Ⅳ 最近の家計消費の特徴(二人以上の世帯)

Ⅳ 最近の家計消費の特徴(二人以上の世帯)
2015年は,7月から8月中旬にかけては猛暑となったが,8月後半から9月にかけては低温と
なった。また,9月は局地的な豪雨に見舞われたほか,12月は記録的な高温となるなど天候不順
が生じた一年であった。
また,米ドル/円の為替レートが年間を通じて1ドル=120円付近で推移し,2002年以来,約13
年ぶりの円安水準となった。本章では,2015年における主な品目別の動きについて見てみる。
1 食料品
(1) 生鮮魚介
生鮮魚介は,年間を通して価格が高く推移し,さんまなどの不漁による価格上昇の影響な
どもみられた。その結果,生鮮魚介の支出金額の実質増減を四半期別にみると,2015年1∼
3月期及び4∼6月期は,前年同期に比べ実質減少となった。7∼9月期は,前年同期に比
べ実質0.1%の増加となり,2013年4∼6月期以来,9期ぶりの増加となったが,10∼12月
期は再び前年同期に比べ実質減少となった。
(図Ⅳ−1−1)
図Ⅳ−1−1 生鮮魚介の四半期別支出金額の対前年同期実質増減率の推移(二人以上の世帯)
(%)
6
3
0.1
0
-0.6
-3
-2.6
-6
-9
-5.8
-8.2
-8.1
-9.9
-10.9
-12
-15
Ⅰ
2014年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
2015年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
(注) 1 Ⅰは1∼3月期,Ⅱは4∼6月期,Ⅲは7∼9月期,Ⅳは10∼12月期を表す。
2 生鮮魚介の増減率の実質化には,消費者物価指数(生鮮魚介)を用いた。
43
(2) 生鮮野菜
生鮮野菜の支出金額の実質増減率を四半期別にみると,2015年4∼6月期は,日照時間不
足などによる価格上昇の影響もあり,前年同期に比べ実質4.3%の減少と,1∼3月期より
減少幅が拡大した。10∼12月期は,局地的な豪雨による価格上昇の影響などもあり,前年同
期に比べ実質3.9%の減少と,7∼9月期より減少幅が拡大した。
(図Ⅳ−1−2)
図Ⅳ−1−2 生鮮野菜の四半期別支出金額の対前年同期実質増減率の推移
(二人以上の世帯)
(%)
6
4.6
4
2
1.1
0
-1.3
-2
-2.2
-2.7
-4
-3.9
-4.3
-5.2
-6
Ⅰ
2014年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
2015年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
(注) 1 Ⅰは1∼3月期,Ⅱは4∼6月期,Ⅲは7∼9月期,Ⅳは10∼12月期を表す。
2 生鮮野菜の増減率の実質化には,消費者物価指数(生鮮野菜)を用いた。
(3) バター
バターの支出金額の実質増減率を四半期別にみると,2015年1∼3月期は,生乳の生産量
の減少などで,全国的に店頭の在庫が品薄になるとともに価格が高く推移した影響もあり,
実質18.9%の減少となった。
(図Ⅳ−1−3)
図Ⅳ−1−3 バターの四半期別支出金額の対前年同期実質増減率の推移(二人以上の世帯)
(%)
20
15
11.9
10
5.2
5.0
5
2.3
0
-1.5
-5
-10
-8.6
-12.8
-15
-18.9
-20
Ⅰ
2014年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
2015年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
(注) 1 Ⅰは1∼3月期,Ⅱは4∼6月期,Ⅲは7∼9月期,Ⅳは10∼12月期を表す。
2 バターの増減率の実質化には,消費者物価指数(バター)を用いた。
44
2 耐久財
(1) エアコンディショナ
エアコンディショナの支出金額の実質増減率を四半期別にみると,2015年7∼9月期は,
7月から8月にかけての猛暑の影響で前年同期に比べ実質45.8%の増加となり,2014年1∼
3月期以来,6期ぶりの実質増加となった。
(図Ⅳ−2−1)
(%)
図Ⅳ−2−1 エアコンディショナの四半期別支出金額の
対前年同期実質増減率の推移(二人以上の世帯)
150
137.6
100
45.8
50
0
-11.0
-50
-5.6
-8.0
-13.3
-36.1
-46.5
-100
Ⅰ
2014年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
2015年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
(注) 1 Ⅰは1∼3月期,Ⅱは4∼6月期,Ⅲは7∼9月期,Ⅳは10∼12月期を表す。
2 エアコンディショナの増減率の実質化には,消費者物価指数(ルームエアコン)を用いた。
(2) パーソナルコンピュータ
パーソナルコンピュータの支出金額の実質増減率を四半期別にみると,消費税率引上げに
伴う駆け込み需要の反動や,2014年4月のWindows XPのサポート終了に伴う買替え需要の反
動とみられる影響が続いていることもあり,
2015年10∼12月期まで6期連続の減少となった。
(図Ⅳ−2−2)
(%)
60
図Ⅳ−2−2 パーソナルコンピュータの四半期別支出金額の
対前年同期実質増減率の推移(二人以上の世帯)
54.7
40
24.5
20
0
-11.2
-20
-11.1
-14.1
-20.5
-23.7
-40
-55.0
-60
Ⅰ
2014年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
2015年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
(注) 1 Ⅰは1∼3月期,Ⅱは4∼6月期,Ⅲは7∼9月期,Ⅳは10∼12月期を表す。
2 パーソナルコンピュータの増減率の実質化には,消費者物価指数(パソコン(デスクトップ型)
,
パソコン(ノート型)及びプリンタの加重平均)を用いた。
45
(3) 自動車購入
自動車購入の支出金額の実質増減率を四半期別にみると,2015年1∼3月期は,消費税率
引上げに伴う駆け込み需要の反動もあり,前年同期に比べ実質24.6%の減少となった。また,
2015年4月に軽自動車税の引上げがあった影響もあり,
7∼9月期以降は減少が続いている。
(図Ⅳ−2−3)
図Ⅳ−2−3 自動車購入の四半期別支出金額の
_対前年同期実質増減率の推移(二人以上の世帯)
(%)
25
19.0
20
15
9.5
10
7.1
5.6
5
0
-5
-10
-9.0
-15
-20
-20.2
-25
-23.5
-24.6
-30
Ⅰ
2014年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
2015年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
(注) 1 Ⅰは1∼3月期,Ⅱは4∼6月期,Ⅲは7∼9月期,Ⅳは10∼12月期を表す。
2 自動車購入の増減率の実質化には,消費者物価指数(自動車)を用いた。
3 その他の財
(1) 洋服
洋服の支出金額の実質増減率を四半期別にみると,2015年1∼3月期は,消費税率引上げ
に伴う駆け込み需要の反動もあり,前年同期に比べ実質7.7%の減少となった。7∼9月期
は,前年同期に比べ実質2.9%の増加となったものの,10∼12月期は,気温が高めに推移す
るなどの天候要因もあり,実質12.3%の減少となった。
(図Ⅳ−3−1)
図Ⅳ−3−1 洋服の四半期別支出金額の対前年同期実質増減率の推移(二人以上の世帯)
(%)
15
10
7.7
5
2.9
0
-0.2
-5
-3.5
-4.4
-6.5
-7.7
-10
-12.3
-15
Ⅰ
2014年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
2015年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
(注) 1 Ⅰは1∼3月期,Ⅱは4∼6月期,Ⅲは7∼9月期,Ⅳは10∼12月期を表す。
2 洋服の増減率の実質化には,消費者物価指数(洋服)を用いた。
46
(2) ガソリン
ガソリンの支出金額の実質増減率を四半期別にみると,2015年1∼3月期は,前年同期に
比べ実質6.8%の減少となり,2014年4∼6月期以降4期連続の実質減少となった。2015年4
∼6月期及び7∼9月期は,世界的な原油安に伴うガソリン価格の下落の影響もあり,2期
連続の実質増加となったものの,10∼12月期は再び実質減少となった。
(図Ⅳ−3−2)
図Ⅳ−3−2 ガソリンの四半期別支出金額の対前年同期実質増減率の推移(二人以上の世帯)
(%)
4
2
1.8
1.1
0.1
0
-2
-3.3
-4
-6
-5.7
-6.8
-8
-8.4
-8.1
Ⅱ
Ⅲ
-10
Ⅰ
2014年
Ⅳ
Ⅰ
2015年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
(注) 1 Ⅰは1∼3月期,Ⅱは4∼6月期,Ⅲは7∼9月期,Ⅳは10∼12月期を表す。
2 ガソリンの増減率の実質化には,消費者物価指数(ガソリン)を用いた。
4 サービス
(1) 移動電話通信料
移動電話通信料の支出金額の実質増減率を四半期別にみると,2014年に続き,2015年は4
四半期全てで前年同期に比べ実質増加となった。
(図Ⅳ−4−1)
図Ⅳ−4−1 移動電話通信料の四半期別支出金額の
対前年同期実質増減率の推移(二人以上の世帯)
(%)
12
10
8
9.6
9.2
6.9
7.1
5.5
6
4.2
4
2.8
2
2.1
0
-2
-4
-6
Ⅰ
2014年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
2015年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
(注) 1 Ⅰは1∼3月期,Ⅱは4∼6月期,Ⅲは7∼9月期,Ⅳは10∼12月期を表す。
2 移動電話通信料の増減率の実質化には,消費者物価指数(携帯電話通信料)を用いた。
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(2) 外国パック旅行費
外国パック旅行費の支出金額の実質増減率を四半期別にみると,米ドル/円の為替レート
が,2015年6月に2002年以来約13年ぶりの円安水準注3を記録するなど,前年に比べ円安基調
で推移した影響もあり,2015年は4四半期全てで前年同期に比べ実質減少となった。
(図Ⅳ−4−2)
図Ⅳ−4−2 外国パック旅行費の四半期別支出金額の
対前年同期実質増減率の推移(二人以上の世帯)
(%)
20
12.2
10
0
-1.7
-10
-6.6
-8.1
-14.1
-20
-30
-30.5
-31.2
-40
-43.6
-50
Ⅰ
2014年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
2015年
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
(注) 1 Ⅰは1∼3月期,Ⅱは4∼6月期,Ⅲは7∼9月期,Ⅳは10∼12月期を表す。
2 外国パック旅行費の増減率の実質化には,消費者物価指数(外国パック旅行)を用いた。
3 6月5日に,一時1ドル=125円80銭台となった。
48