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患者と患者の夫が同席した。 ミサワさんは実家で父親の看取りの一部を経験していた。しかし自分自身が在宅で療 養するイメージの形成にはいたらなかった。だから今も、不安が強いようだ。 病 院 側としては、病 状の安 定した今 、す ぐに退 院して在 宅に移したい考えである。 しかし、実家のスペースが狭く、レイアウト変更や片づけに時間がかかるらしい。介護 サービスなどの諸々の準備を考えると、最短でも退院は八日後ということである。在宅 療養中、常にそばにいるのは母親となる。ただ、ミサワさんはお母さんを﹁介護力とし ては考えにくい﹂と言っており、また高齢の親をいたわりたい気持ちも強く、母親には 介護をさせたくないようである。身のまわりの世話は女性からされることを希望されて いる。在宅で主に担当する看護師は男性なので、看護師指導の下、家族、または介護ヘ ルパーが行うことになるだろう。 退院の四日前、患者の夫と面談 退院が四日後にもかかわらず、夫にもまだ﹁退院後のイメージがついていない﹂印象 を受けた。 介護サービス導入が在宅療養の鍵となるにもかかわらず、まだケアマネージャーにそ の手配のための連絡を取っていないそうだ。 腸閉塞のため薬の内服ができず、持続皮下注射をしている。訪問入浴時に、その針の 差し替えをするため、看護訪問の日と合わせてもらう必要があると説明した。早めにケ アマネージャーと連絡を取り、介護事業者と調整してもらうように指導する。 退院の二日前、第二回退院時共同指導 病室に訪問すると、患者の母親が、 ﹁大変申し訳ありませんが、娘のたっての希望なので男性看護師はお断りしようと思い ます﹂と、かかる﹁男性看護師﹂である私にあらためて告げた。患者の妹さんも、 ﹁姉の思うとおりにさせたいので⋮⋮﹂と言った。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 病棟看護師と相談したいと伝え、一旦退室した。病棟看護師によると﹁その件は聞い ていなかった﹂という。 その後調整のために再び病室へ伺った。すると、こちらが説明する前に、 ﹁やっぱり、看護師さんにお願いします。人柄がよさそうなので﹂と、母親が私に言っ た。本人にも照れ笑いが見られ、気持ちの切り替えができた様子だ。 ﹁よくよく考えたら、この病気の最初の担当医師は男性でしたし、看護師さんをお医者 さんだと思えばいいわけよね﹂ 介護ヘルパーの導入は拒否された。 ﹁かわるがわるいろいろな人に自分の世話をされるのは統一も取れないだろうし、気疲 れするから嫌﹂と、ミサワさんは言った。﹁担当の訪問看護師さんに保清を含めて一任 するので、他のサービスの介入は断りたいと思っています﹂ それで退院後は男性看護師が週三回、保清ケアを含めて訪問することになった。訪問 入浴に関しては、入浴そのものが娘の体力を消耗することを母親が懸念している。本人 は入りたいが、どんなものか想像できず、﹁食わず嫌い﹂の状態だった。ひとまず調子 の好いときに試してみることをケアマネージャーに依頼してあるとのこと。 ﹁家に帰ってしたいことは何ですか?﹂と、ミサワさんに訊くと、 ﹁うーん、具体的には何も浮かびません﹂と彼女は答えた。 お母さんが、 ﹁いろいろな景色を見たがってます﹂と、つけ加えた。 リクライニングタイプと標準型の体が大きい人用の車いす︵故父のもの︶があるらし い。話の限りでは車いす移乗に問題はなさそうなので、外の散歩なども可能だろうか。 訪問初日︵医師同席︶ ミサワさんはベッドに臥床中で、穏やかな表情である。昨日退院し、自宅に戻ってき た。今のところ﹁とくに困ったことはない﹂そうだ。ベッドは介護用ベッド、マットは寝 心地は﹁まずまず﹂との評価だった。 一昨日はトイレ︵排便︶頻回だったが、昨日から少なくなっている。今日はまだ排便 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 なし。下剤を内服した。医師聴診にて腸蠕動音活発。ご本人も﹁これから出るかもしれ ない﹂と。ベッドサイドにポータブルトイレが設置されている。入院中の食事は三分粥 で刻み食だった。 ﹁刻みは見た目も悪いし、味気なくて食べにくかったです。昨日から柔らかくしたもの を食べました﹂ 食事はお母さんが工夫しているそうだ。 今後のことについて医師から尋ねられる。ご本人はできるだけ自宅︵実家︶でと思っ ているようだが、ご主人とは話し合っていない。ミサワさんは緩和ケア病棟について医 師から情報提供をされると、 ﹁考えてもいかなかった⋮⋮。主人と相談してみます﹂と言った。 訪問開始から三日目︵医師同席︶ 庭が望める和室に介助用ベッドが設置され、そこで横になっておられた。こちらは汗 ばむほどに室温が暖房されているのだが、本人は﹁寒い﹂と言って、布団にくるまって いる。医師より﹁腸閉塞の状態が改善しているので薬を減量していく﹂と患者に伝えら れた。 訪問開始から四日目 訪問入浴についての事前の打ち合わせを行い、一週間後に初回の訪問入浴をすること が決まった。持続皮下注射の取り扱い、針の交換についても話した。 保清ケアを行った。陰洗時に外陰部は触れただけで痛みを誘発する。相当の柔らかい ケアが望まれる。 訪問開始から六日目 皮下注射針の交換を行った。右胸にあった刺入部を左側へ移す。乳頭付近に旧刺入部 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 はあったため、新しい針は胸骨よりに移した。が、ほどなく患者が違和感訴え、腋窩寄 りに移した。るい痩が著しいため、十分な皮下脂肪のある部位が胸部には少ない。入院 していた病院では﹁苦しい選択ながら敢えて乳頭付近を選らんだ﹂と患者が教えてくれ た。ただそこでも一定の時間経過すると違和感があり、患者には不快だそうだ。下腹部 に移す提案もしたが、﹁ズボンやパジャマの更衣がしにくくなるから困る﹂と言った。 訪問開始から八日目 便は二日前に驚くほど大量にでたが、その後排便なし。本日から下剤増量とした。 本日は全身清拭した。当初からそうだが、そのとき在宅の家族が看護師のケアを全面 的にサポートしてくれるので、とてもケアしやすい。反面、特に母親の疲労が心配され るが、今のところ、母親のためにもよさそうだ。患者も含め、娘三人と母親は父の看取 りの経験で相当に在宅ケアを心得ていると判断できる。 訪問開始から九日目︵医師同席︶ 昨 日 下 剤 増 量し、現 在 腸 蠕 動 音 も 亢 進している。しかし排 便は僅かしかなく、不 快 な状態で朝から過ごしていたらしい。医師の指示にて浣腸を施行した。初めてのような ので、どんな治療なのかを説明した。そのせいか、薬液注入後もがんばって我慢してく れ、普通便から軟便が排出された。時間はかなりかかり、本人も疲労したであろうが、 ﹁助かりましたァ。先生に今日来てもらえて本当に良かった!﹂と、満面の笑みを浮か べ、医師に感謝の言葉を伝えていた。 訪問開始から十一日目 一昨日の浣腸後も排便一回あり。本日も一回あり、腸蠕動音亢進。下剤の加減が難し 本日訪問入浴。ミサワさんは疲れはしたものの ﹁気持ちよかったァ!﹂と言った。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 いそうだ。減らせば便秘、増やせば渋り腹。焦らずに自分のお腹と相談しながらでいい ですよ、と伝える。 訪問開始から十三日目 排便は昨日、本日と一回ずつあり。便の出始めも柔らかくなり順調とのこと。このま ま自己調整とする。 訪問開始から十五日目 1 2 日中トロトロ眠ることが多くなった。排便はこの所一日 ∼ 回と順調。だが、トイ レに行くのが深夜になってしまったという。消灯後より、便が気になり、一時間ごとに トイレに行くか行くまいかで悶々としてしまうそうだ。排便の時間をなんとか昼間に調 整したいものである。 訪問開始の十六日目︵医師同席︶ 医 師から患 者へ、現 在の病 状と今 後 起こりうる症 状について説 明された。今 後の展 開については患者 も今まで聞いたことがなく、医 師の話 を 真 剣に聞いていた。母 親は 膀 胱と腟との間に 瘻 孔ができること ︶などの話は、本人には意外なことのようだった。自分が看取られる場所を 何 もしゃべらなかったが、黙って娘 を 穏 やかに見 守っている。水 腎 症の話や 膀 胱 膣 婁 ︵ どこにするかは、ぼんやり考えつつもしっかりとした答えを持っていなかったようだ。 ただ、できるならばこの場所でという想いはある様子。夫とはこのような話をする機会 が今までなかったので、機会をみて話したいという。 訪問開始から十八日目 昨日は僅かずつ数回に分けて排便があったそうだ。が、出きった感はなく、﹁腹に貯 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 まっているみたいで辛かった﹂ため、今朝は下剤を増量した。訪問入浴前に﹁塊でたく さん出た﹂と話していた。 患者はジュースなどを夫に買い物を頼むことがあるそうだ。すると、青汁などのおよ そ彼女の好まないものを買ってきて、 ﹁高かったんだから、ちゃんと飲めよ﹂と言われという。 ﹁ほんと、私あの人と趣味合わないのよねェ。どうして、私の気持ち、わからないのか しら?﹂と冗談交じりに話していた。 次女も母もその冗談に応じ、楽しげな雰囲気が出ている。入浴介助のスタッフとも談 笑でき、在宅療養の快適な環境が整いつつある。 訪問開始から二十日目 昨日も排便良好。本日は今のところ排便なし。排便に関し、気にはしてほしいがおお らかにとらえるように指導した。 訪問開始から二十二日目 亡くなったミサワさんのお父さんは、医師の予測をはるかに超え、長い期間在宅で過 ごせたそうだ。その原 因として、母 親は代 替 療 法のサプリメントや富士山の水などを 使った効果と分析している。よって、母親としては娘にもやってほしいのだが、患者本 人は代替療法に否定的だそうだ。 訪問開始から二十三日目︵医師同席︶ 食事摂取の話になり、ミサワさんは病院食の様子を話していた。三分粥やキザミ食に ついての思いを医師に存分に語っていた。 ﹁どうがんばっても、食べられないものがよくあった﹂要は、そういう話だった。 医師より﹁ 血液検査の結果、腎機 能の悪化と電解 質の異 常を認められた﹂と説明が 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 あった。患者は水腎症のため右尿管ステント︵ ︶が留置されており、近日中 膀 胱から腎 盂 までの尿 路に留置するカテーテル に入院にて交換の予定であった。その予定を早めた方がいいと医師より勧められたが、 そのことについて本人は嫌がる様子はなかった。一方お母さんは、 ﹁せっかく︵在宅の︶ペースがついてきたのに⋮⋮﹂と残念そうであり、また医師の説 明に納得つつも、病状の悪化に複雑な表情を見せていた。 訪問開始から二十五日目 四日後に入院となった。 排便のコントロールはついてきており、真夜中の排便はなくなった。 訪問開始から二十七日目 ミサワさんは入院が早く決まってホッとしているものの、部屋は個室を希望し、大部 屋になることを心配していた。わがままを言っている訳ではなく、排便が不定期でベッ ドサイドのポータブルトイレを使うことを悩んでいるのだ。 ﹁いつ、うんちになるかわからないでしょ。せっかくここまでコントロールできてきた のだから、したいときに出して便通を乱したくないの。でも、他の患者さんが隣にいる と思うとね⋮⋮﹂ ﹁今回は治療を優先し、なるべく早く帰って来ることを考えましょう﹂と言うと、 ﹁そうよね﹂と笑顔が見られた。 一方で、貧血を心配する母親に対して、 ﹁また、輸血してもらおうかな?﹂と、積極的に治療に臨もうとする姿勢もみられた。 訪問開始から二十九日目 下痢症状が強くなり、ベッドとトイレを三回連続で行ったり来たりしたそうだ。それ でも出きった感がなく、﹁悶々と一夜をすごした﹂とのこと。それに排便開始の最初の 便が一定の硬さ、大きさを超えてしまい、患部からの出血を誘発しているようだ。トイ 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 レットペーパーや、ベッドに戻ってからの尿取りパットに血がついているという。場合 によっては血の塊が見られることもあるそうだ。 明朝、夫の車にて入院する予定。 訪問開始から三十三日目、退院時共同指導 古い尿管ステントは抜去したが、再挿入は不可能であったとのことである。また抜去 したステントには膿性の付着物があったため、今後数日、抗生剤を投与予定。その間、 急激な発熱など炎症所見がなければ、明後日に退院となる。 病棟看護師が﹁夫と本人の諸問題に関する認識のズレは病棟も把握している。今後の 在宅療養で問題が起こらないか心配している﹂と話していた。 訪問開始から三十六日目 昨日退院。 昨晩から排便したい感覚はあるものの、いざポータブルトイレに座るとほんの一つま みしかでない。 ﹁出そうで出ないんです。辛くて⋮⋮﹂ 訊くとまともな排便はここ二日間ないそうだ。腸蠕動音亢進。患者と相談の上、浣腸 施行。今回は我慢できず床上での排泄となった。最初の一塊が大きくかつ硬いので本人 の力だけでは出てこない。摘便も同時に施行してようやく出始めた。拳2.5個ほど排 出できた。 ﹁やっとすっきりした。ここ何日か悶々としていたのはうんちだったのね﹂ 訪問開始から三十七日目︵医師同席︶ 訪問すると、疼痛時頓用薬を使用している最中だった。 ﹁今日は痛くて、しんどくて⋮⋮﹂といつになく辛そうである。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 辛い時にちょうど医師の訪問だったので、 ﹁こうしてす ぐ 診て頂けて本 当に安 心なんです ﹂と、ミサワさんは感 想 を話してくれ た。 先日とうってかわって、表情が明るい。痛みはないようだ。 訪問開始から三十九日目 昨 日、排 便 あり 。やや 柔 らか過 ぎて、ポータブルトイレまで間に合 わなかったそう だ。 ﹁とにかく、この前みたいに普通のうんちになると私の場合出なくなっちゃうみたい。 柔らかめを心がけます﹂ 現在、麻薬性鎮痛薬は皮下注射から投与されている。 ﹁痛みが安定しているならば貼付薬への変更も可能です﹂と説明した。 ミサワさんはかなり乗り気になっている。 訪問開始から四十日目 昨日から痛みの増悪はなし。 排便も昨日一回、本日既に一回あり。重量感がある便が出ていたそうだ。患者は﹁も う一回くらい出そうだ﹂と言った。昨晩は焼き肉でカルビなど美味しく食べられた。し かし、就寝前に吐き気に見舞われ、吐いてしまったとのこと。吐き切ったためそれ以上 不快感が続くことはなかった。 訪問開始から四十一日目 痛みの増悪なし。逆に不意に襲う眠気で昼間でも寝てしまうことや、朝、﹁母に起こ されることが多くなった﹂と話していた。これまでは眠りは浅く、ひとに起こされるな どありえなかったそうだ。麻薬系鎮痛薬の過量が原因だろうか。近日中に麻薬系鎮痛薬 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 の投与経路を含めて、調整が予定されているので、 ﹁今は痛みがないことで良しとしましょう﹂と説明した。 訪問開始から四十二日目、緊急訪問 患者の夫から電話があり、﹁妻が苦しがっている﹂という一報があった。 ﹁大分落ち着きましたが、血圧は低いままです﹂ 緊急訪問の依頼があった。 訪問してみると、患者は顔面蒼白であった。苦しいか問うと、 ﹁大丈夫です﹂と答えた。 しかし血圧測定中に、 ﹁苦しい⋮⋮﹂と訴えた。 すぐに苦痛時の頓用薬を使用した。暫くすると、眉間の皺が軽減した。 おそらく貧血症状に関連した症状だろうとご主人に説明した。看護師訪問時にも彼は 落ち着いていた。奥様が苦しかったり、痛かったりしているのであれば、頓用薬を使用 し、看護師への連絡はその後でよいと説明した。 訪問開始から四十三日目 昨日はあれ以降、呼吸苦は出現しなかったという。実はその際、夫は救急車を呼ぼう としており、お母さんが今は救急車より先に看護師に連絡するよう諭したのだそうだ。 本人は昨日よりは良い顔色だが、血色が良いわけではない。今、トイレに立つとふら つき感 を 覚 えるとのこと。全 身 清 拭した。昨日のことがあるので体 力 的に心配 だった が、終わっても笑顔が絶えなかった。洗髪では看護師の補助をご主人が行ってくれた。 訪問開始から四十六日目 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 痛みはない。むしろ、眠気が気になるという。何かしようとしても、眠ってしまうこ とがしばしばだそうだ。 水分の摂取に比べ、排尿量が少ないとの印象があるそうだ。ただ排尿後にベッドへ戻 り、横になった時に失禁してしまうそうだ。パットを見せてもらうと、かなりの重さが ある。 ﹁出ないより、出てくれることを良しとするしかないかな﹂と、ミサワさんは言った。 訪問開始から四十七日目︵医師同席︶ 腸閉塞が改善し内服が可能となり皮下注射をする必要がなくなっていること、および 日中の眠気対策として麻薬系鎮痛薬の投与経路の変更、並びに減量を医師から情報提供 される。患者は積極的だが、﹁そのことによる痛みの増強は避けたい﹂と言った。医師 といろいろ話したが、数日考えてみることになった。 訪問開始から四十八日目 本日の陰洗時、臭いが気になった。パッド下半分に緑のクリーム色のオリモノがあっ た。陰洗中も膣より流れ出ており、ふき取りながらの施行となった。 帰り際に玄関でお母さんが、 ﹁病院では年を越せないと言われたのに、こうしてお正月も迎えられた。家にいた方が 調子いいみたい﹂と言った。 ﹁お母さんはじめ、ご家族の手厚いケアがあったからです﹂と労い、﹁病院の予後予測 はいい意味で裏切っていきましょう!﹂と励ました。 訪問開始から五十日目 ミサワさんは夫の勧めで、﹁癌ワクチン治療﹂を検討中なのだという。夫の兄の関係 者の紹介らしい。お母さんは効果があるのか疑問視しており、反対の立場である。﹁お 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 正月までとても持たないと言われたのをここまでやってきた。今は調子が良く、この状 態を崩すかもしれない、効果もわからないものに挑戦してほしくない﹂のだという。以 前6回1クールの免 疫 療 法 を受けたことがある。1∼4回目までは順調に受けられ、 5回目の時、嘔吐と腰痛でキャンセルした。今も6回目の治療の権利は持っているらし い。お母さんは﹁どうせやるなら、こちらの方が良いと思っている﹂と話していた。看 護 師と話すとき、どうしても予 後の話になるため、患者は涙 を拭いながらの話となっ た。 今日は声が枯れている。また、咳もある。本人いわく、黄色の粘っこい痰がでるとの こと。エア入りがやや弱いが肺雑音は聴取されない。発熱もない。 夜、夫より入電。熱が出ており、気分が落ち着かないとのこと。母が座薬を使おうと しているが難儀している。患者が﹁看護師さんを呼んで﹂と言っているそうだ。緊急訪 問することとした。 緊急訪問看護 訪問すると、本人は声が出すのがやっとという状態だった。眉間に五、六本皺が寄っ ており、強い苦悶表情になっている、どこが痛むのか看護師が問うてもなかなか答えら れない。頓用の坐剤を使用した。しばらく様子を見たが苦悶表情は軽減しない。再度使 用し、ようやく表情が改善したので退室した。 夫は正月に風邪をひいていたらしい。母が勧めても殆どマスクをしなかったそうだ。 夫は﹁自分はうつしていない﹂と主張しているという。 訪問開始から五十一日目︵医師同席︶ 医師訪問時はうとうとしていたが、患者は問診しているうちに覚醒し、意識がはっき りとしてくる。往診中に咳嗽は出なかった。しかし普段は黄色か黄緑色の痰が喀出され るという。 風邪の症状が改善したら、麻薬性鎮痛薬の投与経路を皮下注射から貼付薬、および内 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 服に変更することになった。その手順を医師から説明された。 訪問開始から五十三日目 昨 晩、発 熱があり、お母さんの判 断で発 熱時 頓用坐剤を使用した。朝までに解 熱し たようで、訪問時は平熱だった。この日はいつもに比べて、ミサワさんは元気がなかっ た。ケアも陰洗のみを希望された。 麻薬性鎮痛薬の投与経路変更について、再度看護師より説明し、注意事項も伝えた。 病院入院時に貼付薬へ変えた途端、疼痛時頓服薬を5∼6回立て続けに使ったことがあ るため、看護師に細かく質問してきた。 訪問開始から五十五日目 昨日は朝から調子が良くなかったという。下腹部の痛みと腰痛があり、疼痛時頓用を 2回使った。 ﹁一日中痛みを抱え、悶々とした一日だった﹂との印象があるそうだ。 今朝になって痛みはとれ、﹁眠気が気になる﹂状態だそうだ。ただ、看護師との話の 途中で眠ってしまうことはなかった。 風邪の症状は善くなっている。麻薬性鎮痛薬の投与経路変更について、患者は看護師 とよく話し合った上で、 ﹁少しでも話を先に進めたい﹂と希望を述べた。 持続皮下注射を中止した。貼付薬および内服薬について指導した。お母さんは、 ﹁泣こうが喚こうが、薬は絶対に飲ませます﹂と言った。 訪問開始から五十六日目 夜、夫より入電。 ﹁微熱があります。熱がまだ上がりそうなので、発熱時頓用薬を使っても良いでしょう 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 か?﹂ ﹁かまいません﹂と回答した。 お母さんなら即断できる内容である。どうも、夫だけが在宅療養の蚊帳の外にいるよ うだ。女性陣から、 ﹁彼がいなければ、うまくいくのにね﹂とのコメントが聞かれることもある。 また、患者が夫と療 養 生活に関 する趣 向が合 わない、ということがしばしばある。 お母さんを含め女性陣の夫への評価は、﹁肝心のことは何もしない。患者の横に寝てい ても、何も気づかずガーガー寝ているだけ。たまに介入すると、どうしてよいかわから ず 、看 護 師に電話する。さらに母が反 対しているがんワクチン治 療 を強 硬に主張する ⋮⋮﹂等と、彼女たちとの距離は離れるばかりだ。 訪問開始から五十七日目 ﹁昨日は大変だったの。お腹はゴロゴロ、食欲はないし、一日中なんとなく痛かった気 がします﹂とミサワさんは言った。 2 日中 回疼痛時頓用薬服用した。その後で昨晩の電話になったようだ。持続皮下注射 使用時より痛みを感じているという。本人はお腹のタイミングが良くないと、薬の服用 で吐き気を催すこともあり、なかなか疼痛時頓用薬を積極的に飲もうという気が起きな いそうだ。 本日、腸蠕動音亢進。下剤の減量は、 ﹁便秘が怖くてできないんです﹂と言った。 訪問開始から五十八日目︵医師同席︶ 腸蠕動亢進による痛みについては、医師とよく話し合えたことで下剤減量に踏み切れ そうだ。これで、癌性疼痛と蠕動痛の訴えが曖昧だった患者がすっきり表現できるよう になることを望みたい。 また医師より膀胱膣婁を指摘される。一週間後の病院外来へは当初、夫だけの受診予 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 定であったが、患者本人も受診するよう勧められた。 訪問開始から六十日目 就寝前に﹁痛くなるかな?﹂という予感があるときがあるそうだ。が、服用しようか と思うと腸蠕動の痛みがあり、様子を見ているうちに眠ってしまうのだという。また、 日中も気を抜くといつの間にか眠っていることが多いそうだ。眠気を不快には思ってい ない。 二日前より下剤減量。ここの所二日間排便なし。直腸診したが、便塊には触れず。今 朝になって食欲が戻った。それまでの二日間は大した量は食べていない。本人と相談の 上、水分を多めに取り、明日は下剤を増量して、様子を見ることになった。 訪問開始から六十二日目 昨 日より 排 便が始まったが、下 痢 。今 朝 も 変 わらず 。時 折 起こる蠕 動 痛が辛いとい う。よほど蠕動痛が辛いならば、疼痛時頓用薬を服用する手もあると伝えると、お母さ んが、 ﹁この子は下 痢の痛みより も、でなくなる方 が不 安な子なので、これでいいと思いま す。﹂と言った。 現状で様子をみることになった。 訪問開始から六十五日目 ここ二日間排便なし。便秘時の辛い腹部の不快感なし。 ﹁ギュルギュルっていう痛みが無くなったんです﹂と、ミサワさんは言った。 蠕動痛は消失した。 今日、明日中にまとまった排便があれば、良好なコントロールとなるのだが。あまり 神経質にならないでゆったりと待ってほしいと伝えた。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 訪問開始から六十七日目 排便は一日おきにあるという。腸蠕動音亢進。いい調整具合になってきたので、この ままの下剤の量を継続することにした。 昨日病院受診。 ﹁行くのは大変でした。でも今回は外来のベッドを使わせてくれたので楽だった﹂ 病院医師による診察の結果、膀胱膣婁はあるが、排尿できているのでこのまま経過観 察となった。 訪問開始から六十九日目 一昨日から定期的に疼痛時頓用薬を服用している。朝と就寝前に加え、昼過ぎにも服 用しているそうだ。 ﹁楽になりました﹂と患者は言った。 疼痛時頓用薬三回の服用で調子よく一日が過ごせるという。服用直後から寝入ってし まうが、起きた後にはテレビを見たり、トイレに行ったりすることが億劫でなくなった と話していた。眠気についても、入院中に体験した友人との面会中に寝入ってしまうよ うなことはないという。昨日その友達が来てくれたが、寝入ることはなく、 ﹁元気になったじゃない! と喜ばれた﹂と話していた。 訪問開始から七十一日目 疼痛時頓用薬の服用は、朝・昼・就寝前に加え夕に使うこともあった。痛みの出現な く、一日を過ごせるそうだ。ただ、飲んだ直後に﹁カーッと寝入ってしまう﹂ことに変 化はなし。麻薬性鎮痛貼付薬は今晩より増量となった。 ここ数日は有形便があった。出すのに苦労はせずスルッと出る。だいたい二、三日お きの排便になってきたそうだ。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 ﹁これでいいのかなって思っています﹂とミサワさんは言った。﹁薬の増量で、この調子 のいい排便が乱れるのも不安なんです﹂とも言った。 夜間の排尿については、尿取りパッドを大型のものに変えた。尿が背中側に廻り込む ことは変わらないが、パジャマが汚染さることはなく、オムツにすら吸収されないとの こと。 ﹁おしっこの心配をしなくていいので楽﹂と好評である。 訪問開始から七十二日目︵医師同席︶ 何事も﹁案ずるより産むがやすし﹂と考えにくい患者が、麻薬性鎮痛薬の増量とエア マット導入、ともに良い結果を生んで、いつにもまして笑顔が輝いていた。エアマット だけの効果ではないだろうが、仙骨部の床ずれは消失していた。これも患者とお母さん の喜びに繋がっている。父親の床ずれで辛い経験があるからだ。また、車いす用のクッ ションも試供品が二種類到着。いま﹁お試し﹂をしている。それに合わせ、お父さんが 使っていた大型のリクライニングタイプの車いすも室内に置かれていた。 訪問開始から七十四日目 ﹁おととい先生とお会いしたときは本当に良かったんです。でも、あの日の晩、眠れな くて、その後から痛くなりました﹂とミサワさんは言った。 3 昨日も疼痛時頓用薬を二時間おきに 回服用。それぞれ眠気を誘い、﹁カーッと寝 入って﹂しまう。が、起きるとモヤモヤと鈍痛が残っており、次の服用に繋がったそう だ。医師へ確認、就寝前に疼痛時頓用薬を定期服用することになった。 訪問開始から七十六日目 不安なので、前回指示の就寝前に加え、朝昼夕食後にも疼痛時頓用薬を定期的に服用 したそうだ。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 ﹁その方が痛みを感じることがなく、調子よく過ごせました﹂と患者は話していた。 頓用薬として、どうしてもうまいタイミングで服用できず、﹁結局痛くなってお母さ んに怒られる﹂のだそうだ。飲もうか飲むまいか悩んでいるうちに寝入ってしまったり するのが原因とのこと。 訪問開始から七十八日目 今は腰が辛い。ベッドを平らにするほど辛い。痛みと言うよりはジンジンとした痺れ で、それはウェストの周囲にあるという。患者と話しているとお母さんが消炎鎮痛薬ゲ ルを持ってきた。看護師が試しに塗ってみると、 これで解決とは思えないので、引き続き経過を追いたい。 ﹁あァ気持ちいい。あれっ。楽になってきた﹂とミサワさんは言った。 訪問開始から七十九日目︵医師同席︶ 痛みに対し、麻薬性鎮痛貼付薬の増量となった。 訪問開始から八十日目 夫より入電。 ﹁古いシールを貼ったまま一日過ごしてしまったらしいんです。それで、いま眩暈がす ると言っています。どうしたら良いでしょう?﹂ 電話の向こうは、夫、本人、母で騒然としており、いったい何が起こっているのかを 把握するまで時間がかかった。昨日から麻薬性鎮痛貼付薬を張る際に、一昨日の貼付薬 を剥がさずに、新しい分を貼ってしまったらしい。状況を考えて、いま過量の症状が出 てくるとは考えにくい。また、訴えは眩暈である。そのように説明し、様子を見るよう に伝えた。 三十分後に電話で確認。眩暈は落ち着いたそうだ。もし、異常があるならば深夜でも 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 かまわないので再度連絡するよう伝えた。 訪問開始から八十一日目 昨日は朝から胃の調 子が悪く、朝 食はスープだけであった。食 後 、痛みの予 兆があ り、疼痛時頓用薬服用する。昼前まで熟睡した。昼食は普通に摂れたが、その後めまい に悩まされた。就寝前にポータブルトイレで長時間の排泄後、﹁地震と間違うくらいク ラクラした﹂そうだ。麻薬性鎮痛貼付薬の張り替えの時間になって、倍量近く貼られて いたことに気づく。本人、夫ともにパニックになり、電話となったそうだ。昨日までは お母さんと夫が隔日交代で貼っていたので、今後は夫のみの貼り替えにするそうだ。 訪問開始から八十三日目 麻薬性鎮痛貼付薬を増量したが、本人はあまり効果を実感していない。寝返りなどの 体動に関係なく、安静臥床中に背にビリビリした感覚が現れるのが予兆だそうで、その 後、背中が痛みはじめる。これらの痛みで日に4回の疼痛時頓用薬使用になっている。 医師へ報告した。疼痛時頓用薬を増量し、さらに定期的に朝・昼・就寝前の3回の服用 となった。本日昼より開始することにした。 訪問開始から八十五日目 疼痛時頓用薬はなるべく八時間ごとの投与になるように工夫したそうだ。他にケア前 の予防使用あり。今日も訪問入浴の三十分前に服用している。腰の安静時の不意の﹁痺 れ痛い﹂のは我慢しようと思えば我慢できるレベルになったが、発生中は不快で表情が 曇っているのが他人に指摘されなくともわかるという。一方でまったく痛まない時間も あるという。 ﹁もう一回くらい増やした方が気分的に楽かな?﹂というのが、疼痛時頓用薬の定期的 服用の、患者の感想だった。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 ﹁娘が落ち込んでいるとこちらも辛い﹂と、お母さんが言った。﹁いつも明るく見える でしょうが、家族には調子の悪さも気分の落ち込みも見せてくる。そのなかで娘が落ち 込んでいる姿を見るのが一番辛い﹂ 訪問開始から八十六日目︵医師同席︶ 医師診察中は会話も明瞭で、途中で眠気を感じているようなそぶりはない。が、﹁疼 痛時頓用薬を増量して以降、眠気が強くなった印象を受ける﹂とお母さんは話す。薬の 服用時にコップの水をこぼすことは前からあったが、その頻度が多くなったという。 訪問開始から八十八日目 昨日、病院受診のため夫の介助で庭を歩行中に転倒してしまった。花壇の煉瓦に右背 部と太ももを強打した。夫も妻を庇って一緒に転倒し、右手背を負傷した。病院へは救 急搬送となった。多発肋骨骨折と診断された。治療はとくになく、安静のみで、二週間 もすれば痛みは落ち着くだろうと病院医師から言われたそうだ。 本日は骨折部の痛みが強く、本人から陰洗のみの要望。それでも側臥位になるのが容 易なことではない。強い痛みがあり、慎重にゆっくりやっても、顔面を皺くちゃにして 耐えている状態だった。 訪問開始から九十日目 肋骨骨折部は寝返りすら難しいほど痛んでいる。寝返りを打とうとわずかに動かした 途端に左側の脇腹に痛みが走るそうだ。ちょうど﹁つってしまったような感じ﹂になる という。そのため、寝返りの介助を家族に求めて、 ﹁助けてェ!﹂と呼んだかと思うと、﹁痛いから触らないで!﹂になり、家族も対応に 苦慮しているそうだ。 肋骨の痛みから排便時の怒責が中途半端になるそうだ。一日に何回も排便しようとふ 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 んばったが、ガスが出るばかりで排便にはいたらなかったという。結果、本日で三日間 排便がない。本人と相談し浣腸施行。拳一個分ほどの普通便が排泄された。 訪問開始から九十二日目 痛みは肋骨痛が中心。これに加え、同一体位の長時間化による全身の筋肉痛のような だるさや、つりそうな不快を常に感じている。排便、体交、トイレ移動などの日常生活 にも影響している。ポータブルトイレの使用は自立していたが、骨折後は座位からの立 位が痛みのためできず、他人の介助を必要としている。 訪問開始から九十三日目︵医師同席︶ 三日間排便がないとのことで本人から浣腸の依頼あり、施行する。医師より、腫瘍の 増大により、直腸が後方に圧排されていると情報を得る。そのため便はないのに便意が あるように不快に思うことがあると。 訪問開始から九十五日目 ﹁昨日は大変だったんです。背中が痛くて痛くて。でも、横になると眠れるから疼痛時 頓用薬は飲まなかったんです﹂とミサワさんは言った。 昨日は多量に有形便あり。今も便意あり。 ﹁昨日、あんなに出たのに何でうんちしたいんですか?﹂と彼女が質問した。 先日医師から言われたこと︵腫瘍の増大により便はないのに便意があるように不快に 思うことがあること︶を説明すると、 ﹁ややこしい体になって嫌になっちゃう﹂と冗談めいていたが、ショックはあったろう。 ﹁今後、浣腸する際は便の直腸内残留を確認してからにしましょう﹂と伝えた。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 訪問開始から九十七日目 1 疼 痛 時 頓 用 薬 は 回 飲むか飲まないかのペース。痛む部 位は﹁ 背 なか﹂と表 現され る。骨折部の痛みは軽減してきているのか、昨日から頑張れば一人でなんとかポータブ ルトイレに行けるようになったそうだ。 この三日排便なし。 ﹁お腹はギュルギュルしてるんですけど、踏ん張っても出ないんです﹂と言った。 下腹部はポッコリとしている。直腸診をすると便の先 端に触れた。浣腸施行。す ぐ に便 意 を 催したが、便が柔らかいにもかかわら ず 、出 すことができない。摘 便 施 行 す るが、痛みを訴える。自分で出したいとのことで二十分ほど待ったがやはり出し切れな い。そのうちお母さんから、 ﹁痛いの今だけなんだから我慢なさい。わがままばっかり言うんなら、私が摘便やるわ よ﹂と言われてしまい、ミサワさんは堪忍した。 摘便続行したが拳半個分ほどでしかない。 玄関でお母さんにはそっと、腫瘍の増大による下部消化管の通過障害が考えられ、腸 閉塞を起こす可能性があることを告げた。 訪問開始から九十九日目 痛みは改善してきたか? 体動も寝返りや坐位になる時間は短くなってきた。ただ、表 情を確認すると歯を食いしばって耐えている。これまで痛みのため拒否していた全身清 拭を本日になってようやくする気になった。骨折部は優しく拭いたのだが痛がる。 訪問開始から百日目、緊急訪問 夜、お母さんより入電。左胸部下部から側面にかけて苦しいとの訴え。お母さんに対 して、看護師への電話前はとにかく、 ﹁誰でもいいから呼んで!﹂もしくは﹁どうしてお母さんは私の言うこときいてくれな いの?﹂と、パニック状態だったようだ。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 緊急訪問となる。 到着時、血圧、脈拍とも異常なし。痛みではなく、 ﹁苦しくてどうしていいかわからなくなった﹂とミサワさんは言った。 不穏時頓用座薬を使用。一五分ほどでウトウトし始めた。苦しいか問うと、 ﹁大丈夫﹂との返答は得られる。 呼吸も落ち着いてきた。 ﹁危篤﹂と言われ、呼び出されたミサワさんの妹さんが到着した。お母さん、看護師と 三人で会話していても、寝息を立てるようになった。今日もそうだったが、 ﹁ わたしの言 うことにいちいち 楯 突 く ようになってきている ﹂とお母 さんは話してい た。 日中もよく眠っているが、起きると薬を飲んだ、飲まないで口論になる。記録もつけ ており、合っているのはお母さんの方なのだが、本人にはそれが納得できないらしい。 ﹁前はこんなに反抗的ではなかった﹂とお母さんは言った。 お母さん曰く、 ﹁きょう旦 那 が会 議で遅 くなるというメールを 読んでから、困ったことを 言い出した の﹂ ご主人は会 議があると、メールも 携 帯 も一切 出 なくなってしまうらしい。お母 さん に、 ﹁娘さんはご主人を頼りにしている面があるのですか?﹂と問うと、 ﹁それはある﹂という。﹁居ても寝ているだけで何もしないが、娘は安心できるみたい ですよ﹂ 今晩もし同様の事態が起こるならば、再度の呼び出しをしても構わないとお母さんに 伝えた。すると、 ﹁不穏時頓用座薬をお尻から入れればいいんでしょ? 大丈夫よ﹂と心強い。 訪問開始から百一日目︵医師同席︶ 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 うとうととしており、声掛けに笑顔みられる。昨夜のことは覚えていないそうだ。検 査のため右側臥位にするが、痛みはないとのこと。昨日の譫妄の原因把握のため、採血 を予定していたが、家人からも﹁そこまでしなくてもよい﹂とのことから採血は中止。 ご主人から、 ﹁家族には苦しい苦しいと訴え、他人がいるときとまるで違う﹂との言葉が聞かれた。 訪問開始から百二日目 昨日の母による摘便後、本人の自力による排便はなかった。何が辛いか問うと、 ﹁うんち⋮⋮﹂と患者は言った。 今朝になって便意が強くなり、ベッド上でするかしないかで親子で口論になったそう だ。母は看護師到着後に診てもらう方が得策と判断した。 ﹁どうしてお母さんはそうなのよ。うんちでシーツまで汚れたって知らないから!﹂に 対し、﹁すればいいでしょ﹂となったらしい。 2 看護師が到着すると腹部の痛みに対し、本日 回目の疼痛時頓用薬を服用していると ころだった。直腸診をすると軟便に触れた。浣腸しようとすると、軟便が片手いっぱい ほど排出されている。浣腸後さらにもう一杯分の軟便を自力で排泄。それでも便意の消 失はなく、看護師の摘便でさらに一.五杯ほど出て終了する。 昨日あたりから、手がブルブルと、足がガクガクとなることが観察されたそうだ。そ んな時は、服薬時に吸い飲みすら保持できなかったそうだ。これに合わせ、視線が合わ ずキョロキョロするようなこともあり、お母さんは、 ﹁来るものがいよいよ来たか、と覚悟した﹂という。 訪問開始から百三日目 日中に夫より入電。 ﹁筋力の低下が最近あるんです。吸い飲みすら持てずに落としてしまいます。自分とし てはこの症状は下剤を増量してから起こっていると考えているので、下剤を中止しても 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 らえないでしょうか﹂と、夫は言った。 看護師は、 ﹁基本的に筋力低下は廃用症候群によるもので、下剤の副作用とは考えにくいです。ま た下剤を使用しないで、硬い便をすんなりと出せる様な状態ではありませんし、腫瘍と 仙骨に圧排され直腸内腔は狭い状態ですので、便を柔らかくする必要があります﹂と彼 夫は看護師の説明を聞いても納得しなかった。 に伝えた。 緊急訪問 お母さんより入電。夕刻から急に﹁目が見えなくなった!﹂と騒ぎ出したという。ま た、不安な心境からか母に手を握らせ、﹁どこにも行かないで!﹂と強く懇願したとい う。そのうちに、﹁点滴を入れてもらって!﹂と懇願の内容が変わり、電話をしたそう だ。 看護師到着時、﹁来ましたよ﹂と声掛けをしたが、視線は看護師を追っているかどう かはっきりしない。でも、看護師のいる方向へは顔を向ける。﹁聞こえますか?﹂との 質問には頷く。しかし﹁この指、何本に見えますか?﹂の問いには応えない。 ここ二、三日まともには食事も飲水もしてはいない。食事は大さじ一杯程度。飲水も 二口、三口といったところ。母が無理に勧めても泣いて抗議したという。それでも昼の 薬まではなんとか服用させていた。夕の薬はまったく服用できなかった。おそらく﹁脱 水﹂であろうと看護師からお母さんに説明した。ただ、それ以上の説明は避けた。状況 を医師に報告、緊急往診となった。 今日は介助してもポータブルトイレへの移動は難しいほどに足腰が立たない状態だっ た。トイレ上で座位も維持できない。お母さんが、 ﹁オムツになさい﹂と説得すると、泣いて抗議して自分の意思を押し通したそうだ。 そのとき排 尿が少 量あったという。看 護 師 がおむつを 確 認 すると、尿 取 りパットに たっぷりと出ていた。 医師の到着を待っていると、突然患者が股間を抑えて、 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 ﹁痛い。痛いよ。痛みどめ!﹂と、大きな声を上げた。 看護師により疼痛時頓用座薬を使用。その後、落ち着いてきた。 顔面は鬼のような形相になった。看護師はこんな患者は今まで見たことがないが、前 から疼痛時に患者が家族に見せるのはまさにこの表情だそうだ。 医師が到着した。患者も意識状態は改善し、母、夫とともに医師との話し合いに参加 した。点滴を入れることに対し、患者にどういう反応が起こるのか、奏功した場合と逆 効果になる場合を医師が説明。あわせて予後告知がされた。残された時間は一週間から 一か月と予測された。最初はお母さんも夫も点滴を入れるつもりだったが、母の方が早 くに医師の言わんとすることを理解した。しかし、夫はあまりのシビアな内容について 来られない。最終的に患者本人が、 ﹁点滴は、いらない。したくない﹂と意思表示をした。 夫も点滴をしないことを納得したようだ。 ﹁点滴を入れないほうが、楽なこともあるんですね。僕も妻を苦しませるようなことは したくありません⋮⋮﹂と言っていた。 お母さんからも、 ﹁ごめんね、今まで無理ばかり言っていたのはお母さんだもんね。もう﹃食べろ﹄なん て言わないからね。これからは家族みんなでワイワイやって楽しくやろうね﹂と声掛け すると、患者の目から涙が零れ落ちていた。 訪問開始から百四日目 昨晩の看護師訪問後も尿意の訴えあり。家族の説 得にもかかわらず、ミサワさんは ポータブルトイレでの排尿にこだわったそうだ。しかしこのときはいつもと違い、妹二 人と姪っ子も到着していたために移動させることができた。尿はでたが、合わせて血液 もいつもより多く出たという。 意識状態は基本傾眠。ムラがあるとのこと。覚醒良好だと、家族と笑ったりできると いう。夫は仕事で不在だったが、﹃看取りのパンフレット﹄とお母さんに手渡した。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 ﹁みんな読んどくのよ﹂と、ご家族に声掛けしておられた。 訪問開始から百六日目 意識状態は変わらず。覚醒良好のときは冗談が言い合えるという。きのう日中に譫 妄出現。﹁家に帰りたい﹂﹁外に出して﹂などの不穏言動あったそうだ。その時は家族 が、 ﹁ここが家でしょ?﹂と否定してしまったそうだが、妹さんが、 ﹁ここが、あんたと私の生まれた場所よ﹂と言うと、妙に納得していたそうだ。 不穏時頓用薬を使い、本人は寝付いたそうだ。 排 尿 は 連 日 あ り 。本 日 も 今 朝からあり 。多 少 、鮮 血が混じることあ り 。また、﹁ お 水ゥー﹂﹁氷ィー﹂と、水分を希望されることあり。飲ませると多少の飲み込みあり。 本日は夫も仕事を休んでいる。さらに妹さんとお母さんがいる。看護師のケア中も実 に和やかで明るい。ただ、明るく振る舞うお母さんの顔のやつれが気になる。 訪問開始から百七日目︵医師同席︶ 訪問すると﹁これからオムツ交換﹂というところだったので、悪化したという仙骨部 の床ずれを確認するために看護師がオムツ交換をした。仙骨部を中心に発赤を認めた。 しばらくすると徐々に軽減したが、仙骨部の左右に人差し指大の発赤が四か所残った。 軟膏を塗布した。 訪問開始から百九日目 傾眠に変わりはないが、 ﹁頭も洗ってもらおうか?﹂と訊くお母さんに、 ﹁看護師さんは次の訪問があるんだから﹂とミサワさんは返答し、看護師のスケジュー ルを心配してくれた。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 ﹁疼痛時頓用座薬を定期的に3回使えば、この覚醒状況で痛がらないのでいい塩梅だ﹂ とお母さんは話していた。 ただ、不穏時頓用座薬に対しては、 ﹁これ使うと寝入っちゃって、ぜんぜん起きないんですよ﹂と言った。﹁よほど本人が 辛くなければ、使用は見合わせたい﹂とのことなので了承した。 夫は、 ﹁昨日の夜なんか、こっちが寝ようとすると話しかけてくるんですよ。でもね、大変だ けど嬉しくてね﹂と言った。 看護師のケア中も、患者は夫に、 ﹁愛してる?﹂と訊き、夫が胸を張って、 ﹁愛しているよ﹂と答えた。 これくらいの覚醒状態を家族全員が望んでいるとみて間違いなさそうである。 するとすかさず、 ﹁私、愛してない﹂と彼女は答え、家族がワァッと笑う。 ここまで一週間排便なし。今朝から便意の訴えあり。看護師が直腸内を探ると、その 刺激で液状の便が排泄された。さらに摘便を続けると、普通便が掻き出せ、拳半分ほど 排泄できた。さらに貯まっているであろう便を出すには浣腸だが、これがきっかけで血 圧が一気に下がる可能性のあることを家族に説明した。本人の苦痛が増さない限り、浣 腸はせずに摘便にて対応することになった。 訪問開始から百十一日目 早朝から患者は夫に摘便を依頼していたようだが、夫ではできなかった。看護師が施 行する。腫瘍が仙骨方向に圧排を続けているようで直腸内で指の自由がきく空間が狭 い。便を指の腹に乗せて掻き出そうとすると、便を乗せた指の背が腫瘍を圧迫し痛みと なってしまう。ゆえに一塊出すごとにしばしの休憩が必要で時間を要する。結果的に拳 一個分ほどの普通便が排泄された。腸蠕動音は弱くなっている。 夫とエンゼルケアにつき相談した。葬儀社、最期の衣装、遺影などは決まっている。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 エンゼルケアを当方に依頼するかは考えるとのことであった。 訪問開始から百十三日目 昨晩未明に陰部、背部に激痛が発生した。夫が疼痛時頓用座薬を使おうとしたが、本 人が強く拒否した。夫もなす術がなく様子を観察するしかなかった。朝になり痛みがま だあるということで、お母さんにより疼痛時頓用座薬使用したそうだ。本人は未明の顛 末を覚えておらず、なぜ拒薬したかは不明だ。これまで疼痛時頓用座薬使用後に﹁糸が 絡んでる﹂﹁部屋が狭くなる﹂など幻覚を見たという言動があったとお母さんが話して いた。拒薬に対しては、持続皮下注射へ変更する方法もあると説明した、が、患者本人 は、 ﹁針の抜き差しによる痛み、チューブの煩わしさで嫌﹂と言う。 これは家族も同意見だった。当分このままで良いということになった。また、 ﹁ 昨 晩のようなときはま ず 不 穏 時 頓 用 座 薬 を 使ってほしい﹂と言うと、夫 もお母 さん も、 ﹁あの座薬 を使うと本人が深い眠りに落ちてしまいます 。一個 使うと半日以 上効 果が 残っています。今のように妹たちと冗談が言えるようにしておいてあ げたい﹂と言っ 不穏の著しいときには使うが、それ以外では使いたくないとのことであった。 た。 訪問開始から百十四日目︵医師同席︶ 驚いたことに、この日の患者の意識は清明であった。以前の患者にほぼ戻っている。 ﹁うんちがあるような、ないような、感じです﹂とのことで、摘便した。 ﹁明日は洗髪できるといいですね﹂と看護師が声掛けすると ﹁できるかな?﹂と、やや摘便で疲れてしまった様子だった。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 訪問開始から百十五日目 患者の意識は傾眠状態だった。夫は今日まで十日間の介護休暇を取っていたそうだ。 明日からは出勤しなくてはならない。また状態が悪化する可能性は高いが、 ﹁また休みは取れますから﹂と話していた。 彼の明日からの出勤に備え、ケアマネージャーにヘルパーを依頼したようだ。週二回 のヘルパーの介入を希望している。 訪問開始から百十八日目 ミサワさんはそんなに食 欲があるわけではなかったが、家 族がキムチ鍋 を 食べてい ると、においで食べたくなり、豆腐を少々食べた。他にも﹁水分は調子が良い﹂と野菜 ジュースなどから水分が取れている。また、下の妹さんが取り寄せた﹁濃厚シャーベッ ド﹂が患者には好評だったようだ。アイスキャンディーも一、二本は食べている。ただ、 食べ始めたものだから、本人は排便がないことが心配でならない。看護師からわずかの 量なのでそう簡単に便塊は形成されない旨を説明した。 ヘルパー介入が始まり、オムツ交換を主にしてもらっている。ただこれまでのこの家 のやり方から外れ、自己の経験則を優先しているようだ。ケアマネージャーに調整を依 頼する。 今日は久しぶりに洗髪ができた。患者も喜んだが、洗髪中は看護師が疲れないように と気配りを見せてくれた。 訪問開始から百二十日目 フルーツはガーゼに包んで咀嚼させ、その後に捨てる慎重な対応をお母さんはしてき た。ところが夫が昨晩、 ﹁そんなことすると、まずくなるだけですよ﹂と、苺をそのまま食べさせてしまった。 すると、深夜から今朝までに二回の嘔吐となった。看護師より慎重な摂取を勧めた。 ﹁うんちが出たいような感覚でお腹が痛いです﹂と患者は言った。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 腹部膨満はなく、腸蠕動音弱め。摘便すると、わずかに泥状便が排泄された。それで も、本人の﹁すっきり感﹂はある。 訪問開始から百二十一日目︵医師同席︶ 担 当ヘルパーと 時 間 が 重 なり 、会 うことができた。心配 なことはないかを 問 う と、 ﹁私、今日で二回目なので、まだ事情がよくわかりません﹂と彼女は言った。 看護師より現在の状況を伝えた。 訪問開始から百二十三日目 今朝、ミサワさんが、 ﹁脱水だァ! 大変だァ! 点滴するから先生呼んでェ!﹂と訴え、家族を困らせたそう だ。 このときはお母さんが、医師から以前された説明をして納得させた。看護師からも確 かに脱水状態ではあるが、点滴は浮腫発生の危険性もあることを再度説明した。理解し た様子だ。 訪問開始から百二十五日目 患者が傾眠状態となった。瞼を半開させ、眼球は上転している。が、挨拶するとしっ かり開眼する。返事はないが、こちらの話す内容はきちんと理解しているようで、身振 り手振りで答えてくれる。水も含め、今朝から経口摂取はない。排尿はあるが、 ﹁少なくなっています﹂と夫が言った。 8 呼吸も ∼ 秒の呼吸停止を含み不規則な状態である。看護師が見る限り、痰がらみ もなく、呼吸苦もなさそうである。 家族に明らかに全身状態は一段階悪くなっていることを伝えた。本人が苦痛を訴えた り、家族が見て明らかに辛そうなときに頓用薬を使用するように伝えた。 10 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 訪問開始から百二十六日目 夫より入電。 ﹁オムツ交換したが、尿が二回ない状態が続いた。また、まるで痰が絡んでいるかのよ うな呼吸をしている﹂と彼は言った。 看護師より、死前喘鳴と思われること、間もなく呼吸が努力呼吸になるであろうこと を説明し、そうなったら時間の単位であると告げた。夫に取り乱すような言動はなく、 落ち着いている。何か困った事態になったら連絡するように加えた。 訪問開始から百二十七日目 ミサワさんは看護師が声掛けをすると、両手でしっかりと手をにぎり返してくれる。 ﹁ありがとう﹂などの単語の発語がみられるようになった。 身の置き所のなさがケア中にもあり、﹁起こして﹂﹁寝かして﹂﹁枕どかして﹂﹁枕 入れて﹂など、チグハグな訴えばかりだ。このような状態が不穏時頓用薬使用のタイミ ングだと伝えた。しかし、夫は昨晩に使ったがそれほどの効果がなかったらしく、使用 には懐疑的である。効果のないときは繰り返し使用するよう指導した。 最後に玄関で患者の夫、お母さん、妹さんに対し、呼吸状態は亡くなる直前の状態で あり、いずれ呼吸の停止する時間が長くなると思われることを伝えた。 訪問開始から百二十八日目 朝、夫より入電。 ﹁下顎呼吸になりました﹂ ﹁呼吸の停止を確認したら、家族で十分なお別れの時間を取って、連絡はそれからで良 いです﹂と伝えた。 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 昼前、呼吸停止したと家族より連絡があった。医師により死亡確認された。 エンゼルケア 訪問すると、ベッドサイドに夫、お母さん、妹さんの三人が揃っておられた。看護師 に対し、それぞれが深々と頭 を下 げ 、お礼 を言って下さる。夫以 外は目が真っ赤であ る。昨晩深夜、身の置き所が無くなり、本人が辛くて耐えられなくなった。 ﹁覚悟を決めたから深く眠っちゃうやつ︵不穏時頓用座薬︶を使って﹂と、お母さんに 告げた。お母さんもここまでの頑張りを認め、座薬を使用した。落ち着いて、深く眠り だしたそうだ。今朝になって下顎呼吸となり、そのまま呼吸停止した。家族はそれ故に 不穏時頓用座薬が命を縮めたような解釈をしていたが、その座薬はまったく吸収され ず、オムツ内に落ちていた。 洗髪、摘便、創処置、石鹸清拭、エンゼルケアと施行する。詰め物については、家族 で意見が割れたが、最後はもう辛いことをさせたくないという母の意向で、詰め物は一 切しなかった。夫の死化粧の下手さに皆で笑い、にぎやかなケアとなった。死装束は青 の浴衣、その上に赤いドレスをかけるのだという。最後にウィッグを装着し、まるで静 かに眠っているようになった。 夫よりお通夜への参加をお願いされ、参列した。右手に夫、左手にお母さんと妹さん が見えた。遺影は赤いドレスの故人。皆、涙目で目が赤い。眼鏡をかけていたせいもあ るが、お母さんの生気が失せているように感じられた。 亡くなって3か月後、グリーフケア 到着すると、 ﹁百箇日の法要が済んだところです﹂とお母さんが迎えてくれた。 お化粧をされていたが、庭は雑然としており、患者存命中のような手入れはしていな い様子だった。患者が使っていたピアノやエレクトーンも夫の手配で処分の予定だとい う。 ﹁今度は私が看護師さんのお世話にならないように気をつけなきゃ。看護師さんの世話 家で 看取る[五例目]……ミサワ ジュンコさん/54歳 になるということは、大病を患うってことですもんね﹂と、お母さん笑って話してくだ さった。 ၏ཞầᡶớểࠊ╀ࡗ࡚㐣ࡈࡍࡇࡀከࡃ࡞ࡾࡲࡍࠋࡑࡢ╀ࡾࡢ୰࡛⌧ᐇክࡢ ୰ࡢฟ᮶ࡀΰࡌࡾྜ࠸ࡲࡍࠋ୍ࡘࡢࡋ࡚ࠊࡶ࠺ஸࡃ࡞ࡗࡓᐙ᪘࠶ࡓࡶ┠ࡢ๓ ࡛ヰࢆࡋ࡚࠸ࡿࡼ࠺࡞⊂ࡾゝࢆႅࡿࡶ▱ࢀࡲࡏࢇࠋ 㣗ࡢᦤྲྀࡶᴟ➃ᑡ࡞ࡃ࡞ࡾࠊࢺࣞࡶ⾜ࡅ࡞ࡃ࡞ࡾࡲࡍࠋࡶ࠺㌟యࡀᰤ㣴ࡸỈ ศࢆᚲせࡋ࡞ࡃ࡞ࡗࡓࡢ࡛ࡍࠋࡑࢀྜࢃࡏࠊἥࡶῶࡿࡢ࡛ࡍࠋᒀࢆὀព῝ࡃほᐹ ࡍࡿࠊⰍࡀ⃰ࡃ࡞ࡗ࡚࠸ࡿࡇẼ࡙ࡃࡶࡋࢀࡲࡏࢇࠋ ࠕ┳ྲྀࡾࡢࣃࣥࣇࣞࢵࢺࠖ ࡇࢀࡽࡢ≧ࡀ⌧ࢀࡓࡽࠊヰࡏ࡞ࡃ࡞ࡿࡀ㏆࡙࠸࡚࠸ࡲࡍࠋ࠸ࡓ࠸ேࡣࢃࡏ ࡚࠶ࡆࡲࡋࡻ࠺ࠋࡲࡓࠊࡈᮏேࡢṚࡢㄆ㆑ࡀࡣࡗࡁࡾࡋ࡚࠸ࡿ࡞ࡽࡤࠊ᭱ᮇࡢ⾰ࡸ 㑇ᙳࡢࢆ┦ㄯࡍࡿⰋ࠸࡛ࡋࡻ࠺ࠋ ᐙ᪘ࡢ᪑❧ࡕࢆ┳ྲྀࡿ᪉ࠎ രỉૠଐЭỆễỦểࠊேࡼࡗ࡚ࡣ୍ⓗㄪᏊࢆྲྀࡾᡠࡍࡇࡶ࠶ࡾࡲࡍࠋ ୍᪉࡛㌟ࡢ⨨ࡁᡤࡀ࡞ࡃ࡞ࡾࠊ㟼ᶓ࡞ࡗ࡚࠸ࡽࢀ࡞ࡃ࡞ࡿࡇࡶከࡃぢࡽࢀࡲࡍࠋ ࡇࢇ࡞ࠊࡈᐙ᪘ࡣಙࡌࡽࢀ࡞࠸ゝືࡀ࠶ࡿࡶࡋࢀࡲࡏࢇࠋ࡛ࡶࠊࡇࢀࡣࡈᮏேࡢ Ẽࡀ࠾ࡋࡃ࡞ࡗࡓࡢ࡛ࡣ࡞࠸ࡢ࡛ࡍࠋ࠺ࡒࠊࡈᐙ᪘ࡣࡈᮏேࡢゝືࢆྰᐃࡏࡎࠊ⫯ ᐃⓗ㛵ࢃࡗ࡚ୗࡉ࠸ࠋ ࠾ࡽࢀࡇۻヰࡍࡿ㐣⛬ࡣಶேᕪࡀࡁࡃࠊᚲࡎ㉳ࡇࡿࡇ࡛ࡣ࠶ࡾ ᡭ㊊ࡀ⣸Ⰽ࡞ࡗ࡚ࡁࡲࡍࠋయࡢୗࡋ࡚࠸ࡿ㒊ࡣᩬⅬࡀ⌧ࢀࡲࡍࠋ┠ࡀ㛤࠸ࡓ 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