2014年度オープンセミナー開催報告

知的財産人材育成推進協議会主催 2014 年度オープンセミナー
「ビジネスモデルデザイナーとしての知財活用人財」
開 催 概
要
■日時:
第1 回
2014 年 10 月 14 日(火)19:00~20:50
第2 回
2014 年 11 月 11 日(火)19:00~20:50
第3 回
2014 年 12 月 2 日(火)19:00~20:50
■会場:コンファレンススクエア エムプラス
■参加者:354 名(全3回計)
第1回
142 名
第2回
126 名
第3回
86 名
■内容:
急速に変わる世界の産業構造の中で、ビジネスモデルとそれを支えるべき知財マネジメ
ントも大きく変容し、多様化を加速しています。そのような産業内部環境の激変に対応し、
かつそれを打開していくためには、自社にとって優位なビジネスモデルと知財マネジメン
トをデザインできる人財が求められています。
本セミナーでは、そのような今求められる知的財産人材像を示すとともに、最先端の知
的財産人材育成の方法について紹介し、時代に即した知的財産人材の育成に資するために
全3回にわたり各分野から講師陣をお迎えし、今後求められる知的財産人財像やその育成
プランについての講演の後、ゲストとモデレータがディスカッションを行いました。
第 1 回:『知財活用モデルのイノベーション
~産業生態系、ビジネスモデル、知財マネジメントの変容と多様化~』
<スピーカー>
特定非営利活動法人 産学連携推進機構 理事長
妹尾 堅一郎 氏
<概要>
産業生態系が加速度的に変化している現在において、
ビジネスモデルも多様化しており、それを支える知財マ
ネジメントも変化してきている。そのような中、どのよ
うな人財が求められるのかという内容であった。
産業生態系は円(モノ)から線(ネットワーク)
へと価値が動き(モノの所有からサービスの使用)
、
モノがサービス武装し、サービスがモノ武装する時
代となり、レイヤー内の競争からレイヤー間の競争
へ変化している中で、産業競争力強化の戦略の方針
や、それをデザインするために必要とされる「事業
軍師」と呼ばれる人財について、また「事業軍師」
を育てるためには、何が必要かについて説明された。
第 2 回:『三菱電機の進めるグローバルビジネスと知財戦略』
<ゲスト>
三菱電機(株)常務執行役、元内閣官房知的財産戦略推進事務局長
<モデレータ>
特定非営利活動法人 産学連携推進機構 理事長 妹尾
<概要>
知財をどのように活用してビジネスを行っていくか
という観点で、行政・民間両方でのご経験に基づいての
話であった。世界が抱える社会問題に対して、どのよう
に三菱電機が取り組んでいるのか、また三菱電機の組織
体制や成長戦略の考え方に触れながら、国際標準化につ
いての取り組みや、知財・標準化をいかにビジネスへ適
用し、企業価値を最大化するかという戦略、また知財行
堅一郎 氏
近藤 賢二 氏
政を取り巻く状況について説明があった。
失敗を恐れずに研究開発を行っていくことが大事
といった話や、自前主義ではなく産学官が連携して
共同研究・開発等を行い、技術開発力を強化するオ
ープン&グローバルイノベーションの推進が大切と
の話であった。
第 3 回:『社会価値創造型企業への変革がもたらすもの
~グローバル社会ソリューション事業を支える知財人材像~』
<ゲスト>
日本電気株式会社(NEC)執行役員 江村 克己 氏
<モデレータ>
特定非営利活動法人 産学連携推進機構 理事長 妹尾
堅一郎 氏
<概要>
NEC がものづくりを行うメーカーからサービス事
業を行う社会価値創造企業へ変革し、日本だけでなく
国際社会のニーズに沿ったソリューション事業を行
っているという話であった。
人が生きる、豊かに生きる未来に向かって「安全」
「安心」
「効率」
「公平」という価値が実現された社会
を目指し、NEC がどのようにソリューション事業を
行っていくかというビジョンについても紹介された。
ものづくりを行うメーカーからサービス事業を行
う社会価値創造企業へ変革していく中では、
「グロー
バルに考え行動できる」人材や、コミュニケーショ
ン力を持ち、様々なニーズを汲み取れ、産業生態系
の動向を見つめられる、複眼思考を持つ人材が重要
との話であった。
(以上)