FX戦略デイリーの続きを読む

FX 戦略デイリー
2015/04/13
シニア・ストラテジスト
山本 雅文
米中の重要指標待ち
昨日までの世界:円が全面高に
先週金曜は、ドルが対円以外ではほぼ全面高となったことから、円は対ドルも含めて全面高となったの
が特徴的だった。
ドル/円相場は、連動性が高い米 2 年債利回りの上昇にも拘らず、120 円台半ばから一時 120 円割れ
寸前まで軟化した。3 月 FOMC を受けて 118 円台へ下落した後の反発基調は維持されているが、強い
上昇トレンド再開には至っていない。
Fed 高官発言ではタカ派がタカ派の、ハト派がハト派の発言をしたが、いずれも想定通りでサプライズ
はなく市場の反応も見られなかった。タカ派の Lacker リッチモンド連銀総裁(投票権あり)は 3 月 FOMC
当時 6 月利上げにかなりの支持があり、引き続き 6 月利上げに強い正当性があり、利上げ後に利下げ
することも可能とし、最近の弱い経済指標は一時的と考える十分な理由があると述べた。他方、最もハ
ト派の Kocherlakota ミネアポリス連銀総裁(投票権なし)は 2016 年下期まで利上げ開始を待つべき、と
した。
ユーロは、特段新規材料がない中で、欧州時間入り後に下落し、対ドルで 1.06 ドル台後半から一時
1.0567 ドルへ、対円ではドル/円の軟調もあって 128 円台半ばから一時 127.16 円へ大幅に下落した。
豪ドルは、7 日の RBA 利下げ見送り以降堅調が続いていたが、豪住宅ローンの予想比下振れ(前月比
+1.2%、市場予想+3.0%)以降は反落基調となり、全般的な米ドル高もあって対米ドルで 0.77 ドル丁度
近辺から一時 0.763.5 ドルへ、対円でも 92 円台後半から一時 91.92 円へ下落した。
カナダドルは、原油価格の小幅上昇に加えて、カナダ 3 月雇用統計で雇用者数が+2.87 万人と市場予
想(ゼロ)を大きく上回ったことから、円と並んで対米ドルで上昇した数少ない通貨の一つとなった。但し、
発表前にカナダドルが売られていたことから、カナダドル/円相場は前日引けの水準である 95.80 円近
辺と比べると 95 円台半ばへ小幅下落して引けている。
-1Copyright (C) 2015 Monex, Inc. All rights reserved.
FX 戦略デイリー
きょうの高慢な偏見:米中の重要統計待ち
今週の経済指標カレンダーはこちら
今週は火曜の米小売売上高や水曜の中国 GDP が焦点である中で、本日は比較的材料が少ないこと
から新たな動きは出そうになく、ドル/円は 120 円台での横ばい、ユーロ/ドルは下落基調が続きそうだ。
2 年金利差との関係をみると、ドル/円は再拡大しつつある金利差に下支えされている一方、ユーロ/ド
ルはドイツ 2 年金利がこれ以上下がりにくくなっている中で、2 年金利差が示唆する以上に下落してい
る。
週末 12 日の統一地方選では、与野党が対立している北海道と大分の知事選で、いずれも自民が支持
する候補が勝利したことから、アベノミクス追認との認識から株高下支えに繋がり、また統一地方選後
の追加緩和の可能性が(野党勝利の場合よりも)若干高まることから、ドル/円にも下支え材料となる
可能性がある。
中国では 3 月分貿易統計が発表されるが、1-3 月期の計数は旧正月の関係で非常に振れ易く、かつ
極端な前月計数(輸出:前年比+48.3%、輸入:前年比-20.5%)からの反動も予想されることから、中国
景気との関係が強い豪ドルなども反応しにくいだろう。
米日2年金利差とドル/円
130
独米2年金利差とユーロ/ドル
%ポイント
円/ドル
0.75
ドル/円
125
1.45
0.80
115
0.60
1.30
0.55
1.25
0.40
1.15
0.35
1.10
‐0.5
‐0.7
‐0.8
‐0.9
ユーロ安
0.30
1.05
0.25
100
14年1月
‐0.4
1.20
0.45
105
‐0.3
‐0.6
0.50
110
‐0.1
1.35
0.65
120
0.20
14年4月
14年7月
14年10月
15年1月
0.0
‐0.2
0.70
米日2年金利差
%ポイント
米ドル/ユーロ
1.40
1.00
14年1月
15年4月
(出所)Thomson Reutersデータを基にマネックス証券作成
EUR/USD
‐1.0
欧米2年金利差
‐1.1
‐1.2
14年4月
14年7月
14年10月
15年1月
(出所)Thomson Reutersデータを基にマネックス証券作成
-2Copyright (C) 2015 Monex, Inc. All rights reserved.
15年4月
FX 戦略デイリー
主要通貨の対円相場(前日比%)
主要通貨の対ドル相場(前日比%)
+0.4
+0.0
円安
ドル安
対ドル
‐0.2
+0.2
‐0.4
+0.0
‐0.6
‐0.2
‐0.8
‐0.4
‐1.0
‐0.6
円高
対円
ドル高
‐1.2
‐0.8
USD EUR GBP CHF AUD NZD CAD ZAR TRY BRL SGD HKD
JPY EUR GBP CHF AUD NZD CAD ZAR TRY BRL SGD HKD
(出所)Thomson Reutersデータを基にマネックス証券作成
(出所)Thomson Reutersデータを基にマネックス証券作成
主要国の中長期債利回り(前日差%ポイント)
2年
主要株価・商品価格(前日比%)
10年
+2.5
+0.03
+0.03
+2.0
+0.02
+0.02
+1.5
+0.01
+1.0
+0.01
+0.5
+0.00
‐0.01
+0.0
‐0.01
‐0.5
‐0.02
米株
USD
EUR
GBP
CHF
AUD
NZD
CAD
欧株
英株
中株 香港株 日株
WTI
ブレント
金
CRB
JPY
(出所)Thomson Reutersデータを基にマネックス証券作成
(出所)Thomson Reutersデータを基にマネックス証券作成
・当社は、本レポートの内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものでは
ございません。
・記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、
勧誘するものではございません。
・過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
・提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
・当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございませ
ん。
・投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
・本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転
用・複製・配布することはできません。
マネックス証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第165号
加入協会:日本証券業協会、(社)金融先物取引業協会
-3Copyright (C) 2015 Monex, Inc. All rights reserved.