軟部組織損傷 サブノート

軟部組織損傷
サブノート
2015 年度版
監修:オガワル
♪ 軟部組織損傷 サブノート ♪
≪頭部・顔面
【外傷性顎関節損傷(顎関節捻挫)】
【頭部,顔面部打撲】
軟部組織損傷≫
*柔整理論 p139~140 参照
【顎関節症】
『定 義』:慢性疾患
・疼 痛
・関節雑音
・関節障害もしくは顎運動異常
*これらの 3 主要症状のうち少なくともひとつあれば顎関節症
『分 類』
Ⅰ 型:咀嚼筋障害
*咬頭嵌合位…上顎と下顎が最も多くの部位で接触し,安定した状態にあるときの顎位
Ⅱ 型:関節包・靭帯障害
・慢性外傷性病変
Ⅲ 型:顎関節内障(関節円板の障害)
《Ⅲa 型》・・・『相反性クリック
』
・開口時と閉口時に関節円板による雑音
がきかれる
《Ⅲb 型》・・・『クローズドロック
』
・関節円板が前方に転位し,開口できなくなる
・クリック(雑音)を認めなくなる
Ⅳ 型:変形性顎関節症
Ⅴ 型:精神的因子によるもの
≪胸部
軟部組織損傷≫
≪脊椎
軟部組織損傷≫
【胸肋関節損傷】
【肋間筋損傷】
【胸部・背部打撲傷】
*教科書 p151~153 参照
【むちうち損傷】
・交通事故などにおける,急激な頸椎の過伸展 → 過屈曲による障害
・主な症状:頸部痛,頭痛,頸椎の運動障害など
『分 類』
1.頸椎捻挫
型
・むちうち損傷の軽度のもので,約 80%
を占める
・「寝違え」の症状に似るが,斜角筋症候群がみられることもある
2.根症状型
・神経根の圧迫による
・分節性の感覚異常,深部反射の減弱,筋力低下,椎間孔圧迫検査陽性など
3.頸部交感神経症候群(バレ・リーウー
症状)型
・後頭部痛,めまい,耳鳴などの症状
・椎骨動脈周囲の交感神経
の過緊張が原因と考えられている
4.混合型
5.脊髄症状型
・症状は下肢よりも上肢に著明
・高齢者では,中心性頸髄損傷がみられることもある
(6).低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)
【副神経麻痺】
・胸鎖乳突筋・僧帽筋(上・中部)
*後頸三角(外側頸三角)↓
胸鎖乳突筋,僧帽筋,鎖骨で構成
【長胸神経麻痺】
・前鋸筋
・翼状肩甲
・壁つきテスト
*重いリュックサックやスポーツにより神経が牽引され発症する
♪ 軟部組織損傷 サブノート ♪
【椎間板ヘルニア】
*椎間板組織が後方線維輪を破って脱出し,脊髄や神経根を圧迫する
『頸椎椎間板ヘルニア』
・好発年齢:30~50歳の男性に多い
・好発部位:C5~C6間 → C6~C7間 → C4~C5間 の順
・主な症状:肩こり,頸部痛,肩甲部・背部の疼痛,不快感など
・テスト法:スパーリングテスト.ジャクソンテスト
*神経根症(末梢神経障害)と脊髄症(中枢神経障害)の鑑別*
神経根症
感
上
肢
脊髄症
主に片側性
主に両側性
放散痛,しびれ感,感覚鈍麻など
放散痛,しびれ感,感覚鈍麻など
覚
下肢・体幹
運
正
常
感覚異常(胸部以下,広範)
限局性の脱力や筋萎縮
上
肢
下
肢
正
常
深部腱反射
減
弱
正
常
巧緻運動障害
(食事・更衣・書文)
動
膀
胱
歩行障害
(つまずきやすい,速歩困難)
亢
進
頻尿・排尿困難
注) 中枢神経障害の場合,障害されている脊髄髄節支配域では
弛緩性麻痺,深部腱反射減弱がみられる
【重要ポイント】
・中枢神経(上位運動ニューロン)障害では,痙性麻痺,深部腱反射亢進
・末梢神経(下位運動ニューロン)障害では,弛緩性麻痺,深部腱反射減弱