2015年 4月17日号 Vol.217 成長見通し下方修正で遠のく利上げ観測 マーケットへの影響大 ユーロ圏、日本も復調 国際通貨基金(IMF)は、4月14日に最新の 世界経済見通し(WEO)を公表しました。 2015年の世界経済に関しては3.5%と前回 (2015年1月)と比べて変化はありませんでし たが、ユーロ圏と日本の成長見通しを上方 修正した一方で、米国の成長見通しを3.6% から3.1%に引き下げました。 2014年10月の公表時には、世界経済の成長 見通しが2014年と2015年のいずれも下方修 正されたため、世界経済への先行き懸念が 高まり、世界的に株式が大きく下落しまし た。為替市場もリスク回避的な動きとなり、 円高が進行しました。このように、IMFによる 世界経済見通しはマーケットを動かすひとつ の要因として、注目を集めています。 今回は世界経済の成長率に変化はありませ んでしたが、各国の数字からいくつかの注目 ポイントが浮かび上がりました。今回のポイ ントは、先進国の成長に関して、今後の世界 経済の見通しにおいて、引き続きけん引役 が期待される米国以外にも、日本と欧州にも 復調が見られ、心強い結果となったことで す。ユーロ圏の成長見通しは、原油価格の 下落、量的金融緩和やユーロ安の恩恵など により1%台半ばまで引上げられました。日 本は、大幅な円安や原油安が景気を押し上 げるとの見通しです。 ■IMFの世界経済成長見通し(2015年1月、2015年4月) 8% 7% 6% 5% 4% 3% 2% 1% 0% -1% 2015年1月(前回:左) 2015年4月(今回:右) 4.3% 3.5% 2.4% 3.6% 3.1% 1.0% 0.6% 先 進 国 米 国 日 本 1.5% 1.2% ー 世 界 6.8% ユ ロ 圏 0.3% -1.0% 新 興 国 中 国 出所:IMFのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ブ ラ ジ ル どうなる?米国の利上げ 少し成長の勢いが落ちたような米国ですが、 主要先進国のなかでは、成長予想は3.1%と 依然高成長にあります。ただし、気になる点 は、ドル高の影響です。ドル高は、米国の輸 出関連企業の業績や物価上昇(インフレ)率 の押し下げ要因となり、米国経済へマイナス の影響を与えます。しかし、個人消費にはプ ラスの影響となるため、ドル高を一概に悪者 にはできません。米国の利上げを決定する にはインフレ(物価上昇)率2%が目標となっ ているため、米国経済のドル高の影響に注 視が必要です。今回の発表を含め、米国の 早期利上げ観測は後退しています。 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市 場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績 は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全 性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることが あります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護 機構の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかな る情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。
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