256
966
3,000
1
(期・年)
6,832
5,000
0
(期・年)
8,071
13年度
6,000
2
95
90
10−12
7−9
4−6
1−3
7−9
2014
(億円)
(兆円)
全国
4−6
1−3
10−12
7−9
北陸
4−6
10−12
1−3
東海
90
関東
10−12
北海道
95
(兆円)
25
23.6
22.5
105.1
103.2
100
(地方)
(3大都市圏)
116.4
近畿
北海道
東北
北陸
中国
四国
九州
2015
(備考)経済産業省、各経済産業局、中部経済産業局・ガス事業北陸支局「鉱工業生産動向」により作成。2010年基準、季節調整値。 (備考)各財務局等「法人企業統計調査」により作成。資本金10億円以上で金融業・保険業を除く全産業。
(%)
日銀短観 設備投資(2015年計画・12月調査)
中国向け輸出上位3品目の輸出シェアと生産に占めるウエイト
(前年度比、%)
80
50
72.4
非製造業
大阪(電気機器)
45
神戸(原料別製品)
40
60
影響大
製造業
中 国向け輸出のシェア
35
相対的に
影響小
東京、 横浜(その他)
30
51.5
40
29.9
25
20
14.3
25.0
23.0
12.9
20.4
18.2
16.2
18.5
11.9
12.6
16.8
0.7
九州( 化学製品)
名古屋(輸送用機器)
2.3
△ 4.8
△ 7.9
△ 10.9
△ 16.8
△ 5.1
△ 20
5
△ 5.6
3.北関東は日 本銀 行 前橋支店 管内、南関東は神奈 川県である。
4.北関東は、ソフト ウェ アを 含む。
- 2 -
全国
2.東海は3県(岐阜 県、愛 知県、三重 県)であり、静岡県を含 まない。
九州・沖縄
(備考)1.日本銀行 又は日 本銀 行 各支 店の公表資料(平成27年12月調査)により作成。
四国
中国
近畿
(備考)1.財務省「貿易統計」、経済産業省「鉱工業生産指数」により作成。
2.函館税関はアジアの品目別輸出額をもとに算出。東京税関のみ香港を含む。
3.各税関において、中国向け輸出額シェアの高い3品目について、中国向け輸出額全体に占める3品目のシェ
アと、その品目の地域別鉱工業生産指数のウエイトを比較。
4.ウエイトの比較に当たっての地域区分は以下のとおり。
函館税関(北海道、東北)、東京・横浜税関(関東)、名古屋税関(東海)、大阪税関(北陸、近畿)、神戸
税関(中国、四国)、九州経済圏(九州)
北陸
△ 40
東海
50
(%)
△ 5.8
南関東
40
北関東
30
北海道
20
生産に占めるウエイト
東北
0
10
0.5
2.4 1.7
0
10
0
12.2
5.6 7.8
13.8
5.9
20
15
全産業
52.0
51.0
函館( 原料別製品)
○有効求人倍率が全地域で改善するなど、雇用・所得環境の改善が地方へも広がってきている。地域によっては、
構造的な人口減少や人口移動の下、顕在化している人手不足が、成長のボトルネックにならないよう、ミスマッチ
の解消や労働生産性の向上が必要。
【機密性2情報】
2015年10−12月と2012年10−12月の有効求人倍率の差
有効求人倍率の推移(2012年∼2015年)
(倍)
1.6
1.4
1.21
1.2
1.27
1.15
1.41
1.51
1.37
1.19
1.11
1.04
0.96
1.0
0.84
0.8
0.6
0.4
0.2
北海道
東北
北関東
南関東
東海
北陸
近畿
中国
四国
九州
沖縄
( 備考)厚生労働省「一般職業紹介状況」により作成。
職業別有効求人倍率の推移(2012年∼2015年)
(倍)
4.0
3.5
2.92
3.0
2.47
2.5
2.0
1.73
1.5
1.48
1.12
1.73
1.18
1.10
1.0
(備考)厚生労働省提供データにより作成。
0.0
就業者数変化の寄与度分解
(2015年と2012年の差、万人)
管理的 専門的・ 事務的
技術的
70.0
50.0
40.0
25
就業者の増減
20.0
高齢者の労働参加率(%)
非労働力人口から就業への移動
7.0
10.0
2.0
5.0
0.0 0.0
△ 6.0
運搬・
清掃等
女性と高齢者の労働参加率
南関東
東海
北関東・甲信越
6.0
34.0
9.0
3.0
4.0
5.0
4.0
△1.0
△ 12.0
サービス 農林漁業 生産工程 輸送・ 建設・
機械運転 採掘
失業者から就業への移動
30.0
20.0
販売
(備考)1.厚生労働省「一般職業紹介状況」により作成。原数値。
2.各年度とも4∼12月の比較。
64.0
12.0
60.0
0.61
0.34
0.5
3.0
1.0
△ 7.0 2.0 △ 6.0
6.0
12.0
△ 4.0
0.0
20
15.0
9.0
2.0
2.0
8.0
5.0
3.0
△ 7.0
1.0△ 6.0
6.0
11.0
5.0
△ 9.0
全国
中国
九州・沖縄
0.0
1.0
3.0
15歳以上人口の増減
東海
近畿
中国
四国
九州
60
沖縄
(備考)1.総務省「労働力調査」により作成。
2.就業者の増減=15歳以上人口の増減-完全失業者の増減(失業者から就業への移動)非労働力人口の増減(非労働力人口から就業への移動)。15歳以上人口の増減には、
社会移動も含む。
2012年 2015年
北海道
15
△ 20.0
北陸
四国
近畿
2.0
△ 10.0
北海道
東北
南関東
北関東
北陸
甲信
(備考)総務省「労働力調査」により作成。
東北
65
70
(備考)1.総務省「労働力調査」により作成。
2.高齢者は65歳以上、女性は15-64歳。
3.高齢者の労働参加率=65歳以上労働力人口/65歳以上人口。
-3-
女性の労働参加率=女性15−64歳以上労働力人口/女性15−64歳以上人口。
75
女性の労働
参加率(%)
○東日本大震災の被災3県の復興状況をみると、住宅再建などの生活基盤整備に関する取組は着実に進展して
【機密性2情報】
いる。
○人手不足と雇用のミスマッチ解消が課題であるほか、今後の成長を担う産業の活性化と新産業の育成が重要。
被災3県における防災集団移転促進事業(工事着手地区数)の進捗状況
(地区数)
100
90
80
70
200
95
180
想定
95地区
(全地区完了)
160
140
190
45
想定
190地区
(全地区完了)
35
120
30
50
100
25
40
80
20
30
60
15
20
2012年12月
40
8
10
想定
47地区
(未着 工4地区)
40
60
2015年11月
雇用失業率と欠員率(2010年∼2015年)
50
8.0
43
7.0
近畿
6.0
ミスマッチ縮小
5.0
13
5
東北
4.0
0
0
宮城
岩手
(備考)復興庁「復興の現状」及び国土交通省提供データにより作成。
福島
3.0
被災3県の産業連関指標
被災農地の復旧状況
(東日本大震災に伴う津波の被災農地面積=100)
88.3
60
1.4
8.5
1.1
2011年度
岩手県
岩手県
宮城県
福島県
1.0
33.3
宮城県 福島県
2015年度
(見通し)
(備考)1.農林水産省「農業・農村の復興マスタープラン」により作成。
2.東日本大震災に伴う津波の被災農地には、転用等により復
旧不要となった地域や、原子力発電事故に係る避難指示区
域等が含まれていることに留意を要する。
3.指数については、100を超えるものではないことに留意
を要する。
60
40
20
東海
2015年
中国・四国
北海道
2.0
3.0
4.0
5.0
6.0
7.0
81.9
3.雇用失業率=完全 失業者数/(非農林雇用者数+完 全失業者数)
67.0
63.9
4.有効求人数は就業地ベース。
53.4
30.7 41.9
2011年
被災3県における新設法人件数の推移
(社)
2015年
2,500
2013年
(備考)農林水産省「水産物流通調査」により作成。
2012年
2,000
1,979
2011年
1,933 1,905
2014年
1,609
2010年
1,500
1,446 1,387
1,283
1,351
1,000
500
852 859
405
501
619 642
594
0
岩手県
(備考)各県「鉱工業生産指数」により作成。
8.0
(欠員率、%)
(備考)1.総務省「労働力調査」、厚生労働省「一般 職業紹介状況」により作成。
2.欠員率=(有 効求人数 −就職件 数)/(有効求人数−就職件数+非農林雇用者数 )
80
40
20
120
北関東
需給改善
1.0
100
67.1
北陸
(2010年=100)
140
80
南関東
需給悪化
2010年
2.0
水揚量
100
ミスマッチ拡大
九州・沖縄
10
21
20
0
0
(雇用失業率、%)
宮城県
福島県
(備考)株式会社東京商工リサーチ「2014年全国新設法人動向調査」により作成。
(備考)観光庁「宿泊旅行統計調査」により作成。
-4-