04 メカトロニクス 主査 市川 修 先生 (職業能力開発総合大学校) Mechatronics 機械・電子・情報工学を融合した新たな技術。 「メカトロニクス」は、機械工学(メカニクス)、電子工学(エレクトロニ クス) 、情報工学、制御工学などから成る新しい技術分野です。センサ、モ ータ、空気圧回路、制御装置、制御プログラムなどを用いて、機械システム を自在に電子制御します。現代の生産工場では、メカトロニクス技術を応用 した自動化や生産管理により、危険性の高い作業現場の無人化、製品の高度 な品質管理、多品種 少量生産などを実現 しています。メカト 魅 力 総合的な知識と技術 チームの知と技で、 信頼される自動生産設備を作る。 力を駆使して自動生 メカトロニクスは、機械・電子・情 産設備の設計、構築、 報工学の幅広い知識が必要で、チー プログラミング、保 ムワークが大切な職種です。知識と 守などを行い、高度 技能と知恵を総動員しながら互いに 化・複雑化する生産 協力して自動生産設備を作り、設備 設備を確実に稼動さ の保守や改善を行います。製品の生 ロニクス技術者は、 第51回技能五輪 競技風景 第51回技能五輪 競技課題例 せることに貢献して 産と品質管理、生産効率向上のため います。 の重要な役割を担うことができます。 競 技 の ポ イ ン ト 生産現場を想定し、知と技とチームワークを競う。 競技で使用する FA モデルは、工 様書通りワークが搬送されるように 場の自動生産設備を模擬した装置で 制御プログラムを作成します。競技 す。様々なセンサからの情報をもと 2 日目の第 2 課題では、正常に動作 に空気圧シリンダ、ベルトコンベア しない状態の生産設備を診断し、故 などの機器を自動制御し、製品に相 障箇所を特定して修理・調整すると 当する直径 4cm のワークを搬送し ともに修理報告書をパソコンで作成 ます。生産現場での作業を想定し、 します。第 3 課題では、生産設備の 工場管理の総合技術として、 期待が高まる。 1 チーム 2 名の選手が連携して装置 機能を維持・向上するための保全作 自動生産設備は、生産工程を単に の設計、組み立て、調整、プログラ 業として、部品交換や設備変更によ 自動化するだけではなく、製品の品 ミングや保守を行い、作業の速さと る設備改善作業を行います。 質、生産量、生産コスト、納期など 将 来 性 正確さを競います。 の管理に役立つため、様々な分野の 競技は合計 7 時間、模擬生 工場で必要性が高まっています。メ 産設備の構成や動作仕様を含 カトロニクス技術者は、総合的な知 む全ての課題は、当日公表さ 識と技能で高度化、高機能化する生 れます。競技 1 日目の第 1 課 産設備の設計・製作・保守を行い、 題では、生産設備に追加する 工場内の自動生産と生産管理に貢献 機械装置を組み立て、電気回 するとともに、生産技術の発展を担 路や空気圧回路を製作し、仕 っています。 The 52th National Skills Competition 23
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